
美容や健康のためには水分量の確保が必要です。というのは、いろんなところで耳にしますが、それをそのまま実践するともしかすると身体にマイナスの影響を及ぼすことがあるかもしれません。
この時期、汗をよくかきのども乾くと思いますが、出た分に対して取り込むことはいいと思いますが、摂りすぎには注意が必要です。
先日ダイエットについて相談されたときのことです。
「ここ数年食べる量は人並みなのに、体重がどんどん増えるけどどうやったらダイエットできますか?」
という質問でした。食事の内容を聞くと、人並みかもしくはそれよりも少ないぐらいの食事しか食べていませんでした。話を聞いていくとすぐにその理由がわかりましたが、その原因は水太りでした。
女性の方は、いろんな機会に水分のことを聞くかもしれませんが、今日はこの水分のとりすぎについて書いていきたいと思います。水分のとりすぎは低体温になる可能性もあります。
こちらの記事も参考にしていただければと思います。
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Contents
水分のとりすぎはどこから?1日2リットルという目安
まず、水分量の目安としてよく言われているのが1日2リットルという数値です。これはなぜ、2リットルという数値が言われるのでしょうか?よくモデルさんが1日の水分量を公表していたり、女優さんなども紹介していたりしますが、実際はどのくらいの水分量が適切なのでしょうか?
女優さんやモデルは1日4リットル摂っている人もいるぐらいです。
この答えは人によって異なると思いますが、正解かどうかというよりも運動後には体内の水分量が低下しますし、入浴後もそうです。ですが、冬の寒い日などにじっと過ごしているときはわけが違います。
本来は、2リットルという数値を基準にするというよりも、個人によって変化をさせることが重要だと思います。
参考になることとして、腎臓の機能があります。腎臓は体内の水分量を処理する機能も持っていますが、この腎臓で処理できる水分量は2リットル前後と言われており、2リットル以上入ると腎臓が処理しきれなくなるそうです。
体内の水分量が多くなると血液量が増し、より血液の流れを早くする必要が出てきます。そのため、交感神経が刺激され、血圧が上がる可能性があります。
交感神経が優位になることで低体温になる可能性があります。
腎臓の機能から見れば2リットルという目安がつくれ、必ず2リットル必要だということではなく、それぞれのむくみ感などから量を判断するのもひとつの方法だと思います。
体内の水分量が増えることで柔軟性が低下する?
以前、クライアントさんとのセッションでこのようなことがありました。
初めてパーソナルに来られたときに、身体の硬さに悩まれていてひどいだるさと疲労感があったそうです。そのためはじめは身体調整や柔軟性を向上させることなどをしていましたが、いまいち改善がみられずにいました。
そんなときに毎日の食事や水分量をお聞きしたところ、1日4リットル近くも水分を摂っており、この日を境に徐々に1日の水分の摂取量を減らし始めて、慣れてきたころに断食をしたりし、さらに水分量を減らしていきました。
結果的に1ヶ月で-3kg体重は落ち、以前から感じていた疲労感なども緩和されていきました。
一番の変化は身体が動かしやすくなったことや、柔らかくなったことでした。これは、体内の水分量が多いことで可動域が制限され、水分量が減ったことによって身体の柔軟性が向上したり、動かしやすさが出てきました。
水分量が少なすぎる方が水分量を十分確保することは健康や美容にプラスになることもありますが、水分量が元々十分摂取できているのにさらに水分量をとりすぎるとこのようなことも起こるということです。
このようなことからも水分量は多ければいいということではないことが理解できるように思います。
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水分のとりすぎはどのように減らせばいいのか?
ここまでの内容で、もしかすると水分量が多すぎたかも・・・と思っている方もいるかもしれませんが、そのような方はどのように体内の水分量を減らせばいいのでしょうか?
これはみなさんもご存知かもしれませんが、このような方法で汗として出すことが考えられます。
- お風呂や半身浴
- サウナや岩盤浴
- サウナスーツを着て運動
というように汗をかくことができればいいということになります。
水膨れのような状態の方であればこれだけで体重は減ると思います。実際にクライアントさんも体重が減りましたが、これがダイエットと混同してしまうとまた違いますので、ご注意ください。
あくまで水分を体外へ出す方法ですので、汗をかくためにはこれらがいいのではないでしょうか。もしくはそもそも水分の摂取量を減らすことです。
少なくみつもりやすい水分量
ここまで1日の水分摂取量の目安やどのように水分量を減らすのかなどをお伝えしていきましたが、現場で多くの方が驚かれることがあります。
それは、ご自身が摂っている水分量を客観的に見ると、ご自身が思っている以上の水分を摂っていることです。
だいたいみなさんは1日1.5~2リットルぐらいの水分を摂っている感覚でいますが、上記で出てきたクライアントさんもセッション前に「1日どのくらいの水分を摂られていますか?」と確認すると「1日2リットルも摂ってないかな?」とおっしゃっていました。
実際には4リットルも摂っていて、ご本人も驚かれていましたが、この思い込みをなくす必要があります。
そこでみなさんにもご確認していただけるように1日の水分量を確認していきたいと思います。水分はすべて含みますので、コーヒーや紅茶、味噌汁などの汁物のおかずもカウントします。
思い返しながら計算してみてください。
- 朝起きて出勤までの時間
- 通勤中
- 会社到着後~お昼ご飯までの間
- お昼ご飯中
- お昼ご飯後~仕事終わりまで
- 帰宅途中
- 帰宅後~夜食まで
- 夜食中
- 夜食後~入浴まで
- 入浴後~就寝まで
この中でお水やお茶、水分はどのくらい摂っているでしょうか?クライアントさんの場合、このようになっていました。
※コップ1杯200mlで計算
- 朝起きて出勤までの時間・・・水2杯、味噌汁1杯
- 通勤中・・・なし
- 会社到着後~お昼ご飯までの間・・・コーヒー2杯
- お昼ご飯中・・・味噌汁1杯
- お昼ご飯後~仕事終わりまで・・・コーヒー2杯、水1杯
- 帰宅途中・・・500mlの水を少し
- 帰宅後~夜食まで・・・なし
- 夜食中・・・500mlの水の残り
- 夜食後~入浴まで・・・500mlの缶ビール2本
- 入浴後~就寝まで・・・コップ3杯
このような内容で、これをほぼ毎日続けられていたそうです。これだけ飲まれていても発汗する機会がなく、それだけ身体の中に溜まっていました。
そのためこの水分を出すことで体重も減るだろうし、身体も柔らかくなると考えメニューを作成していきました。
水分を出すために行ったこと
実際にこのクライアントさんとは、このような内容のメニューを行っていきました。
サーキットトレーニング
セッション中に行ったことは、サーキットトレーニングのようなメニューでとにかく身体を動かし続け、冷房を消した中で行っていきました。
このようなエクササイズを行った後、その場でジャンプを30秒し、再度エクササイズに移るということを1時間続けていきました。
できるだけ身体を動かす習慣をつける
セッション中に限らず、家でも冷房をかける時間もあってもいいですが、汗出しの時間を作る感覚で冷房を止め、掃除をしたり、またランニングなどをしていただき汗を出す習慣をつけていただきました。
汗を出した後は身体も軽くなり、すっきりするとのことで、身体を動かす習慣はスムーズにつけることができました。
水分摂取量を減らす
そもそもの問題ですが、この方の場合は1日に4リットルも水分を摂取していたことが問題でしたが、週に3回程度にお酒を減らす、意識的に水分を減らすようにしていきました。
これも行って感じたことですが、これだけの水分量を摂っていてものどが渇くことがあったそうですが、水分量を減らしていくと逆にのどが渇かなくなっていったそうです。
このようなことをすることで、身体もどんどんしぼんでいき結果的に1ヶ月で3kg、3ヶ月で7kgのダイエットに成功しました。
疲労感も軽減し、身体も細くなっていきました。
水分を摂ると美容に良いなどと言われることも多くありますが、水分摂取量は個人によって異なります。それを踏まえた上で摂取量を決定しないと、美容のために行っていることが身体にとってはマイナスになってしまうこともあります。
そのあたりが伝わればうれしく思います。
まとめ
いかがでしたでしょうか。水分の摂り過ぎは低体温の原因となり、低体温になると身体の機能も低下し、代謝が下がってしまいます。またむくみの原因でもありますし、身体のだるさ、疲労感、柔軟性の低下などさまざまな影響が身体に出てしまいます。
運動などして水分が体外に出るともちろん水分摂取量も自然と増えると思いますが、運動のあまりしない方や一般の方であれば2リットル以下に抑えるのが賢明かもしれません。
理由もなくただ水分量を増やすのは一度冷静に考えた方がいいかもしれません。
またこれも現場で感じることですが、脚を引き締めたい、脚を細くしたいという方の多くは脚がむくんでいます。このむくみを改善することで脚が細くなることもあります。
健康という視点から見ても、シェイプアップという点でも水分量を適切にするということは非常に大切なことのように思います。
では最後に今日のまとめを書いていきたいと思います。
- 理由もなく水を1日3・4リットル摂取するのは身体にはマイナスになる可能性がある
- 体内の水分量が多すぎると、低体温や身体のだるさにつながる
- 腎臓は約2リットルしか水分を処理できない
- 体内の水分量が過多になると可動域が狭くなる
- 多すぎる水分量は汗を出す形で体外に排出する
このような内容でお送りしました。水を飲むだけではなく日頃から適度な運動をすることや、誰かと楽しい時間を過ごしてストレスを解消するなども美容や健康のためには必要なことです。
ひとつの方法にとらわれすぎず、極端にならないようにすることも大切かもしれません。
今日の内容が参考になればうれしく思います。