50m6.2秒の現役トレーナーが伝えるストライドを伸ばす”弾む”練習方法

陸上選手であれば少しでもタイムを縮めるために日々試行錯誤を繰り返し、さまざまな練習やトレーニングをされていると思うんですね。

そんな陸上選手がタイムを少しでも向上させるためには、ストライドを伸ばすことが重要なポイントになりますが、ストライドを伸ばす1つのトレーニング方法にスキップがあります。

今回は、ストライドを少しでも伸ばすために、そのスキップのトレーニング方法についてご紹介したいと思います。

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速さとスピードの違いについて

まず最初に、どうすれば速く走ることができるのか?というところについて理解を深めていきたいと思います。ここが理解できると、ストライドを伸ばす大切さもよりわかってきます。では早速解説していきます。

スピードは2つの定義がある

ランニングやスプリントなどスピードを高めることを目的にする場合、どうすればスピードは向上するのでしょうか。言い方を変えれば、どうやったら速く走ることができるのでしょうか?

スピード(speed)

という言葉の意味ですが、一般的には速さを示す言葉ですが、ロシアではスピードには2つの定義があるそうです。

2つの定義とは

  • 速さ
  • スピード

同じような意味に見えてそれぞれ意味が異なります。

速さについて

速さとは、

人間が生まれながらに持っている筋線維のタイプが関係している

んですね。人間には大きく分けて2つのタイプの筋線維が存在していて、それぞれを赤筋(遅筋)・白筋(速筋)といいます。脚が速いと言われる人の特徴として白筋が多いと言われています。

一般の方であれば、5:5、もしくは6:4の割合になっていますが、オリンピック選手などはこれが9:1などと極端に筋線維のタイプが異なり、この筋線維のタイプは遺伝的に決定されると言われています。

そのため、速く走るための1つ目の条件は、白筋の割合が多いかどうかという筋線維のタイプによるということです。つまり、これらのことから、

速さ=変えられないもの

と言い換えることができますよね。もし自分の筋線維のタイプを知りたい方は、遺伝子検査キット GeneLife Genesis2.0を使うと調べられるので、将来の方向性や可能性を知りたい方はぜひ1度調べてみてください。

スピードについて

続いては、スピードについてですが、筋線維のタイプだけで走る速さが決まってしまうのかといえばそうではありません。

筋線維のタイプは大きな割合を占めますが、走るという動作は、力みすぎるとスムーズな動作ができず、身体もスムーズに動かないとロスが生まれてしまいます。

そのため、タイムを縮めるために、

スムーズな動作を獲得することも重要

になるんですね。この動作をスムーズにし、動きの効率を上げることで速く走れるようになるため、スピードというのは動きスムーズさを求める意味合いがあります。

つまり、

スピード=変えられる

ということになります。

ここまでのことをまとめると、

  • 速さ=変えられないもの・・・筋線維
  • スピード=変えられるもの・・・動作、動き

ということになります。

いずる
今回お伝えする方法も、やるとすぐに動作が変わるので、その変化によってスピードが向上することがわかると思います。

続いては、速く走るために変わらない条件について解説します。

ピッチ×ストライド=最大スピードという関係

速く走るために、変わらない関係があって、その式が、

ピッチ×ストライド=最大スピード

というものなんですね。わかりやすい言葉に変換すると、

脚の回転の速さ×1歩の歩幅の大きさ=最大スピード

ということになります。

いずる
つまり、脚を速く動かすか、ストライドを伸ばすか、もしくは両方を向上させる以外、速く走る方法がないということです。

そのために走り方を変えたり、トレーニングする必要があるので、今回はこのストライドを伸ばす方法について解説していきたいと思います。

走り方については、「速く走るためにはつま先で走る?イメージと実際の動きの違い」が参考になると思うので、走り方を知りたい方はこちらをご覧ください。

では、どうすればストライドを伸ばすことができるのか、ここから今回のメインテーマを解説していきたいと思います。

 

ストライドを伸ばすためにスキップで弾む感覚を掴む練習方法

ここからお伝えする方法を実践していただくと、地面からの反力をうまく使うことができ、ストライドを伸ばすことができます。そうすると、結果的にはスピードが上がりますが、ここでは弾む感覚を掴むことがポイントになります。

早速手順を解説していきます。

手順

  1. まず、何も考えずにスキップをする
  2. その場でフラット着地を確認する
  3. 踵で地面を踏み込む感覚を掴む
  4. 膝をまっすぐに出すようにスキップをする
  5. 体幹を真っすぐ運ぶイメージを持つ
  6. 頭を5cm程度引き上げるようにスキップをする
  7. 腕を振り上げることでさらに高くスキップできる感覚を掴む
  8. 空中で前に進むようなイメージを持つ

1、まず、何も考えずにスキップをする

スキップ

まずは、何も考えずにスキップをしていきます。このとき、自分がどれだけ弾めているか、リズム感や、着地位置、現状を知るという意味で行ってみてください。

※ちなみに、このスキップでの動きが走りの癖になるので、フォームチェックとしてもスキップは使えます。

2、その場でフラット着地を確認する

フラット着地

次に、その場で一度ジャンプをして、足裏全体で着地ができるように繰り返していきます。よく起こりがちなのが、つま先で着地をすることです。

そうするとストライドが伸びづらくなるので、ここでは必ず足裏全体で着地をしていきます。感覚的には、この赤い丸の位置で着地をする意識を持つ。

体重を乗せる位置

そうすると足裏全体で着地ができ、地面からの反力をもらえ、結果ストライドが伸ばせるので、ここの点で着地ができるようにその場でのジャンプを繰り返していきます。

3、その場でスキップをして、踵で地面を踏み込む感覚を掴む

先ほどは、踵の位置で着地をしていきましたが、次はその場でスキップをして踵で真下に踏み込むイメージでスキップを繰り返します。

このとき、グッ!っと地面を踏み込むというよりも、トンッっと真下に踏み込むイメージで行うと地面からの反力をもらえるようになり、より弾め出します。

ここは実際に見ていかないと難しいところですが、タターン、タターン、タターンというリズムでスキップを行っていき、弾む感覚を掴んでいきます。

4、次に膝をまっすぐに出すようにスキップをする

スキップに慣れてくると、次は進みながらスキップを行います。ここでも地面を真下に踏み込む意識でスキップを行っていきます。

そして、このときリズムがつかめてくると、膝の方向が進行方向に対してまっすぐ向いているかを確認します。

いずる
おそらくほとんどの方は、膝が内側に向いていると思います。

もしまっすぐ膝が向いていない場合は、膝の向きを調節しまっすぐ方向に向くように教育していきます。

※ちなみに、膝が内側に向いていると走ったときに重心が蛇行し、走行距離が長くなり、結果タイムのロスになります。ですので、こういう小さい癖も修正するようにしていきます。

5、それができたら体幹を真っすぐ運ぶイメージを持つ

膝の向きがまっすぐ出るようになれば、次は体幹部分がまっすぐ運べているかを確認していきます。

実際にスキップをすればわかってくると思いますが、膝同様体幹部分が左右に動き、安定していない可能性が高いと思うんですね。これは、体幹の筋力が弱いからなるのではありません。

重心が蛇行してしまっているため、意識的に体幹部分をまっすぐ運ぼうとすると改善が可能です。

いずる
このとき、進んでいる方向で何か1点目印を目視でいいのでおき、そこに向かったまっすぐ進むようにしていきます。そうすると蛇行しづらくなりますよ。

地面からの反力をもらえるように弾めた、重心が蛇行せずまっすぐ運べるようになったら、次はさらにストライドを伸ばせるように頭を引き上げていきます。

6、頭を5cm程度引き上げるようにスキップをする

次はシンプルで、まっすぐ弾めるようになると、次はさらに高さを出していきます。頭を5cm程度引き上げるようなイメージでスキップをしていきます。

このとき、また重心が左右にぶれる可能性があるので、重心をまっすぐに運びつつ、頭を5cm引き上げるようにスキップを行っていくと、さらに高さが出てきます。

7、腕を振り上げることでさらに高くスキップできる感覚を掴む

5cm頭が引きあがるイメージが掴めると、次は、腕を上方へポォーン!と振り上げ、その腕の振り上げの勢いで高さを出していきます。

ここでも重心が蛇行しないようにまっすぐ運びつつ、さらに高さを出していきます。

8、空中で前に進むようなイメージを持つ

最後は、腕を振り上げ空中に浮いているときに、空中で前に数㎝進むようなイメージでスキップを繰り返していきます。不思議ですが、そういう意識を持つと実際にククッっと進むような感覚を掴むことができます。

そして、ここまでの流れができたら、ストライドを伸ばすことができているので、後は実際に走ってみるとその違いがよくわかると思います。

いずる
本来は個人に合わせてもう少し調整をしていく必要がありますが、ここまでの流れでも十分速く走れるようになっていると思います。

短距離の選手は、このような練習をしてスプリントに活かすことでストライドが伸び、走っているときにも弾む感覚が得られると思います。

1歩1cmの伸びであっても、100mでも3~40cmの差になってきます。それだけ1歩ずつのストライドを伸ばすことが重要になるわけので、こういう練習でストライドを伸ばすことは、短距離選手にとっては非常に大切なことですね。

また、ストライドを伸ばす際にもう1つ重要になるのが、体重です。この体重も速く走る上ではポイントになってきます。

 

短距離選手の場合、トレーニングによってある程度体重を増やす必要がある

ここまでスキップのやり方についてお伝えしていきましたが、このスキップの目的はストライドを向上させる目的で行っているとお伝えしました。

踵で地面を真下に踏み込むことで、地面からの反力が得られストライドが伸びる。このときに、もう1つ重要なことは、短距離選手は筋肉をつけある程度体重を増やしておく必要があるということなんですね。

なぜなら地面を踏み込んだとき、

体重が重い方が反力が大きくなるから

です。そうすると、その分ストライドが伸びる。世界陸上などで短距離選手を見たとき、筋肉隆々とした身体に驚きます。あのような身体には意味があって、その方がより速く走れるということなんですね。

このように速く走るためには、ある程度筋肉をつけ体重を増やす必要があります。

大きな筋肉のトレーニングをベースとして、そのトレーニングの後にロイシンというアミノ酸を摂ったり、一緒に糖質を摂ることで筋肉がつきやすくなります。

こういった知識を持っておくことも重要で、ストライドを伸ばすこと、そしてそのストライドをさらに伸ばすために筋肉をつけるということも必要なことになるということをお伝えしました。

いずる
もし、トレーニングをしたことがない、仕方がわからないという方は、以下の記事を参考にしてみてくださいね。

 

速く走るためには立ち方や歩き方も改善する必要がある

先ほど、練習方法の中で、

重心をまっすぐ運ぶ

ということも意識的に行っていただきましたが、人は本来身体の捻れや歪みがなければほぼまっすぐに重心を運ぶことができるはずです。

ただ、何かが原因で身体が歪み、その結果走るときに重心が蛇行してしまう。その原因の1つに、日頃の姿勢や動作の問題があります。

姿勢や動作に問題があると、

座り方の問題が立ち方に影響を与え、立ち方の問題が歩き方に影響を与え、歩き方の問題が走り方に影響を与える

という一連の流れであり、人はさまざまな姿勢や動作が互いに影響し合うため、日頃の姿勢や動作を正すことも、走りに影響してしまうわけです。

だからこそ、座り方や立ち方などを知り、日頃から姿勢や動作を改善する癖をつけておく必要があると考えています。

より速く走りたい方は、以下を参考に日常で行う何気ない姿勢や動作を日頃から改善してみてください。

 

まとめ:ストライドを伸ばしてより速く走ろう

今回はストライドを伸ばす具体的な方法についてお伝えしていきました。

速く走るポイントは、ピッチ×ストライド、この関係を伸ばすしかありません。それぞれをどのように改善すればいいのかを知れば今よりも必ずタイムを上げることができるはずです。

ぜひ、一つ一つを理解し、取り組んでいただきたいなと思います。今回の内容が少しでも参考になれば嬉しく思います。最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

伊藤出(いとう いずる)

パーソナルトレーナーの31歳。身体の悩みを改善するための情報を発信しています。板前→沖縄でジムのインストラクター→女性専門のサロン→独立(パーソナルジムIzuruStyleオープン)。

【指導経歴】
STORY・VERY読者モデル、アナウンサー、宝塚歌劇団員の元専属トレーナー。神戸女子大学ラクロス部、三菱重工業神戸在籍野球選手の専属トレーナー。

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