
継続的にむくみがある箇所は、皮下脂肪が溜まりやすい。そんなことを知ってから下半身太りとリンパの関係について見えてきた部分があります。セッションを受けられる女性の多くが下半身に悩みを抱えています。
上半身が細くて、下半身が太い。なぜこのようなことが起こるのでしょうか。
今日はリンパの流れから見えてきた下半身太りを改善するための考え方についてまとめていきたいと思います。
こちらの記事も参考にしていただければと思います。
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Contents
実験から見えてきたリンパの流れについて
先日、あるリンパ関係の書籍を読んでいると実験でリンパの流れについて調べられているものがありました。それは、仰向けの状態で顔のマッサージをしたり、座ったまま脚のマッサージをしたりと、さまざまなパターンでリンパの流れを分析されていました。
その実験結果をまとめていきたいと思います。
仰向け+マッサージ
- A:仰向け+顔のマッサージ(5分)
- B:仰向け+手のマッサージ(5分)
- C:仰向け+脚のマッサージ(5分)
まずはこの3つのパターンでリンパの流れを見られていましたが、リンパの流れが改善したのかどうかは血液内の成分に変化が見られるとリンパが流れたと判断できるそうで、血液成分を調べながら行われていました。
この3つのパターンでどのような変化があったのかというと、すべてリンパの流れが良くなり、改善が見られたそうです。ただ、脚の周径囲が変化したのはCのみだったそうです。
寝ているだけ
- D:寝ているだけ(30分)
続いて行われたのは、マッサージをせずに寝ているだけではどのような変化になるのかということを見られていました。ここで非常に興味深い結果が出ていましたが、寝ているだけでA,B,Cと同じがそれ以上にリンパの流れが良くなったそうです。
ただこの寝ているだけでは脚の周径囲に変化が見られなかったそうです。
この結果からリンパはある一定時間仰向けで寝ているだけでも流れがよくなるということがわかりました。
座った状態
- E:椅子に座っているだけ(30分)
- F:座って脚のマッサージ(5分)
続いて行われたのは座った状態になるとどのような変化が見られるようになるのかということでしたが、ここでも結果に驚きました。座った状態であればマッサージをする、しないに関わらずリンパの流れに改善が見られなかったそうです。
仕事あがりに脚がパンパンになり、家に帰って座った状態で脚をマッサージする方も多いと思いますが、これはほとんどリンパの流れが改善していない可能性があるということになります。
リンパの流れを促すためには座って何かをするのではなく、仰向けになるか、それにプラスしてマッサージをするということが必要だということがわかりました。重力から解放するということが重要になってくると考えられます。
仰向けでの変化
- G:仰向け+腹式呼吸
- H:仰向け
仰向けの状態で呼吸を追加するとどのような変化が起こるのかということが見られていましたが、両方ともリンパの流れは改善し良くなりましたが、Hの仰向けになっただけでは脚の周径囲の変化は見られなかったそうです。
今日はこのデータを冒頭でお伝えしてから本題に入っていきたいと思います。頭の中は少し整理できましたか?ここから下半身太りを解消するための考え方について見ていきたいと思います。日頃仰向けになり、腹式呼吸をすることもリンパの流れを促す方法になります。
リンパ液の8割はみぞおちより下にある
先日、リンパマッサージのやり方をご紹介!セルフで行うときに知っておきたい8つの手順で詳しくリンパ液の流し方などをお伝えしていますが、基本的にはこの流れる順序や経路については変わりはありません。
覚えておいていただきたいのは、乳び槽というみぞおちの下ぐらいにリンパ節があり、リンパ液が溜まるプールのようなものがあります。
この乳び槽より下にリンパ液の8割があるそうで、この乳び槽にはリンパ液だけではなく、小腸につながっているリンパ管から食べ物から得た脂肪分がすべてこの乳び槽に運ばれるそうです。
そのため乳び槽に溜まっているリンパ液は乳白色をしており、乳びというのは漢字で【乳糜】と書き、おかゆと言う意味があるそうで、おかゆのような色をした液体が乳び槽に溜まっています。
ここで考えていただきたいのが、もしこの乳び槽やその下のリンパ節が詰まってしまうとリンパ液とともに脂肪分もへそよりも下に溜まってしまうことになり、下半身太りが起こるのではないかということです。
上半身太りという言葉はほとんど聞かれないですし、実際にそのような方も少ない。このように考えるとリンパの流れと下半身太りの関係性は見えてくる気がします。
リンパの流れはそもそも遅く詰まりやすい
みぞおちぐらいから下にリンパ液や脂肪が溜まりやすいことをお伝えしていきましたが、なぜ血液などは下半身に溜まらず、リンパ液は溜まりやすいのでしょうか。それは、この数字を見ると理解しやすいと思います。
- 血液:約40秒
- リンパ液:約12時間
これは体内を1周するのにかかる時間であり、リンパ液は血液に比べ圧倒的に流れが遅い。それだけ詰まりやすくなります。これは血液は心臓がポンプの役割を果たし流れを促してくれる。
でも、リンパ液の場合はそのポンプの役割をする器官がない。代わりに筋肉が収縮、弛緩、いわゆる伸び縮みすることでそのポンプの役割をします。ただ、筋肉を動かす機会が少ないとポンプの役割を果たすものがなく、非常に流れが遅いままになってしまいます。
このあたりについては、むくみに悩む女性が知っておきたい原因と改善の考え方についてでお伝えしていますので、参考にしていただければと思います。
そもそもリンパ液の流れは遅いのに、女性の方は締め付けの強い服や下着を着用するためさらに流れが滞りやすくなります。むくみや下半身太りを解消するためには、ここが重要になります。
日頃から締め付けの強い何かを着用していたり、つまってしまう姿勢や何か原因がありますが、この原因をみつけることが改善のポイントになりそうです。
下半身太りを解消するための考え方について
ではここからは今日の本題の下半身太りをどのようにして改善するのかを整理していきたいと思います。
むくみが改善できない原因を明確にする
セッションを繰り返しても数日間はむくみは出てこないが、その後は出てきてしまう方の場合、むくみが改善された状態が継続できない原因があります。
この原因を明確にできていないため、いくらセッションでリンパを流してもその効果は持続しません。これは当然僕の責任ですが、このクライアントさんに再度日頃の過ごし方、姿勢、着用物を聞いていくとその原因がわかってきました。
毎日ではないが、ガードルのような締め付けの強い下着を着用し、座っているときの姿勢や椅子の高さが問題で詰まっている可能性があることがわかりました。
座り方を正しましょう!って言うけど、そもそも正しい座り方ってどんな姿勢?で伝えているように、日頃から坐骨で座れるように骨盤を前傾することを意識して過ごしているクライアントさんがいますが、椅子の高さが低く、股関節よりも膝の位置が高くなっている状態でした。
このような椅子の高さに座りながら骨盤を前傾させようとするとどうなるか。股関節のところでつまりがうまれてしまいます。さらに締め付けの強い下着を着用するとさらにつまってしまう。実際に椅子の高さ、着用物などを変えると指導した後の1週間はこれまでよりもむくみは改善されていました。
この原因を明確にするというのは言葉で書くと非常に簡単に聞こえますが、実際に見つけるためにはクライアントさんの場合でもかなりの数の質問をし、日頃過ごされている環境をイメージできるまで質問を投げ続けます。
これを徹底的にみつけることが重要です。何をすればいいのかという方法が先ではなく、この原因を明確にすることが重要になります。
リンパの流れを良くするためにリンパを刺激する
以前もリンパについて紹介していますが、基本的には上から下にリンパを刺激し、時間があれば再度下から上という手順でリンパを流していきます。
セッションでも感じますが、女性の場合、
- 乳び槽
- 鼠径リンパ節
- 膝窩リンパ節
など、お腹、股関節、膝裏などのつまりが目立ち、非常に硬くなっていることが多く、つまりがあると非常に痛く感じます。
先ほどお伝えしたことをもとに下半身太りを解消するためには、左右の脚のリンパ液はへそ辺りで合流し乳び槽に入ってきます。そして胸のところにある胸管と言われる管を通り、鎖骨下リンパ節で静脈に合流します。
このお腹や股関節周囲をいかにつまらせないか、それが下半身太りを解消するためにはポイントになってきます。
セッションでもリンパを刺激したりすることがありますが、誰かにリンパの流れを改善してもらえるような環境があればいいと思いますが、もしそのような環境がない、もしくは誰かにしてもらった状態を維持するためには自分でリンパを流す必要があります。
そのためには、仰向けになり腹式呼吸をすることでリンパの流れを良くすることができます。ここからはそのやり方をご紹介していきたいと思います。
腹式呼吸のやり方
文字通りお腹で呼吸を行いますが、以下を参考にしていただければと思います。
- 仰向けになり、両手をお腹に乗せる
- 鼻からお腹を膨らませるように息を吸う
- 口から細く長く息を吐き、お腹を凹ませるようなイメージで行う
- これを繰り返す
という手順で行います。ここからは画像を交えて見ていきたいと思います。
仰向けになり、両手をお腹に乗せる
鼻からお腹を膨らませるように息を吸う
口から細く長く息を吐き、お腹を凹ませるようなイメージで行う
これを繰り返していただき、気持ちよく続けられる程度でいいと思いますので、まずは10回程度を目安にはじめ、慣れてくれば回数や時間を伸ばしていけばいいかなと思います。
これは自分でリンパの流れを良くしたり、流してもらったリンパをより維持するために行えば、むくみの改善に役立ったり、下半身太りの改善に役立ってくれるのではないかと考えています。
実際にセッションでもお伝えし、クライアントさんには実践していただいていますが、1週間で変化を感じている方もいます。マッサージなどをするのが手間だと思う方には非常に継続しやすいことだと思います。
筋肉を動かしポンプ作用でリンパの流れを良くする
業種は違えど、多くの場合椅子に座って仕事をされている方が多いと思いますが、仕事の時に何かしらの原因でリンパがつまってしまったり、流れが悪くなるということが考えられます。
そのため一定の間隔でみなさんの仕事場でできる簡単な体操などをし、筋肉を動かすことで筋肉のポンプ作用を活用しリンパの流れを良くする習慣をつけます。
ベットなどがあり仰向けになれる方の場合、腹式呼吸をしていただければそれでもリンパの流れを良くすることができますが、そのような環境がない方の場合、筋肉を動かす必要があります。
例えば机の下に少しスペースがある方の場合、その場で軽く足踏みをすることをもいいと思います。ただ、この足踏みをする場合、筋肉が過度に緊張してしまわないように軽く動かすようなイメージで行います。
その場足踏み
ひとつの例としてその場足踏みをすることで筋肉のポンプ作用を活用でき、リンパの流れを促すことができます。
椅子に座った状態でその場で足踏みをするように膝の上げ下げを繰り返します。
また貧乏ゆすりをするように踵を上げ、力を抜くように下げるという動作もふくらはぎの筋肉を使いますので、ポンプ作用が起こりますので、こちらもリンパの流れを促すことができます。
この動作のイメージはグッ、グッ、というイメージではなく、ポンッ、ポンッ、ポッっと軽く弾ませる、バウンドさせるようなイメージで行うとリンパの流れを促すことができます。
これらのように座っりっぱなしによってつまりが生じてしまったり、リンパの流れが悪くなることが考えられますので、それをご自身でリンパの流れを促す習慣をつけることで日頃からむくみの改善ができ、そしてそれを続けることで下半身太りの改善につながると考えることができます。
- むくみなどの原因を明確にする
- リンパを刺激し流れを促す
- 流れが良くなったリンパが再度悪くならないように日頃から適度に筋肉を動かす習慣をつける
- 締め付けの強い下着などの着用には気をつける
簡単なまとめとすればこのようなことを考える必要があると思います。個人によって何がつまりの原因かは違うと思いますが、それを明確にすることは非常に重要なことだと思います。
下半身太り解消を目指す方に覚えておいてもらいたいこと
リンパについてはこれまでにも多くの研究が行われているそうですが、わかっていないことも多くあるそうです。ただ、最近わかってきていることがあり、それはリンパの流れと脂肪の関係です。
まだはっきりとリンパの流れを促すと脂肪が燃焼するということははっきりと言えないそうですが、それに近しいことはわかってきているそうです。
ひとつわかっていることは、むくみが続く箇所についてはその周囲には皮下脂肪がつきやすくなるということです。脚が毎日のようにむくむ方については、脚に皮下脂肪がつきやすくなる=太くなる可能性があるということになります。
ですので下半身太りを改善しようと思うと、むくみの改善を考えることは適切なことであり、脚を細くするひとつの考え方としてむくみをいかに出さないか、これも重要になるということです。
むくみの改善についてはこれまでにも伝えていますが、今日の記事も参考にしていただき日頃からご自身で体操など適度に身体を動かしたり、リンパを刺激することに取り組まれてみてはいかがでしょうか。
まとめ
いかがでしたでしょうか。今日の内容は少し難しく感じる方もいるかもしれませんが、画像で紹介した体操や以前お伝えしたリンパへの刺激を継続していただくことが下半身太りを解消するヒントになると思います。
ただそのときに座った状態で行ってもリンパの流れは促されず、仰向けですることでよりリンパの流れを促すことができます。流れが遅い分重力の影響で流れづらくなると考えることができますので、時間がない方は仰向けで腹式呼吸をするだけでも十分な効果が期待できます。
ぜひ日頃から実践していただければと思います。
では最後に今日のまとめをお伝えしていきたいと思います。
- リンパは座った状態では流れにくく、仰向けになると流れる
- 仰向けで腹式呼吸をするとマッサージをする効果、またはそれ以上の効果がある
- むくみが継続的に起こっている部分は皮下脂肪がつきやすくなる
- リンパがつまる原因は姿勢、下着、運動不足などがあげられる
- むくみが起こる原因の発見が下半身太りを解消してくれるヒントになる可能性
このような内容でお送りしていきました。
今日の内容が少しでもお役に立てると嬉しく思います。
今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。