
ある程度の年齢とともにお尻が下がってしまい、お風呂なんかで「うわっ・・・こんなにお尻垂れてたっけ?」と愕然とする日がやってくるのかもしれません。
んっ?もしかして、そこのあなたはお風呂のときにもう感じてますか?年齢には勝てないですよね・・・。
ただ、お尻が垂れてしまうことは年齢がすべてではなく、もしかすると“お尻が垂れるような生活をしている”から垂れてしまった可能性もあります。言い換えれば、お尻が垂れるように過ごしているということです。
今日は、この下がってしまったお尻を上げるべく、考え方についてお伝えしていきたいと思います。
こちらの記事も参考にしていただければと思います。
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Contents
お尻が下がる理由は、筋トレをしていないからだけではない
お尻が下がってしまうのは、年齢がすべてではなく日頃の姿勢が関係しています。そう、みなさんが毎日する立つ、座る、歩くといった姿勢や動作が問題でお尻を下げてしまっているのかもしれません。
なぜこのようなことが言えるのか、具体的に見ていきたいと思います。
ヒップアップされた状態とは?
そもそもどのような形が理想なのでしょうか?これに関しては人それぞれだと思いますが、イメージしやすいのは、黒人のようなキュッと上がったお尻ではないでしょうか。今オリンピック真っ最中ですが、黒人のお尻を見ていると、本当に理想的に見えますね。
こんなお尻になれなくても、少しでも近づきたい。そんな想いもあるかもしれませんが、お尻というのは大殿筋、中殿筋、小殿筋と言われる筋肉が重なり、主にお尻の膨らみは大殿筋という筋肉で感じます。
これらの筋肉は、腸骨と言われる骨盤の骨の内側、仙骨や尾骨の外側に付着し、そこから大転子と言われる太ももの外側の骨(大腿骨)に付着しています。
このお尻の膨らみの見栄えは、殿筋群そのものが肥大し、膨らみを持つことで女性らしく見えるということもありますが、筋肉だけが膨らんでいてもヒップアップされた状態に見えないこともあります。
それは殿筋群は股関節の捻じれや骨盤の向きなどの影響を受け、形が変わります。
お尻が上がった理想のイメージは、このようにお尻の筋肉が適度に膨らみを持ち、骨盤は軽く前傾し、股関節の捻じれがない状態だと考えています。
もし骨盤が後傾し、股関節が捻じれていると、このようにお尻は下がって見えてしまいます。ここではまず、ヒップアップされた状態のイメージを整理していただければと思います。
骨盤が後傾することでお尻は下がる
ヒップアップされた状態はイメージできたと思いますが、骨盤が本来の位置から後傾した位置で維持されてしまうとお尻はこのように見えてしまいます。
いかがでしたでしょうか?同じ筋肉の状態でもこれだけ見た目の印象が異なってしまいます。
ということは、お尻が下がってしまう理由は、筋トレをしていないからだけではなく、骨盤の位置が自然な状態になくなれば、それもお尻が下がってしまう理由のひとつになるということです。
股関節の捻じれもお尻に影響を与える
お尻が下がるというよりも、外側に流れて脂肪が溜まったような状態になっている方もいるかもしれません。先ほど、殿筋は腸骨などから大転子と言われる太ももの骨の外側についているとお伝えしました。
股関節で捻じれが生じ、太ももの骨が内側に捻じれてしまうと殿筋群も外側に引っ張られるような形になることはイメージできるでしょうか?
骨に付着しているのは筋肉だけですが、その周囲には脂肪分や体液なども存在し、外側に捻じれる影響を受けるはずです。このような形になると、筋肉は伸ばされるようになるため、後方に膨らみを持つのではなく、外側に伸ばされるので、横にベチャっと広がってしまいます。
そこに脂肪組織なども移動してくるため、股関節の捻じれもお尻の膨らみをなくし、お尻の外側にたるみを作ってしまう原因として考えることができます。
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刺激が減ることでもお尻は下がる
筋トレをしないとお尻が下がるというのは、少し不適切だと思いますが、筋肉を使うということは身体を動かすということです。
身体を動かすということは毎日行っていますし、それは立つ、歩く、階段を上る、下りるなど、日常的にさまざまな動作を行い、筋肉に刺激が加わっています。
便利な世の中になったため、静物化してしまう、楽を求めがちな人間が増えたため、日常的に加わる筋肉への刺激そのものが減ってしまい、その刺激が減ってしまうことで筋肉が減り、お尻がたるむ、下がるということを引き起こしている可能性があります。
筋トレというと、ジムに行ってとか、ダンベルを持ってとイメージしがちですが、結局は筋肉に刺激を加えることであり、それをどこでどのように行っているのかが違うだけで、日頃からみなさんの身体、筋肉には刺激が加わっています。
この刺激自体が減ってしまうことでお尻が下がってしまう理由のひとつになってしまいます。静物化しているからなのか、動きの問題なのか、そのあたりもありますが、刺激が下がることはお尻を下げるひとつの原因として考えられるということです。
ここまでの中で、ある程度お尻が下がってしまう原因は掴んでいただけたと思いますが、どうすればお尻を上げられるのか、理想のヒップに近づくことができるのか。次は、この部分についてお伝えしていきたいと思います。
お尻を上げるためには、骨盤の位置を直し、動作を変え刺激を加える
お尻を上げるためには、まず骨盤の位置を知ることです。どのような状態が自然なのか、それを知るために立った状態で骨盤を動かし、立ち方を探ることもありますが、立った状態で骨盤を操作することは難しい。
ですので、座った状態で坐骨を感じることです。左右それぞれのお尻の真中辺りに固めの板などの上に座ると骨を感じると思いますが、それが坐骨になります。
坐骨を感じれるときの骨盤の傾きが自然な状態であり、腹背筋は適度にバランスよく緊張している状態になります。この位置に骨盤を維持させると立ったときに踵で立つ感覚や骨で立つ感覚が出てきます。
お尻を上げるためには、この骨盤の位置を自然な位置に保持させることです。
骨盤の位置を直す方法
上記でお伝えした骨盤の位置を直す方法を実践していただきたいと思います。これは以前もご紹介していますので、一度ご覧になった方も再度参考にしていただければと思います。
硬い板の上、またそのまま椅子に座る
まず硬い板の上などに座り、坐骨を感じやすいようにします。その上に座り、まず坐骨を感じます。
骨盤を動かし、坐骨の位置をインプットさせる
続いては、先ほど感じた坐骨の位置から骨盤を後傾させます。すると、お尻の下に感じていた骨の感覚がなくなります。
ここから再度先ほどの骨盤の状態に戻し、坐骨を感じれる位置に骨盤を前傾させます。
骨盤を何度か動かすことで、坐骨を感じやすくなりますし、位置もわかってきます。骨盤の位置がインプットできれば、その状態で立ち上がります。
座った状態でインプットした骨盤の位置をそのまま立つことで、立った状態でも維持しやすく、立った状態で骨盤を動かすと難しいのでこのような方法で骨盤の位置を修正していきます。するとお尻はくっと上がった状態になります。
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日頃の動作を変える
日頃の動作によって、お尻を上げることができます。それが歩き方と階段です。
歩き方について
クライアントさんも脚を前に出すような歩き方をしている方が多いですが、脚を前に出すのではなく、重心を前に運びます。
そのためには、みぞおちから脚が生えているようなイメージを持ちます。そして、そのみぞおちを前に運んでいくようなイメージで歩きます。
このときに少し脚を後に置いていくような、後ろ足の踵がすぐに浮いてしまわないように少し置くようなイメージで歩くことで、お尻に刺激が加わります。
この脚の使い方が、前に出てきてしまうと太ももの前側に刺激を受けるため、お尻へ刺激があまり加わりません。
この歩き方の違いを理解していただき、日頃から上記のような歩き方ができるとお尻に十分な刺激を加えることができ、お尻を上げることができます。
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階段の上り方について
階段の上り方については、片脚で自分の体重を支えることになるため、片脚スクワットをしているような状況になります。
多くの方は経験があると思いますが、何気なく階段を上っていると、太ももの前がパンパンに張ってしまったり、ふくらはしが疲れるといったことが起こります。これは、それらの部位を使うような階段の上り方をしているということです。
今回はお尻を使うように階段を上っていきたいと思います。
階段を上るときは、足を階段に乗せてグッと踏ん張り、このように上がっていくと思います。もしくはつま先だけで上がっていくかもしれません。
このような上がり方をすると、刺激は太ももの前側が受け、非常にきつく感じますし、このような上り方をし続けた場合、膝を痛める原因にもなります。
そうではなく、まず階段に足を置き、踵に乗っていくように階段を上っていきます。イメージとしては、少し斜め上方に身体を引き上げるようなイメージで上ります。
そうすると片脚スクワットをしているような状態になりますので、お尻に刺激を加えることができ、これを続けることでお尻は上がってきますし、太ももの前から刺激を取り除くことになりますので、太ももの前側も細く引き締まっていきます。
このような歩き方や階段の上り方に変えることで、日常で行う動作でも十分にお尻に刺激を加え、上げることができます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。お尻を上げるためには、筋トレが必要だと思われがちですが、確かにそういう刺激を加えることも必要です。
ただ、それ以前にお尻が下がってしまう、垂れてしまうようになったのはなぜかという部分が重要です。現場でもクライアントさんのお身体を見ていても、骨盤が前傾しすぎていたり、後傾しすぎていたりと、自然な状態にある方の方が少ない。
そのような状態を元に戻すだけでも身体には変化があり、身体を整えるためにはきついことをすることがすべてではなく、ぶらぶら身体を揺らしてみたり、筋肉を緩めるような刺激を加えることで整っていきます。
整うとそれだけでも身体は引き締まり、お尻も上がっていきます。身体を変えることは鍛えることがすべてではなく、元に戻す、自然体に直すことでも身体は変わっていき、気持ちよさを感じながら身体を変化させることも可能になるということです。
最後に今日の内容をまとめていきたいと思います。
- お尻が下がる理由は、骨盤の傾き、股関節の捻じれ、刺激が少ないことが考えられる
- お尻を上げるためには、鍛えることがすべてではない
- お尻を上げるには、自然体に直し、日常の姿勢・動作を変え、日頃からお尻に刺激を加える
このような内容でお送りしていきました。
まだまだきついことをするから身体が変わると思われがちですが、身体を変えるということはしんどいことだけではなく、自然体に直すことをベースに考え、気持ちの良いことを続けても身体は十分変わっていきます。
ただただ、お尻を鍛えるだけではなく上記でお伝えした内容を見返してみるとこれまでと違った結果を感じることができると思います。
今日の内容が少しでも参考になればうれしく思います。
今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。