
「リリースポイントが手前にあるからもっと前でボールを離せ」そんなアドバイスを受け、実際に前でボールを離そうと投球していると、いつの間にか肩が痛くなった。
そんなことを経験をしたことがある選手もいるかもしれません。野球選手全体に共通することですが、身体の構造から考えるとリリースポイントはどこになるのでしょうか?
バレーボールのブロックの位置だとよく表現されますが、具体的には腕を地面に対して垂直に挙げ、そこから外側に45度、前方に45度の位置がリリースポイントになると言われます。
今日は野球選手全体に共通するリリースポイントと、動作の組み立てについてお伝えしていきたいと思います。
理想のリリースポイントはどこ?
オーバースロー、サイドスロー、アンダースロー。それぞれ腕の角度が異なると思っている方も多いと思いますが、これらはすべて体幹と腕の角度の関係は同じです。
何が違うのかというと、体幹の傾ける角度が異なります。どういうことかというと、こちらをご覧ください。
このように体幹部と腕の角度は同じで、体幹部の傾きが異なるとそれぞれの投げ方に変わるということです。基本はすべて同じということになります。
ですので、ここからお伝えするリリースポイントもそれぞれ見え方は異なりますが、基本は同じということです。
では、どのようなリリースポイントが理想なのでしょうか?それは、外転45度、前方45度の位置で、いわゆる0ポジションと言われるポイントになります。
この位置は、肩周辺の筋肉が最も多く動員され、効率よくボールに力を伝えることができるポイントであり、且つけがをしにくいポイントとも言えます。
このリリースポイントで投球をすることができているでしょうか。
自分のリリースポイントやフォーム知る方法
自分のフォームやリリースポイントはどうなっているのか?それを知るためにはスローモーションで投球動作を行ってみることです。
スローモーションで動くと動作を理解いる場合、腕の動きや身体全体はスムーズに動くことができますが、動きの理解ができていなかったり、身体の構造上不自然な動作をしている場合、どこかで引っかかったり、見た目として不自然さが出ます。
速い動作はごまかしがききますが、スローモーションで動くことはごまかしがききません。本当の理解をしているのかを見極める上でスローモーションで動くことでわかります。
また自分のリリースポイントを知るためには、鏡を見ない状態でここだと思うリリースポイントで止まってください。そこが投球時のリリースされるおおよその位置になります。
自分で思うこの位置を覚えておいてください。もし近くに誰かがいればその手の位置に相手の手を沿え、お互いが拮抗し合うように投げる側は相手の手を押してみてください。
もし一人の場合、この位置で壁か何かを押してみてください。
このとき身体のどこに力が入るでしょうか?その力の入った位置が日頃投球時にストレスを最も受けている箇所になります。
身体のどこに一番力が入るでしょうか。本来はリリースされる瞬間は一番大きな力が出る体幹に力が入りますが、肩や腕の一番力が入る場合、その箇所へのストレスが大きくなっている可能性があります。
また身体の使い方も腕で投げているような動作になっているため、ケガのリスクも高くなってしまいます。
もし腕などに力が入っている場合、壁を押して体幹に一番力が入る位置を探します。そこが最もボールに力を伝えられる位置となるため、この位置をリリースポイントとして理解しておきます。
リリースポイントを知れたからと言ってすぐには変わらない
ただここでおさえておきたいのは、リリースポイントを知ることはできましたが、実際に投球するときはそこでボールを切るだとか、押すなどの意識を持ってしまうと肘が伸びきったり、肩が引っ張られ痛める原因になってしまいます。
あくまでも実際の投球中は、壁押しで理解したリリースポイントでボールを離す“イメージ”で投球をすると気持ちよく投げられるようになります。
もっと考えないといけないことは、そもそもリリースポイントは身体を自然に使えていると0ポジションにきますが、0ポジションからずれてしまっている選手は、何か原因があるはずです。それが理解の差なのか、リリースを迎える手前の動きで問題があるのか。
それを明確にしておかないと、ただリリースポイントを知っただけで実際の動作は変わらないということになってしまいます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。投球時のリリースポイントを確認するためには、まず自分がどこでボールをリリースしているのかを試し、その位置で壁などを押し、どこに力が入るのかを確認します。
このとき、体幹部に力が入るのであれば問題なく、腕や肩にかかってくる場合、それらにストレスのかかる投げ方をしているということであり、それを繰り返すとケガのリスクも高まってしまいます。
そうならないためにも、現状をよく知るために今日ご紹介した方法を試していただければと思います。
今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。