
以前までIzuru Styleでは女性のクライアントさんが9割を占めていましたが、最近は連続して男性が入会されており、男性らしい目的をお持ちでセッションもこれまで以上に新鮮に感じ、充実感があります。
野球選手を中心に、ラグビー選手や会社員の男性も来られますが、スポーツ選手以外の男性は主に身体を大きくしたい、筋肉をつけたいという目的をお持ちです。
今日はそんな男性のクライアントさんとのセッションで感じたことをまとめていきたいと思います。筋肉をつけたい男性の参考になればうれしく思います。
こちらの記事も参考にしていただければと思います。
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Contents
筋肉をつけたい方が知っておきたいこと
ジムや自宅で筋力トレーニングに励む方も多いと思いますが、思ったように筋肉がつかなかったり、大きくならずで悩んでいる方もいると思います。
なぜ頑張っているのに、成果が得られないのでしょうか?それは筋肉に与えた刺激が、筋肉が大きくならない刺激だったということです。
筋肉が大きくなるためには、さまざまな条件があり、それを満たすことで筋肉は大きくなっていきます。
筋肉をつけるためにはどういうことを知っておく必要があるのでしょうか?
高重量を扱うから筋肉がつくわけではない
これは最も多い勘違いのひとつかもしれませんが、高重量を持てば持つほど筋肉が大きくなると思い、1回しか上げられない重量を使用したり、反動を使って2~3回しか挙上できない重量を使用したりしても筋肉はそこまでつきません。
全く変化がないということではありませんが、見た目に著しく変化をもたらすかと言うと微妙なところです。
ジムに入会したての方は、トレーニングエリアで高重量を扱っている筋肉ムキムキの人を見ると、「よし、自分もあれぐらいの高重量を持ち上げると筋肉がつくはず!」と意気込み、かなり重いダンベルを使用したりしているかもしれません。
筋肉を大きくする、つけるためには、ある一定の量が必要です。
どういうことかというと、10kgのダンベルを1回がやっと持ち上げられるとします。この場合、全体の量は10kgです。
でも5kgのダンベルだと4回持ち上げられるとします。すると、全体量は5kg×4=20kgとなります。この全体量をうまく調節することで筋肉は大きくなっていきます。
ただ重い重量を扱えばいいということではなく、筋肉がつくためには適切な刺激があり、その刺激を加える必要があるということです。
重量に関係なく“限界”まで追い込む
「筋肉をつけたいのなら10回で限界を迎えるような負荷を使え」と、常識的にこのようなことが言われ、筋肉をつける=10回というのが認識されていると思います。
実際に10回前後で限界を迎えるような負荷で筋肉に刺激を加えると筋肉は肥大していきます。
ただ、近年その常識は少し変化してきており、必ずしも10回で限界を迎えなかっても、30回、40回でも反復できなくなるまで追い込むことで、その最後の数回の刺激が筋肉を大きくする刺激となるようです。
そのため30回、40回でもいいので、とにかく限界まで追い込めば筋肉がつくような刺激になっているという認識に変わってきています。
逆に言えば、それだけ追い込まなければ筋肉はつかないということになり、決して“楽に”筋肉をつけるということはできないということにもなります。
エネルギー的に余裕がないと筋肉はつかない
人間の身体は非常に賢く、エネルギーが余分にない状態では筋肉がつきません。むしろ、エネルギーが不足している場合、多くのエネルギーを消費する筋肉は生命を維持するためには邪魔になるため、減っていきます。
僕自身も20歳前後の頃、どれだけジムでトレーニングをしても筋肉がつかないと悩み、トレーニングの内容を何度も見返しましたが、原因がわかりませんでした。
あるとき、「もっと太ってみよう!」と思って、食事量を増やすと筋肉がつきはじめ、トレーニング量も多すぎたため調節していくと筋肉も大きくなり始めたということがありました。
筋肉をつけるためには、ある程度余分なエネルギーの蓄えが必要になります。
適切な刺激を加えられると1回の筋トレでも筋肉はつく
常識的には、筋トレをして筋肉がつくまでは2~3ヶ月かかると言われていますが、実際のところはそうでもないようです。
1回のトレーニングを終えたと、目に見えてというものではありませんが、微量ながら筋肉がつき、それが数週間すると数値でも小さな変化を確認することができるそうです。
そのため、適切な刺激を加えることで毎回のトレーニングで何かしら身体の変化は起こっていることになります。
ここからはクライアントさんとのセッションの中で感じたことをまとめていきたいと思います。
前提としてクライアントさん自身がこういうメニューをしたいとエクササイズをご指定されているものもあり、そういったことを踏まえてセッションを行っていきました。
筋肉をつけたいという目的に対して行ったこと
まず最初に行ったことは、クライアントさんの現状の確認から行っていきました。以前は筋肉をつけたいと思い、ジムでトレーニングをされており、あまり変化が見られなかったためにセッションを受けに来られました。
ジムとIzuru Styleでのセッションを併用するため、ジムで行うメニューのポイントや修正点をお伝えしたり、セッション時間を使って全身のトレーニングを行ったりと、臨機応変にセッションごとに変更していきました。
まずはクライアントさんが以前から行われているメニューを確認していきました。
ベンチプレス
ベントオーバーローイング
ショルダープレス
アームカール
トライセップスエクステンション
スクワット
デッドリフト
このような内容で行われていたそうで、オーソドックスなメニュー構成でそれぞれひとつひとつをチェックすることから始めていきました。
限界に達する前に終えている
まずクライアントさんのトレーニングを見て気になったことは、先ほどもお伝えした限界まで行うという、筋肉をつけるための条件が満たされていませんでした。
ご自身の中ではきつく追い込んでいるつもりでも、本当の限界まで行っていただくいつもよりも2~3回挙上することができ、まだ余力があったことを実感されていました。
これは非常に大きな点で、この2~3回の差というのは筋肉をつけたい方にとっては大きな要素であり、いかに限界までできるかが筋肉をつけるためには重要です。
各種のフォーム
これまでインターネットでトレーニングのやり方を学び、実践されていたそうです。すごく勉強熱心なため知識も豊富でしたし、素晴らしいなと思う一方で、拾った情報が不適切だったため動き方も目的とする部位に効かせることができていませんでした。
この動き方や動きの手順も目的とする部位に効かせるためには重要ですので、ポイントを振り返りながら2種目程見ていきたいと思います。
ベンチプレス
これは以前、ベンチプレスで肩を痛めてしまう原因と改善についてでお伝えしていることに近いようなフォームでしたが、バーを上げ下げする位置が不安定で、スタートポジションはみぞおちの真上ぐらいに設定されていました。
そこから真下のみぞおちに下ろし、元の位置に戻るようにバーの上げ下げを行っていました。
この位置に設定すると、不安定となり重量が重くなればなるほど不安定になってしまいます。この不安定さを改善するためには、肩の真上の位置に設定することです。
この位置ではバーの重さを肩周りの筋肉で支え、動員される筋肉の量が多いため非常に安定してきます。これは一度試していただくとすぐにわかると思います。
ベンチプレスをしていると、胸ではなく、肩の前側に効いている感覚があり、実際の動きを見てもそこに刺激を受けるようにバーを上げていました。
肘を真横に開くように動き、そこから肘を伸ばし切るようにバーを上げていく。
このときに刺激を受けるのは、ちょうどこの辺りです。
バーを下ろす時は体側に沿わせるようなイメージで下げ、胸骨に下ろし、そこから弧を描くようなイメージで肩の真上に上げていきます。
このようなイメージでベンチプレスの動きを修正すると肩の前側から胸全体に刺激を受けることを感じることができ、いつもよりも軽めの重量でしたが、非常に効いている感もあり、きつく感じたそうです。
実際にベンチプレスを行っていきましたが、15~20回で限界を迎えるように負荷設定をして行うと、大胸筋全体に効いていたためパンプアップして、嬉しそうに胸を揉みながら「いい感じやね!」と喜ばれていました。(笑)
ベントオーバーローイング
ベントオーバーローイング(以下、ベントロー)を行っている時には、上腕二頭筋に効いているような感覚があり、うまく広背筋に効かせることができていなかったそうです。
ラットプルダウンという上からバーを引き下ろすマシンは、広背筋などが鍛えられ、ジムでも代表的なマシンのひとつ。
このマシンを使っているけど、うまく広背筋に効かせることができない方は多いのではないでしょうか。これは動作を知っておく必要があります。
この方の動作の手順のイメージは、
- バーをへそに向かって引く
このイメージしかなく、手元からバーを引くと上腕二頭筋に効いてしまいます。
人間の身体は不思議で動かす手順ひとつで効く筋肉が変わりますが、広背筋に効かせるためには、肩甲骨から動かします。
実際にベントローの動きは、2つの動きに分けてから1つにまとめるように行っていきました。
まず、このようなポージングをとり、軽くバーに上背部が引っ張られる(肩甲骨の外転)ように伸ばし、そこから肩甲骨を寄せる(内転させる)ように引きます。これが1の動きになります。
続いて、この状態から肘を背中側に引き、バーをへその方に向かって引きます。これが2の動きになります。
この手順をインプットするように1-2、と動作を確認しながら行っていきました。
いきなり、1-2としてしまうとこれまでの動きとあまり変わらず、動きがインプットできませんので、まず県高校の動きだけを繰り返します。
それができるようになれば、1-2というように一気にバーをへそに向かって引き寄せ、再度スタートポジションに戻ります。
このように動作を修正することで、広背筋に効かせることができ、上腕二頭筋への刺激は軽減されていきました。もしベントローで、目的が上腕二頭筋に刺激を加えることであれば、手元のバーを引く意識で行うと刺激は上腕二頭筋に加わります。
エクササイズ名を書いていますが、重要なことは目的であり、この目的によってやり方は変わっていきます。
動作手順を確認して行っていきましたが、ベントローについては限界まで行えていましたが、フォームが問題で上腕二頭筋の肥大は見られていましたが、広背筋はセッションで行ったような刺激は加わっていませんでした。
この場合は、動作に問題があるために広背筋の肥大が起こっていなかったということです。
フォームについてはこのように確認をしていき、目的をする部位に刺激が加わるようにひとつひとつ手順を確認し、お伝えしていきました。
このクライアントさん場合は、この2点が修正点だと感じ、休息時間や頻度についてはご自身でも考えられていて、特に問題ではないように感じました。
筋肉をつけたい方必見!?筋肉を肥大させる刺激について
筋線維には白筋と赤筋と言われる筋肉があり、筋肉をつけたいと思われている方は、この白筋と言われる筋肉に刺激を加える必要があります。
それは、白筋は赤筋に比べ肥大しやすい特徴を持っているためです。
では、この白筋に刺激を加えるためにはどうすればいいのでしょうか?それは、このような刺激を加えることで白筋に刺激を加えることができます。
筋肉が限界を迎えるまで追い込む
これは先ほどもお伝えしましたが、一般的には10回で限界を迎えるような刺激を加えることで、筋肉が肥大します。これは、高重量を扱うことで白筋に刺激が加わるために筋肉が肥大します。
先ほどの話では、20回、30回と高回数の刺激でも限界まで追い込めば筋肉は肥大するとお伝えしましたが、筋肉を細く引き締めるときにも同じようなことが言われます。
30回ぐらいできるような軽めの刺激を筋肉に加えると筋肉は細く強くなりますが、このとき刺激を受けているのは赤筋です。
持久性を帯びた筋肉ですが、細くなるときと肥大するときでは何が違うのでしょうか?それは、高回数であっても反復不可能になる“限界”まで追い込むと、限界の数回前の刺激は白筋に刺激が加わると言われています。
扱う重要が軽めであれば、22・・・23回目辺りまでは赤筋に刺激が加わる。でも筋肉が疲労し、限界に近づけば近づくほど白筋に刺激が加わりはじめ、最後の5回は白筋に刺激が入る。
だから最後の5回程はかなりきつい。そこを追い込むことを筋肉は肥大します。ですので、細くしたい方の場合、限界の一歩手前で終える必要があるということになります。
筋肉をつけたいと思っている方は、楽に筋肉をつけることはおそらく難しいということは再確認していただけたかなと思います。
エキセントリックな刺激を加える
少しイメージしてみてください。10kgのダンベルを持ち、肘を曲げて持ち上げる。ただ、1回が限界。次は同じことを11kgでします。おそらく上がらないので、反動をつけるか、逆の手でサポートして持ち上げる。
ここから少し肘を伸ばそうとすれば、11kgのダンベルの重さに耐えられず本来はダンベルを止めたいが、肘が伸ばされる。このときに、筋肉は収縮したいけど、伸ばされながら張力を発揮している状態になります。
これがエキセントリックな刺激であり、日本語で伸張性筋活動といいます。
今その場でスクワットをするとします。自重ですので、10回で限界を迎えるということはなく、20・・・30・・・、おそらくもっとできると思います。
このように高回数反復できるときに刺激を受けるのは赤筋でした。ただ、今回はしゃがむときにスローで動くようにゆっくりとしゃがみます。すると太ももの前側の筋肉は伸ばされながら張力を発揮し、エキセントリックな刺激を受けます。
負荷は自重で軽いけども、このようにエキセントリックな刺激を受けるときは白筋に刺激が加わります。ですので、筋肉をつけたい方は、家にダンベルやバーベルがない場合は、このようにエキセントリックな刺激を活用することで筋肉を肥大させることができます。
急激なエキセントリック刺激はマイナスになる可能性
筋肉を肥大させようと思うと、これまでお伝えしてきた筋肉に刺激を加え、ある意味筋肉に傷をつけてその修復過程で以前よりも強くするということを行っていきます。
もうひとつの考え方として、筋肉を肥大させるにはタンパク質の合成のスイッチを入れる必要があります。
筋肉はタンパク質で構成され、タンパク質の合成スイッチが入ると分解スイッチはOFFとなり、分解スイッチが入ると合成スイッチはOFFになります。ここまで極端な反応ではありませんが、イメージとしてはこのように互いでバランスをとっています。
筋肉をつけたいと思う場合、できるだけ合成のスイッチを入れておきたいものです。スイッチを入れるためには、トレーニングで筋肉に刺激を加えると合成スイッチが入り、そこに適切な栄養があれば筋肉は肥大することになります。
先ほどエキセントリックな刺激を加えると白筋に刺激が加わり、筋肉が肥大するとお伝えしましたが、やり方ひとつで分解のスイッチが入り、マイナスになってしまう可能性があります。
それは、急激なエキセントリックな刺激が加わるとタンパク質分解スイッチが入り、筋肉が減る可能性が出てきます。
イメージとすれば、ゆっくりしゃがんでいる途中で誰かが背中に飛びついてきて、その重みで太ももの前側がギュッ!と急激に伸ばされると、この瞬間に分解スイッチが入ってしまうそうです。
そのためエキセントリックな刺激は筋肉を肥大させる上では、刺激としては適切ですが、そのやり方を間違ってしまうと逆効果になってしまう可能性があるということを知っておいていただければと思います。
スロートレーニングを活用する
もうひとつの刺激の加え方は、スロートレーニングを活用することで。文字通り、スローでトレーニングをしていきますが、軽く膝を曲げた状態からスクワットを開始し、4~5秒でしゃがみ、4~5秒で膝を伸ばし切らないように立ちあがる。
筋肉は常に張力を発揮しているため、筋内の血流量が制限され、低酸素状態になってしまいます。
この低酸素状態になることで、筋肉を肥大させるホルモンなどが分泌され、筋肉が肥大するという流れになります。
高齢の方の場合、高重量を扱うのはケガのリスクが伴いますが、自重でスロートレーニングをすれば、安全ですし筋肉をつける刺激は十分加えることができる。
こういったスロートレーニングも活用することで筋肉を肥大させることができます。
■スロートレーニングと加圧トレーニングの違いについてまとめてみました。
まとめ
筋肉をつけたいと思う男性は多いと思いますが、適切なトレーニング刺激を加えることができないと思ったような成果を得ることもできず、ただ疲労してしまっただけということになりかねません。
時間ももったいないですし、できるだけ効率的に筋肉をつけていきたいものです。
上記のようなことが少しでも参考になればうれしいですし、それがきっかけでトレーニングの楽しみを感じていただければ嬉しく思います。
今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。