
先週から日米オールスターによる野球が行われています。いつも思うことですが、アメリカの野球を見るとメジャーリーグ=『ベースボール』と思うし、日本のプロ野球=『野球』になってしまいます。私も野球のトレーニングの本を書きましたが、タイトルはやはりベースボールと名付けています。それは意識してのことです。
日本の野球は阪神タイガースの野村監督に代表されるように、将棋と同じ盤上の駒の使い方を考えて、時間のかかるプレーと呼べない行動に時間を割きます。しかし、アメリカの『ベースボール』は、力と力の勝負をお客さんに見せる力・パワーの勝負をします。
ファーストストライクでの勝負が非常に多く見られます。ここに大きな違いがあるのだと思います。正しく日本の野球は、将棋と同じで『長考』が入り、観客の目を選手のプレーに注目させることに欠けていると思います。その最たるものが野村采配でしょう。ベースボールとしての要素に欠けたゲームになっています。
プロ野球について
プロの野球・ベースボールはひとつのショーであり、力・パワー同士の勝負を見せるべきです。時間のかかりすぎる間延びしたゲームが多いことも、魅力に欠ける原因です。やはり2時間以内のプレーが見ていても見やすいものです。日本の野球は、余りにも考えすぎる『頭で考える野球』になっています。
このような『野球』という考え方が根底にあるために、技術中心のプロ野球になってしまっているのです。なぜプロの一軍の選手になってもシーズン後にキャンプをするのでしょうか?そんなレベルの低い選手がプロとしてお客さんにお金をいただいてプレーを見せることは失礼なことだと思われないでしょうか。
情けない世界です。秋季キャンプをしても、その後12月、1月と2ヶ月ほど休むわけですから、何のためのキャンプかわかりません。正しく、高校野球の延長でしかありません。プロらしい行動をして欲しいものです。余りにもプロとしての自覚、権威がなさ過ぎて夢もなくなります。
日米野球の違いについて
話は、日米野球に戻りますが、やはりメジャーの選手のパワーは圧倒的で、アマとプロのゲームにしか映りません。以前に比べればそれなりにレベルアップはしましたが、まだまだその力の差は歴然としています。
メジャーの選手のインタビューで必ず言われることは、『まだパワーが足りないね』という言葉です。彼らは高校から身体づくりが何より大切であることは自覚しているので、筋力というよりパワーアップを意識してきたはずです。そのために何をすればよいのか教育されてきているわけです。
ところが日本では、技術優先の練習漬けが未だに行われている状況で、身体づくりどころかオバーワークで故障したり、バーンアウトでリタイアすることが多々見られます。もっと練習の質を考える必要があります。
実際には、練習の質というものがわからないのでしょう。それにテクニックの指導についても、難しすぎて選手が理解できないことも多々あります。投げる、打つ、捕ることをもっと単純に理解させるべきなのですが、余りにも技術的過ぎて、出来ない動きを教えていることが良く見られます。そんな指導でいくら長時間練習しても上手くなるはずがありません。
打撃なら、『強く叩く』とか『最短距離でバットを出す』とか、投げることなら『プレートをしっかり押しなさい』とか、その他の細かなことはもっとうまくなってからというより、それができるようになれば上手くなるはずです。
メジャーの選手のプレーを見ていて基本通りの捕球姿勢やスローイングなんてわからないはずです。その選手が一番楽なスタイルで捕球したり、バットを振ったり、投げているはずです。ところが日本では基本プレーという分かったような分からない『野球感覚の基本』というものが存在しているのです。