
「相手打者に近いところでボールを離すと打ちにくい。だから前でボールを離せ」そんなアドバイスをすると肘を痛める可能性があります。
前でボールを離そうとすると肘が伸びきってしまい、その繰り返しで肘が炎症を起こしてしまい投げられなくなります。
アドバイスには十分注意がしたいところですが、今日は肘を痛める理由をもっと具体的に見ていきたいと思います。
こちらの記事も参考にしていただければと思います。
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投球時、肘は完全には伸びきらない
投球時、肘は伸びきっているように見えますが、肘は伸びきっていません。
リリースを迎え、ボールが手から離れた後、肘は軽く曲がり回内し、肩は内旋しフォロースルーを迎え、減速します。
そのためスムーズな動作ができていると肘を痛めることはありません。ですが、前でボールを離せというアドバイスを受けると、実際にボールを前でボールを離そうとします。
すると、キャッチャー方向にパンチをするような動きとなり、肩の後方が引っ張られたり、肘が伸びきってしまいます。
この動作では上腕骨と前腕の骨とがぶつかり合い、繰り返しぶつかることで炎症が起こり肘を痛めてしまいます。
具体的に投球動作を見ていきます
画像を使ってもっと具体的に肘を痛めてしまう原因について見ていきたいと思いますが、ボールを前で離そうとすると、肩の後方も痛める可能性があります。
それと合わせて見ていきたいと思います。
スムーズな動作ができるとこのように肘が伸びきる局面もありませんし、肩の後方が伸ばされる局面もありません。
ですが、前でボールを離せというアドバイスを受けるとこのような動作になります。
本来は身体の方へ腕は巻き込まれていきますが、前に引っ張られるように動いていきます。
すると肘は伸びきり、肩の後方は引っ張られてしまいます。
肩の後方は、引っ張られるように刺激を受けるためエキセントリックな刺激を受けます。このような動作は筋肉に対して大きなストレスとなるため、このような動作を繰り返すことで筋肉に炎症が起き、肩の後ろも痛めてしまうということになります。
スムーズな動作を獲得するには?
肩肘を痛めないようにするためには、スムーズな動作をすることです。
では、スムーズな動作をするためには、どのように身体を使えばいいのでしょうか?
これについては、動画で説明していますので、こちらを参考になればうれしく思います。
まとめ
アドバイスというのは、愛情を持っているからこそ多く伝えてしまったりすることがあります。アドバイスの量が多くなればそれだけ理解することが難しくなり、頭で考えすぎるとそれが原因で動きが硬くなってしまうこともあります。
また、今回のケースでは選手はある意味言われた動作ができていますので、アドバイスをする側の責任です。肘を痛くしてやるとは当然考えていなくても、知らず知らず伝えているアドバイスは結果的に肩肘を痛めてしまう原因になっている可能性もあります。
それだけデリケートなものですし、指導する側は身体のことを理解し、指導することで選手もより良くなっていきます。
指導する側は言葉一つ慎重に選びながらアドバイスを送っていきたいですね。
今日の内容が少しでも参考になればうれしく思います。
今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。