
電車に乗ると気になるのが当たり前のようになってしまっている、若者が座り、高齢者が立つという逆転現象。決まりはありませんが、人としての気配りとして“普通”のことができなくなっているなと感じます。
みんながみんなそうではありませんし、「どうぞ!」と席を変わる学生もいますし、そういう姿を見るとほっこりした気持ちにもなります。そういうことが当たり前になる優しい社会になってほしいなとも思います。
ただ優しさに欠ける社会だと思っていても、街の至る所には相手への気配りや不便さを改善しみんなが快適に過ごせるようにさまざまな細工が施されています。
バリアフリーもそのひとつであり、車椅子に乗っている方にとっては数センチほどの高さの段差は苦労を強いられるものだとも聞きます。そういった不便さをできるだけなくし、快適に生活ができように社会全体が変わってきていますが、ただそれ故に“優しさ”が“甘やかし”に変わってしまっている側面もあります。
今日はそんな現代社会と代謝の関係について書いていきたいと思います。筋肉をつける=代謝が上がる。そうやって筋トレに励む方も少し違う見方をすると、考え方が変わると思います。
静物化している人間を、動物へ。それが代謝を上げるヒントになります。では、早速まいりましょう。
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Contents
代謝が下がり肥満が増えた理由
昔に比べカロリー摂取量は低下しているはずなのに、肥満が増えたというデータがあります。
このようなデータからただ単に食べ過ぎているということだけが肥満増加の理由にはならないということがわかります。なぜ肥満は増え続けているのでしょうか?
社会全体の変化
その理由にまず、社会全体の変化をあげることができると思います。それは、冒頭でも話したように、バリアフリー化が進み、優しい街になったが故の反動であると思います。
昔の生活は、洗濯は川で手洗い、電動自転車もなく、遠くの町でも歩いて行っていました。現代はほとんどが自動化され、掃除でさえも自動でできる時代になり、買い物もパソコンのボタンひとつですべて配達してくれるようになりました。
便利で快適な生活を送れるようになった一方、健康という側面からはあまりよくない影響を受けているというのは事実です。
社会全体が便利になり、快適を求めすぎ、すべての面で簡易化が進んでいるためその弊害として肥満者が増えているということも考えられます。
そして、仕事内容もIT関係の仕事が急速な発展を遂げ、雇用も増加し続けています。良いことではありますが、動かない仕事の増加という点から見ると健康的ではない環境が増えたという見方もできます。
こういった社会全体の変化によって、人間は動物から静物化し、それが肥満増加の原因でもあります。
食事の変化
次にあげられるのが食事の変化です。ファーストフードやお菓子、昔では考えられない食べ物が食卓に並ぶようになりました。
ファーストフード店も増え続けていましたが、現在健康志向が高まり、ファーストフード店も苦戦を強いられています。
日本の食事とは、米、味噌汁、魚、納豆などが代表的ですが、これらは噛むことで甘みが増したり、硬いものもあるため咀嚼の回数が自然と増えます。現代の食事は、柔らかいものが多くなり、飲み込むような食生活をするため満腹中枢が刺激されにくく、食べ過ぎる傾向にあります。
数値自体は細かく記載していませんが、動物性脂質が圧倒的に増えているのがわかります。
大きな物体が体内に入ると消化に時間がかかり、処理しきれずに脂肪として蓄えられるということも考えられます。
1回の食事での咀嚼の回数はこれだけ違うといわれています。
- 現代人:約600回
- 古代人:約4000回
噛まないことも肥満の増加の理由のひとつですし、噛まなくて済む柔らかい食物を食べることも肥満の原因になります。
代謝が下がり肥満が増加する理由は、動かなくなり、食べ物が柔らかく噛まなくても済むようになり、そして食べ過ぎるということが原因と考えられます。
一般的に言われる代謝を上げる方法
動物から静物へと変化した現代人が、代謝を上げる方法として選択するのが、筋肉をつけるということです。筋肉は適切な刺激を受けると約2~3ヶ月ほどで筋肉がつくといわれています。
この適切な刺激というのは、10回前後、もしくは高回数であっても限界まで追い込むことで筋肉がつくとされています。この刺激というのはきつく、ハードではありますが、週に2回の刺激を加えることで筋肉はつきます。
筋肉がつくと代謝が上がるため、痩せやすくなるといわれますが、この刺激というのは実践した方ならおわかりだと思いますが、実践するのはまあまあ大変です。
そのため続かない方が多くなり、途中でフェードアウトしてしまうということも起こり得ます。ただ、一般的にはこのように鍛えて代謝を上げるということがいわれています。
筋肉を緩めて代謝を上げる
できるだけ楽して代謝をあげたいと思っている方もいるかもしれませんが、ここではある意味それが実現できるということかもしれません。
なぜ代謝が下がるのか?というところから、その理由は『静物化が進み動かなくなっているから』ということをお伝えしてきました。では、なぜ動かなくなると代謝が下がるのでしょうか?
その理由は、身体を動かさないと筋肉は硬くなり委縮し細くなっていきます。代謝は筋肉量とも関係しているため、筋肉が落ちると代謝は下がってしまいます。
また筋肉が硬くなると循環が悪くなり、循環が悪くなると体内の栄養素や酸素はうまく取り込まれず、体内の機能も低下してしまいます。そうなるとここでも代謝が下がるということが考えられ、筋肉量から見ても、機能面から見ても、両面から代謝が下がるということになります。
筋肉を緩めることで筋肉は適度な弾力を取り戻し、循環が改善され、酸素なども取り込まれます。そうなると体内の機能面でも改善が見られ、代謝が上がるということが考えられます。
こう考えると緩めることで代謝は上がるということになります。
“鍛える”ではなく“緩める”理由
もう少し具体的に“鍛える”ことと“緩める”ことの違いを見ていきたいと思いますが、結論から言えばどちらでも代謝は上がるということです。ただ、時間がかかるのか、ある意味即効性があるのかという違いもあるため、ここでは少し掘り下げてみていくことにします。
代謝が下がってしまう原因が、動かないことによって筋肉が硬くなり、委縮する。そして循環が悪くなって・・・となれば、ここで鍛えることはどうかということになります。
というのは、筋肉を鍛えるということは、大きな刺激を加えることになり、筋肉を硬くすることにもなります。確かに筋肉がつけば代謝が上がりますが、筋肉が硬い方に鍛えるということをするとさらに筋肉が硬くなる可能性があります。
そうなると代謝は下がるということも考えられます。このような場合、筋肉を緩めることで代謝は上がりますし、筋肉を緩めることであればそこまで時間がかからないという利点もあります。
こういう理由から“鍛える”ではなく“緩める”ことを選択することもできるのではないでしょうか。
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主婦と仕事をしている人の共通点
次は、現代の生活から身体の状態についてみていきたいと思います。大きくわけて主婦と仕事をしている人。
両者には共通点があり、その共通点から日頃するべきことが見えてくるように思います。
主婦の場合
お子さんがいれば、朝ご飯の用意や洗濯など忙しい幕開けとなると思います。洗濯、掃除、送迎・・・。つかの間の休息時間にはスマホやタブレット、テレビにゴロゴロ。
自分も子供がいますし、奥さんからもいろいろ話を聞きますが、大変だということは重々承知です。ただ、昔の生活からするとこの生活はとても便利で、動いていないと指摘をもらいそうな生活です。
主婦の場合、身体の中ではこのようなことが起こっていると考えられます。
- 身体を動かさない
- 筋肉は委縮し、小さくなる
- 身体が硬くなり、動きにくくなる
- 動かすと痛くなる
- さらに動かなくなる・・・。
このような悪循環に陥ってしまうと、代謝が下がり肥満に近づいてしますと思います。では仕事をしている人ではどんなことが起こっているのでしょうか?
仕事をしている人の場合
事務仕事やパソコン作業が増えてくると、座った状態で何かをすることになります。このような状況では、ただ目の前の仕事をこなすことに必死になり、たまに回ってくるお菓子に一瞬の喜びと幸せを感じながら、また仕事を集中してこなします。
そうすると、頭を前に突き出し、背中を丸めるように時間が経過していきます。
一見動きがないので、主婦と同じような状態では?と思われるかもしれませんが、この崩れた姿勢をとっているときは、筋肉は常に働いています。この動きのない状態で筋肉が力を発揮している状態をアイソメトリックといいます。
主婦の場合と違い、仕事をしている人の身体ではこのようなことが起こっています。
- 座業中心で静物化
- 姿勢が崩れ、その姿勢を固定化している
- アイソメトリックな刺激を受け、筋肉は活動し続けている
- 筋肉が硬くなる
- 動かすと痛い
筋肉は使いすぎると細くなり、使わなさすぎると委縮します。どちらも筋肉は小さくなる可能性があり、両者に共通するのは筋肉が硬くなるということです。
このように考えると、筋肉が硬くなった状態に負荷抵抗を加えるとどうなるのでしょうか。またどんな効果があるのでしょうか。そう考えると緩めることが適切だということが見えてくると思います。
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両者に必要なこと
実際に両者に必要なことは筋肉を緩めることですが、筋肉を緩めるとどうなるのかを見ていきたいと思います。
- 筋肉が硬い
- 身体を動かして筋肉を緩める
- 筋肉の収縮⇔弛緩=ポンプ作用
- 循環が良くなり、代謝が上がる
- 筋肉が膨らみ弾力性が出てくる
- 柔軟性が上がる
- 脂肪層も循環しやすくなる
- シェイプアップされる
筋肉を緩めることでこのような変化がもたらされることになり、身体も引き締まっていきます。
筋肉を緩める=ストレッチではない
では、具体的に筋肉を緩めるためにはどのようなことをすればいいのでしょうか。
おそらく思い浮かびやすいのは、ストレッチだと思います。ストレッチとは一般的には筋肉を緩めるために行われていますが、意外と難しく、ただやっているだけであまり筋肉が緩んでいない可能性があります。
というのは、伸ばす程度や時間などが難しく、痛いところまで伸ばしてしまうと筋肉は緊張してしまう可能性があります。
筋肉を緩めるためにはさまざまな対象物があり、方法があります。
- 筋肉に揺らぎを与える
- 呼吸運動
- 皮膚
- 筋膜
- 腱紡錘
これらに適切な刺激を加えることで筋肉は緩んでいきます。
また、これらだけではなくみなさんに日頃していただきたいのは、筋トレではなく体操のような適度に身体を動かすようなエクササイズです。これらは、動きの中で筋肉を緩めることができ、毎日することで柔らかい筋肉を維持することができますので、代謝も向上した状態を維持しやすくなります。
鍛えることよりも、緩める体操を継続していただければと思います。
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まとめ
いかがでしたでしょうか。今日の内容はパーソナルのセッションでもしており、クライアントさんからも以前と今の違いに驚かれます。
結果も伴っているため以前はなんだったの?(怒)と冗談で言われることもありますが、シェイプアップにしても、こういった代謝を上げることもその本人の身体の状態を見て適切な刺激が加えられると、それに見合った効果を感じることができます。
今日の話の中で、代謝を上げるためには鍛えること、緩めること、どちらでも代謝を上げることができますが、時と場合によってどうすればいいのか、どちらが適切なのか、それを見極めることである意味楽に効果を出すことができます。
ただ、健康を維持するためにもまずは毎日簡単にできそうな体操を継続していただくと身体もある程度の変化が出てくると思います。
毎日適度に動く習慣をつけていきたいですね。
では最後に今日のまとめを書いていきたいと思います。
- 昔に比べて摂取カロリーは減っているが、肥満者は増えている
- バリアフリーは必要であるか、過剰になると不健康につながる
- 咀嚼を増やすことで満腹中枢が刺激され、食べる量が減る
- 体内の循環が悪くなると代謝が下がる
- 筋肉をつけると代謝は上がるが、筋肉を緩めることでも代謝は上がる
- 鍛えると約2ヶ月で効果を感じ、緩めると即効性があり効果は早く出る
- 健康やシェイプアップのためにも筋肉を柔らかく維持すること
このような内容でお送りしていきました。
今日の内容が少しでも参考になればうれしく思います。
今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。