人って当たり前に感じていることが本当に幸せだと感じるには、一度当たり前じゃない環境に入る必要があるのかもしれません。
そうすると幸せを改めて感じることができる。だから当たり前の毎日こそ本当に大切にすべきなんだと気づくのかもしれませんね。毎日嫌々行っている職場でも一度何かの理由で離れてみると、価値観も変わるかもしれません。
腰痛、膝痛、股関節痛。身体の痛みによって仕事ができず休職せざるを得ない方もいますが、そんな方とのセッションで職場復帰をする上で最も大事にしなければいけないことを感じました。
クライアントさんとどのように向き合うのか。今日は職場復帰を目指している方に向けてお伝えしていきたいと思います。
痛みを抱え休職してしまうということ
大人になれば仕事をして、生活するために稼ぐ必要があります。そんな当たり前のことがもし痛みによってできなくなればどういう気持ちになるでしょうか。
「不安になる」「先が見えなくなる」「怖い」実際経験していなくても、こんな気持ちになるのではないかと想像はできますが、おそらくこれらの言葉だけでは語れないことを抱えているのかもしれません。
腰痛を改善するには、そもそもの原因をみつけることだといつもお伝えしていますが、身体の構造的なことや、姿勢・動作そういった表面的なことだけではなく、もっと見えない部分を見ていく必要もあると感じています。
痛みが原因で休職し、どこへ行っても改善しない。先が見えない恐怖感や不安。それが原因で痛みはさらに増す可能性すらあります。こういう方の場合、問題は気持ちをどのように前を向かせ、痛みと向き合うか、そういう考え方に触れる必要もあるのだと現場を通じても感じます。
常に感じることですが、トレーナーという立場である自分はもっとクライアントさんに耳を傾ける必要があるし、質問の質を上げる必要があります。クライアントさんの口から語られない本心の部分を理解し、それを踏まえてセッションに臨むことで良い結果につながると信じています。
いかにクライアントさんの背景を理解するか。痛みの改善とこの部分は大いに関係があります。
痛みは脳が感じている
包丁で切った。こけて擦りむいた。傷がつくことで痛みを感じることは容易に想像できますが、紙で指を切っているのを気づかないうちは痛みがなく、気づくと急に痛みだす。こんな経験をした方も多いと思いますが、痛みはどこかが感じているのか?それは脳です。
TMS(緊張性筋炎症候群)という症状がありますが、これは脳の思い込みによって身体に痛みを感じるというもの。
小学生の頃、学校をズル休みしたいからお腹の痛いふりをしていると、本当に痛くなってきたなんてよくある話ですが、この症状はこれに似ています。
現実に嫌気がさしたり、人間関係に悩んでいたりすれば逃避反応として身体に痛みを感じさせる。そうすると、脳で悩むことが主体ではなく、「痛い」という感覚的なところに意識がいき、人間関係について常に悩むことがなくなります。
人間が感じている痛みは脳が感じているという風に考えると、もし日頃のストレスが原因で痛みが出ているのであれば改善策は見えてきます。
痛みを改善するために、クライアントさん自身が前向きに痛みと向き合うこと、自分でも改善しようと思うことは本当に大事なことです。それは、痛みに対して脳が前向きでないと改善しづらいからです。
これを理解していただくと、これまでの痛みの改善とは別の取り組みを行っていくことで改善ができるかもしれません。
痛みを改善する上で最も大事なことは、諦めないこと
結局精神論?と思われる方もいるかもしれません。ただ、現場で感じることは前向きな程、痛みの改善ができたり、身体が変わっていくように思います。
逆に諦めていると治るものも治らない。
でも痛みと心は離れているようで、関係深いものです。ここを理解することで痛みを改善することにつながります。だからこそトレーナーの言葉、接し方一つで痛みも改善する、しないに分かれてしまう。
休職中の方に知っていただきたいのは、痛みが改善する日が来ると信じて毎日過ごしてほしいということです。もちろんただ思っているだけでは難しいと思いますが、なぜ痛みを感じているのか、どうすれば痛みが少しマシになるのか。
それを感じながら毎日を過ごしていただき、「昨日よりも少しマシだ。」というのを積み重ねることです。そうすれば自然と自信を取り戻せたり、「もしかして治るかも」という希望が出てきます。
一番感じていただきたいのは、この希望を持つことです。先に立つものがあれば人は前向きになれますが、どうしても前に何もなくなれば生きる気力さえ失います。
痛みを改善するためには、痛みと向き合うこと。そして、今の自分と向き合い、歩みを進め続けることだと思います。
まとめ
痛みのない立場の人間に言われると腹立たしいこともあるかもしれません。ですが、それでも伝えたいことは自分の脳と痛みは関係しているということです。
休職をしていれば前を向くことができないかもしれません。ただ、僕も高校卒業して板前を辞めてからは路頭に迷った時期もあります。働くのが嫌になったり、社会が怖くなった時期もありました。
そんな自分が変われたのは、いろんな方の支えが合って自分の考え方を変えることができたからだと思います。
痛みで悩んでいる方は、筋肉を緩めたり、循環を良くすることと同時に、こういった脳のこと、自分と向き合うことも痛みの改善につながるということが今日の記事の中で届いていればうれしく思います。
今日の内容が少しでも改善のきっかけになればうれしく思います。
今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。