インステップする理由とは?野球選手が知っておきたい身体のこと

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現役時代、身長の高い投手からインステップで投げられると怖さで打てなかったことを覚えています。それが、元楽天ゴールデンイーグルスに所属していた片山投手で、僕の1歳年上の当時報徳学園でエースでした。

当時の報徳は甲子園にも出場しており強かったのですが、このときの片山投手の威圧感は半端ではなく、僕はデッドボールを指に受け骨折。相手に威圧感を与えられ、インステップをして投げることはそういう意味では投手の武器になります。

ただ、インステップする分肩肘への負担が増すことも考えられますが、レベルの高い選手になれば安易にインステップはやめた方がいいとは言いづらくなります。

今回は、野球選手がインステップしてしまう原因と改善方法について解説していきたいと思います。

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野球選手がインステップしてしまう原因

少年野球のときのことをふと思い出すと、監督に1本の線をひかれ、そのライン沿って脚を踏み出すように投げなさいと指導を受けました。

当時は何も感じなかったのですが、中学、高校とそういうことを意識して投げるとバランスが悪くなることはなんとなくわかっていました。人間の身体の構造上、どのようにステップすることが自然なのでしょうか?

ここからお伝えすることは、投手にも打者にも共通して言えることなので、参考にしてみてくださいね。

身体の構造上2本のラインにステップすることが自然

人は、股関節から脚がぶら下がるようについていますが、この股関節の位置から考えると、本来は2本のライン上に踏み出すことが自然と考えられます。

歩き方

歩いている時に1本の線上を歩いてみてください。そうすると違和感があると思いますし、脚が緊張することがわかると思います。

ですので、まず前提として自然に踏み出すことができると、インステップはしないということになるんですね。ではなぜインステップしてしまうのでしょうか?

つま先重心=インステップ

自然な状態で立つことができると、人はこの位置に体重が乗ると考えています。

体重を乗せる位置

丁度スネの骨の真下の位置になりますが、この位置が足の真中と捉えてもらうとわかりやすいと思います。

ここに体重を乗せ、体重移動をしていくとまっすぐ踏み出せますが、インステップをする選手はつま先側に重心が偏ってしまっている可能性があるんですね。

人はつま先重心になると、このように・・・

重心を前に移動させる

重心を前に移動させる

回転する力が働くため、身体が前方向に倒れてしまう。もし、投手や打者が体重移動をするときにつま先重心になっていると、回転の力が加わるため、結果的にインステップしてしまうということなんですね。

つまり、インステップしてしまっている選手は、

つま先に体重が乗ってしまっている

ということです。ほとんどがこのつま先重心が原因でインステップしてしまいますが、もう1つ考えられることがあります。

体重移動する方向に問題がある

もう1つの原因は、

まっすぐ踏み出せていない

ということですね。例えば、右投げの投手が右バッターに投球する際、自分ではキャッチャー方向にまっすぐ踏み出しているイメージを持っているとします。

だけど実際は打者の方へ踏み出しており、体重移動する方向が斜め方向に向いているということがあるんですね。この場合も、インステップしてしまいます。

主に、

  • つま先重心になっている
  • 体重移動する方向がまずい

この2つが原因となってインステップしている可能性があるため、この部分を改善することでインステップを改善することができるということになります。

では、具体的にどのように改善していけばいいのでしょうか?詳しく解説しますね。

 

野球選手がインステップを改善する方法

インステップの改善は、まず体重支持ポイントを理解し、変えることから始めていきます。

体重支持ポイントを踵にする

先ほども体重を乗せる場所についてはお伝えしましたが、体重を乗せる場所はここです。

体重を乗せる位置

ちょうど踝の真下の位置になりますが、以下では踵と表現していきますね。ここに体重を乗せると足裏全体に体重が乗り、バランス良く立てるようになります。

そして、この感覚をより明確にするために、その場で連続ジャンプを繰り返します。これを繰り返すことで、より踵で立つ感覚が分かり、安定して立てるようになるのでぜひ試してみてくださいね。

手順

  1. 足を肩幅ぐらいに開く
  2. 踵に体重を乗せ、その場で連続ジャンプを繰り返す
  3. 着地の際に踵から着地する
  4. このときうまく着地ができると、お尻の付け根にストレスを受ける
  5. 確実に踵で着地ができるまで繰り返す

この後に、軸足に体重を乗せ、片足で立ってみてください。立ちやすくなっていることがわかると思うんですね。ある意味これが野球選手に必要なバランストレーニングでもあるわけです。

これで踵に体重を乗せることが自然だということが理解してもらえたと思うので、続けて体重移動に移っていきます。

踏み込み動作を繰り返す

ここからは投手の動きを解説しますが、打者も同じですからね。

踵で立ち、その踵で地面を押すようなイメージでキャッチャー方向にまっすぐ踏み出す。ここで自然に踏み出せると、軸脚の踵の延長線上に踏み出した足のつま先がくるはずで、こんな状態になるはず。

自然な踏み出し

こういう単純な踏み込みを100回、200回と繰り返します。地味な動きの繰り返しですが、この動きによってステップの方向を身体にインプットしていきます。

実際に選手の年齢にもよりますが、赤いラインで示した位置に白線を引くと、選手も練習しやすいですし動きもうまく改善しやすいですね。

いずる
目印を作って練習することは、大切ですね。

こういったシンプルな動きでステップを改善できたら、次は実際の投球につなげていきます。

※ここで注意点ですが、実際に投球をしながらの修正はかなり難しいため、必ず踏み込み動作のみを行った後に投球動作につなげていくださいね。

投球動作に移る

投球動作については特に改善することはありませんが、インステップしている選手はステップを改善すると身体が開いた状態で投げる感覚が出てくると思います。

その感覚の修正と、腕の動きが自然になればアウトローにボールが集まるようになるはずです。

この腕の動きを自然にするためには、「キャッチボールをするときに覚えておきたい投げ方と手順」で解説している方法を実践していただくと、うまくできると思うので参考にしてみてくださいね。

ここまではインステップの原因と改善方法をお伝えしましたが、ここまでの話だと、

インステップになる=マイナス

というイメージがなかったでしょうか?身体への負担を考えると、マイナスになる部分もありますが、相手を打ちとるという意味では武器になることもあります。

続いては、インステップすることそのものへの考え方について解説していきますね。

 

インステップは必ずしもマイナスにならない

トレーナーという立場であれば、やはり身体への負担を考えるとインステップは改善した方がいいように思いますが、打者を抑えたい投手にするとそうでないケースがあります。

60%エネルギーは下半身で生まれる

まず最初に知っておいてほしいことは、投手・打者に限らずボールへ伝える60%のエネルギーは下半身で生まれているんですね。だから野球は下半身と言われる。

その60%は、軸足の踵に体重が乗ることでうまく上半身、バット、ボールへと伝えられますが、つま先へ重心が流れてしまうと上半身へ伝えられるエネルギー量が少なくなります。

そうすると、結果的にボールに勢いがなくなってしまう。ですので、そういう意味ではつま先重心になり、インステップしてしまうことでマイナスになってしまうことが考えられます。

身体への負担は増える

また、インステップをする投手は踏み込んで投球するため、身体を捻る必要が出てきます。このときの動作は、思っている以上に身体への負担が大きいため、インステップをする投手は、

  • 股関節 など

こういった部分へのストレスが増し、結果痛みが発生してしまう可能性がある。

ですので、基本的にはインステップは改善する必要があると言われますし、僕自身もその意見に反論はありません。

≫関連記事:野球選手が肩・肘を痛めない投げ方と痛みの原因

インステップは武器になる

ただ、僕が打者目線で意見を言うのであれば、インステップする投手ほど打ちにくくなる。それがサイドスローとなれば尚更です。

プロや社会人選手であれば、打者を抑えることが仕事であり、抑えられなければクビになる。そういう立場の投手は、あえてインステップをして打ちとるということも1つの方法です。

これは戦術的な部分もありますが、こういう打者を抑えるという視点でインステップを見れば強い武器になります。

さらに、プロの選手は野球で生活をしているため、うかつに、

一般人
インステップは辞めた方がいい。

ということは言えなくなります。ここは正直判断が難しいところだと思いますし、投手のタイプにもよると思います。

ですので、こういったことを考えるとインステップ=マイナスということだけではなく、武器にもなるので、これらを両方理解した上で選択すればいいんじゃないかと考えていますね。

 

まとめ:インステップの良し悪しを理解した上で選択しよう

今回は、インステップになる原因と改善方法についてお伝えしていきました。

阪神タイガースが優勝した年にJFKという勝利の方程式がありましたが、このとき「J」を担っていたジェフ・ウィリアムス投手は、左投手でサイド気味で、大きくインステップして投球していました。

スライダーの切れが半端ではなく、右バッターが空振りをして身体にボールが当たるということがあったんですね。

このように大きな武器として捉えることもできますし、身体の使い方としては踵で地面を押した方がより下半身を使うことができ、身体の負担も減るという点でプラスになります。

最終的には選手が決めることではあると思いますが、考え方として2面性があるということですね。今回お伝えした内容をまとめると、

  • インステップすることで身体へ負担が増す
  • ただ相手に恐怖心を与え、打者が打ちづらくなるというプラス面がある
  • より大きなエネルギーを得るのは、踵で地面を押す方
  • インステップの修正は、ステップ位置を理解した状態で体重移動を繰り返す

このような内容でお送りしていきました。今回の内容が少しでも参考になればうれしく思います。最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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