
高校野球も各地で決勝戦を終え、続々と代表校が決まっていっています。大阪ではPL学園や大阪桐蔭高校が敗退し、兵庫でも報徳学園や神港学園などが敗退しています。
本命が敗れるという番狂わせが起こったり、9回2アウトから4点差を逆転したり、高校野球は本当に最後まで目が離せません。ぜひ代表となった選手には甲子園で思いっきり暴れまわってほしいなと思います。
そんな野球ですが、身体の使い方を少し変えるだけでピッチングやバッティングが変わることがあります。逆に言えば、少しのことで調子を落としてしまい思ったところに投げられなくなってしまったり、打てなくなってしまうということがあります。
今日はそんなピッチングやバッティングの際に足元の環境についてお伝えしていきたいと思います。足元の環境を整えるだけで、コントロールがよくなったり、ボールに力が伝えやすくなったりします。
小さなことに感じるかもしれませんが、大切なことなのでぜひ参考にしていただければと思います。
こちらの記事も参考にしていただければと思います。
[clink url=”http://izuru-style.co.jp/throwing-front”]
[clink url=”http://izuru-style.co.jp/pitcher-incourse”]
[clink url=”http://izuru-style.co.jp/release-point”]
Contents
下半身の使い方が重要だと言われる理由
野球選手ならだれもが一度は耳にしたことがあるフレーズだと思います。
「野球は下半身が重要だ」
なぜこのように言われるのでしょうか?その理由について探っていきたいと思います。
60%のエネルギーが下半身で生まれる
野球というスポーツは、投げる・打つ・走る・捕るを基本としており、これらの動作をいかに効率的にできるか、また身体をスムーズに動かすことができるのかがパフォーマンスに影響を与えます。
投げるという動作をピックアップしてみていきたいと思いますが、投げるという動作は、投手が知っておきたい3つに分けた投げ方の基本の考え方についてでもお伝えしていきましたが、立つ・前に(体重移動)・投げるという3つに分けて考えることができます。
立つというのは、軸足に体重を乗せ、まずそこで位置エネルギーを蓄えます。そしてそこで蓄えた位置エネルギーを体重移動する際に運動エネルギーへと変換していきます。
そのエネルギーは、下半身、骨盤、体幹、肩、腕、手、指という順に伝わり、最終的にボールに伝わっていきます。各関節をまたぐとき、リラックスをしていれば動きは加速されるようにより大きなエネルギーとなり、ボールへと伝わります。
ここで発揮される100%のエネルギーのうち、60%は下半身から生み出されていると言われ、これが理由で野球は下半身と言われるようになった理由です。下半身の使い方がうまくなることで、結果も変わってくることは想像していただけれると思います。
コントロールも下半身で決まる
上記の話はあくまでもエネルギーということについてですが、足の使い方を変えることで投手の場合コントロールが良くなります。
まずこちらの画像をご覧ください。
投げるという動きを3つに分けて考えたとき、ひとつ目の局面で立つという動作を迎えます。このとき、足のどこに重心を置くかで投球のコントロールが決まってきます。
例えば、上記の画像のように踵に来ることでバランスがとれ位置エネルギーを蓄えることができますが、軸足の小趾側に体重が乗ってしまうとエネルギーは上方に向き、投球は高めに浮きやすくなります。
また一度上方へ向いたエネルギーはもとに戻すことはできず、このような状態で投球に移ってしまうとあとは手でコントロールするようになり、そのボールは力のないボールか低めに沈むような投球になってしまいます。
またつま先に体重が乗ってくると、回転の力が働き、インステップをしてしまいます。考え方としては、打者にとっては自分に迫ってくるような投球をされるため打ちづらさを感じさせることができますが、身体の使い方としてはインコースにコントロールされ、基本であるアウトローへは行きづらくなります。
このようにコントロールというのは、手元の問題だけではなく下半身の使い方によって大きく影響を受けます。
バランスが崩れるとうまく力が伝わらない
また下半身が重要だと言われるのは、投手だけに限ったことではありません。打者も同じです。基本的には下半身の使い方は投手も打者も同じで、3つの動きで考えると、立つ、前に(体重移動)、打つというように変わります。
打者も同じでバットでボールを打つ際のエネルギーの60%は下半身で生まれます。打者は受け身であり、投手が投げた球を打ちますが、タイミングを外されると力のない打球が飛んだり、差し込まれると詰まってしまうということが起こります。
タイミングが合っても、軸足で立ったときにうまくバランスが保てない場合、ボールに力を加えることが難しくなります。投手も打者もボールにうまく力を伝えるためには全体がスムーズに動くことであったり、今日お伝えする足元を整えバランスをとるということが重要になってきます。
ここを変えるだけでもコントロールがよくなったり、打球が変わることがあります。では足元をどのように整えればいいのでしょうか。
足元の環境をどのように考えるか?
野球をしている方は、打席に入ったとき、またはマウンドに立ったとき足元をどのように使っているでしょうか?
高校球児が作りやすい穴
高校球児によく見られるのが、足元に穴を掘ってしまうということです。現役時代僕もしてしまっていたことですが、穴を掘ってつま先を入れるように立つということです。
つま先を穴に入れるようにしてしまうと、その状態でバランスをとることは難しくなります。また先ほどもお伝えしていますが、どうしても回転の力が働くためインステップになってしまい、踵で地面を押すことができず下半身をうまく使うことができません。
このようになることで、コントロールが悪くなってしまったり、バッティングでも捉えたと思ったボールでもうまく力が伝わらないということになってしまいます。
穴を掘ることはマイナスになってしまう可能性があります。
つま先で押す方が力が生まれるという誤解
投手の場合、投球時にプレートを押すようにキャッチャー方向へ体重移動されますが、このときにつま先でプレートを押そうとすると強く押すことができません。
投球時にはプレートを押そうと意識をしなくてもいいですが、踵でプレートを押すとより強く押すことが理解できます。
これは実践していただくとすぐにわかると思います。普段からつま先で地面を押している選手ははじめはやりにくさがあり、違和感を関じると思いますが、踵で押す癖をつけることでより大きなエネルギーをそこから得ることができます。
また踵でプレートを押すことでまっすぐに踏み出すことができるため、インコースによくコントロールされるという投手はアウトコースにボールが集まり出しますので、コントロールという面でも変化を感じることができると思います。
フラットにすることでピッチングやバッティングが変わる
ここまでで少しずつピッチングやバッティングが変わっていくイメージが湧いてきたでしょうか。足元の環境を整えることで、ピッチングやバッティングが変わっていくことになります。
コントロールが変わったり、バッティングでも力が伝わりやすくなったとしても、根本的に技術ありきの話になりますので、このように身体の使い方を変えることでより効率的にエネルギーを伝えることができたり、力を発揮したりすることができます。
このように身体を使えると今までとの変化を感じることができると思いますし、そうなれば楽しく練習ができるようになると思います。
そうなれば練習も自ら進んで行い、数も増えまたうまくなるという循環ができると最高だと思います。
脚の上げ方は何かに影響をするのか?
ここから、さらに身体の使い方について考えていきたいと思います。
投手の場合、軸足に体重を乗せることで位置エネルギーが蓄えられ、その後体重移動をする際に運動エネルギーへと変換されます。この軸足に体重を乗せたときに、ヤクルトの小川投手のように脚を高く上げることで位置エネルギーが大きくなり、投球時にボールに伝えられるエネルギーが大きくなります。
実際にやっていただくとわかりますが、球速が変わることに気づきます。ただ、脚を高く上げることでバランスを崩してしまいコントロールが悪くなってしまう可能性もありますので、自分に合えばこのように脚を高く上げることが勧められますが、基本的には自分が一番しっくりくるフォームで投げることが重要です。
少し話がそれてしまいますが、選手は指導者と言われる方からさまざまなアドバイスを受けると思いますが、最も大事にしていただきたいのは自分のフォーリングです。
これが最も大切で、フィーリングが合っていないことを無理にしてしまうとうまくいきません。アドバイスを取り入れるか入れないかの最後の判断は自分のフィーリングが一番だと感じます。
話が少しそれてしまいましたが、脚を高く上げることで位置エネルギーが大きくなりますので、脚を高く上げることで球速も変わっていく可能性があります。
身体の捻りはピッチングに関係するのか?
前項と似ているようなことですが、投球時に身体を捻ることがどのような影響を与えるかということですが、これはエネルギー増大することはなく、特に意味がありません。フォームという面では個人で自由にすればいいと思いますが、身体を捻るからと言ってパフォーマンスに影響を与えることはありません。
メジャーリーグで活躍した野茂秀夫投手がトルネード投法として有名ですが、このリスクは体重移動をして着地をする際に、身体を捻って着地をするため同じところに戻ってくる確率が変わってきます。
毎回同じところに着地できたり、同じ動きができればいいですが、シアトルマリナーズの岩隈投手のように立って投げるというシンプルな投球フォームと比べれば確率が悪くなります。
相手打者からすればタイミングがとりづらくなるという利点はあると思いますが、確率の問題で見れば非常に難易度の高いフォームになります。
身体を捻って投球するフォームと、シンプルなフォームではエネルギーという部分で見れば大きな差はないということです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。今日は野球選手の足元のことから投げる、打つという動作を見ていきました。
現場ではさまざまな考えがあり、言われることもさまざまだと思いますが、身体の使い方、効率な動きというのは変えることができない動きになります。人間の構造上このようにしか動かないというのが決まっているため、それに則って動きができればよりスムーズな動きになってきます。
実際に動いている際にあれやこれや意識をしてしまうとそこに緊張が生まれ、スムーズな動作というのはできなくなりますので、ポイントで動きを捉えていくとよりスムーズな動作ができます。
今日の内容が少しでも参考になればうれしく思います。
では最後に今日のまとめを書いていきたいと思います。
- 投げる、打つときのエネルギーの60%は下半身から生まれる
- コントロールは手元だけではなく下半身で決まる
- そのため軸足に体重を乗せたときにバランスが崩れるとうまく力が伝わらない
- 足元は穴を掘らず、フラットにすること
- 脚を高く上げることで位置エネルギーが大きくなり、球速が上がる
- 身体を捻ることはあまり投球にいい影響を与えない
このような内容でお送りしていきました。
今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。