先日東京出張をしてきましたが、新規のクライアントさんが2名ほどいらっしゃり、それぞれ埼玉と神奈川県から新宿のスタジオにお越しいただきセッションを行いました。
お一人からのご相談は首の痛みについてで、これまで整体や整骨院などに通われたけどもうまく改善されないというご相談でした。
この首の痛みは寝方が原因であるとみられ、身体調整や日頃の姿勢などをお伝えし、セッション後は状態も良くなっていました。今日はこの方とのセッションを通じて感じたことをまとめていきたいと思います。
こちらの記事も参考にしていただければと思います。
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Contents
首の痛みの原因について
以前から首の痛みに悩まれ、パーソナルトレーニングも違うところで受けられていたそうです。
お話を聞いていくと、整体や整骨院などに通って首を緩めてもらったり、調整してもらうとそのときは調子が良くなるそうですが、それが1日しか持たないということでした。
痛む箇所
痛む箇所はこの辺りであり、実際触れてみると非常に硬くなっていました。
右側の首であり、左手で首が凝ったな~と揉むとちょうど当たるぐらいの位置になります。
現在は専業主婦をされており、お子さんも大きいため子供を抱っこするなどは考えにくい。話を進めていくうちに見えてきたことが寝方の問題と日頃スマホを触るときの姿勢でした。
首の痛みの主な原因は寝方
枕について尋ねると、現在は使っておらずこれまでいろんな枕を試してみたけどもどれも自分に合った枕が見当たらず、寝起きがあまりよろしくない。
だから今は何も使っていないとのことでしたが、この寝方が非常に問題でした。
その寝方がこのような寝方です。
腕を枕代わりにするわけでもなく、頭がだらりと下がった状態で寝ているそうで、あまり寝起きも良くないとおっしゃっていましたが、このような姿勢だとそうだと思います。
この頭の位置が問題で、このような状態だと首の筋肉などは常に引っ張られてしまい、実際に同じポージングをとっていただいても首の筋肉が緊張することがわかると思います。
寝ている状態だと少しわかりづらいかもしれませんが、これを座った状態で同じようなポージングをとるとこのようなポージングになります。
頭が前に下がってしまい、左に傾いています。寝るときには身体が左側を向いていることが多く、全体としては上記のような状態で寝ていることが多いそうです。
このような状況から原因としてはこの寝方に問題があると考えられましたが、もうひとつはスマホを触っているときの姿勢が原因として考えることができました。
スマホを触っているときの姿勢も原因の可能性
スマホを触っているときは身体が丸くなり、自然と身体も左に傾き、このような状態になっているそうで、いつもスマホを触っている状態になっていただくとわかってきました。
寝ているときの格好も影響があると思いますが、このように頭の位置が前方にズレ、左に傾くような姿勢になっていました。
このような姿勢をすると首の左側の筋肉は引っ張られ、時間が長くなればなるほど筋肉は緊張し硬くなります。
主にこの2つの姿勢が首の痛くなる原因として考えられました。他のことを聞いたり、チェックしてもさほど問題があるようには感じず、筋肉を緩め、首の位置を正しいポジションで維持することができれば改善できると感じ、セッションを進めていきました。
首の痛みを改善するために行ったこと
一番初めに行ったのは首のポジションを調整するところから入っていきました。
頭部の位置を調整すると痛みが改善する
調整というよりも、まずどのように歪んでいるのかを感じていただくために、僕が首をサポートしながら現状の位置を伝えたり、本来あるべき位置に移動させたりしていきました。
この中で痛む箇所に触れながら行っていきましたが、本来あるべき位置に頭部を移動させたとき首の緊張がとれ、痛みが改善されました。
ご本人も痛みがないことに安心されていましたが、今回のケースは頭の位置が、首が痛くなるような位置にあることが問題です。
また頭部の位置だけではなく、胸を張るように立っていたためこの肩の位置も直し、筋肉が緩む位置を教育していきました。
頭部と肩の位置を変えるだけで首の痛みは改善し、逆にいつも通りの状態に直すとまた首の痛みが戻ってきました。痛みの原因を理解していただき、クライアントさん自身も少しずつ首の痛みの原因を知ったことで、改善のためにはどうすればいいのかがわかっていただけたと思います。
冒頭ではこのようになぜ痛むのか、どうすれば改善できるのかの大枠をイメージしていただくために時間を割いていきました。次に行ったのは全体の筋肉を緩めるために調整を行っていきました。
首だけではなく、手首やアキレス腱などにも少し痛みがあるそうで、そのようなところもみつつセッションを進めていきました。
顎関節なども調整することが必要
顎関節症もあるそうで、噛み合わせがあまりよくありませんでした。
頭部の位置が前方にズレている方の場合、顎関節に影響が出てしまうと言われています。このため、顎関節に関係のある側頭筋や咬筋と言われる筋肉が緊張しやすくなります。
■側頭筋とは?
側頭筋は、こめかみ付近にある筋肉であり、咀嚼するときに使われる筋肉であり、咀嚼筋とも呼ばれています。
■咬筋とは?
咬筋とは、ほっぺの少し外側にある筋肉で、これも咀嚼するときに使われる筋肉です。
胸筋や上腕から前腕にかけて緊張し、下肢も全体的に筋肉が緊張していましたので、呼吸を行ったたり、筋肉を揺らして全身を緩めていきました。
調整が終わると次は、頭の位置を認識していただくために顎の位置を変えるようなエクササイズなどを行っていきました。
顎の位置を変えることで変わる首の緊張
調整が終わると身体も楽になり、セッション前に感じていた首の張りや腕のだるさなども軽減されてきたそうです。
調整後に行ったのは、頭部の位置の認識を変えるということですが、顎を引きすぎる傾向があったため、呼吸に合わせて天井を向くような動きを繰り返し、そこから僕が頭部の位置を調整するようにサポートしていきました。
このようなエクササイズを繰り返しているときに、首の筋肉に触れながら行っていきましたがどこが緊張する位置で、どこが筋肉が緩む位置なのかを確認し、正面を向いた時に首の筋肉が緩むポジションで止めていただきました。
すると感覚的には上を向いているような、顎が上がりヘッドアップしているような感覚になったそうですが、見ている側からすると真正面を向いている状態で、以前から顎を引きすぎていたためにこのような感覚になってしまいます。
ただ首は楽になっていることは感じられたそうで、筋肉の状態と感覚の違いに不思議がっていました。
このときに肩のポジションについてもお伝えしていきました。ここまでの流れで首の状態も良くなっていっているようで、表情も明るくなってきた印象を受けました。続いて行っていったのは寝方についてです。
原因として考えらえる寝るときの頭のポジション
クライアントさんの場合、寝るときに枕を使わないということでしたが、その理由が合う枕がないということでした。
枕のご相談も多いのですが、人間の頭の大きさは身長とある程度比例関係にあるそうで、頭の大きさや形に合わせて高さなどを選ぶ必要があります。
少し話がそれますが、クライアントさんのお一人に頭の凹凸が激しく、仰向けの状態で天井を向くのが難しく、頭の形状上、少し右側を向いてしまう方がいました。
この方の場合、枕の形状を工夫し、枕の上に小さなタオルを敷き軽い段差を作り、真正面を向けるようにアドバイスしたことがあります。
寝ている時の寝返りは、歪みの調整をしているのでそれが阻害されないように工夫することも考えると、状態も良くなったということがありました。
クライアントさんの場合、枕をしていない状態だとこのような状態でした。
頭が落ちてしまっている状態ですが、横向きに寝たときは、身体の側面が布団に触れます。そのため、肩の高さと頭部の隙間を埋めるように枕を設定すると首周りの筋肉も出ないはずです。
そのため以前はこのように首にタオルを敷けばいいと考えていました。
ただこれをしてしまうと寝返りがうてず、仰向けでずっと寝ているのであれば問題はありませんが、横向けに寝る場合は問題が出てしまいます。そのため最近では、高反発枕が勧められています。
横向きで寝ている場合、このような関係を維持できれば筋肉は緩い状態になります。
これがまくらの高さとして設定できれば首の筋肉も緊張せず、寝ることができます。
クライアントさんにはこのようなご説明をし、この高さは実際に僕が手を入れ、高さ調節すると首の状態も楽だとおっしゃっていました。
枕は非常に大切なものですが、なかなか自分に合う設定ができていない方が多いなと感じます。
このように一連の流れを行っていきましたが、ここに書いていないこともお伝えしていきましたが、大まかな流れはこのような流れとなりました。
セッション中に気になったことについて
人間は1つのことしか意識できない
一度に多くのアドバイスを送られることで緊張が増してしまったり、その情報が処理しきれずに結局すべてがわからないということがあります。
人間は1つのことしか意識できないため、一度に2つ、3つとアドバイスをされてもそれらをすべて実践することは難しい。
ただ、クライアントさんからの話を聞く中ではそういう場面に何度も出くわしているそうです。今回も同じで、以前姿勢を習ったときに一度にいくつものことを言われたためどういう姿勢をすればいいのか結局わからなかったとおっしゃっていました。
できるだけシンプルなアドバイスを1つするだけで、目的とすることができるのが理想です。こういうところは僕自身常々意識しなければならないと思っています。
こちらは専門的なことを学べば学ぶほど、それがあたかも常識的であるかのように無意識に発言してしまうこともあるかもしれません。それはクライアントさんにとってはわかりづらい表現です。
改めてアドバイスの仕方に注意する必要があると感じたことでした。
広い視野を持つ
これも毎日のように視野を広く、という意識を持っていますが、それでも狭く頭は硬くなっていきがちです。いかにクライアントさんの生活をイメージし、聞かせていただいた話の中から姿勢、動作、過ごし方を想像できるか。
広い視点を持つことで、セッション時にどれだけのことをお伝えするのか、ひとつの尺度が出来上がります。
ただ1時間のセッションを1ヶ月で4回こなせばいいということではなく、現状が●●で、目標に向かうためには今▲▲をしておく必要があるという先を見越したアドバイスが重要です。
常に物事を引いて見る癖を持ち、改善するためには何をすればいいのか、日常の生活を変えていただくためにはどういう言い方をすればいいのか、なぜこのような話をするのか、いろんな視点を持つことでもっとセッションの質を高められると思います。
まだまだ反省の日々ですが、物事は引いてみることで見える世界が変わり、多くの気づきがうまれてくると思います。
どれだけクライアントさんの立場で考えられるか
綺麗ごとのような感じですが、最近もできるだけ1日のセッションを振り返る時間をその日のうちに少しでもとるようにしていますが、どうしても流してしまっていたり、伝えきれていないことがあったりしています。
またアドバイスの仕方が少し雑になっているというか、わかりづらい表現をしてしまっていたりすることが多々あります。単に技術不足ですが、バシッと決められるセッションがあまりなく、いつももやもやで理想とは全然違うものです。
改めてクライアントさんの立場に立って考えると気づきますが、もっと深堀をしないといけないところがあったり、心理状態を考えずにメニューを行ってしまったり、その日のクライアントさんの状態を見極めきれなかったりと課題があります。
自分もどちらかといえば完璧を目指したいですし、完璧がないとは思っていますが、自分がある程度納得できるものはクライアントさんにも喜んでもらえるんじゃないかなと思っています。
自分がクライアントであればまだまだ納得できないし、●●してほしいと思っていると思います。そういう声に出ないご希望を汲み取り、それを実現できるレベルまで持っていきたいなと思います。
まとめ
今回はクライアントさんの例を詳しくまとめていきましたが、首の痛みの原因は寝方が問題であり、筋肉を緩め、その寝方を変えることで改善が見られました。
あとは、お伝えした首と枕の関係や日頃の姿勢が緊張のない状態で維持できれば問題は改善されていくと思います。
東京は月1回しか行きませんので、それだけ難しい状況もありますが、少しでも改善に向かうように日頃から実践し続けていただきたいなと思います。
では最後の今日のまとめをしたいと思います。
- 首を痛めてしまう原因は、寝方や日頃の姿勢
- 改善のためには筋肉を緩めること
- それだけでは痛みがぶり返すため、原因を取り除く必要がある
- 今回の場合、寝方、姿勢を整えることで改善が見られた
- 筋肉を緩め、首と枕の関係をきちんと維持できれば改善される
このような内容でお送りしました。
少しでも参考になればうれしく思います。
今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。