低気圧と体調の関係|雨の日や台風の日に体調が悪くなる理由

これまで多くの女性とセッションをする中で、不思議に思うことがありました。それは、雨の日や梅雨時期、また台風の日には女性のクライアントさんから当日キャンセルが増えます。

以前から雨の日は気圧が下がるため体調が悪くなりがちと聞いたことはありましたが、その理由に何か引っかかるものがあり、釈然としない気持ちになっていました。

最近改めて免疫力や自律神経のことを学んでいる内にその原因が見えてきました。そこで現場でも実践をしてきましたが、体調の変化が見えてきましたので、今日は低気圧と体調の関係についてお伝えしていきたいと思います。

こちらも参考にしていただければと思います。

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身体の各器官を調整する自律神経

まず、低気圧と体調の関係をお伝えする前に改めて、自律神経のことについて触れていきたいと思います。

■自律神経とは?

交感神経系と副交感神経系の2つの神経系で構成されている。

Wikipediaより引用

交感神経と副交感神経の2つが天秤のようにバランスをとり合いながら存在し、これらのバランスが整っているときは、身体の機能は正常に働き、健康を維持できるようになります。

ただ、現代社会のようにストレスを多く受ける場合、交感神経が優位となってしまい、自律神経のバランスを崩すことで様々な症状、病気などを発症すると言われています。

交感神経の働きについて

交感神経は主に、昼にかけて活発となり、人が活動的になるタイミングで優位になります。交感神経が優位のときは身体の中ではこのような反応が起こっています。

  • 血圧:上昇
  • 気道:拡張
  • 心拍:増加
  • 胃:休む
  • 消化器官:蠕動運動の抑制

このような反応が起こっていますが、運動をするときの身体の状態を思い返してみるとイメージしやすいと思います。

運動すると血圧、心拍数は上昇し、息が上がったときにはより多くの酸素が取り込めるように軌道が拡張する。そのときに食欲はあまりないと思います。ですので、胃や消化器官は休んでいると考えることができます。

これが交感神経の働きであり、ストレスを多く受けている時も同様の状態です。

副交感神経の働きについて

交感神経とは逆の働きをしますが、夜になると副交感神経が優位となり、身体を休める、気持ちを落ち着かせるなどの反応が起こります。

  • 血圧:下降
  • 気道:収縮
  • 心拍:減少
  • 胃:活動
  • 消化器官:蠕動運動が促進

休みの日をイメージしていただくとわかりやすいと思いますが、仕事のときよりも食欲があり、「今日は何を食べよう?」と考えたりすると思います。

気持ちも落ち着き、寝る前には心拍数、血圧ともに低くなります。

このように身体を休める、落ち着かせる反応は主に副交感神経の働きによるものです。

交感神経と副交感神経の働きを見ても、どちらが重要なのかというよりもどちらも身体を正常に機能させるためには重要であり、それぞれのバランスをとることで、身体の機能を一定に保つことができます。

 

免疫力と大きく関わる白血球について

続いては、免疫力と関係のある白血球について知っていただきたいと思います。

白血球について

■白血球とは?

広義には生体防御に関わる免疫担当細胞を指す。

外部から体内に侵入した細菌・ウイルスなど異物の排除と腫瘍細胞・役目を終えた細胞の排除などを役割とする造血幹細胞由来の細胞である。

Wikipediaより引用

白血球には主に3つの種類があり、

  • 顆粒球
  • リンパ球
  • 単球

この3つで構成されています。血液成分の内訳と共にもう少し詳しく白血球について見ていきたいと思います。

顆粒球について

顆粒球は、白血球の中に多く含まれ、自律神経のバランスが整っている場合、約65%の割合を占めると言われています。

主な働きとしては、大型の細菌や真菌類の処理を受け持ち、食べて除去する働きを持ちます。また顆粒球は、これらの処理に当たった後2~3日後に役目を終えてしまいますが、そのときに毒性を持つ活性酸素を放出しながら粘膜に流れていくそうです。

活性酸素は、老化やがんの元凶にもなると言われており、通常量の活性酸素であれば処理能力も備えられていますが、顆粒球の増えすぎは活性酸素の増加につながり、健康を害する可能性があるということになります。

リンパ球について

リンパ球は、ウイルスなどのサイズの小さい異物やがん細胞、老化した細胞の処理を行い、ウイルスなどが侵入してくるとこれを抗原として認識し、それに対する抗体を作り、抗原を処理します。

リンパ球の特徴は、一度出会った異物などを記憶する能力があり、一度出会った抗原に対して抗原を作り、二度目は症状や病気が発症する前に、すぐに処理できるように備えています。

がん細胞は常に人間の体内に存在していますが、がんを発症しないのはこのリンパ球ががん細胞を殺しているからです。

このように白血球は働き、細菌やウイルスから人間の身体を守っています。

顆粒球とリンパ球と自律神経

先ほど、自律神経は交感神経と副交感神経からなり、それぞれがバランスをとり合って健康が維持されるということをお伝えしましたが、両者は顆粒球とリンパ球との関わりも持っています。

昼間活発に活動する人間は、そのときに大きめの細菌や花粉などのタンパク質が体内に侵入してきた際に、殺菌できるように顆粒球の量が多くなります。

また夜はそういう大きな細菌よりも食事などから体内に侵入する小さなウイルスなどを殺菌できるように、リンパ球が増加します。

  • 交感神経優位=顆粒球が増加
  • 副交感神経優位=リンパ球が増加

このような関係になっています。

顆粒球が増加し多すぎると、細菌などのウイルスの除去だけに働けばいいですが、活性酸素を多く放出して役目を終えるためこの活性酸素によって体内の粘膜が傷つき、さまざまな炎症が起こってしまいます。

リンパ球が増加するときは、副交感神経が優位であり、血管が拡張し体内の血液量は増加します。すると、それを処理しきれず滞りがあると身体は疲労感を感じたり、だるさを感じたりするようになります。

 

気圧と体調の関係

気圧と体調については、一見関係がないように思え、低気圧のときに体調が悪くなるのはたまたまではないか?と思われる方もいるかもしれません。

気圧が高い晴れの日は、空気中の酸素量が増加し、酸素は身体のエネルギーを燃やすときの材料にもなるため、交感神経が優位となり、「どこかへでかけよう!」と思うように活動的になります。

逆に気圧が下がる雨の日は、空気中の酸素量が低下し、エネルギーを燃やす材料が少なくなるため、副交感神経が優位となり、「今日は家にいよう。」とあまり活動的にはなれず、じっとしておきたくなります。

気圧の変化で身体の中ではこのようなことが起こっています。

  • 高気圧:交感神経が優位
  • 低気圧:副交感神経が優位

先ほども副交感神経が優位になると血液量が増加するということをお伝えしましたが、日頃から身体を動かしていない方が低気圧のときに体調を崩されることが多いように現場では感じます。

これは、身体の中の体液の循環が悪く、細胞が代謝する際に排出する老廃物が体内に多く残ってしまうために起こる症状だと考えることができます。

日頃からもそうですが、低気圧になったときにさらに血流量が増加することで疲労感やだるさ、頭痛などが出ると考えられます。

肩こりの原因は、姿勢の乱れによって肩周りの筋肉が硬くなり、老廃物が溜まり鈍痛のようなだるさを感じたりすると言われていますが、これと同じと考えるとわかりやすいと思います。

セッション中にみられること

上記のように、副交感神経が優位となり、体内の血液量が増加し、循環が悪いときは、身体は増加した血液をより早く循環させようとし、結果的に交感神経が優位になります。

セッションのときに血圧と心拍数、体温を測りますが、多くの方が高血圧、心拍数が高め、低体温の状態であります。

これは交感神経が優位な状態のときの特徴であり、そのためセッションでは身体を緩めたり、揺らしたり、循環の改善を行い、自律神経を整えることを行っていきます。

すると、僕が身体に触れて調整をしたりしているとほとんどの方が眠られます。セッションが終わるタイミングで起こし、身体の状態を聞くとすっきりし、来られたときに感じていただるさなどは改善されています。

このように低気圧のときに体調が悪くなる方ほど、日頃から働きすぎなどのストレスで自律神経が乱れている傾向があり、それらを元に戻すことで低気圧のときの不調も改善されると考え、セッションを行っています。

結果もよく、以前ほど低気圧のときに体調が崩れる方も少なくなり、このような結果から気圧と自律神経が関係していることを痛感しました。

 

低気圧のときに体調が崩れる方が日頃取り入れたいこと

低気圧のときになぜ体調が崩れるのか、少し理解していただけたでしょうか。

このような悩みを持つ方は、このような状態を維持することを考えてみてはいかがでしょうか?

  • 筋肉を柔らかい状態で維持する
  • 適度に身体を動かし、循環を維持する
  • 自律神経を整える

上の2つは共通することであり、適度に身体を動かすことで筋肉は緩み、循環も良くなります。

また自律神経を整えるためのひとつの方法としては呼吸です。呼吸を行うことでリンパの流れも良くなります。

これらのことを少し詳しくお伝えしていきたいと思います。

適度に身体を動かし、筋肉を緩め循環を良くする

身体の動かし方ひとつで筋肉は緊張し、逆に緩めることができます。

上半身の筋肉を緩めるためには、このように軽く肩を上下することで緩めることができます。

肩こり

この動きは、胸や背中など多くの筋肉が緩むため、上半身の筋肉を緩めるには便利な動きとなります。

このように捻る動きも腰部などを緩めることができます。

身体を捻じる

またリラックスしてる歩けば脚の筋肉を緩めることができ、日頃ウォーキングをしたり、ウィンドウショッピングをするなど少し工夫をしてみると楽しく脚の筋肉を緩めることができると思います。

歩き方

これらのような動きを行うことで、筋肉が緩みポンプ作用によって循環の改善にもなります。これらをできるだけ毎日行い、習慣づけることが重要になります。

呼吸について

自律神経を整える呼吸をする場合、このように行います。

  1. 軽く鼻から息を吸う
  2. このときお腹を膨らませるイメージで呼吸を行う
  3. ろうそくの火を消すように細く長く息を吐く

呼吸 腹式呼吸

呼吸は、一生懸命する、大きく吸ってすべて吐き切るようなイメージで行うと緊張してしまい、うまく身体も緩みませんし、自律神経も整いません。

リラックスした状態で行うことでセロトニンが分泌され、それによって自律神経が整うとされていますので、頑張りすぎないことです。

ご自身の中で気持ちよく呼吸を繰り返していただくことで、自律神経を整えることができます。

このように適度に身体を動かすこと、呼吸を行うことで自律神経を整え、循環の改善ができ、低気圧のときの体調不調も少しずつ改善されていくと思います。

ぜひできることを取り入れていただければと思います。

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まとめ

今回は、低気圧のときの体調不良についてお伝えしていきましたが、身体というものは不思議でさまざまなものの影響を受け、現状にあります。

対人関係、仕事、天候などさまざまな要因がありますが、それらとうまく付き合っていくことも体調を良い状態に保ち、健康を維持するためには重要になります。

遺伝的なことだと諦めず、このような考え方で改めてご自身の体調と向き合っていただくと、また違う視点でご自身の身体を見ることができるかもしれません。

今日の内容が少しでも参考になればうれしく思います。

今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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