年齢を重ねると身体にがたがくるから早いうちにメンテナンスしておいた方がいいよ、なんてことを言いますが、中高年の方は膝にがたがきてしまうかもしれません。
今日は膝の痛みについて話をしたいと思っています。膝の痛みで悩んでいる方もいると思いますが、なぜ痛み、どうすれば改善できるのでしょうか?よく聞くのがヒアルロン酸注射です。
結論から言うと、注射をしても思ったような痛みの改善ができず、本当に膝の痛みの改善を目指すのであれば、 “噛み合わせを良くすること” です。
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膝が痛くなる原因って何?
そもそも年齢を重ねると痛くなる膝は、なぜ痛くなるのでしょうか?注射を打つ前に少し考えておきたいですよね。
まず考えられることは、日頃行う階段の上り下りなどの動作が問題で、太ももの筋肉がパンパンに張って痛みが出るというケースです。ちょっと詳しくお伝えしていきたいと思います。
階段の上り下りについて
階段を上る、下りる、という動作で膝の前が痛くなったりする方もいるかもしれませんが、痛みがどこに出ているのかによって問題の箇所は異なります。
中の方が痛いかな?と感じる方は、関節や軟骨に問題があると考えられ、外の方が痛いと感じる方は、腱や筋肉に問題があると考えられます。あくまでも目安ですので、きちんとしたことを病院で診断してもらうことが大切です。
階段の上り下りで痛みが出てしまう方は、階段を上ろうと踏ん張った瞬間や下りようとした瞬間に痛みが発生することが多いと思います。
これは、大腿四頭筋という太ももの前側の筋肉にストレスがかかり、このストレスに耐えられなくなれば痛みが出てきます。こういう方の太ももはパンパンに張っています。
この大腿四頭筋は膝のお皿を通り、脛骨と言われるスネの部分に付着していますが、筋肉がパンパンになり張ってくると痛みは腱の部分に出てくることもあります。この腱の付着の部分が膝の位置に当たり、筋肉が過度に緊張することで膝が痛むということが考えられます。
関節の噛み合わせの悪さ
足の親指の付け根あたりで体重を支えるように生活をしていると、膝は捻じれX脚のような曲がったように見える脚になります。
このとき関節では、骨と骨の噛み合わせが悪くなり、ぶつかり合ってしまったりこすり合ってしまったりすることで摩耗してしまいます。このような状態では関節液と言われる潤滑油は、少なくなり、油の切れてしまったチェーンのようになります。
油が切れた自転車をこぐと、ガリガリ!と音がなりますが、同じような状態が関節でも起こり、実際に膝の中できしむ音がするといのはこの状態と同じです。
このような状態になり膝が痛んでしまうと、膝の中に痛みを訴えるケースがあり、この場合は膝の関節に問題があることがあります。
このように膝の痛みについても、これが原因と決まったことがあるわけではありませんが、このように筋肉や関節に問題があり膝が痛むということが考えられます。
そもそも膝に注射をする理由ってどこにあった?
では、原因から注射をする理由について考えてみたいと思いますが、膝関節の噛み合わせが悪い場合、骨どおしがぶつかり合い、これによって関節液が少なくなり、関節のスムーズさが失われていきます。
だから注射を打って滑らかさを取り戻せば痛みも改善します。というのが一般的に言われていることですが、そもそも滑らかさを失ってしまったのは噛み合わせが悪くなるような身体の使い方をしていたからではないでしょうか。
と、考えると注射をする理由を見失ってしまいますよね。だから注射を打っても膝の痛みが改善されないんですね。ある程度の変化を感じますが、それは時間の問題です。
自転車のチェーンも油をさせばそのときはガリガリ音もなくなりますが、時間が経つとまた出てきますよね。それと同じです。
今日の一番のポイントはここです。膝の痛みを改善するためには、注射をすることではなく、関節の噛み合わせを良くし、それを維持することです。
維持するというのは程度に運動をしたり、歩いたり、階段の上り下りの動作をもっと楽に、スムーズにできるように変えることです。そうすれば膝の痛みを感じなくなります。
言い方を変えれば、膝が痛むように動いているということです。
50代女性|膝の痛みを改善できた例について
上記のことだと少しリアリティに欠けますので、実際に現場で改善できた例をご紹介していきたいと思います。
痛みを感じる瞬間
この方は、膝のお皿の真中すぐ下辺りに痛みを訴えており、階段を上ろうとグッと踏み込んだ瞬間に一番痛みが強くなるそうです。
その他には、歩いているときに前脚が着地した瞬間に痛みが出るそうで、この2つの場面で痛みが出て悩んでいたそうです。
これまでしてきたこと
これまで整骨院に通ってみたり、病院で診てもらったりしたそうで、注射も毎週のように打っていたそうです。
ジムに行って鍛えろ言われてパーソナルトレーニングを受けたり、マシンで鍛えたりしてみたけども思ったように変化がなかったそうで、逆に痛みが増すこともあったそうです。
X脚のように捻じれた膝
立ち方を見てみると、つま先重心で、脚はX脚のように捻じれていました。先天的に骨自体に変形はなく関節での噛み合わせが悪くなっていました。また筋肉もパンパンに張っている状態でした。
このような状態をセッション前に確認し、膝の噛み合わせを良くするために身体調整を行い、その後歩いたり、階段の上り下りを行っていきました。
セッション中に行ったこと
まずは、身体全体を緩め、膝の噛み合わせを良くし、循環の改善を行っていきました。その後は姿勢や動作についてお伝えしていきました。
身体調整
冷え性や便秘も続いていたそうで、僕自身の手がかなり温かいということもありますが、身体調整でクライアントさんの身体に触れているとどんどん体内の循環が良くなり、温かくなってきたとおっしゃっていました。
調整は首の方から足の方へと移っていきましたが、それに伴い順に身体も温かくなっていったそうです。
膝の噛み合わせを良くするために、下肢の連動を行ったり、股関節や足関節を使いながら噛み合わせを良くしていきました。
歩き方の指導
歩き方については、ヨガのときに胸を張って立つということを意識づけしているとのことで、その状態がそのまま歩きにつながり、肩甲骨を寄せ胸を張って歩かれていました。
脚については前に出すという感覚があるそうで、膝の痛みもあるのでそっと音がしないような着地の仕方で忍び足で歩くみたい感覚で歩かれていました。
セッションで行ったことは、リラックスして歩くというシンプルなことですが、みぞおちに意識を向け、そこを前に運ぶような感覚で歩いていただきましたが、それだけで以前まで痛かった膝の痛みは出なくなっていきました。
はじめは少し怖さがあり、スムーズさが出てきませんでしたが歩き続けると安心感が出てきたそうでスムーズに歩くことができるようになっていきました。
階段の上り下り
歩くことで痛みが出なかった分、すごく気持ちが楽になったそうですが、階段の上り下りもポイントをお伝えすると痛みを感じずに上り下りができ、喜ばれていました。
ここでしたことは、階段を上るときは頭をスッと引き上げるようなイメージで軽く上がる上ること。下りるときは、真下にスッと落ちるように膝を抜くような感覚で下りていただくと膝の痛みを感じずに下りることができました。
このような流れで実際に指導を行っていき、膝の痛みを改善することができました。
まとめ
いかがでしたでしょうか。膝の痛みは注射を打つから良くなるのではなく、痛い原因を改善することが重要です。
痛みの原因は、膝関節の噛み合わせが悪いことによって起こり、この噛み合わせが悪くなる原因は日常の動作に潜んでいることが多くあります。
日常で行う動作の歩く、階段の上り下りのやり方を改善して楽に動くようにすれば膝の痛みが改善し、注射を打たなくても過ごせるようになるはずです。
まずは噛み合わせを良くすることで膝の痛みを改善することだと思います。
今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。