
むくみを改善するためには、リンパを刺激したり、筋肉を収縮↔弛緩させポンプ作用を活用したりします。そうすることでリンパの流れが良くなり、老廃物や二酸化炭素などが代謝されていきます。
そうするとむくみも改善され、脚もパンパンに張らずに朝を迎えたり、すっきりとした身体になります。
どこかに通わないとリンパの流れを良くすることはできないと思われがちですが、リンパマッサージの手順を覚えればご自身でもリンパの流れを良くすることができ、むくみを改善することができます。
今日はそんなセルフで行うリンパマッサージの手順について詳しくお伝えしていきたいと思います。
こちらの記事も参考にしていただければと思います。
[clink url=”http://izuru-style.co.jp/leg-lymph”]
Contents
リンパって何?
まず基本的なところの理解をすることでよりむくみの改善についてポイントを知ることができると思いますので、まずはリンパって何?というところから話を進めていきたいと思います。
リンパという言葉をよく聞くと思いますが、リンパ【lymph】とは、節、液、球などと言われるものがあり、それぞれ役割が異なります。
- リンパ節
- リンパ球
- リンパ節
■リンパとは?
リンパ(英:lymph)は、毛細血管から浸出した一般にアルカリ性の黄色の漿液性の液体。血漿成分からなる。リンパ液ともよばれる。
Wikipediaより引用:リンパ
擦り傷をして絆創膏を貼り、そこに黄色い液体が染みついているのを見かけたことがあると思いますが、あれがリンパ液です。
上記の説明だけでは具体的なイメージがつきづらいと思いますので、もう少し具体的に見ていきたいと思います。
血液がろ過されたものが最終的にリンパ液となる
みなさんの体内には血液が絶えず流れていますが、この血液は心臓から送り出されています。心臓から送り出された血液は、動脈を通り、細動脈を通り、毛細血管へと入っていきます。
この毛細血管で血液は約90%が静脈に戻っていきますが、残りの約10%の血液はこの毛細血管から浸み出し、組織の中に入ってきます。このとき血液は、毛細血管から浸み出るときに赤血球などがろ過されるような形となり、血液の赤みがなくなります。
組織の中に入ってきたろ過された血液を、組織液、もしくは間質液と言います。(以下組織液と表記)ここではまだリンパ液と呼ばず、組織液と言いますが、組織の中にはたくさんの細胞達がいます。
毛細血管から浸み出てきた組織液は酸素や栄養素を持っており、細胞内にこれらを届け、細胞内にあった二酸化炭素や老廃物は組織液中に放出されます。そして、組織内が組織液で満タンになると、毛細リンパ管というところに流れ、この中に入った組織液のことをリンパ液と呼びます。
少し難しいかもしれませんが、シンプルに言うとろ過された血液が結果としてリンパ液になるということです。
リンパ液はリンパ節やリンパ管を通る
リンパ管に侵入してきた液体をリンパ液だということをお伝えしましたが、このリンパ液はリンパ管という管を通り、全身に張り巡らされているリンパ管の中を通って最終的に静脈に合流するという流れになります。
ここからご自身でリンパマッサージをするときに必ず必要となる知識になりますので、理解できるように読み進めてください。
以前にリンパについては一度解説をしていますので、詳しく知りたい方はこちらを参考にしてみてください。
[clink url=”http://izuru-style.co.jp/edema”]
血液は心臓の拍動によって全身を循環することができ、体内を1周するのにかかる時間は約40秒程度だといわれています。リンパ液の場合、この心臓のようなポンプの役割をする器官がなく、その役割は筋肉が行ってくれます。
ただ、リンパ管の中には平滑筋という筋肉があり、この筋肉は1分間に約3~4回の拍動をするようで、リンパ液はこの拍動によって循環することができますが、体内を1周するのにかかる時間は約12時間と言われています。
血流と比べると圧倒的に遅く、そのためリンパ管へ少しの圧でも加わると循環が悪くなり、滞りすぐにむくんでしまうのはこのためです。では、このむくんだ身体をリンパマッサージで改善するにはどのようなことを理解しておく必要があるのでしょうか。
リンパマッサージは高速道路をイメージする
リンパを流すためには、手順を理解する必要がありますが、まず渋滞している高速道路をイメージしてみてください。
画像の上側が出口となって、下から上に向かって進むようになっています。赤い出口と書かれているところが封鎖されているとします。人間でいうとこの出口というのは、鎖骨下リンパ節というところになり、リンパマッサージでは鎖骨の近くにある溝を刺激しなさいとよく言われるのは、この出口を開放するためです。
後で手順を詳しく説明するので、先に進めます。
一般的にリンパマッサージは下から上に流しなさいとよく言われますが、下の方にある車がいくらエンジンをふかして前に進もうとしても、前が詰まっているので進むことができません。
まず出口を開放すること。そして順番に上から車が流れると後に下の車も渋滞から解放されます。リンパマッサージで大切なことは上から順番に進めていくことです。
また、この高速道路は必ず途中にあるサービスエリアに入る必要があり、そこを通って次のパーキングエリア、もしくは出口を目指しますが、パーキングエリアでご飯を食べたり、休憩をしすぎるとここでも詰まりが起こります。
このパーキングエリアが青で示したものであり、この青で示したところはリンパ節になります。上から順に刺激を加えて、道路も掃除し、そしてパーキングエリアも渋滞から解放していきます。
人間の身体で言えば、
- 鎖骨下リンパ節
- 乳び層
- 腸骨リンパ節
- 鼠径リンパ節
- 膝窩リンパ節
この順に刺激を与え解放し、詰まりを改善していきます。
ポイントを整理しておきます。
- 出口である鎖骨下リンパ節を最初に刺激し、解放しておく
- 上から順番に刺激を加え、下に向かっていく
- 時間があれば再度下から上に刺激を与えていく
このようなポイントを整理した上で次は実践に入っていきたいと思います。
リンパマッサージの具体的なやり方について
では、リンパのこと、流れのことが整理できたところでリンパマッサージのやり方についてお伝えしていきたいと思います。
①鎖骨下リンパ節を刺激する
- 首と鎖骨の間にある溝に指を置き、5回程呼吸を繰り返す
- 同じ場所を軽く擦る
②みぞおち(乳び層)に刺激を与える
- みぞおちに手を当て、深呼吸をします
- 息を吐くと同時におなかに圧を加え、心臓の鼓動が聞こえるぐらいまで押す
- 息を吸う時は手の力は抜き、再度同じことを10回繰り返します
③下腹部(腸骨リンパ節)に刺激を与える
- 下腹部に手を当て、深呼吸をします
- 息を吐くと同時におなかに圧を加え、心臓の鼓動が聞こえるぐらいまで押す
- 息を吸う時は手の力は抜き、再度同じことを10回繰り返します
④鼠径リンパ節を刺激をする
- 鼠径部に手を置き、その状態で5回程呼吸を繰り返す
- 鼠径部の広い範囲を軽く擦る
⑤膝窩リンパ節を刺激する
- 膝裏に指を立てて入れ、左右に揺らすように1分間刺激する
- それが終われば逆側を行う
膝裏に指を入れるときは、このように立てていれます。
⑥足関節(足首)を軽く動かす
- 膝を立て(もしくは伸ばしたまま)つま先の上げ下げを繰り返す
- 感覚としては、つま先を軽く持ち上げ、力を抜くように元の位置へ戻します
⑦時間があれば、⑥、⑤、④・・・①と戻る
時間があれば上から下へ、そしてまた下から上というように上がっていき、終わりとなります。
⑧終わったらコップ1杯分の水を飲む
お風呂上りなどにする方が多いと思いますが、リンパマッサージをし終わってからは、コップ1杯分ぐらいの水を飲み、刺激したリンパの流れを良くして終わります。
この8つの手順はクライアントさんにもお伝えし、感覚的なことが重要で文章だけでは伝わりづらいこともありますが、クライアントさんからもむくみが軽くなったなどの声をいただき、現場でも活用しています。
また寝るときにソックスを履いたり、日頃むくまないように工夫する点などもありますが、まずはリンパマッサージをするときのやり方を整理していただき、毎日続けていただくと朝起きたとき変化を感じていただけると思います。
まとめ
いかがでしたでしょうか。むくみについては、リンパマッサージのやり方をきちんと理解することで改善することができると思いますが、健康であるということが条件です。
風邪を引いているときや、がんや血栓などの疑い、もしくはそういう病気になっている方はリンパへの刺激は禁止となります。これはきちんと守り、自己判断ではなく、病院の先生の指示に必ず従ってください。
健康の方は、こういうセルフで行うものを日頃から継続していただくとむくみをご自身でも軽減することができると思います。
では最後に今日のまとめを書いていきたいと思います。
- リンパには、節、液、球などの種類がある
- リンパ液は血液がろ過され、組織液がリンパ管に侵入したものである
- リンパマッサージの手順は基本的に上から下へ移行する
- 鎖骨下リンパ節を開放してから行わないとあまり変化が見られない
このような内容でお送りしていきました。
今日の内容を少しでも参考にしていただければと思います。
今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。