コンディショニングの意味とトレーニング方法

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コンディショニングという言葉は、よく耳にする言葉だと思いますが、実際に使われている意味と本来もっている言葉の意味が違っていることがあるんですね。

現場でもコンディショニングについてスポーツ選手に伝えると、

スポーツ選手
そういう意味やったんですか?

と言われることも多いんですね。

そこで、今回はコンディショニングの意味とトレーニング方法について解説したいと思います。

 

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コンディショニングとは

そもそもコンディショニングとは、どのような意味があるのでしょうか?

一般的に言われるコンディショニングの意味

僕自身が現場で最も聞くコンディショニングの意味は、

その日の体調の良し悪し

を意味する言葉として使われていることが多いんですね。

スポーツニュースとか見ていると、

インタビュアー
今日のコンディショニングはどうですか?
選手
今日のコンディショニングは、良いですよ。

という会話もちらほら見かけますが、大体一般的な認識としてもその日の体調のことを指していることが多いと思います。ただ、本来コンディショニングという言葉の意味は、その日の体調のことだけではないんですね。

本来のコンディショニングの意味

本来のコンディショニングの意味は、以下の5つの体力要素のことを指しているんですね。

これらの体力要素すべてが高い状態のことを、

コンディショニングレベルが高い、もしくはコンディショニングが整った良い状態

と表現するんですね。つまり、コンディショニングという言葉の意味は、その日の体調のことだけを指しているわけではないということです。

これだけだとまだイメージがしづらいと思うので、ここからもう少し詳しく解説していきますね。

 

コンディショニングの5つの要素

ここからは1つ1つピックアップして解説していきます。

身体的

身体的とは、身体的コンディショニングのことを指していますが、トレーナーの主な仕事はこの身体的コンディショニングと整えること、または向上させることにあります。

身体的コンディショニングを別の言い方をすると、

バイオモーターアビリティ

という以下の表のことを意味します。

バイオモーターアビリティ

身体的コンディショニングを向上させるためには、

  1. 筋力
  2. 持久力
  3. スピード
  4. 調整力
  5. 柔軟性

この5つの体力要素を向上させる必要があるんですね。

そして、スポーツ選手がよりうまく、勝てるようになるためには、以下のピラミッドをより大きく高くする必要があります。

より強く、勝つためには基盤にある基礎体力という土台を大きくしないと、その上のスキルや戦術が大きくならないため、強くなれません。

これだけ見ても基礎体力の重要性がわかりますが、この基礎体力に当たるのが先ほどお伝えしたコンディショニングであり、身体的コンディショニングになります。

精神的

これは文字通り精神的な強さ、メンタルの要素になりますが、練習では緊張せずいいパフォーマンスが発揮できるのに、試合では緊張して本来の力が出せない。

こういう例からも精神的な部分がパフォーマンスに与える影響が大きいことがわかりますが、コンディショニングの1つに精神的な部分も含まれるということですね。

防衛的

防衛的(ぼうえいてき)という言葉はあまり聞き慣れない言葉かもしれませんが、いわゆる免疫などを指す意味です。

例えば、過ごしている環境が変わるとすぐに体調を崩してしまったり、風邪を引きやすかったりする。

こういう選手は遠征に出かけると、本来のパフォーマンスが発揮できない可能性もありますよね。こういう免疫力や抵抗力を指しているのが防衛的という要素ですね。

栄養

栄養は、炭水化物やたんぱく質、脂質やビタミンなど、食事などから摂る栄養のことですね。

動いた分だけしっかりとエネルギーが補充できているのか、また疲労回復や筋肉を成長させるために必要量たんぱく質を確保できているか。

もし栄養不足だと疲労回復も送れますし、身体は確実に壊れてしまう。こういった栄養のこともコンディショニングの中に含まれています。

休養

5つ目の要素が休養ですが、人は身体を動かし、トレーニングをして栄養を補給するだけでは、健康な状態を維持できません。

必ず身体を休ませて回復させる期間があって、初めて身体は成長し、健康状態を維持することができます。

こういった休養という要素も、コンディショニングの中に含まれているんですね。

このようにコンディショニングという言葉には、これら5つの要素の意味が隠れており、さらに身体的コンディショニングの中にはさらに細かい体力要素がるということです。これが、コンディショニングの意味になります。

 

身体的コンディショニングの意味とトレーニング方法

続いては、身体的コンディショニングの意味とトレーニング方法を解説していきますね。

先ほどもお伝えしましたが、身体的コンディショニングにも5つの要素があります。次は、この5つの要素と各トレーニング方法についてご紹介します。

①筋力

筋力というのはイメージしやすいと思いますが、筋力をつけることでパワーが向上し、より力強い動きやパフォーマンスを発揮することができるんですね。

筋力を高める=筋肉の断面積を増やす

必要があり、そのためにウエイトトレーニングなどが行われることになります。

具体的にどのように筋力トレーニング進めていけばいいのかは、この2つの記事を参考にしてみてくださいね。

筋トレの始め方【知っておきべき最低限の知識・準備物を紹介】
筋トレを始めたばかりの人が陥る筋肉が大きくならない10の理由

具体的にトレーニング方法や理論などを詳しく解説しています。

②スピード

スピードという要素は、主に2つの考え方があるんですね。それは、

  • 速さ:変えられない要素
  • スピード:変えられる要素

という考え方ですね。例えば、短距離をより速く走るためにどうすればいいかということを考えると、この速さとスピードについて理解しやすいと思います。

筋肉は大きく分けると2つのタイプの筋肉が存在し、それらの筋肉は速筋と遅筋に分けることができます。それぞれの特徴は、

速筋 大きな力を発揮することに優れ、刺激を受けると大きくなる性質がある
遅筋 持久性に優れ、刺激を受けると細くなる性質がある

このようになっています。

筋肉のタイプは遺伝的に決まると言われていますが、生まれもって速筋の割合が多いとより速く走ることができるんですね。つまり、遺伝的に決定させる筋線維のタイプは、

変えられない要素=速さ

ということになります。じゃあ、速く走るためには遺伝的な要素のみで決まるのかというと、そうではないんですね。

走るときのフォーム・動作がスムーズであれば速く走ることができます。フォームや動作は後天的に変えることができますよね。つまり、

変えられる要素=スピード

ということになります。こういったスピードを向上させることもコンディショニングを整える上では必要になるということです。

スピードの考え方などについては、こちらの記事でも解説しているので参考にしてみてくださいね。

速く走るためにはつま先で走る?イメージと実際の動きの違い

③持久力

持久力は、一般的に言われるスタミナであり、

心肺持久力のこと

ですね。心肺持久力を向上させようと思うと、推定年齢最大心拍数の60%以上で向上すると言われているんですね。

例えば、20歳の人であれば、

220-20(年齢)=200(推定年齢最大心拍数)

この200の60%、120拍/分で持久力トレーニングを行うことで心肺持久力は向上します。あとは、スポーツ競技の特性に合わせて持久力トレーニングを行うことが重要になります。

この持久力(スタミナ)については、こちらも記事で解説しているので、参考にしてみてくださいね。

スタミナ(持久力)をつける方法と基礎知識のまとめ【心拍数が鍵】

④調整力

調整力というのは、英語でコーディネ―ションといいます。調整力は、

身のこなし

という意味があり、自分の身体を自由自在に操る能力ということになるんですね。

この調整力には、主に2つの考え方があり、

  • コーディネ―ション=アメリカ的
  • コオーディネーション=ドイツ的

な考え方として認識しています。

それぞれの違いというのは、

  • コーディネ―ション:1つの動きを習得するためにできる→できる→できるというステップを踏む
  • コオーディネーション:あえてできないことを経験させる

などです。1つの動きを習得するだけでは試合で対応できませんし、むしろ試合では予期しないことが多く起こります。

そういった2つのパターンを経験させトレーニングすることで、より自分の身体を操れるようにすることが調整力=コーディネ―ション能力ということになります。

コーディネ―ションについては、別の記事で詳しく解説しているので参考にしてみてくださいね。

コーディネーション・コオーディネーショントレーニングの意味と実践方法

⑤柔軟性

5つ目が柔軟性ですが、ここでいう柔軟性は2つのことを指しています。それが、

  • 静的(スタティック)
  • 動作(ダイナミック)

ということですね。けがをしないためには、その場で止まって行うストレッチングなどで、静的な柔軟性をある程度高めておく必要があるんですね。

ただ、パフォーマンスに直接影響するのは動的な柔軟性であり、文字通り動きの柔らかさを指しています。

柔軟性の能力は、静的・動的両方を高めることで、柔軟性が向上することになります。

ここまでご紹介してきた内容がコンディショニングの本来の意味であり、それぞれを向上させることがコンディショニング向上、コンディショニングを整えるという意味となるんですね。

 

一般的に行われるコンディショニングトレーニングについて

コンディショニングの意味についてお伝えしたところで、一般的に行われるコンディショニングトレーニングについてみていきたいと思います。

ウエイトトレーニング

よくスポーツ選手はウエイトトレーニングをしていますが、ウエイトトレーニングをすることで筋力が向上します。

ただ、筋力は身体的コンディショニングの一要素でしかありませんでしたよね。本来はその他の4つの要素もトレーニングしないといけません。

コンディショニングトレーニング=ウエイトトレーニングではなく、もっと広い視野でトレーニングを行う必要がありますよね。

休養する

たまに耳にするのが、コンディショニング=体調という意味に捉え、疲労が溜まっているから休養する=コンディショニングトレーニングだといったことを聞くんですね。

その他にも整体などのようなことをコンディショニングトレーニングと言ったりすることもあるみたいですが、本来の意味とは少し違っています。

あくまでも5つの体力要素をトレーニングすることが、コンディショニングトレーニングであり、休養や整体をするということがコンディショニングトレーニングにはならない可能性があります。

体幹トレーニング

身体の機能を高めるために、インナーマッスルを鍛える。インナーマッスルを鍛えるために体幹トレーニングをするというような流れもよく聞きますが、体幹トレーニング=コンディショニングトレーニングと思っている方もいると思うんですね。

しかもそのとき行う体幹トレーニングがかなり複雑な方法。

複雑な方法でトレーニングすれば、身体の機能が向上しそうなイメージがありますが、それは勘違いです。複雑な動き=身体の機能が向上するというわけではありません。

あくまでも体幹トレーニングは方法論の1つであり、体幹トレーニング=コンディショニングトレーニングではありません。

ストレッチ

ストレッチ

ストレッチは、どんなストレッチをするのかによりますが、一般的に行われる止まった状態でのストレッチングはコンディショニングトレーニングの1つになると思います。

先ほど柔軟性のところで、静的・動的な要素があるとお伝えしましたが、この静的な要素をストレッチングでは向上できるんですね。

ですので、静的なストレッチングはコンディショニングトレーニングの1つになると考えられます。

 

まとめ:コンディショニングはその日の体調のことだけではない

今回は、コンディショニングの意味とトレーニング方法などをご紹介していきました。

一番知っておいてほしいことは、

コンディショニング=その日の体調だけではない

ということですね。コンディショニングには5つの要素があり、これらすべてが整っている状態がベストコンディショニングなわけです。

ですので、スポーツ選手に求められることはコンディショニングの要素5つすべてをトレーニングすることなんですね。そうするとことで、よりスキルや戦術も向上させることができ、個人やチームのレベルアップになるということです。

今回の内容が少しでも参考になればうれしく思います。最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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