
小学校からしていた野球はいつまでたっても好きで、野球に関わる仕事ができていることは、本当に幸せだとつくづく思います。
動作を学んだり、コンディショニングについて学んでいる内に現役のときに知っておきたかったという気持ちはすごく強くなりますが、学んでいることがどこかの選手の役に立てることが今の役割だと思っています。
今日はそんな野球に関する投げ方についてまとめていきたいと思います。
こちらの記事も参考にしていただければと思います。
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投球動作を整理してみました
投球動作は、非常に複雑に感じますが、今日はシンプルにまとめていきます。
基本の考えとしては、3つの局面に分けて考えることでよりわかりやすくなると思います。
その3つの局面というのは・・・
- 立つ
- 前に(体重移動)
- 投げる
になります。
このように考えることで整理しやすく、実践しやすくなると思います。では、これをもう少し砕きながら細かく見ていきましょう。
立つについて
投げる動作の最初の動作になりますが、セットから投げる際に右投げであれば右脚が軸足になり、一度体重を乗せてから、踵でプレートを押すようにキャッチャー方向へ体重移動をしていきます。
この軸足に体重を乗せる動作で、コントロールの良し悪しが決まってしまったり、きちんと軸足に体重が乗れなかった場合、力のないボールを投げることになってしまいます。
投手の場合、投球の約60%が下半身から力を得るとされており、その重要性はこの数値からも理解できます。
軸足に体重を乗せるとき、どのように立てばいいのでしょうか?体重支持については、三点支持・フラット着地と言われるベタ足状態で立ちますが、この際によくあることが、プレートの前に穴を掘っていることがあります。
これは、つま先を突っ込むような形で立つことになり、軸足に体重を乗せたとき不安定になり、つま先に体重が乗るので、踏み込んだ際にインステップになったり、バランスを崩してしまう原因となります。
プレート前の穴は埋めておくほうが足場の安定が得られ、下半身の力をより使うことができますし、コントロールも乱れにくくなります。
軸足に体重を乗せたときの注意点
軸足に体重を乗せ、体重移動に移っていきますが、この際に位置エネルギーを得ることで、その後の投球により力を加えることができます。この軸足で立ったとき、小趾側に体重が流れてしまう選手がいますが、このように小趾側に体重が流れることでエネルギーの方向が上方向に向いてしまいます。
そのままキャッチャー方向に踏み込んでいっても、ボールが高めに浮いてしまったり、一度上方向に向いてしまったエネルギーの方向は下方向に向けることは難しく、腕でコントロールするような形になり、ストライク付近にボールが投げられたとしても、腕でコントロールするような形になり、力のないボールしかいきません。
大切なことは、軸足の足裏全体で体重を支持することです。
そのためには踵で立つという感覚を得ることが重要で、体重移動の際にプレートを押すのも、この踵でプレートをより押すことで勢いをつけることもできます。まずは、踵で立つという感覚を得ることが投球には大切になります。
前に(体重移動)
続いては体重移動についてですが、どのように体重移動をしていけばいいのでしょうか?
よくプレートを蹴れ、などと言われますが、実際にプレートを蹴ることは難しいと思います。というのは、蹴るという感覚よりも、踵でプレートを押すほうが前方への力が得られます。このように押す感覚の方が自然であり、投球に活きてきます。
体重移動をする際に、方向を決めるために何か目安を作ると自然に前方へ移動しやすくなります。
これは選手の一番意識しやすい場所でいいと思いますが、その意識する場所の例がこちらです。
- グローブを出す
- 肘を出す
- 肩から出す
- 骨盤(腰)を出していく
これらのどこでもいいので、一番意識しやすい場所を先導するように、前方移動をします。
これらに意識をするメリットとしては、腕に意識を向けていませんので、無駄な緊張がなく、スムーズに腕を振ることができるため、自然な動きがしやすくなります。
方向性を決めるためにも、上記のどこかに意識を向け、キャッチャー方向にまっすぐに運んでいくと、ステップもインステップなどにならず、まっすぐ踏み出すことができるようになります。
アームパスについて
前方への体重移動とともにアームパスが行われます。このときによく言われることですが、『腕を内側に捻れ』や、『胸を張れ』ということが言われますが、意識的にこのような動作を行うと緊張してしまい、スムーズな動作ができません。
こういう意識を持たなくても、リラックスしておけば自然にこのような動作になります。無理にこのような動作をせずに、リラックスして投げることをすれば、それが一番スムーズに動けるコツになります。
投げるについて
リリース時に一番自然とされる腕の角度が、0ポジションといわれる位置で、前方に45度、外転45度の位置が肩のすべての筋肉が動員される位置とされています。すべての筋肉が動員されるため、局部への負担が少なく、肩を痛めるリスクの少ない位置にもなります。
サイドスローやアンダースローのような場合も、頭部と肩の位置関係は変わらず、このときに何が変わるのかといえば、上体の傾きの角度が変わることによって投法が変わることになります。
ですので、基本的には投法は関係なくこの0ポジションで投げることが求められます。
ボールをリリースする際によくボールを切れ、ということが言われていますが、スローでリリースの瞬間を見ると、指でボールを切るように離れていくのではなく、指で押し出すようにボールが離れていくようになっています。
ということは、ボールを切るよなイメージではなく、実際は押し出すイメージの方が適切となります。また切るイメージを持ったとしても、リリースの瞬間は数秒もなく、0.何秒という短い時間しかなく、切るように意識したとしてもボールを切ることはできないようです。
腕の動きについて
リリースの瞬間を見ると、手の平がキャッチャーに対して正面を向いており、イメージとしてはリリース直前から手の平は正面を向いた状態で出てきているように感じますが、投球時の腕の動きは、カーブを投げるように頭の後ろに腕が落ちた後、チョップをするように腕が出てきます。
そして、リリースの瞬間に手の平が正面を向き、そのすぐ後に腕は内旋され、身体に巻き付くようにフォロースルーを迎えます。この投球動作の中で肘が完全伸展することはありません。
肘を痛める原因として、投球動作中に肘が完全伸展し、関節面がぶつかりその結果痛みが出ます。このように自然な動作ができていれば肩や肘が痛むこともありません。
肩肘が痛む原因は、野球選手が肩・肘を痛めない投げ方と痛みの原因について を参考にしてみてください。
まとめ
今日の記事については、自分の復習を兼ねて書かせていただきましたので、そこを知りたい!というところが抜けているかもしれませんが、そういうところも今後お伝えしていきたいと思います。
最後にまとめて今日の記事を終わりたいと思います。
- 投球動作は、立つ→前に→投げる、とシンプルに考える
- フラットに立てるようにプレート前は平らにしておく
- プレートは蹴るのではなく、踵で押すイメージを持つ
- 体重を前方へ移動させる際、肩や肘など4つのポイントのどこかを先導させる
- リリースポイントは0ポジション
- 投球動作の中では肘が完全伸展する局面はない
- フォロースルーは、腕が身体に巻き付くように迎える
先日も、野球選手から肘が痛いと相談があり、いろんな場所で診てもらったが改善しなかったそうですが、一番の原因は投げ方に問題があり、上記のように、投げ方を伝えていくと楽に投げられるようになり、痛みも改善されるということがありました。
少しでも痛みがなく、野球に集中できるように痛みのない野球生活を送っていただいたり、身体の使い方を覚えて気持ち良く投げられる選手が増えていくとうれしいですね。
今日の記事が参考になれば幸いです。
今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。