腰痛を軽減するためには、ちょっとしたことを変えるだけでいい場合があります。その”ちょっと”と感じることは、身体にとっては大きいことで、その小さなことに気づき、それが腰痛の原因になっていることを知る必要があります。
歪みは机の上の環境がつくり、それが身体にストレスを与え、筋肉を緊張させ、結果的に痛みへとつながります。
鍛える、筋肉を緩める、リンパを流す。それらをしたとしても再発しないようにするためには、原因を知り、それを取り除く必要があります。今日はそんな事務職の方を中心に腰痛と机の上の環境との関係についてお伝えしていきたいと思います。
こちらの記事も参考にしていただければと思います。
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数年前から抱える腰痛
事務職をされている方から腰痛を改善したいと相談を受け、セッションでご指導をさせていただき、現在は腰痛が軽減され痛みをほとんど感じなくなったそうです。
この方は、仕事中はほとんど椅子に座りパソコンと向き合っていて、持ち帰りの仕事も多いそうです。数年前から腰痛に悩まされ、整体、整骨院、マッサージ、パーソナルトレーニング、ヨガ、ジム、さまざまなところに通い腰痛改善に努めたそうです。
ただ、どこに行っても一時的な変化が見られても継続的な変化を感じることができずにいました。
そんなときにお越しになったわけですが、話を聞いていく中でそもそも腰痛になった経緯を聞いていくと腰痛の原因が見えていきました。
腰痛を感じ始めたタイミング
この方が腰痛を感じ始めたのは、3年前の4月頃だったそうでちょうど会社で部署が変わり資料作成が急激に増えたり、自分がいる環境が変わり、その頃から痛みを抱えるようになったそうです。
以前までは持ち帰りの仕事はあまりなかったそうですが、この時期から資料作成が間に合わず家でする仕事も増えていったそうです。
この方の頭部の位置や胸郭、骨盤は捻じれたり傾きがあり、身体には歪みがありました。この歪んだ方向に身体をキープさせると日頃どのような環境で仕事をしているかがイメージしやすくなります。
この方がご自宅で仕事をされているときの姿勢ですが、机の前に座って仕事をするときに右側に肘が置けるような場所があり、そこに肘を置いて仕事をされたり、右脚を上に脚を組んだりし、その影響を受け胸郭や骨盤の歪みが出ていました。
また会社でパソコンをされるときの資料の位置が手前にあり、キーボードが奥にあるような状態で、自分のへそをのぞき込むような姿勢でパソコンを使っており、この影響で頭部の位置が前方に突き出るような姿勢になっていました。
この方の腰痛は、右の腰によく出るそうで、上記のような姿勢が原因で右側に影響が出ていました。
この方が腰痛になったと考えられる原因は、仕事内容が変わり以前と仕事をする環境が変わり、会社での姿勢や家で仕事をするときの姿勢の影響を受けて腰痛になったと考えられました。問題はこの仕事をするときの姿勢であり、姿勢を改善することと筋肉を緩め、弾力のある状態にすることが腰痛改善のために必要になることとなります。
頭痛もよく出るということもあり、酸素不足の可能性が考えられますので、その部分も含めてセッションの中でご指導をしていきました。
腰痛を軽減するために行っていったこと
まず身体調整を行い筋肉を緩め、歪みを直していきました。
- リンパの刺激
- 頭部の牽引
- 頸胸隔膜を牽引
- 小胸筋を緩める
- 上肢への振動
- 仙腸関節への刺激
- 下肢の連動 等
少し専門的な言葉ですのでわかりづらいかもしれません、筋肉に揺らぎを与えたり、筋膜を引っ張ったり、リンパへ刺激を加えたりし、筋肉を緩めたり、循環の改善を行っていきました。
ただ筋肉を緩めるだけではなく、痛みを抱えると筋肉が硬くなり血流が悪くなったりすることで老廃物や二酸化炭素がうまく代謝されず、滞ってしまいます。そのため細胞が不健康になってしまいます。
循環の改善を行うと細胞内の老廃物などが代謝され、酸素や栄養素が細胞内に届けられます。そうすることで細胞内も元気になることができます。痛みの改善はただ筋肉を緩めるだけではなく、こういう循環の改善を行うことも重要になります。
そして、全身の調整ができればそこから姿勢の指導へと移っていきました。
リンパについてはこちらを参考にしていただければと思います。
■リンパマッサージのやり方をご紹介!セルフで行うときに知っておきたい8つの手順
身体を固めるのではなく、楽な姿勢を見つけること
このクライアントさんの場合、
- 会社での資料の置く位置
- 家で仕事をするときの肘を置く位置、脚を組むこと
これらが影響して身体が歪み、痛みへとつながっている可能性がありました。そのためこの改善をする必要がありますが、正しい座り方としましょうといわれると思いますがそもそも”正しい”というのは何を持って指すのでしょうか。
姿勢を改善するときに注意することは、いい姿勢というのは身体を固めて作るのではなく、楽に立つ、座ることで自然にできるということです。クライアントさんに姿勢を指導すると必ず肩の位置の認識が不自然で緊張しています。
立ち方や座り方についてはこちらにまとめていますので、参考にしていただければと思います。
■立ち方を再考しよう!壁立ちって頭・肩・お尻・踵を壁につけるのが自然?
■座り方を正しましょう!って言うけど、そもそも正しい座り方ってどんな姿勢?
このクライアントさんへの指導は、
- 資料の置く位置を変える
- 肘を置くことをやめ、脚は定期的に組み替える
このような指導を行い、それらを変えることで腰への負担がどのように変わるのかということを感じていただきましたが、これはすぐに実感され、今までの姿勢がいかに腰に負担をかけていたのかを理解されていました。
座り方も指導していきましたが、座骨で座る感覚が出てくると腹背筋が緊張することもなく楽に座れるようになり、いかに日頃の姿勢や机の上の環境が身体に影響するのかを実感していました。
机の上の環境を変えたことで感じた身体の変化
この方に行った指導によって頭痛が軽減されたり、腰の調子も良くなり、毎週身体調整を受けていますが1週間のうちで強い痛みが出ることは現在のところなくなったそうです。
机の上の環境を変えたというのは、真下に置いていた資料を譜面台のようなものを用意していただき、パソコンの画面の横に設置していただき、頭を下げないようにしたことと、1時間に1回は深呼吸を行うということでした。
その他にも簡単な体操をいくつか指導し、1週間の間でできるだけ筋肉を柔らかい状態で維持できるようにしていただきました。
このようなことをしていただくことで、以前はあまり感じられなかった継続的な痛みの改善を感じることができ、痛みで不安になったりすることもなくなったそうです。
今回のケースでそもそも以前クライアントさんが腰痛の改善ができなかったのは、この根本原因に対してのアプローチがなかったことです。痛みや身体の悩みについては何かしらの原因があり、それを見つけることが重要になります。
対処療法的なことではなく、原因を見つけそその原因を取り除くために必要な指導をすることで身体は変化し、改善していきます。そのためにはやはりクライアントさんに質問をし、そこから出てくる情報量の多さが重要であり、その中に原因があり、改善へ道すぎが見えてきます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。今回は具体的な例をあげてお伝えしていきましたが、今日の内容からも理解していただけたと思いますが、個人によって腰痛の原因は異なり、なぜ腰痛になっているのか、なぜ身体が歪むのか、そういった原因を見つける必要があります。
そして、それら腰痛の原因となりうることに対して、アプローチをすることで腰痛は改善に向かいます。
そのため●●をすれば腰痛は改善するということにはならず、一人一人の仕事や生活習慣などさまざまなことをお聞きし、そこから原因になっている可能性のことを探っていきます。
そこから得られた情報から改善のために必要なことをお伝えしていくことで、改善につながっていきます。
方法ありきではなく、やはり個人によってやることは変わりますが、この方の場合は仕事をするときの姿勢が主な腰痛の原因となっていました。
最後の今日のまとめをしていきたいと思います。
- 痛みを感じ、筋肉が硬くなっている部分は影響を受けた部分になる
- そのため、痛む部分をほぐしていも一時的な改善にとどまり、再発する可能性が高い
- 腰痛改善には、全身の歪みを直し、弾力のある筋肉になるように緩める
- 腰痛の原因となる日頃の姿勢や動作を改善する
- 方法論が先行するのではなく、個人によって方法は異なる
このような内容でお送りをしていきました。
今日の内容が少しでも参考になればうれしく思います。
今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。