ミトコンドリア|ニュースレターNO.267

ミトコンドリアという言葉をよく耳にするようになりました。ミトコンドリアは食べたものを体内で酸素を使ってエネルギーに変換してくれています。激しい運動をすると、酸素が不足してきます。そうするとミトコンドリアによるエネルギーの合成も減ってきます。

このとき、体内ではAMPKという物質が活性化してくるそうです。このAMPKはエネルギーが足りないという信号を出し、細胞が脂肪を内臓脂肪細胞に貯蔵するより、エネルギー合成の方に回そうとするそうです。結果として、内臓脂肪細胞から栄養分が送られてくるので、このとき十分に酸素を吸い込めばミトコンドリアで脂肪が燃焼されることになるそうです。これがミトコンドリア・ダイエットのようです。

そこでミトコンドリアに関してわかりやすい本がありました。太田成男著:体が若くなる技術(サンマーク出版2010)です。その本のプロローグから抜粋して紹介したいと思います。興味のある方は、ぜひ本文をお読みください。

『私たちは生まれつき「若くなるようにできている」からです。正確に言うと、生まれてから死ぬまで、「若くなるための機能」を持って生活しているのです。体は必ず老いていくものであり、それは避けることができません。頑張ろうと思っているのに、以前ほど頑張りが続かない。駅の階段を上っただけですぐに息が上がってしまう。三〇代のときに比べて、肌にバリがなくなった。

そんな「体の衰え」を感じたとき、あなたはどうしますか? 「体力が落ちて疲れたときには、なるべく体を休めるようにしている」

もし、そう答えたなら要注意です。なぜなら、それは老いへの対抗策でしかなく、体を休めてばかりいると、体の衰えを止めることはできないからです。体に休養を与えれば、体力は回復してくれるのではないか? そう疑問に思われた方も多いことでしょう。

これにお答えするには、「体のエネルギー」とは何なのか、ということを知っていただくことが必要です。体のエネルギーは「生命力」と言い換えてもいいほど、生命に不可決なものです。私たちの体は、何をするにもエネルギーを必要としています。その「エネルギー」が減少すると、疲れやすくなったり、すぐ息が上がったり、体の機能は低下してしまいます。

そして体の衰えとは、体の「エネルギーをつくる能力」が低下するということなのです。体を休めるとエネルギーを必要としなくなるため、「エネルギーをつくる能力」はどんどん低下してしまい、結果的に体の衰えを後押しすることになるのです。

体の衰えが、エネルギーをつくる能力の低下であることを示すわかりやすい例があります。それは、「中年太り」です。中年になると太りやすく、やせにくくなるのは、エネルギーをつくる能力が衰えるため、食事によって取り込んだエネルギーの原料が使い切れずに余ってしまうからなのです。太りやすくなるのは、代謝が悪くなるからだとよく言われますが、代謝が悪くなるとは、原料をエネルギーにつくり替える能力が低くなるということです。

しかし、これを逆の視点から見れば、もしエネルギーをつくる能力をアップさせることができれば、体力がアップするうえ、若々しく、太りにくい体になるということです。さらに、エネルギーをつくる能力が高いと代謝がよくなるので、肌が美しくなるなど女性にうれしい美容効果も期待できます。

このように考えると、エネルギーをつくる能力を向上させることは、一石二鳥どこうか、一石三鳥にも四鳥にもなるすばらしい健康法と言えます。

じつはこのエネルギーをつくる能力こそ、「体を若くする機能」の正体なのです。そしてこのエネルギーを生み出しているのはいったいどこなのか、それは「ミトコンドリア」なのです。

ミトコンドリアという名前は、皆さんも耳にしたことがあると思います。ミトコンドリアは、私たちの細胞の中にある小器官のひとつで、主にエネルギーの生成を行っています。一九九五年に、作家.瀬名秀明さんが書かれた『パラサイト・イヴ』(角川書店)というホラー小説がベストセラーになったのを機に、日本人のミトコンドリア認知度はいっきに高まりました。

ただ残念ながら、ミトコンドリアという名前は知っていても、そのはたらきや姿までご存じの方はあまり多くありません。

皆さんがミトコンドリアのことをあまりよく知らなくても無理はありません。なぜなら、ミトコンドリアと健康について詳しくわかってきたのが、最近のことだからです。そのうち、とくに大きな発見がミトコンドリアに「体を若くする機能」があるということだったわけです。

キーワードは「活性酸素」と「ミトコンドリア」のふたつです。活性酸素が体にさまざまな害をもたらすことはよく知られています。ミトコンドリアは、生きるために必要なエネルギーをつくっていますが、その質が悪ければ活性酸素をつくり出し、よければ活性酸素を少なくして害を抑えてくれるのです。

ミトコンドリアがエネルギーをつくる工場だとしたら、活性酸素はエネルギーをつくる際に出てしまう有害な排水もしくは排煙のようなものだと思ってください。そのため、ミトコンドリアでエネルギーをつくる以上、活性酸素ができてしまうのは避けられないことなのです。

ところが、研究が進むと、同じミトコンドリアでも、効率よくエネルギーをつくりながら、しかも活性酸素をあまり出さない「質のいいミトコンドリア」と、エネルギー効率が悪いうえ、活性酸素をたくさんつくってしまう「質の悪いミトコンドリア」があることがわかりました。しかも、その「質」のよし悪しは、私たちの生活習慣によってよくも悪くも変化し、それが老化のスピードを速くも遅くもするのです。

体の老いは少しずつ進行していきます。ですが、ミトコンドリアの量を増やしさえすれば、体の機能は向上し、健康に暮らすことができるのです。代謝が活発になれば美容への効果も少なくありません。体の内面を若くすると、自然と外面も若くなります。

よいミトコンドリアを増やす方法はいたってシンプルなものですが、ちゃんと最新の科学に裏打ちされた方法ばかりです。具体的にどうすればエネルギーをつくる能力をアップさせることができるのかというと、ひと言で言うならば、「体にエネルギーを必要としていることをわからせる」ということです。

○「マグロトレーニング」をすること

○背すじをのばすこと

○寒さを感じること

○空腹になること

大きく分ければこの四つしかありません。

たった今から「老いと闘う」という意識を捨ててください。生まれつき体に備わっている「若さ」をもっと活用するーそれがもっとも優れた健康法であり、もっとも体に優しい生き方でもあるのです。』

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