
先日、魚住先生の個人教授を受けさせていただき、その中の内容でサッカー選手のシュート動作についてアドバイスをいただきました。
個人教授で教わったことを参考に指導をしてみると、ボールの蹴る感覚が変わり、選手自身も気持ちよくボールを蹴られるようになり、楽しみながらシュート練習ができているようです。
今日はサッカー選手がシュートを放つ時のボールの蹴り方についてお伝えしていきたいと思います。
Contents
シュートに勢いが出ない理由
魚住先生から見ると、最近のサッカー選手は身体の真下でボールを蹴っていて、イメージ的にはボールを蹴り上げるというよりもボンッと押し出すような感覚で蹴っているということをおっしゃっていました。
個人教授を受けた後、海外のサッカー選手の動画を見ていましたが、僕が思っていた脚を蹴り上げるような大きな動作をするというよりも、確かに押し出すようにボンッと蹴り出している選手が多いように思います。
こちらの動画をご覧ください。
クリスティアーノ・ロナウド選手のシュートも、ボールをボンッと押し出すようなシュートで、動作もあまり大きくありません。
僕のイメージはボールを蹴った後に脚が蹴り上がり、見た目としても少し派手に見えるような蹴り方をすることでボールに勢いを与えられるとイメージしていました。
指導している選手にもこのようなイメージを伝えていましたが、個人教授のときに動画で選手の動きを確認していると、選手が蹴るボールの位置が問題だと指摘を受けました。このボールの蹴る位置が問題でシュートを放つ時、勢いがつかないことがわかりました。
身体の前でボールを蹴ることが問題
この選手の問題点としては、ボールを蹴る位置が左足のつま先の延長線上でボールを捉えるように蹴っていました。
シュート動作は、右利きの場合、左足を踏み込み、そのとき右脚は後方で振り上げられ、そこからボールに向かって振り下ろされてきます。
この脚のスイングが一番速くなる点というのが、ちょうど身体の真下に当たる部分で、そこにボールがあれば最大スピードでボールを蹴ることができるため、その分ボールに勢いをつけることができます。
ただ、この位置が少し前にあるため、最大スピードから減速に入ったところでボールを捉えていたため、最大スピードでボールを蹴ることができず、勢いが失われていました。
フォロースルーを意識させることでも同じことが起こる
打点の少しの違いでボールの勢いが変わってしまいますが、先ほどもお伝えしたように問題点は身体のよりも少し前の位置でボールを蹴っていたことです。
僕自身この問題を改善するためには、フォロースルーを大きくとらせることでボールに勢いをつけられるのではないかと思い、指導していましたが、思ったような成果が得られていませんでした。
フォロースルーを意識させるというのは、ここでいうとボールを蹴った後の動作を大きく、脚を振り上げるようなイメージを持って蹴らせることで勢いがつくと考えていました。
ただ、このような動作をさせると選手は、ボールと足が当たった後の動作を意識し、その部分を強調するような動作をします。そうなると、実際にボールを蹴る瞬間には最大のスピードではなくなり、これも勢いがつかない原因のひとつになってしまいます。
あくまでもボールを蹴るのは身体の真下であり、身体の前ではないということです。
シュートを放つ時のボールの蹴り方について
このような問題点をどのように改善すれば、より良いシュートを放つことができるのでしょうか。それは踏み込み位置を変え、壁を使ってシュートのイメージを良くすることです。
踏み込み位置を変える
先生からアドバイスをいただいたことは踏み込み位置をボールの真横に踏み込むことです。
以前までは、このようにつま先の延長線上でボールを蹴っていました。
選手は動きも非常によく、レベルの高い選手ですので、このアドバイスを伝えるとすぐにボールの勢いも変わり、ボールの捉える感覚も良くなったそうです。
このように踏み込み位置を変えることで、身体の真下でボールを捉えることができるようになり、最大スピードでボールを蹴ることができるようになりました。
壁を使ってシュートのイメージを良くする
以前、自分の投球に自信がないという投手に、ブルペンで近めの距離で捕手に投げ込ませたことがありました。近い距離ですので、捕手がボールをミットで受けるといつもよりも大きな音が鳴り、このパチン、パチンという音を聞いて投手は自分の球がいっていると感じたそうです。
そこで自信が戻ってきて、再度マウンドから投げさせると投球のイメージが良くなり、実際の投球も良くなったということが数年前にあったことを思い出しました。
1週間前に指導した野球選手にも同様に、近めの距離で壁当てをしてもらい、リリースした感覚と壁に当たるボールの音を聞かせ、より良い音がなるように近めの距離から投げさせていると投球のイメージが良くなり、「いい球がいっているな」と感じていたそうです。
そこから実際の距離に戻して投げると、その良いイメージが残っているためボールの勢いも変わっていると本人は感じていたそうです。
サッカー選手の場合も同じで、近めの距離で壁に向かってボールを蹴ります。
そこで感じていただきたいのは、ボールを蹴ったときの感触と壁に当たったときの音です。バンッ!バンッ!と、蹴る、壁に当たる、の2つのポイントでより大きな音がなることでシュートのイメージが良くなっていきます。
壁当てを何度も繰り返す中で、大きな音がなったときの感触は気持ちが良かったそうで、夢中で壁に向かってボールを蹴ることを繰り返していました。
このようにこの選手は、踏み込み位置を変えること、そして近い距離で壁に向かってボールを蹴ることでシュート動作、ボールの勢いがつき、全体の動きが良くなっていきました。
まとめ
今日はサッカー選手のシュートを放つ時のボールの蹴り方のポイントについてお伝えしていきましたが、いかがでしたでしょうか。
トレーナーからすると、少しの打点の違いが大きな違いを生んでいると感じますし、選手はこの少しの差を埋めることで気持ちよくボールを蹴ることができていました。
こういった少しの差を埋めることで、選手は気持ちよくボールを蹴ることができ、蹴ることが楽しくなると自然と練習する時間も増えていきます。
このように練習するとうまくなる、うまくなると楽しい、楽しいから練習する、数ができるからさらにうまくなる。そういった好循環を作り出せることが理想ですし、自ら練習を行う環境づくりをするのも大切なことだと改めて感じました。
今回は魚住先生から頂いたアドバイスをもとに指導を行っていきましたが、一番は選手自身が変わったと感じてもらえたことが何よりもうれしいことですし、これだまた何かのきっかけになればうれしく思います。
最後に今日のまとめをお伝えしていきたいと思います。
- ボールの蹴る位置が身体の前にあるとうまく勢いをつけることができない
- ボールは身体の真下で蹴るイメージを持つ
- フォロースルーを意識してしまうと最大スピードでボールを蹴ることができない
- ボールは蹴り上げるイメージよりもボンッと押し出すイメージ
- 近い距離で壁当てをし、そこでボールを蹴る、壁に当たる、この2つのポイントの音を良くする
- 選手の持つイメージが良くなることも重要
このような内容でお送りしていきました。
今日の内容が少しでも参考になればうれしく思います。
今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。