ピッチャーがテイクバック時に肘が上がらない理由【関節の構造を知ろう】

ピッチャーをしたことがある選手なら、テイクバックのときに肘が下がってしまい、1度は「肘を上げろ」とアドバイスされたことはないでしょうか?

こういうときに、肘を上げようと意識をするだけではなかなか肘の位置は変わりません。大切なことは、身体の構造を知り、スムーズに腕が上がるように身体を使うことです。

今回は、ピッチャーがテイクバックのときに肘が上がらない理由と改善方法について解説します。

 

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ピッチャーがテイクバック時に肘が上がらない理由

ピッチャーがテイクバックのときに肘が上がらない理由は、肩関節の構造を知ってもらうと理解しやすいので、まずは肩の構造をから解説します。

肩関節の構造

肩関節というのは、上腕骨と肩甲骨で関節が作られていますが、肩甲骨の自然な位置は前方30度といって少し前側に角度がついています。

肩の位置

ですので、自然に腕を上げるというのは、身体の真横に腕を上げることではないんですね。

腕を上げる

自然な角度というのは、この辺りになります。

自然な腕の角度

胸を張る・肩甲骨を寄せる意識がある

例えばピッチャーをしている選手が、投球時に、

  • 胸を張る
  • 肩甲骨を寄せる

などの意識があると、この意識そのものが肘が上がらない原因の1つとなってしまいます。

これらの意識で実際に動作をするとわかりますが、身体の後方から腕が動いてくるため、ある位置で腕が上がらなくなります。

胸を張るように動作

このときにいくら、

指導者
肘の位置を上げろ!

とアドバイスされても肘は上がりませんし、上げられません。

肘を内側に捻っている

また、似たようなことでテイクバックのときに腕を内側に捻る意識を持っているピッチャーもいると思います。

こういう意識を持ってしまうと、意識的に関節を捻っているため、肩周りの筋肉が緊張してしまいます。

筋肉が緊張するとスムーズに腕が上がりづらくなり、こういう意識も肘が下がってしまう理由の1つになる可能性があります。

柔軟性の問題もある

このように、指導者からアドバイスを受けたこと、自分で意識して身体を動かそうとしていることが原因で腕が上がらないということもありますが、柔軟性の問題もあります。

肩の動きは、

  • 肩甲上腕関節(一般的に言われる関節)
  • 肩甲胸郭関節(肩甲骨と肋骨の関節)
  • 肩鎖関節(肩甲骨と鎖骨の関節)
  • 胸鎖関節(胸の骨と鎖骨の関節)

こういったいろんな関節が関係して動きが作られていますが、これらに関係する筋肉が硬いとそれぞれの関節の動きが悪くなり、結果肘が下がるということが起こります。

ですので、ピッチャーがテイクバックのときに肘が下がっている理由というのは、大きく分けて2つあって、

  • 動き、動作のまずさ
  • 柔軟性の問題(筋肉の硬さ)

などが考えられるというわけです。では、テイクバックのときに肘が下がらないようにするためには、どうすればいいのでしょうか?

 

ピッチャーがテイクバック時に肘が下がらない身体の使い方

まずは柔軟性の改善から行っていきます。

肩周りの柔軟性を高める

まずは、肘で円を描くように肩を小さく動かしていきます。

肘で円を描くように動かす

  1. 両肘を曲げ、軽く肩に触れる
  2. 身体の前側で小さな円を描くように肩を動かす
  3. ゴリゴリ鳴らないように、スムーズに肩が動いているのを感じる
  4. これを片側1分、逆回しを1分間行う

小さな動きで肩周りを緩められると、次は腕を回していきます。

腕回し

  1. 肩から腕がぶらさがっているイメージを持つ
  2. 身体の前側で円を描くように腕を回す
  3. 肩に引っ掛かりがないことを感じつつ回す
  4. 片側1分間、逆回し1分間行う

ここまでの動きができると、ある程度肩周りの柔軟性が高まっているので、この動きを投球動作につなげていきます。

腕回しから投球動作に移る

腕回しから、そのまま投球動に移っていきますが、できるだけリラックスして繰り返します。イメージは、こんな感じです。

感覚としては、腕回しから一本背負いをするようなイメージで投球動作に入っていきます。

これをリラックスして続けられると、専門的な柔軟性の向上となるので、キャッチボール前に行うとスムーズな動作がしやすくなります。

あとは実際の投球動作につなげる

上記の手順を繰り返し行うことで、腕のスムーズな動きはインプットされているので、そのまま投球動作に入っていけば、テイクバックのときに肘はスムーズに上がるはずです。

軸足に体重を乗せ、その後両腕が左右に開いていきますが、このとき何も腕の上げ方などに意識を向けないようにします。

軸足に体重を乗せる

テイクバック

あとは、キャッチャー方向にまっすぐ踏み込んでいけば肘の位置が上がり、スムーズに投球動作が行えます。

投球動作

投球動作

投球動作

こういった流れで、身体の使い方などを改善していくとテイクバック時に肘が下がらず、スムーズに腕を上げることができると思います。

 

テイクバック時に腕が上がらないピッチャーに伝えたいこと

ピッチャーだけに限らず、野球選手はちょっとしたことの違いで動きが変わったりします。ここからは、身体を動かすときのポイントなどをお伝えします。

部分に意識を向けすぎるとスムーズに動けない

野球選手に指導をするとき、まずは選手がどういう意識を持って動いているかを確認しますが、そこで聞く内容から受ける印象は、

細かいところに意識が向きすぎている

ということです。

例えば、

  • 腕を内側に捻ってみる
  • ボールをセカンド方向に向けてから投球に入る
  • 肩を内旋させて、テイクバック以降は外旋させて…

などいろんなことを意識しています。今はYouTubeなどで簡単に動作などが参考にできますが、その多くは部分的なことを言いすぎだと思います。

大切なことは、全体の投球動作としてスムーズに動けること。部分に意識を向けすぎると、そこに緊張が生まれ、動きの硬さが生まれます。

テイクバック時に肘が下がるピッチャーの特長も、テイクバック前に何らかの身体の動きを意識しているケースが多いように思います。

意識と無意識を使い分ける

ただ、すべてに細かい意識を向けるのがダメかというと、そうでもありません。伝えしたことは、

意識と無意識を使い分ける

ということです。人は、無意識の方がリラックスができ、スムーズに身体を動かしやすくなります。

例えば、投球時にグローブをキャッチャー方向に出すような意識を持っていると、逆側のボールを持っている腕はリラックスでき、スムーズに腕が動くようになります。

このように、意識と無意識をうまく使い分けることでよりスムーズな動きができるので、何でもかんでも意識を向けるというのは、あまりおすすめできません。

肘を上げようとしても上がらない

今回の内容からも理解してもらえたと思いますが、肘が下がっている時に、肘をのものを上げようとしても上がりません。

大切なことは、

肘が上がらない原因をみつけ、その原因を取り除くこと

です。その原因を取り除くことが、具体的にアドバイスできると肘の位置は上がりますし、選手もその通りにやればスムーズに投球することができます。

必要なことは、具体的な改善方法を知ることですね。

常に自然体を保つこと

そして、ピッチャーに限らず野球選手やスポーツ選手は、常に自然体を維持することが重要だと考えています。

自然体とは、

捻れ・歪みのない骨格に、ただ柔らかい筋肉がくっついている状態

をイメージしています。こういう状態であれば、選手にとって一番パフォーマンスが発揮できる状態であり、ケガをしにくい状態でもあると考えています。

ですので、筋肉を緩めること=ダウンなどの時間も大切にし、身体を緩める習慣をつけることが、より高いレベルの選手に近づけることにつながると思います。

 

腕の動きを理解すればピッチャーの肘は下がらない

今回は、ピッチャーがテイクバック時に肘が上がらない理由を解説しました。

今回の記事の内容

  • 肩甲骨を前方30度の位置についている
  • 真横から腕を上げると、肘の位置は下がる
  • 胸を張る、肩甲骨を寄せるなどの意識をしても肘の位置は上がらない
  • 柔軟性が低い場合も、肘が上がらない
  • 改善のためには、柔軟性を高める+動作を改善する
  • この2つができると、テイクバック時の肘の位置は上がる

こういった内容をお伝えしていきました。

今回の内容が少しでも参考になればうれしく思います。最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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