ゆがみとは|ニュースレターNO.177

もう10月です。今日は10日で、1964年に東京オリンピックが開催された日であり、その後は体育の日となっていました。9月の終わりから11月初旬まで、ほぼ毎週末、学生募集をかねた講演会と講習会を行うために、北は北海道から南は福岡までかけ回っています。先週末は、旭川、士別、岩見沢に行ってきました。

それぞれの地域で人を集めていただき、「スポーツトレーナーの歴史、現状、将来」について話しをし、その後に、スプリントの講習を行いました。多くの人が集まり、教えにくいところもありましたが、やはり教えることは楽しいものです。バラバラの走りで進まない人たちが、バランス良く走れるようになる様は、教えているものにとってこの上もなく嬉しいものです。

さて、今回のニュースレターは、ホームページから紹介したいと思います。内容は、「ゆがみ」ということです。すべての異常が「ゆがみ」からきているようなことが言われますが、その「ゆがみ」をどのように理解するかが問題です。

問題の解決は、ゆがみを開放し、元の正常な状態に戻すことであるので、「ゆがみ」ということについて、明確な認識が必要です。ここでの解説は一つの考え方であり、自分の中でどのように咀嚼するかで身体調整のための一つの情報になりえると思います。

『私たちの骨格は、左右対称につくられています。でも、日常生活や仕事でのからだの動かし方を考えると、左右対称に使う事はほとんどありません。歩く時くらいですね。 そうすると、「よく使って、疲れて、ちぢんでしまった筋肉群」と、「あまり使わないで、筋力が退化して、ゆるんでしまった筋肉群」とに分かれてしまいます。

そうすると、私たちのからだはよく使ってちぢんでいる方へ曲がってしまいますが、これを「ゆがみ」と言うのです。』

『背骨のゆがみが原因とよく言われますが、それは間違いです。結果として曲がっているにすぎません。原因は別にあります。

背骨の一番下のところに「仙骨」という骨があります。その仙骨を左右の骨盤(腸骨)が万力のように挟んで、締めて背骨を真っ直ぐ立てています。 仙骨と骨盤(腸骨)の境目の関節を、それぞれの字を一字づつとって「仙腸関節」といいますが、この「仙腸関節」こそゆがみの発生源なのです。

左右の「仙腸関節」のどちらかが開いて「ゆがみ」ができると、背中の「肩甲骨」、頭蓋骨の後ろ(後頭骨)とゆがみが連動して、結果として背骨が曲がってしまうのです。』

『例えば、右半身がちぢんでいるとします。そうすると右半身は頑張りつづけ、左半身は休んでいる状態が続きます。そして使いすぎた右半身は疲れて→硬くなって→冷えて→その結果として、動かすと痛いということになってしまいます。 さらに左半身も、痛い右半身をかばっているうちに過労して、結局のところ両方とも過労痛で、痛くて動かせなくなってしまうという末路をたどることになります。』

『「ゆがみ」には3つのゆがみがあります。1つ目は「左右」のゆがみ。2つ目は「前後」のゆがみ。3つ目は「内外」のゆがみ。これに「ねじれ」が加わって、歪んだからだ「歪体」の出来上がりとなります。

「左右」のゆがみとは、例えば、右の骨盤(仙腸関節)が開くと、右の骨盤が上がり、右足が短くなり、背骨は右の方に曲がることをいいます。

「前後」のゆがみは、つま先に重心がかかっていて腰が反った「反り腰」か、かかとに重心がかかっていて腰が曲がっている「腰曲がり」かということです。

「内外」のゆがみは、「内股」か「がに股」かということです。

「ねじれ」については、右の骨盤が上がっていて右足が短い人の場合、強く踏みしめている左足の方へねじれていきます。』

『「ゆがみ」というのは、「よく使って、疲れて、ちぢんでしまった筋肉群」と「あまり使わずに、筋力が退化して、ゆるんでしまった筋肉群」に分かれてしまい、ちぢんだ方に曲がってしまうことをいいます。

「ちぢんでしまった筋肉群」は、ストレッチしたり、指圧したりして脱力(リラックス)させてゆるめてやり、「ゆるんでしまった筋肉群」は、力を入れさせて引き締めてやるのを整体といいます。

ちなみに、他人にやってもらうのではなく、自分自身で、全身の筋肉群の頑張りすぎと怠けすぎのバランスの崩れを矯正し、左右の筋力バランスを5対5に整えようというのが自力整体です。

さて、整体の治療師はこの仕組みを利用して、骨格のゆがみからくる痛みを治しているのですが、治療で出来ることは、疲れている部分を脱力(リラックス)させることだけであって、ゆるんでいる部分を引き締めることは出来ません。自分でやるしかないのです。

今お読みになっている方の中にも、治療に何年も通っている方がいらっしゃるかもしれませんが、筋肉を引き締めるということを全くしないで、治療師にゆるめてもらうことばかりしていると、その副作用として、骨格のゆるみ性のずれや神経痛に悩ませられることになる危険性があります。

私の教えた人の中にも、痛みを取るために病院に入院して治らず、針治療をして治らず、最期には「○○さん、もう筋肉がないから針治療は止めた方がいいですね」ということになった方がいます。腰椎分離症の方でした。 痛みがヒドイと、朝の6時に電話をよこしたのです。「どうしたらいいんですか?」と。

私は前と同じ話をしました。「自分でやるしか方法はない」と。これで4度目でした。 何度お話しても私の言う事を聞いていただけなかったのは残念なことですが、やはり、ゆるめるばかりでは、悲惨な末路をたどることになるのです。』

『筋肉を鍛えるためと言って、ダンベルを使ったり、機械を使ったり、プールの中を歩いたり、泳いだりしている方がたくさんいらっしゃいますが、この方たちは逆に、脱力(リラックス)することを知らず、筋肉を緊張させてばかりいますので、筋肉の慢性緊張をつくり、筋肉はこわばり、関節はさびてくるといった副作用を起こしています。

ちなみに、私は山登りやスイミングに頻繁に出かけていましたが、余計に疲れてしまいました。でも、仕事のストレスを解消するのに行かずにはいられなかったのです。 今から考えれば、汚れた筋肉を余計に汚していたわけですから、疲れて当然ですが。スポーツも楽しみとしてやる分には良いと思います。ただし、準備運動と、終了後筋肉の汚れをクリーニングすることが大事です。』

『まず前置きとして全身の筋肉群についてご説明します。大きく分けると「屈筋」と「伸筋」の2つの筋肉群に分けることができます。 「屈筋」というのは、からだを丸めたり、物をつかんだりする筋肉で、足の裏から内側を通り、お腹、胸、アゴ、腕は内側を通り、手の平とつながっている筋肉群をいいます。

「伸筋」とは、押したり、背骨を真っ直ぐに伸ばしたりする筋肉で、足の甲から外側を通り、お尻、背中、首の後ろまで、腕は外側を通り、手の甲につながっている筋肉群をいいます。

私たちのからだを支配しているのは重力です。例えば体重が50キロの人は50キロの力で地球の中心点に向かって引っ張られているわけです。 この中心点に向かう重力線に真っ直ぐ乗っていれば良いのですが、それが出来ている人はほとんどいません。

例えば、あなたが立っていてからだの重心が中心に乗らず、左足に6、右足に4の体重がかかっているとします。 そうすると「体重がかかっている左足」は床を強く踏みしめるために、足の「伸筋群」が緊張し、逆に「屈筋群」はゆるんでしまいます。すると、ひざの屈伸時に痛みがでやすくなります。

それに対して、「体重のかかっていない右足」は「伸筋群」がゆるんで、骨盤(仙腸関節)が開いて、右の骨盤が上がり、右足が短くなります。そして、だんだんずれて腰痛や坐骨神経痛になることが分かっています。』

『筋肉がちぢむと、血行が悪くなって、硬くなって、冷えて、動かすと痛みを感じるようになります。

背骨には神経の出ている椎間孔という「穴」がありますが、首のところ(頚椎)の穴がふさがれると脳の働きが悪くなったり、手のしびれになりますし、胸のところ(胸椎)の穴がふさがれると内臓の働きが悪くなります。また、腰のところ(腰椎)の穴がふさがれると坐骨神経痛などの症状がでてきます。神経の”通り”が悪くなるためです。

これを放っておくと、背骨を真っ直ぐに伸ばしている筋肉群がゆるんで肋骨が下がり、いわゆる猫背になります。 そうすると胸部の心臓や肺が圧迫され、腹部の胃や腸が下垂してきます。よく言われるところの「胃下垂」や「内臓下垂」になるのです。 こうなると、老廃物の浄化力、排泄力が弱くなって、体内に毒素を溜めるようになり、いろいろな症状や生活習慣病などの疾病へとつながっていきます。「ゆがみ」から「不定愁訴」になってくるのです。

私がこのホームページでやっていきたいのは、ほとんどの症状や病気の原因が「ゆがみ」であることと、その「ゆがみ」の原因が体内に溜まる「老廃物」であることをお知らせすることにあります。

そして、「治し方」と「予防の仕方」をお知らせして、自力で治療・予防する「自力人」を増やしていくことです。』

『「屈筋」は自律神経の「交感神経」に、「伸筋」は「副交感神経」につながっています。 「交感神経」は、覚醒・興奮神経、「副交感神経」はリラックス神経ということが出来ますが、第3回でお話したフィットネスやスポーツの問題点は、「屈筋」ばかり収縮させるということでした。

「屈筋」の収縮ばかりやっていると、「交感神経」の異常緊張をもたらし、脳が興奮状態になります。そのために不眠症をはじめ、生理痛、冷え症、便秘などなりやすくなりますので、ご注意ください。』

SNSでもご購読できます。

コメントを残す

*