魚住先生との出会い|ニュースレターNO.025

日夜、高校球児のケアをさせていただいております。日々思うことは、肩、肘などの慢性的な痛みと回復しても繰り返す痛みにどう対処すべきか、ボールを投げられないでいる彼等の不満気な表情と気乗りしない動作を見ると、投球中止を告げるしかできない無力さを痛感し、反省の繰り返しでした。

こういった障害の多くは、単なるオーバーユースだけでなく不適切なフォームによりおこるものではないかと以前から考えていました。

しかし、フォームのどこが障害に繋がっているのか的確に判断できないこと。また、どうすればフォームを修正できるのか自信を持って選手に伝えることができませんでした。書籍、ビデオなどに頼ってはみるものの解決せず悩みは尽きませんでした。

魚住先生の詳しい活動を知ったのは、HSSRプログラムスのホームページの内容と丸子実業高校の竹内監督のレポートでした。当時、二人の投手の肩、肘の繰り返す痛み(1人は、不自然なフォームで投球後に肩の痛みを訴え、もう一人は140キロ以上の速球を投げますが、やはり投球後に肘の内側痛を訴えていました)を解決できずにいました。

悩んだ末、魚住先生に無理を承知で投球フォームのビデオを見てご指導いただけないかと相談いたしました。先生は、ご多忙にもかかわらずお願いを受け入れてくださり解りやすく修正すべきポイントを教えてくださいました。

それから2週間後、私の状況を察しされてのことだと思います。東京の勉強会を終え、長野の丸子実業高校へ移動されるご多忙中、時間を割いて直接指導してくださるとのありがたい連絡をいただきました。

当日は、ピッチャーを中心にアドバイスをいただきました。

先生は、選手にどういうイメージで投げているのか、また、投球の感覚を問われ、それから上肢をリラックスしてスウィングさせること、上肢の軌道修正、スムーズな体重移動の方法、リード足の位置、体幹の捻り、フォロースルーでの巻き込みなど。各個人に合わせた「自然な動き」を高校生に理解しやすい言葉とタイミングでアドバイスされていました。

よく聞く「肘を挙げろ」ではなく「リラックスすれば肘は自然に挙がる」と選手の動きを無理に否定せず腕をとって心に響くアドバイスでした。
アドバイス直後にはスピード、コントロール共にはっきりとした変化が見えました。

ビデオで相談させていただいた二人の投手について、前者は、サイドまたはクウォーターで投げているつもりのように見えましたが、本人はオーバースローだと言います。肘が極端に低くいわゆる押し投げでフォロースルーもあまりなく、スピード、コントロールとも思いどうりにはいかず、四球を連続することもあり、全身の疲労感と肩関節前面、肩甲間部の痛みを訴えていました。

アドバイスのあと自分の欠点と どうすれば肘が挙がるのか理解できたようでした。感想を聞くと、教えてもらったという実感があり、投球に関しては「投げても疲れなくなった」、「肩の痛みがなく野球が楽しくなった」と最高の一言を聞けました。

後者の投手も肘が低く、リリースポイントが早いこと、フォロースルーの巻き込みが無かったようです。コントロールするためにスピードをおさえて投げていましたが、アドバイスの後は、肘の痛みがなくなったことと速いボールでアウトローに投げられるようになりました。

ご指導を通じ感じたことは、指導を受ける側の気持ち、感覚を理解し、大切にして成功へ導くこと。指導する側の感覚を押し付け強要するものではない。叱咤されたり叱言に聞こえる言葉を受けた後のプレーは叱られない為の防衛反応でしかなく、パフォーマンス向上に活かされない場合が多いと思います。

指導者も障害のケアをする私達も自然な動きの理解と発想の転換ができる能力が必要だと思いました。直接指導と先生の経験豊富なお話を聞き、私の日常の業務においても大変重要な部分に気づかせていただけたことと、悩みを解消させていただけたことに感謝申し上げます。

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