梅雨明けも間近に迫り、日に日に夏らしい天気になってきていますが、高校野球も各地で甲子園予選が始まっています。甲子園を夢見て白球を追いかけていた頃が懐かしく思います。
高校野球をしているときは、チームで1・2の脚の速さで相手チームにも厄介者として扱ってもらい、自分の役目を認識していましたが、社会人になった今、50m6.2秒というのは陸上選手からすると遅い記録だと知り、すごくショックを受けました。
それでもこの記録は、走り方を学ぶ前の記録ですので今はもっと・・・。そんな自分への期待はありますが、100mなどの短距離の場合、コンマ数秒の記録の違いが勝敗を分けます。
ほんの少しでも今の記録よりもタイムを縮めたい。そう思っている方も多いと思いますが、今日はそんな方に向けてストライドを伸ばす練習方法についてお伝えしていきたいと思います。
こちらの記事も参考にしていただければと思います。
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Contents
速さとスピードの違いについて
ランニングやスプリントなどスピードを高めることを目的にする場合、どのようにすればスピードは向上するのでしょうか?言い方を変えれば、どうやったら速く走ることができるのでしょうか?
まず、“スピード(speed)”という言葉を理解していきたいと思いますが、一般的には速さを示す言葉として使われることが多いのですが、この言葉にはロシアでは2つの定義があるそうです。
2つの定義とは、“速さ”と“スピード”という定義であり、同じような意味に見えてそれぞれ意味が異なります。まずはこの速度とスピードの違いについて見ていきたいと思います。
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速さについて
速さとは、人間が生まれながらに持っている筋線維のタイプが関係しております。筋線維のタイプとは赤筋(遅筋)や白筋(速筋)などのことです。脚が速いと言われる人の特徴として白筋が多いと言われています。
一般の方であれば、5:5、もしくは6:4の割合になっていますが、オリンピック選手などはこれが9:1などと極端となっています。筋線維を魚でイメージするとわかりやすいと思いますが、ヒラメやタイなどは白身であり、速筋線維が多い。魚の身は筋線維を表しているためマグロは一日中泳ぎ続け、持久力がありますので赤身となっています。
このように筋肉の色で判断することができます。
まず大前提にこの筋線維のタイプによって速く走れるかどうかがある程度決まってしまいます。速さというのは、変えられないものと言い換えることができます。
スピードについて
続いては、スピードについてですが、筋線維のタイプで走る速さが決まってしまうのかといえばそれだけではありません。筋線維は大きな割合を占めますが、走るという動作は、力みすぎるとスムーズな動作ができず、身体もスムーズに動かないとロスが生まれてしまいます。
そのため、走る競技というのはタイムを縮めるためにスムーズに動ける動作を獲得することも重要になります。
この動作をスムーズにし、動きの効率を上げることでスピードが上がるということが、スピードという考え方になり、スピードは変えられるということになります。
- 速さ=変えられないもの・・・筋線維
- スピード=変えられるもの・・・動作、動き
ということになります。
ピッチ×ストライド=最大スピードという関係
速く走るためにはこのピッチとストライドの関係を理解することも重要です。
脚の回転を速くし、1歩の歩幅を広げることで速く走れるということですが、脚の回転であるピッチはある程度定数は決まっています。これは先ほどの速さである筋線維に依存するため、遺伝的な要素で上限が決まっていると考えられます。
ピッチが決まっているとしたらスピードの向上のためには、ストライドを伸ばすことでより速く走ることができるということになります。そんなときに速く走ろうと思い、全力疾走をいくら繰り返してみても自分がもっているスピードを維持することはできても、向上させることはできません。
ストライド↑×ピッチ→=最大スピード↑ということになりますので、ストライドを向上させることが目的になってきます。では、どうすればストライドが向上するのかということが今日のメインテーマになります。
ストライドを向上させよう!スキップで弾む感覚を掴む
意外とスキップができない社会人の方が多く、学生でもスキップのできない方が増えています。みなさんはスキップはできますでしょうか?
このスキップですが、“弾む”感覚を得るためにはわかりやすいエクササイズですが、早速手順をお伝えしていきましょう。
1、まず、何も考えずにスキップをする
まずは、何も考えずにスキップをしていきます。このとき、自分がどれだけ弾めているか、リズム感や、着地位置、現状を知るという意味でも一度行います。このときのスキップ動作の癖は走る動作に影響すると言われています。
2、その場でフラット着地を確認する
ランニングをする際の着地位置は重要になりますが、3つの点、いわゆるフラット着地になるようにパットが貼っている脛骨の真下の位置で着地などを行います。
ランニング前にこの位置を確認していきます。
3、その場でスキップをして、踵で地面を踏み込む感覚を掴む
先ほどのフラット着地を意識し、踵で着地ができているか、その場でのスキップで確認していきます。
4、次に膝をまっすぐに出すようにスキップをする
このように膝を真っすぐに出すことで、蛇行せずに走れるようになってきますが、おそらく多くの方が下の画像のように内や外になっている可能性があります。
このようになっている場合は、膝を真っすぐにだせるように、膝を真っすぐ出すことを繰り返します。
5、それができたら体幹を真っすぐ運ぶイメージを持つ
膝の動きが真っすぐ出せるようになってくると次は意識を体幹に変えていきます。体幹が左右にぶれていないかと確認し、へそが真っすぐに運べているかを確認していきます。
6、頭を5cm程度引き上げるようにスキップをする
真っすぐに進めるようになってくると、頭を5cm程度引き上げるようなイメージを持ち、高さを出していきます。
7、腕を振り上げることでさらに高くスキップできる感覚を掴む
先ほどの頭を引き上げるイメージからさらに腕を上方に振り上げることで、高さが出てくることを感じていきます。
8、空中で前に進むようなイメージを持つ
脚で地面を押して進むなどの意識を持たず、上空で自分の身体が前に進んでいるような意識を持ちます。これも不思議ですが、そういう意識を持つと実際にククッっと進むような感覚を掴むことができます。
このような手順で弾む感覚を掴むと、いつものようにランニングなどをしても弾んでいることがわかると思います。短距離の選手なんかでいえば、このような練習をし、スプリントに活かすことでストライドが伸び、弾む感覚が得られると思います。
なぜ、このように弾む感覚が重要かと言えば、弾む感覚を得られると自然とストライドが伸び、1歩1cmの伸びであっても、100mでも3~40cmの差になってきます。それだけ1歩ずつのストライドを伸ばすことが重要になるわけです。
それが長距離選手になってくるとさらに差が大きくなり、フルマラソンではこれらの小さな違いから30秒1分・・・と大きなタイム差につながってしまう可能性もあります。
短距離選手よりも長距離選手の方が、よりフォームのことを考えないと大きなタイムロスを作ってしまうことになります。
気持ちよく走るためにもまずは、このような弾む感覚を得るためにこのような練習をしてみてはいかがでしょうか?
今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。