
ヒールを履いて仕事をしているとむくんで脚はパンパンになるし、ふくらはぎとか太ももの前に筋肉がついて張って見えるし、いいことない。だったら履かないとこうかな。
ヒールを履けば筋肉がつく。そんな想いがある方は、ぜひ一度歩き方を再考してみてください。ヒールを履くから筋肉がついてしまうのではなく、歩き方の問題で筋肉がついてしまうことがよくあります。
なぜヒールを履いて歩くと筋肉がつきやすいのか?そしてどうすればヒールを履いても筋肉がつかないようにできるのでしょうか?今日はこのヒールと歩き方についてお伝えしていきたいと思います。
Contents
ヒールを履いて歩くと太ももに筋肉がつく理由
以前、ヒールを履いたときの歩き方|太ももは細くしてヒップアップさせるでヒールを履いての歩き方をお伝えしていきましたが、考え方を整理し、現場でも指導していくと少し考え方が変わったところや経験から見えたこともありましたので、今日は改めてお伝えしていきます。
なぜ、ヒールを履いて歩くと太ももの前側が特にパンパンになってしまうのでしょうか?その理由はシンプルで、太ももの前側に筋肉がつくような歩き方をしているということです。
もしヒールを履いてヒップアップするのであれば、ヒップアップするような歩き方をしているということになります。
では太ももの前側に筋肉がつくような歩き方とはどのような歩き方なのでしょうか?
脚が身体の前に出て、膝が曲がった状蓼で歩く
日本人の方は特にですし、ヒールを履いて僕も実際歩いてみると膝が曲がってしまいます。慣れないとなかなか難しいんだな・・・と感じていますが、感覚としては歩いていると地面にピンが引っかかりそうになります。
そのためピンが引っかからないようにするには、脚を前に出して着地すれば引っかからないで安心して歩くことができます。
こういうことを防ぐために、脚を前に出して歩きますが、このときの歩き方が太ももの前側に大きなストレスを与えます。
このように膝が曲がった状態で歩いてしまうと太ももの前側に筋肉がついてしまう可能性があります。ただ、本当に歩くだけで筋肉がつくのか?と思う方もいると思いますが、このときに太ももの前側に受ける刺激は、エキセントリックな刺激を受けるので、筋肉にとっては非常に大きな刺激となります。
エキセントリックな刺激って?
山登りをするよりも、山を下るときの方が筋肉痛になりやすいということは聞いたことがあると思いますが、この山を下るときにブレーキをかけながら山を下り、坂を下ります。
このとき筋肉は、伸ばされるような刺激を受けます。このような筋肉が伸ばされながら力を発揮する収縮形態をエキセントリック(伸張性筋活動)といいます。
筋肉がエキセントリックな刺激を受けると、白筋に刺激を受けるため筋肉が太くなりやすい。ただ歩くだけでも筋肉に加わるストレスは非常に大きいため、この刺激でも十分筋肉がつく刺激として考えることができます。
ヒールを履いて歩くと筋肉がついてしまう理由は、脚を前に出して膝が曲がるように歩くことで太ももの前側にエキセントリックな刺激を受けるためだということです。
現場で経験したヒールで筋肉がついた原因について
膝が曲がって歩いてしまうと太ももの前側に筋肉がついてしまうということをお伝えしましたが、ではなぜ膝が曲がってしまうのでしょうか?
その原因はクライアントさん、読者の方それぞれが異なってくるところです。
具体的に現場ではこのような原因がありました。
ピンが細く怖さがあったため
これはすごくわかったんですが、僕が買ったヒールは安くてピンの部分も太いんですが、それでも着地する面積が狭く感じてはじめは怖かったんですね。
怖さがあると脚の真上に身体を持っていくことができずで、どうしてもそっと足をつくようになってしまい、このときの歩き方が膝が曲がるような歩き方になってしまいます。
僕の場合は、ヒールに履き慣れていくとその怖さがなくなって、そうするとスムーズに歩くことができました。怖さがあるときは、さらに考える必要があります。
ピンの高さが高すぎる
ピンの細さと同様、高さがあるヒールを履くとこれも怖さが出てくることもあります。僕は6cmのヒールを買ってみましたが、女性では10cm以上の高さのヒールを履く方もいるんですよね。
モデルさんはすごい。。。
クライアントさんの例でいうと、7cmのヒールを履いている時には怖さがあって膝が曲がってしまうということでしたが、この怖さが出ないところまでピンの高さを調節していきました。そうすると4cmの高さでは怖さがなく歩けるということでしたので、日頃は4cmのヒールを履いていただきました。
ちょうどこの高さのヒールを持っていたので良かったです。高さの調整は実際に、6cm、5cmと高さの違いを経験していただき、実際に感じていただきました。
この高さによって怖さが出てきてしまって、膝が曲がって歩いてしまう場合、高さを調整することで太ももの前側に刺激を受けないように歩くことができます。
バランスが悪い
クライアントさんのヒールの裏を見させていただいて、みなさんすごく大切に履かれています。その証拠にピンが削れてしまって、ただでさえ細いのにその細さ+削れた底で歩かれている方が多かったですね。
このような状態で歩くとイメージがつくと思いますが、安定して歩くことができませんし、たまに街で見かけます。グキッっと足首を捻るようにバランスを崩しているけど、何食わぬ顔で歩いている方を。
バランスが悪くなってしまうと当然歩くことも慎重になり、そのような場合も脚を前に出して歩くような歩き方になってしまう。
こういった場合、いくら歩き方を改善しようとしてもうまくいきません。まずはヒールの底を直すか、違うヒールを履くことです。
他にも考えられることはあると思いますが、現場で経験したことはこのような例です。これらが原因で膝が曲がった状態で歩き、その刺激の繰り返しによって太ももの前側に筋肉がついてしまうという流れです。
これらのことを改善し、怖さもない。底も大丈夫。となれば、次は歩き方を理解して実践できれば歩いているだけでヒップアップすることができ、太ももの前側には刺激を受けないようにすることができます。
どうすればヒールを履いた状態でヒップアップするような歩き方ができるのでしょうか?
ヒールを履いたときの歩き方の考え方について
一般的に重心位置はどこか?と言われると丹田、へそ辺りと答える方が多いと思いますが、歩く、走ることは重心を運ぶことです。この丹田に重心位置を置いている場合、この位置を前に運ぶと身体が重たく感じます。
丹田の位置を前に運ぼうとするとこのようになります。
また重心位置を足元に持っていくとさらに重たく感じます。
この重心位置では足を前に運ぶような歩き方になるため太ももの前側に刺激を受けやすくなります。では、重心位置を頭にするとどうなるでしょうか?
重心位置を高くし、頭にある重心を前に運ぼうとするとリラックスしていれば脚はこの位置に勝手にきます。この位置にくれば身体の真下に脚が来るため太ももの前側に刺激を受けることはありません。
ここで大切なことはあれこれ考えず、リラックスするということであり、力を抜いていれば自然と脚はこの位置にきます。後は重心を前に前に運ぶようにすると太ももの前側に刺激を受けず歩き続けることができます。
重心位置をここでは頭と表現していますが、高く持つことが重要で、頭でも鼻でもご自身が意識しやすい箇所で問題ありません。では、実際に歩いてみましょう。
ヒールを履いたときの歩き方を実践
せっかくヒールを履いて歩くのですから、かっこよくスタイリッシュに歩いていきたいと思います。ポイントはこちら。
- 重心を高くする
- 上半身の力を抜き、リラックスする
- 重心を前に運ぶように歩く
- 少し踵を後に置いていくようにする
- 一本の線を歩くようにスタイリッシュに歩く
これらをひとつひとつ解説しながら見ていきたいと思います。
重心を高くする
まず重心を引き上げることから始めます。自分の意識の中で、重心位置を高く引き上げると上半身が引きあがっていくようなイメージです。
この状態では上半身に少し緊張が残りますので、続いては上半身をリラックスします。
上半身をリラックスする
引き上げた重心位置は高い位置でキープし、その状態で上半身をリラックスさせます。するとこのような状態になります。
ここまでできれば歩く前の準備は完了です。次は実際に歩いていきます。
引き上げた重心を前に運ぶ
引き上げた重心を前に運ぶようなイメージで、難しいことは考えずにリラックスして歩いていきます。すると脚は身体の真下に来るようになります。
あとは、重心をリラックスした状態で前に前に運べば太ももの前側に刺激が入らず、歩くことができます。
踵を少し後ろに置いていくようなイメージ
ここが一番ポイントになりますが、重心を前に運んでも脚が前に出てきてしまう方もいます。このような歩き方ではヒップに刺激を加えることができません。
ですので、歩いているときの後ろ足の踵に着目します。脚が前に出てきてしまう方は、後ろ足の踵が浮くのが早い。ですので、後ろの足の踵を少し置いていくようなイメージで歩くことで脚が前に出てくることを防ぎます。
またこのような脚の使い方をすることで、このときにヒップに刺激を受けヒップアップする刺激となります。画像でみていきましょう。まずは、踵が早く浮いてしまい脚が前に出てくる場合。
次に踵を少し置いていくようなイメージで歩いた場合。
違いが分かりますか?脚が身体の後ろにある場合ヒップに刺激を受けます。ということはこのような歩き方ができればヒールを履いて歩くだけでヒップアップすることができるということになります。
一本の線を歩くようにスタイリッシュに歩く
モデルさんをイメージして、堂々とスタイリッシュに一本の線を歩くように歩いていただけると街でも注目させるような歩き方ができます。
このような歩き方をすれば太ももの前側に筋肉がつくことはなく、女性らしい身体に近づきますしかっこよささえ出てきます。分けて考えるとこのような流れになりますが、大切なことは重心を引き上げ、リラックスして歩くだけです。
このシンプルなイメージの方がわかりやすいですし、実践しやすいと思います。ぜひこの歩き方をしていただき、ヒールを履くだけで女性らしい身体に近づいていっていただきたいと思います。
実践するときの注意点について
さて、ここまでヒールを履いた状態での歩き方についてまとめていきましたが、どうしても文章でお伝えしているので、みなさんそれぞれの解釈になってしまうことがあります。
致し方ないことかもしれませんが、できるだけ僕が意図していることを正確にお伝えしたいと思っています。ブログをご覧になっている方からいくつか実践する中で質問されたことがあったので、ぜひこの点は注意していただきたいと思います。
歩いているときヒップに刺激を受けるが、力を入れるのとは別
これはよく出てくる質問ですが、歩いている時にヒップに効いている感覚がなくて、「少し力を入れてみました」と力むように歩いている方がいます。
これをすると、脚が後ろにきたときに緊張が生まれてしまいスムーズさがなくなり、歩いている際に一瞬、グッ、グッと止まる瞬間ができます。これをすると気持ちよく歩けず、ヒップだけではなく脚が緊張してしまいます。
ヒップに力を入れるのではなく、歩いている中で刺激を受けます。その刺激の受け方も、グッ!グッ!っと筋肉が1回1回強く収縮するのではなく、クッ、クッと軽い刺激を受けるような感覚です。
感覚としてはリラックスして気持ちよく歩く。その中で自然にヒップに刺激を受けるということが理想です。ヒップに刺激を受けますが、自ら力を入れるというのとは、また別になるので、無理に力を入れることはしないようにしていただければと思います。
ひとつひとつの動きを意識しすぎる
文章で書いてしまうといろんなポイントをお伝えするので、実際に対面でご説明するのとは違い、細かな部分まで言葉として表現しないと文章ではイメージがつきづらいと思います。
ですので、細かいところまでご説明しそのため言葉が多くなりがちですが、実際に歩くときはシンプルさが大切です。
先ほどもお伝えしましたが、重心を引き上げ、リラックスして歩くだけです。少し意識をすることと言えば、踵を少し置いていくようなイメージを持つぐらいです。これだけで十分です。
ひとつひとつの動きを意識しすぎるとそれ自体が緊張を作り出し、そういった緊張は太ももの前側に刺激を加えるような歩き方になる可能性もあるので、シンプルに1つ、2つのポイントを持つぐらいで十分です。
意識をしない方がリラックスできる
上記のことと被りますが、意識をしすぎるという方は、全く逆で意識を脚から外してしまった方がリラックスできます。
分からなくなってしまえば、とにかく一度脚から意識を外し、高く引き上げた重心に意識を向けて歩いてみてください。
脳が緊張してしまうとうまくリラックスすることができませんので、考えすぎてしまう方は一度脚を意識しないようにしてみてください。それだけでリラックスして歩けるようになります。
まとめ
ヒールを履いて歩くとなぜ太ももの前に筋肉がつくのか?そしてそれをどのようにすれば改善できるのか。そのためにどう歩けばいいのか。この辺りを今日はお伝えしていきましたが、いかがでしたでしょうか。
いくら頭で理解してもすべては実践です。
筋肉がつきすぎて悩んでいる方も、その筋肉は刺激を加えなければしぼんできますので、諦めずに歩き方を変えていただければ脚も変化してくると思います。
今日の内容が少しでも参考になればうれしく思います。
今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。