疲れにくい走り方とは?手足を動かそうとせず重心を前に運ぶこと

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マラソンなどの長距離を走る場合、できるだけ疲れないように走ることでタイムが上がったり、後半にスタミナを温存できるんですね。

そういう走り方を模索して手足の動きなどを変え、試行錯誤を繰り返してみるけどなかなか疲れにくい走り方をみつけるのが難しいなんてことありませんか?

そうやって自分で走り方を工夫しようとすることは素晴らしいことだと思いますが、実はその試行錯誤することがそもそも疲れやすくする原因の1つなんですね。ポイントは、重心を前に運び、後方で脚は大きく回転すること。

今回は、疲れにくい走り方とクライアントさんに指導してうまく改善ができた例と共に解説していきます。

 

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疲れにくい走り方とは

結論から言えば、疲れにくい走り方とは、

無駄なエネルギーを消費せず、身体がスムーズに動く走り方

だと考えているんですね。逆に疲れやすい走り方とは、どこかぎこちなく走り方に硬さを感じる走り方という感じですね。

ここはなんとなくイメージしてもらえると思いますが、ではどうすれば身体をスムーズに動かせ、疲れにくい走り方をすることができるのでしょうか?

ポイントとしては、

  • 重心を前に運ぶ
  • 重心を高くする
  • 手足をリラックス

この3つだと思います。これらができるだけでも、疲れにくい走り方になると思います。具体的に解説しますね。

重心を前に運ぶ

一般的な走り方の指導では、

手足をどのように動かすのかなど細かな指導が多い

ように感じますが、走るときに多くのことを同時に意識することは難しく、それが動きの硬さにつながることが多いんですね。手足は動かそうとしなくても自然に動きます。

身体を自然に動かすためにはまず、

自分の重心を前に運ぶ

という一点に意識を向けます。

重心を前に運ぶと脚も自然に前に出てきますし、腕も自然に振れるため、疲れにくい走り方に変える一番のポイントはこの重心を前に運ぶことにあると考えているんですね。

ただいきなり、

いずる
重心を前に運びましょう。

と言われても、

クライアント
そもそも重心って何?

ってなりますよね。

重心とは身体を動かすポイント

と思ってもらうといいかなと思いますが、もう1つ重心を理解してもらうためと、疲れにくい走り方を習得するために重心についてお伝えしますね。

重心の位置を高くする

重心(身体を動かすポイント)の位置をどこに設定するのかによって、人は疲れにくさが変わってきます。

例えば、このペットボトルをご覧ください。

重心の位置

このペットボトルを倒そうと思うと、どこを押せば一番倒れやすいでしょうか?答えは一番上のキャップのところですよね。

逆に、ペットボトルの底の部分を押すことが一番倒れづらい。つまり、

重心の位置が高くなると物体(身体)を動かすエネルギーは小さくてすむ

ということなので、重心の位置を高く設定することで、それだけで走るときに使うエネルギーは小さくてすみ、結果疲れにくくなるということです。

ですので、走るときは重心を高く設定し、その重心を前に運ぶことで、疲れにくい走り方になるということなんですね。

手足を動かそうとしない

ただ、これだけだと、

クライアント
手足って本当に動くの?

と疑問に思うかもしれませんが、問題ないんですね。例えば、この画像をご覧ください。

重心を前に移動させる

重心を前に移動させる

地面の方向に身体を倒していっていますが、この後どうなるでしょうか?おそらくみなさんこうなります。

重心を前に移動させる

地面に激突するのを防ぐために、脚が“自然に”バッっと前に出てくるはずなんですね。こういうときって、意識的に、

いずる
脚を前に出そう!!

ってしていますか?してないですよね。もっと言えば、日頃歩いている時に、

クライアント
手を振ろう!

と意識して歩いていますか?おそらくほとんどの方は意識していない。だけど、意識していなくても、手足は自然に動いていますよね。

つまり、人の手足は重心を前に運べば、自然に動く構造になっているので特に動かそうという意識を持たなくても動くんですね。

ですので、疲れにくい走り方を習得するためには、

重心を高く設定し、その重心を前に運ぶ

ということだけで十分というわけです。

長距離を走るときの腕はリズムとり

ただそうは言っても、腕の使い方も知っておくことでさらに疲れにくい走り方ができると思うので、腕の使い方も解説しますね。

腕の使い方って、短距離と長距離の場合では違うんですね。

腕の役割

  • 短距離:前方への推進力を得る道具
  • 長距離:リズムとり

このような使い分けをします。

今回は長距離を走る方に向けて解説していますので、後程クライアントさんへの指導例で腕の使い方について具体的にご紹介しますね。

ここでは、長距離を走る場合の腕の役割は、

リズムとりとして使う

ということを覚えておいてください。

では、ここから実際にクライアントさんへ行った指導例をご紹介しますが、読者の方も同じように改善していただくと違いが実感できると思うので、ぜひ自分事に置き換えて読み進めてみてくださいね。

 

クライアントさんの走り方

以前クライアントさんは、ジムに通いそこのスタッフさんに走り方について教わったそうですが、そのスタッフさんは大学まで陸上をされていたそうです。

そこで指導された走り方は、

  • 脚を前に出す
  • 肘を引き、胸を突き出す
  • 地面に対して並行に走る

こんな内容でした。

脚を前に出す

クライアントさんはジムで走るときはトレッドミルを主に使っていたそうですが、このときに教わったことはまず脚は前に出すということだったそうです。

脚を前に出せばピッチが上がり、速く走れるとのことでこのような指導をされたそうです。

肘を引き、胸を突き出すこと

腕の使い方についてもアドバイスを受けたそうで、肘を引き胸を突き出すように走ることでスムーズに身体が前に運べるでこのような指導を受けたそうです。

また地面の方へ動かすような意識もあるそうで、このような腕の振り方をしていました。

できるだけ弾まず、地面に対して平行に移動する

さらにランニングであってもスプリントであっても、できるだけ弾まず地面と平行に移動するように走ることでロスがなく、楽に走れるということを教わったそうなんですね。

そのため、クライアントさんの走り方を見たとき、地面に対して平行には走れてはいたものの重心が下がった状態になってしまっていました。

この指導から見えた走り方の課題

こういった指導を受けた結果、一言で言えば、

かなりぎこちない走り方

になってしまっていたんですね。ご本人も、

クライアント
走っているときには、気持ち良さや弾んでいる感覚は全然ないですね。

と言われていました。

脚を前に出すとそこで緊張が生まれますし、走る方向とは逆に肘を引くことで進みづらくなります。そうすると、当然走っているときの気持ち良さは出ませんよね。

さらに、重心が落ちてしまっていたことで弾む感覚も消えてしまっており、この状態から疲れにくい走り方に改善していきました。

 

疲れにくい走り方への指導

ここからクライアントさんへの指導の内容に移っていきますが、読者の方の頭の中で走り方イメージしながら読み進めてみてください。

このイメージが明確にできると、身体も動かしやすくなり、より疲れにくい走り方を体感できると思います。

指導したことのまとめ

基本的に指導したことはこのようなことです。

  • 重心を前に運ぶ
  • 身体は前に、脚は後ろ
  • 脚は後方で大きく回転するイメージ
  • 腕は振るのではなく落とすイメージ
  • 身体の動きがスムーズになるとストライドが伸び、気持ちよく走れる

動きによって言葉を変えながら、クライアントさんの動きを見ていきましたが、指導前と指導後ではストライドが大きくなり、ご本人も弾んでいる感覚を得られるようになっていきました。

重心を前に運ぶ、重心の位置で変化を感じる

まず最初に行ったのは

重心を前に運ぶ

ということで、これまで脚を出す意識があったため、それを胸あたりを前に運ぶように伝え走っていただきました。

いずる
ちなみにこのとき、若干下り坂を走っていきました。その方が勝手に加速される感覚が掴みやすいですよ。

これまでの走り方で走ると、下り坂に対してブレーキをかけるように走っていたのが、重心を前に運ぶように走るとブレーキがなくなり、加速して気持ち良く進むことを感じられたそうです。

まずはこれだけを何度も繰り返していくと、脚の緊張感が抜け、動きがスムーズになってきました。

身体は前、脚は後ろで大きく回転

気持ち良く進む感覚が出てきた次は、

身体は前、脚を後ろで大きく回転するイメージで走る

ということをお伝えし、実践していただきました。最初は、うまく脚の緊張が抜けませんでしたが、走っていると緊張感も抜けスムーズに大きく脚が回転し始めました。

これまで弾まないという意識があったため、脚が後方にいったとき踵がお尻の方へ上がることはなく、後方に行ってすぐに前に振り出されるような脚の動きをしていたため、非常にストライドは小さくなっていました。

いずる
改善した走り方は、イチロー選手のような脚の動きですね。

イチロー選手って、後方の脚の踵がお尻の方へ上がってきていることが分かりますよね。イメージ的には、こういう脚の回転になるように後方で大きく回転させるように改善していきました。

すると、ストライドが伸びていき、スピードも自然と上がっていったんですね。

自然とスピードが上がったことで「これで大丈夫?」と叫びながら走られていましたが、見ている側からすると動きは大きくなっていきましたが、緊張がなく気持ちよく走れているように見えました。

≫関連記事:50m6.2秒の現役トレーナーが伝えるストライドを伸ばす”弾む”練習方法

腕の振りが問題

スピードが上がったことで顕著に見え始めたのが腕の振りのまずさです。

日本女子短距離の代表である福島選手の腕の振りのように、腕が斜め下方向に動き、後方に肘を引き始めました。

このような腕の振り方をすると肩周辺の筋肉が緊張し、肩こりの原因にもなってしまうんですね。

腕の振りを改善するために行ったのが、その場で腕を落とすように動かすことです。

走っている時には肩の力が入っているという実感はあったものの、どのようにして抜けばいいのかがわからなかったそうなんですね。

今回は胸の前で腕を構えていただき、腕を落とすようなイメージで動かすと自然に腕が振れることを体感してもらい、何度も繰り返していきました。

このような流れで自然な腕振りをインプットすると、これだけで肩周りの筋肉の緊張が緩み、肩こりも改善されたんですね。

最後に、この指導した一連の流れで走っていただくことで、

クライアント
すごく気持ち良く走れるし、本当に全然疲れないですね。

と言われていました。人は、リラックスしてスムーズな動きができると、本当に走っても疲れにくくなりますし、息も上がりづらくなります。

このような流れを参考にぜひ実践してみてくださいね。

 

まとめ:疲れにくい走り方のポイントはリラックスすること

今回は、クライアントさんの指導の中で感じた、より楽に気持ちよく身体を動かすことで疲れにくい走り方ができるということをお伝えしていきました。

走り方のポイント

  • 重心を前に運ぶ
  • 身体は前に、脚は後ろ
  • 脚は後方で大きく回転するイメージ
  • 腕は、振るのではなく落とすイメージ
  • 身体の動きがスムーズになるとストライドが伸び、気持ちよく走れる

走って疲れやすいのは疲れるように走っているためであり、疲れにくい走り方ができると、より楽に気持ち良く走ることができます。

今回の内容が少しでも走り方の参考になればうれしく思います。最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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