
最近数人のクライアントさんから足裏の痛みについて相談を受けましたが、手術をされた方、インソールを買った方、鍛えている方、さまざまなことをされていますが、みなさんに共通することは痛みが改善してしないということです。
なぜ足裏の痛みが改善しないのでしょうか?足裏の痛みを改善するには、体重支持ポイントを変えること、そして日頃行う姿勢や動作を改善することです。
今日は足裏の痛みについてお伝えしていきたいと思います。
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Contents
足裏の痛みの原因について
足裏の痛みの原因は、痛みのある場所などによっても変わりますが、主な原因は日頃体重がかかる足裏の位置が問題です。
本日お伝えするのはつま先辺りの痛みについてです。
母趾球から小趾球までのこの辺りの痛みについてお伝えしていきます。
このつま先周辺の痛みについては、主な原因は異常体重であり、痛みがある周辺に体重がかかり続けているため痛みが発生してしまいます。先日ご相談に来られたクライアントさんはモートン神経腫で手術をされていました。
このような問題は、足裏の筋肉を鍛えたり、インソールを靴の中に入れてもうまく改善しません。インソールについては、適切なものを用意できれば痛みは改善しますが、痛みが改善しない場合は形に問題があります。
歩いているときに痛む場合は、つま先に体重がかかるように歩いていることが考えられ、要は体重のかかる位置が悪いですので、それを変えることで痛みを改善することができます。
足のアーチを改善するために必要なこと
このような足裏に痛みを抱えている方、または脚のどこかに痛みを抱えている方の多くは足のアーチが崩れてしまっている可能性があります。
このような方は、整骨院などでみてもらうと「足裏の筋力を鍛えてください」と言われて、タオルギャザーと言われる足の指でタオルを掴むような動きをさせられたりますが、うまくアーチが改善しません。
アーチが落ちてしまう原因
考えることは、そもそもなぜアーチが落ちてしまったのかということです。足裏の筋力が落ちたことでアーチが崩れてしまっているのであれば、鍛えることが考えられますが、鍛えても改善しないケースがほとんどです。
これは、体重支持ポイントが親指の付け根や小指の付け根などにかかると、その部分のアーチが落ちてきてしまいます。この体重支持ポイントを3点支持ができる位置に直せば、アーチも元に戻ります。
つま先付近に痛みがある方の場合も、つま先付近のアーチが落ちています。
アーチの改善について
アーチを改善するためには、鍛えることでも変化はあると思いますが、それだけではうまく改善しません。体重支持ポイントを直すか、テーピングなどを足裏に張ってすごすとアーチも元に戻ります。
大切なことは3点支持ができるようにすることです。
なぜ足裏の痛みがうまく改善できないのか?
足裏の痛みの原因は異常体重だということをお伝えしていきました。この体重支持ポイントの改善が痛みの改善へとつながるわけですが、いろんなことをしているのになぜ痛みが改善しないのでしょうか?
それは、異常体重が改善していないためです。痛みが改善しない理由を少しまとめてみたいと思います。
原因が把握できていない
現場でクライアントさんから話を聞かないと原因が見えてきませんが、それにかける時間は10分やそこらでは情報が不十分です。そのため1時間近く話を伺うこともありますが、その話をする中でクライアントさんと原因を共有していきます。
話の中で見えてきた原因から、実際に調整を行ったり、セッションを行うわけですが、クライアントさんにも原因とそこから考えられる改善について理解をしていただいています。
なぜ痛みが出るのか、その説明をして実際にその痛みが出るようなことをし、そこからセッションを行い、痛みが改善し、それがなぜ痛みが改善するのか説明をして実践して理解していただくようにステップを踏みます。
そうすると日頃行うことがわかりやすかったり、痛みが出ないことをすればいいので、クライアントさんの頭の中が整理しやすくなると思います。
痛みが出る原因がはじめから理解できていないということではなく、改善のためにどこかに通われていても説明がなく、わからないまま身体を温めたり、マッサージをされたりしています。
痛みのあるクライアントさん自身も痛みの原因を理解していただき、そこからどうすれば改善するのか、このステップを理解していただくことは非常に重要なことだと思います。
痛みのある箇所に何かをされ続けている
マッサージを受けるにせよ、患部を温めるにせよ、痛みがある箇所に問題があるわけではなく、痛みが出ている箇所=影響を受けた箇所、と理解するとわかりやすいと思います。
足裏のつま先の痛みの原因は、異常体重だということをお伝えしていますが、足裏をマッサージすると一時的に痛みが引くことがあります。ただ、それは2~3日すればまた痛みが出てきます。
このようなことを繰り返していても痛みは一時的な改善に留まり、根本的な改善にはなりません。
なぜつま先に体重がかかってしまうかを考えなければいけません。身体の歪みが原因なのか、立ち方の認識がつま先に体重をかけるという風に考えられているのか、多くの場合正しい立ち方=つま先重心と思っている方が多いように思います。
この場合、立ち方を変える必要があり、いくら痛みのある個所をマッサージしても改善に至りません。痛みがある箇所だけを見るのではなく、もっと引いて痛みを考える必要があります。
インソールについて
足裏の痛みを抱えている方のほとんどは、どこかでインソールを購入され履かれていますが、いまいち改善しないケースが多いようです。
これはインソールに問題がありますが、インソールという物自体は足裏の痛みを改善するアイテムだと思いますが、その形に問題があります。
つま先側の痛みについては、足の前側のアーチが下がってくるためそれを持ち上げるように形作られていればいいのですが、なぜか母趾球辺りが盛り上がって、小趾球辺りは何もないというような形を見かけます。
また、土踏まず辺りにボールを半分に切ったような膨らみがあり、それを使うと土踏まずが異様に刺激され、歩き続けるとそこに痛みが出てしまうというようなこともあります。
インソールを履いているけど改善しない方の場合、このインソールの形が足に合っておらず、それが原因で改善しないことがあります。使用する方の足に合わせて膨らみを作る必要があります。
鍛えることを指示されている
あるクライアントさんと話をしていると、クライアントさん自身も整理できたそうですが、マッサージや電気を当ててもらい身体が緩むと足裏の痛みはある程度改善するとのことでした。
ただ、足の指で何か物を掴むようなことを繰り返したり、指示されている足裏でグーをするような動きを続けた直後からつま先辺りに痛みが出てくるそうです。
鍛えるようなことをすると筋肉が緊張し、それが原因で痛みが出てきてしまいますが、緩めることで痛みが軽くなります。このような結果から鍛えること、緊張させることがすべて痛みの改善にはならないということです。
これも先ほどお伝えしたことと同じですが、痛みの原因が何かということです。異常体重でストレスを受け続けている箇所にさらにストレスを与えると痛みが出てくるのは当然な結果だと思います。
鍛える、筋力を強化するという発想を一度手放すことです。そのためには、一緒に原因について考え、理解していただくことが重要になると考えています。
足裏の痛みを改善するために実際に行っていったこと
ここからは具体的な改善についてお伝えしていきたいと思います。
足裏の痛みで悩まれている方は、それぞれ原因が異なるのでこれがすべてではないということで、参考にしていただければと思います。
原因を把握する
あるクライアントさんの場合、5年程前にパーソナルトレーニングを受けられていたそうで、そのときに立ち方を教わったそうです。
この立ち方の指導では、壁立ちをしていたそうで、後頭部、肩、お尻、踵の4点をつけるように立つことが正しいと教わったそうです。また壁から離れて立つときは、母趾球に体重をかけて立つように言われていたそうです。
ここから徐々に足裏の違和感が出だして、1年後ぐらいに痛みを感じ、その痛みは年々増し改善できず現在に至るそうです。
お話を伺った経緯を整理するようにクライアントさんに話をし、壁立ちの不自然さや、立つということの考え方を説明し、そこから原因についてもお伝えしていきました。
このとき足裏のパットを張って歩いていただくと、痛みが改善されており、この原因の意味についても理解していただくことができました。まずは原因を把握するところから入っていきました。
全体を直す
立った姿勢で特徴的だったのは、頭部の位置が前方にズレており、へそを突き出すような姿勢で立たれていました。
この立ち方は、壁立ちの影響だと思いますが、クライアントさん自身は違和感もなくこれが正しい姿勢だと思い込んでいたそうです。
頭部の位置が前方にズレると、5~6kgある重りが前に落ちるような形となり、さらにへそを突き出していますので、つま先重心になってしまいます。この姿勢の崩れを改善するところから行っていきました。
全体を調整した後立っていただくと、頭部の位置も良くなり、突き出していたへその位置も良くなっていました。このときクライアントさんの体重支持ポイントは踵になっており、何も言わず立っていただきましたが、自然に踵で立つ感覚が得られたそうです。
テーピングによるヒールロック
調整後は、踵で立つ感覚も得られましたが、テーピングで足首に巻き、踵重心を無意識でもできるように固定していきました。
するとさらに踵で立つ感覚が出てきました。
テーピングを貼った後からは、今までよりも楽に立つ感覚が分かってきたそうで、これまでいかにつま先に体重がかかってしまっていたかを理解されていました。
歩く動作を改善
以前までは歩くと痛みを感じていたそうですが、ここからは歩き方を指導していきました。
歩き方の理解としては、踵で着地をし、親指の付け根で地面を蹴るように歩くという理解をされていました。ただ、これではスムーズに歩くことができず、疲れてしまいます。
ふくらはぎはパンパンに張ってしまっていましたが、このような歩き方が原因です。もっと楽に歩くことです。
指導したことはシンプルで、足元に一切意識を向けず、みぞおちあたりを前に運ぶように楽に歩きましょうとお伝えしました。はじめは痛みが出るのでは?と不安さもあったそうですが、徐々にそれがとれていき、楽に歩くことができ始めました。
楽に歩いていても自然に踵に体重がかかり、つま先に体重がかからないので痛みを感じずに歩くことができました。
日頃行っていることを見直す
足裏の痛みを抱えてからいろんなところに通われていたため、家ではいろんなことをしているそうです。
その中につま先で歩くということがあったり、地面を蹴るという動作を繰り返すことがありました。整骨院で言われたそうですが、その意図は鍛えるということがベースにありました。
他にも股関節を動かす動作を行われていたりましたが、これらの影響で骨盤周囲から下は筋肉が緊張し、パンパンの状態でした。
こういったことを一度すべてやめていただき、立ち方を見直したり、体重支持ポイントが踵にくるようにパットの張り方やテーピングの張り方についてもお伝えし、実践していただいてます。
シューズを変える
今回のように足裏の痛みや膝などに痛みを抱える方の場合、シューズに変形が見られることがよくあります。
上記のような流れで調整を行い、姿勢や動作を改善することでセッション終了後は痛みが改善し、良い状態が続きますが、何度か変えるとすぐに痛みが出てくるということがありました。
その原因にシューズの問題が挙げられますが、調整をして身体を整えても、シューズが変形したりするとその変形の影響を受けて身体が以前のように歪み、体重支持ポイントもずれてしまいます。
このような場合はシューズを変える必要があり、インソールについても同じことが言えます。
スタジオでセッションを行って、歩いていただくと問題がないのに、ご自身で帰ってから歩くとすぐに問題が出るというような場合、こういうシューズの変形があると考えられます。
外で履くシューズだけに限らず、家の中で履いているスリッパも同じです。シューズの変形は異常体重になってしまう可能性があるので、変形があれば買い換えることが必要です。
脳の中を変える
これはみなさんがみなさん必要ではないと思いますが、痛みは脳が感じているということを忘れてはいけません。
不眠症で悩まされている方から相談を受けているときに感じることですが、不眠症の方はどこかしら痛みを抱えていることが多い。先日来られたクライアントさんも、睡眠時間が短いときは痛みも増すと言われていました。
身体の問題だけではなく、自律神経の問題やストレスを受けることなどが続いてる方の場合、それもできる限り改善することが必要です。
自律神経のバランスの乱れは痛みにつながると言われていますし、脳の中がマイナス状態だと痛みを改善しようにもうまく改善できないことがあります。
そう考えても、やはりクライアントさんが気持ちよく利用できる雰囲気を作り、身心ともにリラックスしていただくことが重要だと感じます。これがすべてではないと思いますが、痛みを感じる脳の問題も大きく関与していると考えられます。
まとめ
足裏の痛みの改善について、現場での経験も含めてまとめていきましたが、参考になることはありましたでしょうか。
ひとつの例として書いていますので、みなさんにとって必ずしも役立つ内容かどうかは精査していただくことが必要ですが、基本的な考え方はこのようになります。
鍛えること、筋力を向上させることが痛みの改善につながることもありますが、痛みの原因がわからず、とりあえず鍛えるというような感覚だとうまく改善はできません。
大切なことはクライアントさん自身も痛みについて原因を理解しどうすれば改善するのか、何をすれば痛みが出てしまうのか、そういったことを理解して一緒に改善できるように取り組むことが何よりも大事だと感じます。
トレーナーはあくまでも治療家ではありませんので、1回で治すというスタンスではなく、今週よりも来週、来週よりも再来週・・・と、改善のステップを踏めるようにサポートしていくのが役目だと思います。
少しでも足裏の痛みで悩んでいる方の参考になればうれしく思います。
今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。