トレーニング

ジムに通う人がついやってしまうトレーニングの勘違いについて

座り方

ジムに通うと決めて今日もやる気満々でジムの入り口をくぐり、着替えを済ませいざトレーニングフロアへ。

まずは、ストレッチからかな・・・。そして・・・とりあえず歩こう。次は・・・何しよう。。。このマシンをしよっかな。内ももを引き締めたいし、脚を内側に閉めるマシンで鍛えればなんとかなるはず・・・。

こうやってジムに通う気はある!でも実際に通ってみると何をしていいのかわからないという方が多いと思います。迷った挙句、とりあえずやってみる。もしくはジムのスタッフに相談してメニューを出してもらう。そこにはマシンの使い方が書いてあったり、メニューが組まれていると思います。

でも数か月通っているけど、なんか効果が実感できないというか、わからない。そろそろやる気も低下ぎみ。

今日はそういうジムで少し迷ってしまっている方や、ジムでトレーニングを行っている方に知ってもらいたい、ついやってしまうトレーニング方法の勘違いについて書いていきたいと思います。

ランニングをすれば脚の筋肉がつくと思っている方!スクワットをすれば脚が太くなると思っている方!

この後の内容を読んで、日頃の考え方を少し振り返ってみる時間になると嬉しく思います。

 

走ったら脚の筋肉がつく!と思っている方へ

身体にある筋肉をつけようと思うとさまざまな方法があります。ダンベルやバーベルを使って行うトレーニングや自分の身体の重みを使って行うトレーニング、スローに動いたり、速く動いたり。方法はさまざまです。

筋肉をつけることを目的にしている場合、走ることで筋肉がつくかどうかといえば答えはYES!ですが、ジムでマシンを使って走っているという方の場合、おそらく筋持久力が向上し、筋肉は大きくならず細くなっていると思います。

筋肉は加えられる刺激に対して反応し、太くなったり、細くなったり、またはサイズが変わらなかったりと、与えられた刺激に対して変化します。筋肉を大きくするために、効率的に大きくしようと思うとある程度重量を扱う方が筋肉は大きくなります。

加圧トレーニングなどのように低負荷でも筋肉が大きくなるトレーニングもありますが、10回前後で限界を迎えるような重量を用いて、トレーニングすると筋肉は太くなります。

ジムのマシンを使って脚の筋肉をつけようと思うとこんなメニューができると思います。

  • レッグエクステンション
  • レッグカール
  • レッグプレス

ジムにあるマシンでトレーニングを行うのであれば、このようなメニューで筋肉を鍛えることになると思いますが、走るよりもマシンを利用する方が筋肉はつきやすくなります。

走ることのメリットは心臓を肥大させることができ、心肺持久力を向上させることができます。まとめるとこのような考え方で取り組んでみるといいと思います。

  • 心臓の肥大が目的(有酸素性持久力の向上)・・・トレッドミルやバイクなどの有酸素運動
  • 筋肉の肥大が目的・・・ウエイトトレーニングやマシントレーニング

走ることで脚の筋肉をつけようと思っている場合、自分の中での常識を一度捨ててこのように考えて取り組む方が目的に合致しています。

 

スクワットをすると脚が太くなるのでは・・・?と思っている方へ

スクワットをすれば筋肉は太くなるか、細くなるか、どちらかと言われれば両方とも可能です。大切なことはどのような目的を持っているのかということです。筋肉を太くしたいのであればその条件で行う、細くしたいのであればその条件で、という感じで目的によって内容が変わります。

具体的に何が変わるの?ということについては、重量・回数・セット数・休息時間・動作の手順 などなど多くありますが、要はスクワットというのは形が決まっているものではなく、目的にあったスクワットを行うと求める身体に変わっていきます。

脚を細くする目的でジムでマシントレーニングを勧められたとします。数か月間行っていると次第に脚が太くなってきた!と実感された方はもしかすると筋肉を太くするようなスクワットになっていたかもしれません。

逆の場合もしかりです。

大切なことは目的と方法を一致させることです。また少し専門的な言い方をすれば、脚を細くしたいからと言って、すべて鍛えればいいのかといえば実はそうでもありません。

それは現状の身体を見て判断していきますが、身体の歪みがあっても脚が太く見えてしまう場合、歪みを直すことで脚が細くなりますし、筋肉が大きくなっているために太い場合は刺激を与えないようにすることでも脚を細くすることができます。

  • スクワット=脚が太くなる!ではなく・・・
  • 目的にあった方法でスクワットを行うと脚が細くなる

ということになります。太くなってしまったのは、スクワットの方法がまずかったかもしれませんね。

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O・X脚は筋力が弱いから内外転筋を鍛える!と思っている方へ

この問題もよくあることですが、O・X脚になっているのは筋力が弱いから鍛えるということです。実際に改善するのは難しいのは、原因が筋力が弱いからではなく筋緊張のバランスが崩れてしまうからであって、その改善のためには筋肉の緊張を緩めることで改善がみられます。

実際に現場でも鍛えることをせずに筋肉を緩めたり、自然な身体の使い方を繰り返すことで筋のバランスがとれはじめ、脚もまっすぐになっていきます。

ジムでみかけるのは、脚を内に閉じたり開いたりすることで、内転筋などを強化していることですが、この場合まず鍛えることが基本になっているため鍛えなくても改善できることを知っていただければと思います。

  • O・X脚など脚がまっすぐでないのは、筋のバランスが崩れているため改善には筋肉を緩めること

ということになります。この脚の歪みについては定着した考えになっていることが多く、このように考えてみるとまた違った見方となり、改善できないと悩んでいる方は少しヒントになるかもしれません。

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ジムで脚やせするためにおさえておきたいこと

ジムで脚やせをしたいと思っていても、何をすればいいのかわからないという方も多いのではないでしょうか。そういう方に向けて、ジムで何をすれば脚やせできるのかという考え方をまとめていきたいと思います。

まず大前提におさえておきたいことがあります。それは現状です。これはいつもお伝えしていることですが、身体は一人一人異なり、現状に合わせてメニューを変更しなければうまく身体を変えることができません。

身体が変われば方法も当然変わります。ですので、まず重要なことは現状を把握することです。

なぜ脚が太く感じるのかを把握する

脚が太く感じる原因は大きく分けて4つあげることができます。

  • 筋肉がつきすぎている
  • 脂肪が多い
  • むくみがある
  • 歪みがある

これらはすべて脚を太く見せてしまう原因として考えることができ、自分の脚が太く感じるのはなぜなのか、これによってここからお伝えする方法が異なってきます。多くの女性の場合、脂肪、むくみ、歪みがメインだと思いますが、この現状によって取り組んでいくメニューは変わります。

みなさんの脚はなぜ太く感じてしまうのでしょうか。

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ジムで脚やせするために行う4つのステップ

セッションを通じて脚を細くしたい目的で通われている方の場合、まず歪みを改善し、自然な状態に直すところから始まります。

そして、歪みのない状態に近づけ、そこからエクササイズを行い、循環の改善を行います。もちろん個人の身体によってやることは異なりますので、一概にこのメニューというわけではありませんが、参考にしていただければと思います。

ではその具体例をご紹介していきたいと思います。

股関節、膝関節などの歪みを改善する

まず行うことは、歪みのない脚に近づけるために自分で調整を行っていきます。

  1. 両脚を伸ばした状態で座る
  2. そこから外踝を地面に軽くこするように緊張しない程度に膝を曲げる
  3. 再度外踝を地面にこするように膝を伸ばし、膝を伸ばし切ると同時に太ももの骨を内側に捻じる
  4. これを片脚10回程度行う

連動 連動 連動

このような動きを下肢の連動と言って、このような動きをすることで股関節、膝関節の歪みが改善されます。両脚して立っていただくとその違いが分かると思いますが、体重支持ポイントが踵にくるため足裏が地面に多くついているような感覚になります。

まずはこの調整を行い、体重支持ポイントが変わることを感じてください。それができれば次に移ります。

体重支持ポイントを理解する

続いては、体重支持ポイントを理解するということですが、調整ができると自然にこの位置は理解できると思いますが、もう少し客観的にどういうことかをおさえていただきたいと思います。

この”踵”と感じる位置は、脛骨の真下と言われる位置であり、こちらの位置になります。

   マルカルドの体重分布図     

この位置で立ったり、エクササイズをすることで膝や股関節などの歪みを改善し、ここに体重支持ポイントをおくことで日常で脚を歪まなくしてくれます。

逆を言えば、この体重支持ポイントがずれることで脚は捻じれ、それが原因で太く見えることになります。歪みを調整した後はこの位置で立つようにし、次のエクササイズへと移っていきます。

しゃがみ込みを繰り返す

3つ目のステップは、しゃがみ込みです。体重支持ポイントを理解しそこで立っていただきながらエクササイズを行っていきます。その手順がこちらです。

  1. 脚を肩幅に開く
  2. 体重支持ポイントを上記の位置にし、しゃがみ込む
  3. 膝とつま先の位置が同じ方向に向いているのを確認し、小さくバウンドする
  4. このときお尻の付け根に意識を向け行う
  5. 50回×3セット、もしくは100回×3セット行う

この数に関しては多くすればするほど歪みは改善されますが、体重支持ポイントがずれてしまうと脚が歪む原因になりますので、きちんとしたフォームで行うように意識します。

肩幅 体重支持ポイント しゃがみ込み

この状態で5cmぐらいの上下をするようなイメージでバウンドを繰り返します。もしこの足幅でしゃがみ込めない方は足幅を広げて行ってください。さて、ここまで行っていただけたまじめな方は素晴らしいですね。

ここでご自身の膝のお皿を鏡を通してみていただけますか?膝のお皿の方向がまっすぐ向いているのがわかりますか?この違いが分かりづらい方は、左右のお皿の方向の位置をよく見ておいて、もう一度しゃがみ込みを繰り返してみてください。

すると方向が変わり、真正面に向いてさらに左右の膝の向きは同じ方向に向いていくのが分かっていきます。これは続ければ続けるほど改善され、これが歪みが整ってきたサインでもあります。

こういう変化に目を向けることで行ったエクササイズが適切だったのかどうかが分かってきます。ぜひ参考にしていただき、最後の4つ目のステップに移っていきたいと思います。

腹式呼吸でリンパの流れを良くする

4つ目のステップがリンパを刺激してむくみを改善します。

  1. 仰向けになり、両手をお腹の上に乗せる
  2. お腹を膨らませるように鼻から息を吸い、お腹を凹ませるように口から息を吐く
  3. これを10回程行う。(回数は増やしていただいてもOK!)

呼吸

腹式呼吸

最近わかったことですが、上記のように仰向けで腹式呼吸を行うと乳糜槽と言われるリンパ管の中でも最も大きいところに刺激が加わり、腹式呼吸をすることで横隔膜の動きによってリンパの流れが良くなるそうです。

そのためあまり手間をかけずに行えることからこれをご紹介しました。

ここまでお伝えしてきた4つのステップを1・2週間続けていただくと脚の変化がある程度感じていただけるようになると思います。何度もお伝えしてしまいますが、そうは言うもののそもそも脚が太く感じてしまう原因によって方法は変わるため、現状を見れていないため万人に効果があるというわけではないということをご了承いただければと思います。

ただ、歪みの改善などはみなさんに感じていただけると思いますので、参考になればうれしく思います。

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まとめ

いかがでしたでしょうか。意外と常識的に言われていることが実は改善できないことであったり、どうしてもジムにはマシンがあるためそれを使ってもらうためにマシンを勧めていることもあるかもしれません。

大切なことは目的に対してそれを実現できることをすることが大切であり、その手段はひとつではないということです。方法はさまざまありますが、目的に合っていることが前提となります。

身体が思ったように変わらないと悩んでいる方は、もしかするとそこがうまく合致していない可能性があります。上記に見覚えがないか今一度確認していただければと思います。

では最後に、今日のまとめを書いていきたいと思います。

  • 筋肉をつける目的がある場合、走ったらつくのかという以前にトレーニングを行う方が効率が良い
  • スクワット=脚が太くなる、ではなく目的に見合ったことをすることで身体は変化する
  • O・X脚は、筋力が弱いからではなく筋肉を緩め筋のバランスを整えることで改善する

このような内容でおおくりしました。この中のひとつでも参考になるものがあればうれしいですね。

今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

ベンチプレスで肩を痛めてしまう原因と改善について

先日、ジムでトレーニングをしていると外人さんに話しかけられ「めっちゃいいフォームしているね!日本人はそんな綺麗にスクワットをする人なかなかいないyo!」と声をかけられ、少し話をしていました。

パーソナルトレーナーをしていると言うとベンチプレスで肩を痛めてしまって悩んでいるとのことで、相談を受けました。自分のトレーニングもあるから、やりながら見とくね!と伝えて自分のトレーニングをしながら、休息時間に少しフォームを見ていました。

すると、肘が真横に開くようなフォームをしており20kgのバーを持ってやっても痛いとのことでした。肘の角度やバーのあげ方について少しだけアドバイスすると痛みが出ず、元のフォームに戻すと痛みが出てきて、フォームの問題だということを理解していただきました。

今日はこのベンチプレスと肩の痛みの関係についてお伝えしていきたいと思います。

こちらの記事も参考にしていただければと思います。

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ベンチプレスで肩を痛めた内容に入る前におさえておきたいこと

まずベンチプレスをして肩を痛めてしまう原因をお伝えする前に、解剖学的なことをおさえていただくと今日の話が伝わりやすいと思いますので、まずはここから入っていきたいと思います。

今回肩の痛みと関係するのは、上腕二頭筋、いわゆる力こぶの位置にある筋肉です。この筋肉について見ていきたいと思います。

上腕二頭筋について

上腕二頭筋というのは、僕が身体の最も好きな部分のひとつで、力自慢の方はいかに大きな力こぶを出せるのか、そんな力強さを印象付ける身体の部位でもあると思います。

上腕二頭筋

この筋肉は名前の通り、長頭と短頭と言われる2つの筋肉が合わさり上腕二頭筋を作っています。この画像でも少し確認できますが、力こぶの真中に少しくぼみがあり、これが長頭と短頭の境目になります。

起始と停止

上腕二頭筋の起始と停止。筋肉がどこからどこまでついているかということですが、今回の話は長頭が関係するので長頭に限って見ていきますが、長頭の起始は肩甲骨の関節上結節というところについています。

停止は、前腕部の橈骨粗面と言われる部分につきます。言葉では難しいですが、ここからここまでついているということです。

上腕二頭筋

これを踏まえた上で今日の本題に移っていきたいと思います。

 

ベンチプレスで肩を痛めてしまう原因

結論から言えば、肩を痛めるようなフォームをしているから肩が痛くなるということです。

これはどういうことかというと、ベンチプレスをしているときの上腕の角度が問題になります。その場でも確認できるので、試していただきたいのですが、両肘を真横に広げ肘を90度ぐらいに曲げます。

ベンチプレス

(すみません、目がぶっ飛んでます。。。)

この肘を背中側に引けるだけ引いていただくとわかると思いますが、肩の前側が突っ張ったり、張っているのがわかりますか?もしこの状態で30kgや40kg、もしくはそれ以上の負荷を持っていると肩には相当なストレスがかかります。

この引っ張られている部位が上腕二頭筋の長頭になり、このようなフォームでベンチプレスを行うと上腕二頭筋の長頭腱を痛めてしまうことになります。

次は、腕を体側に沿わせるような状態で肘を引いていただくと肩の突っ張り感は感じないと思います。

ベンチプレス

このような身体の使い方の違いがベンチプレスによって肩を痛めてしまう原因となります。ベンチプレスをすると肩が痛くなるのではなくこのフォームが問題でを、上腕の角度を変えることで痛みを改善することができます。

では、どのようなフォームをすればいいのでしょうか。

 

ベンチプレスで肩を痛めないフォームについて

ベンチプレスのフォームについては部分別に分けてお伝えしていきたいと思います。

開始前の姿勢

まず、バーを持つ前の位置ですが、目線の真上にバーがくるようにベンチ台に仰向けになります。

ベンチプレス

おでこや頭の位置にバーを設定してしまうと力が入りづらくバーを持ち上げにくくなります。逆に顎や鎖骨に設定してしまうとラックが邪魔になりベンチプレスをしているときに軌道がうまく確保できません。

まず、目線の真上にバーを設定します。

バーの上げ下げについて

実際にバーを持ち上げ、腕が地面と垂直になるように肩の真上でバーを構え、そこから胸骨に当てるようにバーを下げていきます。このとき肘は体側に沿うような動きとなります。 ベンチプレス

肘の角度は脇をグッと締めるようにするのではなく、軽く体側に沿うようなイメージで行います。

軌道のイメージはこのように興を孤を描くようにバーを下げてきます。

ベンチプレス

そして上げるときにはこの軌道を通りながら肩の真上の位置に戻していきます。

この上げ下げのときに肘が真横に開くと肘を痛めてしまうので、このフォームの改善を行っていきます。

肘が真横に開くと痛める。これはNG例です。

ベンチプレス

この位置に肘を持っていくようなイメージで行います。

ベンチプレス

このように身体を使い方を変えることができれば肩を痛めることなく、ベンチプレスをしていただくことができると思います。

 

さらに追加で部分別に見るベンチプレスについて

では、続いてはもう少し細かいところまでベンチプレスについて見ていきたいと思います。

バーを持つ手について

まずバーの持ち方についてですが、何気なく持つ方もいるかもしれませんが、よくジムでみかけるのは手首が曲がっている状態です。

ベンチプレス

手首

このような手首の状態でバーを持ってしまうとこの負荷は手首にかかってしまい手首を痛める可能性があります。

手首が立てるようにこのようなポジションでバーを持ちます。

ベンチプレス

ベンチプレス

このような位置でバーを持つことで骨の配列が一直線となり、負荷も肩にかかり肩周辺の筋肉で支えるため手首だけで支えるよりも安定してきます。

手の幅

バーを持つ手の幅については持ちやすい手幅でいいと思いますが、目的によって手幅を変えていきます。

例えば、このように広げて持つ場合、主に大胸筋の外側部に刺激を受けやすいと言われています。

手の幅

逆に手幅を狭めると大胸筋の内側部や上腕三頭筋に刺激を受けやすくなります。

ナロウベンチプレス

一般的にはその中間位で行われることが多く、イメージとしては肩幅ぐらいの手幅でベンチプレスを行っていきます。

ベンチプレス

軌道について

軌道について落とした部分から垂直に上げるという方もいるかもしれませんが、下ろした部分から真上にあげると胸にききづらく大胸筋の上部にはあまり刺激をうけません。

 ベンチプレス

先ほどもお伝えしましたが、軌道は孤を描くように上げ下げをします。ベンチプレスのラックの作りはこの軌道を元にしてつくられています。孤を描くように上げきりバランスを崩してしまってもバーを置く部分に引っかかるような作りになっています。

ベンチプレス

これが下した部分対してまっすぐあげ、バランスを崩してお腹の方へバーが落ちてしまってもどうすることもできません。こういった意味合いも含めて孤を描くような軌道になります。

 

その他の種目でも同じことが言える

ここまでベンチプレスをして肩を痛めた原因とその改善についてお伝えしていきましたが、他の種目についても同じような考え方をすることができます。種目別にお伝えしていきたいと思います。

チェストプレス

チェストプレスというのは、椅子に座った状態でバーを前方に押し返すトレーニングですが、ジムではマシンがあると思います。

チェストプレス

チェストプレスはシンプルにベンチプレスを座って行っているという状態ですが、肩の痛みもベンチプレスのときと同じです。

肘を真横に開くようにバーを下していくと上腕二頭筋の長頭の腱が引き伸ばされてしまい、大きなストレスがかかると痛めてしまいます。

肘を体側に沿わせるようにバーを下ろし、押し返します。この押し返した時に腕が地面と平行になるように椅子の高さを調整しておきます。最近のチェストプレスのマシンは、孤を描くように動きますので、ベンチプレスと同じようなイメージで行います。

ダンベルベンチプレス

ベンチプレスをダンベルに持ち替えてする場合も同じですが、ダンベルの場合はそれぞれ左右にダンベルが独立していますので、コントロールが難しくなります。

ダンベルプレス

重めの負荷を扱って行っている際に、コントロールできずに肘が真横に広がるようにダンベルを落としてしまうと肩を痛める可能性もあります。

軌道としては、ベンチプレスと同じですが、少し軽めから入り軌道がとれるようにフォームが定まってきてから重量を上げていくようにするとアクシデントなどで痛めてしまうも少なります。

このように種目が変わっても肩を痛めてしまう原因は上腕の角度が問題であり、種目云々ではなく身体をどのように使うのかによって痛みを改善することができますし、痛みが出てしまう可能性もあります。

 

まとめ

ベンチプレスをしているときに肩を痛める理由のひとつは、上腕のポジションによって上腕二頭筋の長頭の腱がストレスを受け、そのストレスに耐えられないタイミングで痛みが出てしまいます。

この痛みを改善するためにはマッサージをしても、ストレッチなどをしてもあまり効果的ではありません。身体の使い方が問題で痛みが出ていますので、そこを変えることが改善策となります。

ベンチプレスをして肩を痛めてしまった方は、この上腕の角度を変え、バーの軌道を変えてみてはいかがでしょうか。

今日の内容が少しでも参考になればうれしく思います。

今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

筋肉をつけたい女性へ|筋肉を“つける”より“膨らませる”ことが勧められる理由

筋肉をつけたいと思うけど、体力がなくてしんどいことをすることに億劫になってしまう。だけど、筋肉はつけたい・・・。

そんな想いを抱えている女性の方もいると思いますが、どうすれば理想の身体に近づけ、健康になれるのでしょうか。筋肉をつけることが絶対条件なのでしょうか。そうではないと現場の経験からも感じています。

細すぎる身体が嫌で、もう少し筋肉をつけたいと思っている方、健康になりたいけどきついことをこなせる自信がない方は少し見方を変えていただき、筋肉を“つける”から“膨らませる”という発想をすれば、理想の身体に近づくことができるかもしれません。

今日はクライアントさんの身体の変化から感じる筋肉を膨らませること、健康についてお伝えしていきたいと思います。

こちらの記事も参考にしていただければと思います。

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筋肉をつけたいと思う女性へ

ダイエットをして体重を落とせば理想の身体になれるのでは・・・そう考えている方もいると思いますが、最近はダイエットではなく、シェイプアップを目的として、脚のこの部分を引き締めたり、二の腕を細くしたいと思い、トレーニングに意識が向いている方も増えてきています。

ダイエットをしたけど、理想の身体にはなれなかった、少しやつれた感じに仕上がってしまった、細すぎる身体は不健康に見えて、あまり人に見られたくない。

そんな経験や想いから筋肉をつけていきたいと考える方もいると思いますが、ここではまずご自身がどのような姿になれば納得できるか、理想に近づけたと感じることができるでしょうか?

この辺りを改めて整理していただければと思います。

そして、筋肉はつけなくても、今ある筋肉を膨らませることができれば見た目もある程度変化させることができます。もし、あばら骨が見えてしまうことを気にされている場合、筋肉を膨らませることでそれをある程度見えにくくすることができます。

パンツを履いたときのぶかぶか感も筋肉を膨らませることである程度改善することができます。筋肉を膨らませて身体を変えるという考え方をここからお伝えしていきたいと思います。

 

なぜ筋肉を膨らませることができるのか?

なぜ筋肉をつけなくても膨らませることができるのでしょうか?それは、現代人の生活と大いに関係があります。2種類のパターンがあり、どちらのパターンも筋肉を緩めることで筋肉に適度な膨らみが出てきて、筋肉は弾力を持つようになります。

本来人間が持つ筋肉は適度な弾力を持ち、柔らかいものです。それを知ろうと思えば、生まれたての赤ちゃんの身体を触るとわかりやすいと思います。

赤ちゃん

赤ちゃんの筋肉は小さいながらも、非常に柔らかくフワフワしています。当然ながら筋肉を過度に使っておらず、人間本来の筋肉の状態と言えます。長い年月筋肉を使い続け、そして大人になると仕事なり、家事をし、時間を過ごしていきます。

その中で過度に筋肉を使い続けてしまい、筋肉が硬くなる。またもうひとつのパターンとしては、筋肉を使わなくなることで筋肉が萎縮してしまい、この場合も硬くなります。

  • 筋肉は使いすぎると硬くなる
  • 筋肉は使わなさすぎても硬くなる

人間本来の筋肉の柔らかさの状態から離れてしまう主な原因は、この2つです。

現代人は、本来あるべき筋肉の状態ではない方が多く、身体が細すぎて悩んでいる方の筋肉は非常に硬い傾向があります。というよりもほとんどの方の筋肉は硬い状態だといえます。

本来の筋肉の状態に近づけるためには筋肉を緩めることです。筋肉を緩めると弾力が出て筋肉が膨らんだ状態になるため、筋肉をつけなくても見た目の改善が起こるということです。

 

筋肉を膨らませる方法

言葉だけでは、なんとなくイメージはできるかもしれませんが、実際に身体の変化を感じていただくことの方が理解しやすいと思いますので、例をあげてご紹介していきたいと思います。

前腕の筋肉を膨らませる

この記事を読まれている方は、出勤前か帰宅前、もしくは・・・仕事中(笑)の方もいると思いますので、できるだけ目立たないようにできる方法でご紹介していきたいと思います。

まず、前腕の太さ、硬さなどを左右で比べ現状を確認してください。

前腕に触れる

確認ができると利き腕を行っていきたいと思いますが、まず息を軽くハア、と吐きながら軽く手を握っていきます。

息を吐く

握る

これを20回行います。20回終わっても、前腕がパンパンに張らないように軽く行います。

20回できると、動かした前腕部分に手を触れて、呼吸(鼻から息を吸って、口から吐く)を3回行います。

前腕

呼吸

呼吸

それが終わると、腕をだらんとした状態で手首をブラブラ揺らしていき、前腕の筋肉を緩めていきます。

腕のぶらぶら

この流れを3セット行い、終わった後に前腕の筋肉の膨らみ具合を確認してみてください。おそらく冒頭からお伝えしている筋肉が膨らむということが理解していただけると思います。

ここで実践していただいたことを、身体の各部位、もしくはご自身が細いなと感じる部位で行うことで適度に筋肉が膨らみ、身体が変わっていきます。

ある程度筋肉へ刺激を加える

上記ではわかりやすく実感していただくために、例として挙げましたが、バストやヒップなどを膨らませるためには、ある程度筋肉に刺激を加えていきます。

この刺激というのは、ある程度負荷を用いてエクササイズを行っていきますが、このエクササイズで筋肉を収縮-膨張させるようなイメージで行っていきます。

仰向けになり、両膝を立て、脚は肩幅ぐらいに開きます。

そこからお尻を持ち上げ、肩から膝が一直線になるまで上げたところからスタートします。

ヒップアップ

地面にお尻がつく手前、もしくはお尻を地面でバウンドさせるようにポンッと切り返してお尻を持ち上げます。そのときお尻を持ち上げるときに息を吐きながら持ち上げます。

筋肉を膨らませる

このエクササイズでは太ももの裏やお尻に刺激が加わります。これを20回行い、終わると両脚を伸ばしお尻に手を置き、呼吸を3回行います。

呼吸

それが終わると脚を左右に転がすようにぶらんぶらんと動かし、筋肉を緩めていきます。

脚の動き

このエクササイズを行っていただくときは、上半身などが負荷となって筋肉に刺激を与えることができますが、切り返すような動作があるため、このときに刺激を受けるのは主に速筋と言われる白い筋肉です。

速筋に刺激を加えることで、筋肉は膨らみやすくなるため、繰り返すようなクイック的な動きを使ったり、ある程度負荷を用いて筋肉に刺激を加えていきます。このエクササイズを終わったあとでお尻を触るとわかると思いますが、お尻のサイズが少し大きくなっていることがわかると思います。

クライアントさんの場合、履いていたパンツが少し緩まったため、このようなエクササイズをすることでその緩い感じが気にならなくなり、非常に健康体に見えるようになりました。

 

循環を維持するために日頃行ったこと

週1回のセッションで上記で紹介したようなことを、全身で行い筋肉を膨らませていきました。

この状態を維持するために日頃は、ご自身でできる循環を良くする方法をお伝えし実践していただきました。

実践していただいたことは、血管やリンパ管を刺激し、循環を良くするような内容ですが、これらの循環が良くなると筋肉も緩みます。逆に筋肉を緩めることで循環もよくなります。

このようにセッションと日頃の習慣によって筋肉が柔らかくなり、弾力も出てきたため身体全体が膨らんで見え、細すぎるという印象から適度に細くて健康体というような印象に変わりました。

また夜中に目が覚めていたそうですが、それもなくなり、朝起きると身体も軽くすっきりして起きれるようになったそうです。

 

筋肉をつけたいと思う方は筋肉をつけることも選択肢のひとつ

ここまでは筋肉を鍛えるというよりも、膨らませるためには筋肉を緩めることが必要だということをお伝えしてきました。

ただ、筋肉を鍛えることで筋肉がつき、結果以前細すぎた身体は変化し、浮き出ていた骨が目立たなくすることも可能です。

女性であってもハードなトレーニングが好きだという方は、ハードにトレーニングすることで筋肉がつき、身体も変わっていきます。

だけど、トレーニング未経験の女性の場合、ハードなトレーニングを週2回行うこと、そのしんどさに耐えられるかということを考えると、ハードにトレーニングを続けるということは難しいものだと思います。

この辺りを整理しつつ、自分にとってどのような刺激の加え方が今の自分には適切なのかを判断していき、それを継続的に行っていくことが一番重要なことだと思います。

筋肉を膨らませることも、筋肉をつけることもどちらも間違いではありませんし、どちらが良いということでもありません。本当は両方をうまく組み合わせることがベストな選択なのかもしれません。

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まとめ

今日は筋肉をつけたい女性に向けて書いていきましたが、細くなりたいと思う一歩、細すぎて少し自分の身体が貧相に思えてしまって悩むという方もいます。

理想はそれぞれ違うと思いますが、どちらも考え方を整理してから取り組むとその後の結果も良い方向へ向かうと思います。

一番避けたいことはただがむしゃらにすること、しんどいことを求めてしまうだけでは思ったような結果は得られません。筋肉をつけることはしんどいこともありますが、一番重要なことは適切な刺激を加えることです。

筋肉を膨らませるという発想を持ち、自分の理想の身体に近づけるヒントになればうれしく思います。

では最後に今日のまとめをお伝えしていきたいと思います。

  • 現代人は静物化し筋肉が硬くなっている
  • 硬くなった筋肉は緩めると膨らむ
  • 筋肉が膨らむと健康的に見える
  • 細すぎて悩む方は、筋肉をつけるだけではなく膨らませることも考えられる

このような内容でお送りしていきました。

今日の内容が少しでも参考になればうれしく思います。

今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

野球に必要なトレーニングとは?ウエイトだけではない本来の意味について

まだまだトレーニング=ウエイトトレーニングのイメージを持っている方が多く、何かの悩みを解決するためには筋力を向上させる、筋肉をつけることが最善策だと考えている方が多いように思います。

確かに悩みの改善策のひとつではありますが、多くの場合筋力ではなく、全体の歪みや動きの問題があり、根本的にはそれらを改善すれば悩みが改善されると思います。身体がアブノーマルの状態だから、それをノーマルに直すと治る。

この考え方を持つことで、ウエイトトレーニングがすべてのような考え方を一新できるかなと思います。

  • 投げる持久力=投げることでつく
  • 痛みの改善≠筋力向上
  • トレーニング≠筋肉をつける

今日は野球に必要なトレーニングということで、そもそもトレーニングとは何か?どのようなことを考える必要があるのか、将来を見据えて動き出している野球選手に向けてお伝えしていきたいと思います。

[clink url=”http://izuru-style.co.jp/conditioning”]

 

野球に必要なトレーニングとは?

野球に必要なトレーニングの内容に入る前に、トレーニング【training】という言葉を整理しておく必要があります。

トレーニングとは?

一般的には、トレーニング=筋力トレーニング、ウエイトトレーニングなどをイメージされると思いますが、本来はこのような意味を持っています。

■トレーニングとは?

・訓練。練習。鍛練。 「軽く-する」 教育する。

・環境や運動の刺激に対する人体の適応性を利用し,身体運動を行うことによって意志力を含めた人間の体力を高めること,もしくはその過程をいう。生体は運動という刺激(トレーニング負荷)によって変化を生じ,それを繰り返すことによって機能を高めることができる。これをトレーニング効果と呼び,期待できる効果として,筋力,持久力をはじめとして,神経系統の機能が高まることによる調節力,巧緻性の向上があげられる。トレーニング負荷の指標としては,心身の生理的な応答がとれうる内的負荷と,走向距離や挙上重量などを指標とする外的負荷がある。

コトバンクより引用:トレーニング

トレーニングとは訓練や鍛錬という意味があり、何を鍛錬するのか、教育するのか、それは筋力や持久力、スピード、調整力、柔軟性といった体力要素全体を指し、筋力だけではなく、主にこれら5つの要素を向上させるためにトレーニングを行っていきます。野球選手やスポーツ選手が向上させる体力要素とはどのようなことを指しているのでしょうか?それはコンディショニングであり、次はコンディショニングの理解が必要となります。

 

コンディショニングについて

コンディショニングという言葉や体力という言葉は聞いたことがあると思いますが、具体的には体調と捉えられたり、スタミナという捉え方をされたりすることが多いと思います。

コンディショニングと体力は同義語であり、同じ意味を持ちます。では、これらが持つ本来の意味とはどのようなものでしょうか?これらの5つの体力要素を指しています。

コンディショニング

それぞれの体力要素はこのようなことを指しています。

身体的

身体的な要素は、身体的コンディショニングともいい、バイオモーターアビリティのことであり、バイオモーターアビリティとはこのようなことを指しています。

バイオモーターアビリティ

身体的コンディショニングの中には、主に5つの要素があり、これらはさまざまな相互関係によってこのように成り立っています。

コンディショニングトレーナーと言われる立場の人が選手にトレーニング指導を行うとき、主にこのバイオモーターアビリティについて指導をします。

野球に必要なトレーニングというのは、上記であげたコンディショニングのことであり、主には筋力、持久力、スピード、調整力、柔軟性の5つの要素をトレーニングする必要があるということです。

身体的コンディショニングは、技術や戦術の下にある土台のようなものであり、この土台がしっかりしていないと上に積みあがる技術や戦術は小さくなり、プロレベルの選手はこの土台がしっかりと大きなものになっています。

ピラミッド

あくまでもトレーニングと練習は別物であり、スキル・技術を向上させるには練習が必要です。基礎体力という土台を作るためには、トレーニングが必要であり、土台が小さいままでトレーニングを疎かにしていると、ピラミッドの上は低くなり、練習だけではいつか上限を迎えてしまうことになります。

うまくなるためには練習を重ねることは必須ですが、その中で土台作りを並行して行うことでピラミッドも大きくなり、技術や戦術などの幅も広がっていくため、ここからも練習とトレーニングを行う必要性が見えてきます。

これが身体的な要素であり、身体的コンディショニングと言われるものの内容になります。

精神的

精神的というこの部分については、いわゆるメンタルであり、練習ではのびのびプレーし結果もいいけど、いざ試合になると緊張しすぎて全く打てない、投げられないという状態ではやはり強くなれないですし、精神的な部分もパフォーマンスに影響を与えます。

実際に現場では僕らのような立場のトレーナーがメンタルトレーニングをする機会はあまりなく、精神的な要素の専門家はメンタルトレーナーの役割です。同じチーム内にいる場合、線引きをしておく必要もあります。

体力、コンディショニングのひとつにメンタル、精神的な要素も含まれています。

人間の身体は、心理的限界と生理的限界があると言われ、生理的限界を突破してしまうと人間は死に至ります。そこまでいかないように、心理的な部分で制限をかけます。それが生理的限界の6~7割程度に留められていると言われており、僕らがいつも感じる限界はこの程度だと言われています。

ただ、火事の馬鹿力という言葉があるように、緊急を要することや命のかかわること、重要な大会などの時に人はこの心理的限界を突破し、これまでに経験したこともない力、能力を発揮することがあります。

ここからもわかるように、人間の身体は精神的な部分に制限を受けていることが多く、精神的な部分をコントロールできるようになり、強くなることで体力が向上するということにつながります。

防衛的

防衛的という言葉は聞き慣れないかもしれませんが、免疫力や抵抗力などのことです。

遠征に出かけて、いつもと違う環境になるとお腹が痛くなったり、ちょっと黴菌が入っただけでも体調が大きく崩れる、風邪を引くなど、免疫機能が低ければパフォーマンスに影響を与えてしまいます。

免疫力というのは、体温を高く保ったり、ストレスをコントロールすること、また超回復の過程を継続的に適切に行うことで免疫力が強くなり、抵抗力もついてきます。

このように防衛的要素もコンディショニングを整える上で重要な役割を果たしています。

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栄養・休養

栄養・休養は言葉の通り、練習やトレーニングをするとエネルギーを使い、疲労しますので、回復させるためや身体を作る意味でも、適切な栄養・休養をとることが必要です。

栄養面で言えば、糖質を摂っていなかったり、脂肪を極端に少なくしたり、偏食していたりするとやはり身体の機能も正常には働いてくれません。

疲労が残ってしまったり、回復しなかったり、また細胞が再生されづらくなりケガをする可能性も高くなってしまいます。このような点からも栄養と休養を適切にとることは、スポーツ選手に限らず、すべての方に共通することです。

ここまで体力、コンディショニングについてお伝えしていきましたが、野球選手がどのようなトレーニングが必要なのかは、これらをすべてトレーニングする必要があるということです。

また、このような多くの要素をトレーニングする必要があるため、広い視野を持ちやるべきことはウエイトトレーニングだけではなく、多岐に渡ることがわかります。

コンディショニングというのは、何かひとつが突出していると素晴らしいのかというとそうではありません。全体がバランスよく向上すること、整っていることを目指し、もしひとつでもレベルの低い要素があると、その低いレベルに全体が引っ張られてしまいます。

だからこそひとつだけに目を向けるのではなく、広くコンディショニングについて理解し、トレーニングする必要があるということです。

では具体的にどうすれば、コンディショニング、筋力や持久力などを向上させることができ、それを日頃の中にどのように組み込めばいいのでしょうか?

 

野球の競技特性から考えるコンディショニングについて

まず考えることは、野球と言うスポーツはパワー競技であり、年齢やポジションによっても必要な体力要素は異なってきます。具体的にはどのようなことを知っておく必要があるのでしょうか?

筋力について

筋肉

筋肉は、1cm³辺り4~6kgの筋力を発揮することができると言われ、これは男女とも同じと言われています。そのため、男女での筋力差は性別によるものではなく、筋肉量の違いによるものです。

男性と女性の筋肉量が異なる一番の原因は、同じトレーニングをしたときに男性は女性の2倍ほど、筋肉を肥大させるホルモンの分泌量が多いとされ、このために男性の方が筋肉がつきやすいと言われています。

ここからもわかる通り、筋力を高めるためには筋肉の断面積を増やす必要があり、そのため野球選手でも積極的にウエイトトレーニングを行い、今年のキャンプでも話題になった増量を目指すわけです。

ただ、キャンプ中に話題になった増量は、冷静に考える必要があり、そもそも体重の増加=パフォーマンスがアップすることはありませんし、ただ脂肪がついて体重が増えるとマイナス面も増えます。

何で体重が増えたのかを冷静に判断する必要があります。

野球はパワー競技であり、パワーは筋力×スピードの積で求められることから筋力を向上させることで、パワーを向上させることにつながります。

現状の筋力レベルがどの程度なのかを一度整理する必要はありますが、筋力を向上させる目的を明確にし、筋力トレーニングを行うことで土台の強化になります。ただ筋肉をつけることを目的として行うのではなく、筋力レベルを上げるためには、まずは動作の手順を理解し、重い物をいかに軽く扱うか、そういった動きを理解したうえで重量を重ね、筋力を向上させることが理想です。 

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持久力について

持久力

野球にはどんな持久力が必要なのでしょうか?マラソン選手のように自分の身体を移動させ続けられるような筋持久力が必要なのか、それとも強靭な心肺持久力が必要なのでしょうか?

試合を見ていると、バッターは1回のスイングができればいいでしょうし、投手の場合は100球前後投げられる持久力が必要になります。

このときにおさえておきたいことは、100球前後投げられる持久力をどのように養成するかということです。よく行われるのは走り込みで持久力をつけるということですが、走り込みでは走るスタミナはつきますが、投げるスタミナはつきません。

投げるスタミナをつけたいのであれば実際にボールを投げることです。この勘違いが多く、相談もよくされます。バッターも同じです。100、200本とバットを振るスタミナをつけたいのであれば、バットを振ることです。

話を戻して、野球選手はどのような持久力が必要になるのでしょうか?

練習に耐えられる持久力

野球の試合を見ると長くても100m以上は走ることがありませんし、プレーでも1球ずつ間合いがとられます。そのため試合では有酸素性持久力は必要ありません。ただ、うまくなるためには練習を数多くする必要があります。

さまざまな練習をするためにはある程度有酸素性持久力を高めておかないと、その練習についていけずへばってしまいます。単純に練習できる数が減ってしまうため、練習できる選手に比べるとうまくなることはできません。

こういった考えからある程度有酸素性持久力を高める必要があると考えています。また、先ほど身体的コンディショニングのところで少し触れましたが、コンディショニングというのは、ひとつの要素が突出していることよりも、全体のバランスがとられている方が良いわけです。

ですので、試合だけを見ると心肺持久力は必要ありませんが、練習のことを考えると心肺持久力も高めておく必要があります。

体幹の筋持久力を高める

投手の場合、投球時一番力が入る箇所は体幹部です。

100回も150回も全力で投球するとそれだけ筋肉を収縮させており、大きなストレスが加わっています。もし体幹の筋持久力が低い場合、これだけの投球を行うと体幹に力が入らず、手投げのような状態になってしまったり、肩周りの筋肉が過度にストレスを受けてしまいます。

体幹に比べ肩の筋肉は小さく、腕で投げるようなフォームですとスピードも出ませんし、大きなストレスがかかってしまうため肩肘を痛める可能性もあります。

このような理由から身体の幹である体幹の筋持久力を高めておく必要があります。 

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スピードについて

スピードというのは、スイングスピードということもありますし、走るスピードということもあります。

以前も何度かお伝えしたことがあったと思いますが、スピード【speed】という要素には2つの考え方があります。

  • 速さ・・・変えられない(筋線維のタイプ)
  • スピード・・・変えられる(動作・動き)

速さについて

速さというのは、筋線維のタイプのことを指しており、速筋(白筋)と遅筋(赤筋)との関係についてです。

筋線維のタイプは、遺伝的に決定づけられると言われており、基本的には後天的には変わらないと言われています。ただ、速筋がトレーニングを行うことで、遅筋の方へシフトし、ピンク色になるということはあります。

ただ、遅筋がトレーニングによって速筋になるということは、今のところないと言われています。

速筋線維が多い場合、筋肉を収縮させる速度も速くなるため、投手の場合肩周りの筋肉に速筋が多い場合、140km/hオーバーを投げることができる可能があります。ただ、肩周りの筋肉に遅筋が多い場合、筋肉の収縮速度も遅くなるため、140km/hを越えられるボールを投げることは難しくなります。

この筋線維のタイプだけを見ると後天的に変えられない、生まれ持った素質の部分に当たるのがこの速さです。

スピードについて

もうひとつのスピードというのは、動作・動きを指しており、動作は硬いよりリラックスしたスムーズな動きの方がスピードは出ます。

人間の身体をムチに置き換えるとわかりやすいと思いますが、ムチは柔らかくしなることで威力を増します。ただ、カチコチに固まった一本の棒であれば、しなるときよりも威力はなくなります。人間も同じで、カチカチの硬い動きであればスピードは出ません。

現在のフォームが非常に硬い動きをしていたり、無駄な動きが多い場合、これらを改善することでスピードを向上させることができます。

高校生の指導をしていると、よく見受けられるのがいろんなことを意識しすぎて動作が硬くなってしまうということです。あれこれ意識してしまうと無駄に緊張してしまい動きが硬くなります。

でも紹介していますが、あまり深く考えすぎずに、気持ちよく動こうとすることでスムーズさも出てきやすいですし、何よりもスムーズに動ける身体の使い方を知ることです。これを理解できればスピードも向上し、実際に球速やスイングスピードが向上することもあります。

スイングスピードについて

スイングスピードを向上させるためには、一般的にはパワーを向上させるためには最大筋力の1/3×最大スピードという式があるため、ベンチプレスの1RMが90kgの場合、30kgを使ってベンチプレスを行うということが言われます。

これは持久力のところと同じで、目的と方法を一致させることが重要であり、トレーニング原則のひとつに特異性という原則があります。

■特異性とは?

特異性の原則の意味は、行った動作、様式など、その方法に見合った効果しか出ないという意味です。

トレーニーが知っておきたい7つのトレーニング原則に基づいたトレーニングの進め方

行ったトレーニングに見合った効果が出るということですが、スイングスピードを向上させたい場合は、バットを振ることです。そしてリラックスしたスムーズな動作ができることでスイングスピードを向上させることができます。

またロシアではパワーという概念がないため、スイングスピードなどを向上させる場合、また別の考え方があります。

調整力について

調整力とは、体育用語で【身のこなし】という意味であり、身体を自由自在に操れる、コントロールできる能力のことです。

この能力に最も長けている一人がイチロー選手です。魔法の杖と呼ばれるぐらい卓越したバットコントロールの技術を持っており、自分が思ったように身体を動かす能力も身体的コンディショニングのひとつとなります。

調整力には、

  • コーディネーション
  • コオーディネーション

という2つの考え方があり、前者はアメリカ的、後者はドイツ的な考え方になります。それぞれどのような意味合いを持つのでしょうか?

  • コーディネーション・・・1つの動作パターンを習得する
  • コオーディネーション・・・予期しない動作に対応できるようにする

このような分け方ができ、それぞれをうまく組み合わせることで選手の技術向上に役立ちます。

コーディネーションについて

1つの動作を獲得するために、建設的に達成までのプロセスを作成して、自分が目的とする動作を獲得していきます。

その過程は複雑で難しいことをするのではなく、できることを連続的に行い、その内容の難易度を上げていき、常にできるステップを繰り返し、目的の動作を獲得していきます。

コーディネーション

コオーディネーションについて

野球でもそうですが、同じ打球が飛んでくることはありません。打球の速さ、バウンドの仕方などすべてが異なります。

その中でひとつの動作パターンだけを習得したところで、試合ではそれ以外のプレーの方が多く、練習で経験できないようなことも起こります。

それに対応するために、日頃からさまざまなプレーや刺激を加えることで、咄嗟のときにそういう動きができるように、あえて難しいこと、できないことを練習中に経験させておくということです。

同じパターンの刺激を加えてしまうと動きのパターンがわかってしまうため、コオーディネーショントレーニングでは慣れささないようにメニューの変化を加え続けます。

予期しない動きなどを取り入れ、できることが目的ではなく、さまざまなパターンの動きを経験させることが目的です。

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柔軟性について

野球ではポジションによって必要な柔軟性が異なりますが、すべてのポジションに共通する必要な柔軟性とは、股関節と肩周りの柔軟性です。

柔軟性の低下はケガをしやすくしてしまったり、疲労しやすい身体になってしまったりとマイナスになることが多いですが、そもそもこの柔軟性とはどのようなものでしょうか?

柔軟性とは、

  • 静的柔軟性
  • 動的柔軟性

この2つがあります。

静的柔軟性について

静的柔軟性とは、文字通り動きのないストレッチングであり、一般的に行われているあるポージングを保持するような柔軟性になります。

ストレッチ

この静的柔軟性は、最大に高めるというよりも、ある程度高め、人間が本来持つ柔軟性を維持することが必要だと考えています。

スポーツ選手に重要な柔軟性というのは、動的柔軟性になります。

動的柔軟性について

体操

動的柔軟性とは、動きの柔らかさということであり、この柔軟性の高さは見た目の美しさにもつながるスポーツ選手にとっては重要な要素です。

先ほどスピードのところでもお伝えしましたが、パワーを向上させるためには、筋力×スピードという式がありますが、一般的には筋力を向上させることに力がそそられがちです。

より速く結果を求める場合、リラックスしたスムーズな動作ができ、動的柔軟性を高めることでスピードが向上するため、結果的にパワーは向上します。筋力を向上させるには時間がかかりますが、動的柔軟性の向上はある意味即効性があるため、結果もわかりやすいと思います。

このように野球選手に限らず、スポーツ選手はこのように柔軟性の重要性を理解し、スムーズな動作ができることで、より結果も良くなる可能性があります。

敏捷性について

敏捷性とはアジリティのことであり、正確性×速さで求めることができます。

野球で必要な敏捷性のひとつにバント処理の動きがあります。例えば、投手前にバントされた打球を捕球し、1塁に送球する。この打球を処理するだけだと、いかに速く処理できるかということを求めますが、1塁に送球した際にアウトにする必要があります。

敏捷性

ここに正確さが必要となり、このように正確性と速さを必要とする要素のことを敏捷性、アジリティといいます。

俊敏性について

敏捷性と言葉は似ていますが、俊敏性とはクイックネスのことであり正確さは必要とせず、速さを求めるのみになります。

先ほどのバント処理の例ですと、打球に到達する速さを求めることが俊敏性になります。

俊敏性

ここまでご紹介してきた野球という競技特性を考えたコンディショニングは、日頃の練習時間の中に組み込む必要があります。そのバリエーションはいくつもあり、環境や時間、人数など条件によって臨機応変に体操することになります。

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選手を指導してきた中で感じること

これまで約5年間一緒にトレーニングをしてきた野球選手を見ていると、練習だけなくトレーニングを平行させることの重要性を身に染みて感じました。

ポジションはキャッチャーで、元々肩は強かったのですが、身体も細く、硬い選手でした。自身の身体への関心も低い選手でしたが、今では自分の身体の管理ができるようになり、毎日のケアや日々のトレーニングや練習を目的を持って取り組めるようになっています。

僕自身もトレーナーになりたての頃は、トレーニング=ウエイトトレーニングだと思っていましたし、ウエイトトレーニングがすべてではありませんが、これをやっておけばいいだろうという勘違いがあったと思います。

ですが、選手を指導していると気づかされますが、トレーナーの僕自身が視野を広く持ち、選手の現状はなぜこうなのか、技術的な問題なのか、筋力の問題なのか、調整力の問題なのか、精神的な問題なのか、そういうことを深く考えることで根本原因を見つけることができました。

今でもわからないことも多い中で、選手自身が僕のことを辛抱強く頼ってくれ、その中で自分も成長できたと思いますし、選手もコンディショニングについて理解を深めてくれたと思います。

これから野球人として成長していきたいと思い、この文章を読まれている方もいると思いますが、今回お伝えしたいことはウエイトトレーニングがすべてではなく、トレーニングすることはもっと多くあり、視野を広く持つ必要があるということです。

 

目的と方法について

テレビや雑誌などでは流行りのトレーニングがよく紹介されていますが、プロ野球選手がしているトレーニングをするからプロ野球選手みたいになれるわけではありません。

今の自分の体力レベルに合ったことを段階を踏んで、継続的に行い続けることでレベルアップしていきます。

野球人として活動できる時間は限られていますし、プロ野球に入れる選手もほんの一握りです。そこにかけて時間を過ごす人生も素晴らしいと思いますし、高校や大学までと決めて野球をするのも良いと思います。

どちらにせよ、今やっている練習は何のためにやっているのか?トレーニングは何のためにやっているのか?それらをやってどういう成果、効果が得られるのか?

目的があり、方法があります。誰かがやっていたからではなく、こういうことをできるようになりたいかた○○をしていると、目的ありきの方法を選択することは意味のあることだと思いますが、方法が先行してしまい、何のためにやっているのかがわからない練習やトレーニングはは時間の浪費になってしまう可能性もあります。

だからこそ重ねてお伝えしたい、目的と方法について。冷静に今の自分に必要なことを見極め、実行できるとそれなりに成長も感じられると思います。そういった時間の使い方をしてほしいなと思います。

 

まとめ

今日は野球選手が必要なトレーニングについてお伝えしていきましたが、いかがでしたでしょうか?

トレーニングと聞くとウエイトトレーニングをイメージされていた選手も多かったと思いますが、そのイメージが今日の記事で少しでも変化し、視野を広げられる内容になっていればうれしく思います。

少しでも参考にしていただき、改めて日々行っているトレーニングや練習を振り返るきっかけになればと思います。

最後に今日の内容のまとめをお伝えしていきたいと思います。

  • トレーニング【training】とは、教育、鍛錬、訓練という意味がある。
  • コンディショニングとは、身体・精神・防衛・栄養・休養の5つからなる。
  • 身体的コンディショニングとは、筋力・持久力・スピード・調整力・柔軟性の5つからなる。
  • コンディショニングは、土台でありその上にスキル・技術、戦術などが重なる。
  • 練習だけでは上限を早く迎え、トレーニングを平行する必要がある。
  • トレーニング=ウエイトトレーニングではないということ。

今日はこのような内容でお送りしていきました。

今日の内容が少しでも参考になればうれしく思います。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

野球に活かす体幹トレーニングとは?腹筋や背筋のことではなくつながりを考える

夏の高校野球、甲子園を目指す球児の戦いが幕を開け、沖縄はもう代表校が決まりました。僕自身もちょうど10年前に市立神港野球部主将として同じように夏空の下で白球を追いかけていましたね。

もう10年ですね・・・。早いとは感じませんが、懐かしいです。

さて、そんな高校野球の練習やトレーニング関連の記事を目にするようになり、それぞれの学校のトレーニング法などが紹介されていたりします。

強豪校がやっているからと言って練習やトレーニングを真似する選手も多いと思いますが、自分のレベルに合わせて取り入れることが何よりも重要なことです。

体幹トレーニングもそのひとつであり、ただただ腹筋や背筋をするだけでは意味がありません。今日はそんな体幹トレーニングの考え方についてお伝えしていきたいと思います。

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体幹とは

今では多くの方が知る体幹トレーニングですが、体幹とはどこのことを指すのでしょうか?

一般的にはこのように言われています。

■体幹とは?

体の主要部分。胴体のこと。また、その部分にある筋肉。

goo辞書より引用:体幹

一般的にはこのような範囲のことを指しますが、僕自身は首や股関節を含むこの範囲を体幹だと定義しています。

体(からだ)の幹(みき)と書いて体幹と言われますが、主な役割としては、内臓などの保護をすること、そしてつなぎめとしての役割があります。

保護の役割はイメージしやすいと思いますが、つなぎめというのはどういうことでしょうか?

 

体幹の役割のつなぎめという意味

さまざまなスポーツに共通することは、下肢から骨盤、体幹、上肢という順に動きがつながりパフォーマンスが発揮され、これらの動きが連動し、スムーズに動くことが重要だと言われています。

もしくは上肢、体幹、骨盤、下肢の順へのつながりです。

よく行われる一部分を強調するような練習をすることで、その一部分に緊張が生まれ、全体の動きはスムーズではなくなります。

野球で考えると、下肢から生まれるエネルギーを骨盤、体幹、肩、上腕、前腕、手、バットもしくはボールという順につながり、これらがスムーズに連動することで最大のパフォーマンスを引き出すことができます。

バッティングのときのインパクト、スローイングのときのリリース、これらのタイミングで最も大きな力を発揮する箇所は体幹です。

インパクトの位置

リリースポイント

投手の場合、試合では100球以上投げることもあるため、この体幹の持久力がなければすぐに疲れてしまい、腕で投げてしまいます。

腕の筋肉は体幹に比べると小さく持久力もありません。また大きなストレスを肩や肘などの腕の筋肉で受けてしまうと、障害につながってしまう可能性もあります。

この体幹の持久力を日頃からトレーニングしておく必要があるということが想像できると思いますが、ここで重要なことはどのようにトレーニングをするのかということです。

野球選手は、下肢から上肢へと動きが連動しますが、この連動を意識したトレーニングをする必要があります。ここがこの記事の中で最もお伝えしたいところですが、一般的に行われる腹筋や背筋。

これらを体幹トレーニングとして行っていると、投手が必要とする体幹の持久力はつくのでしょうか?言い方を変えると、300回、400回と身体を折り曲げる、反らせるようなトレーニングをするとどのようなことが変わるのでしょうか?

目的と方法が一致していればどのようなところに効果が出ているのかはわかりますが、僕も現役時代そうでしたが、何のために腹筋背筋をしているのかがわからないままトレーニングをしていました。

ただただ腹筋背筋をするのではなく、体幹トレーニングで重要なことは下肢から体幹へ、上肢から体幹へ動きを連動させながら行うことです。

 

具体的な体幹トレーニングの方法について

ここまでの考え方については整理できましたでしょうか?言葉でお伝えするのは非常に難しいですが、感覚的なことがこの体幹トレーニングでは重要になります。

先ほどから“連動”や“つながり”という言葉を使っていますが、これを感覚的に理解していただく必要があります。

まず、一般的に行われている腹筋や背筋を行ってみます。

一般的な腹筋

  1. 仰向けになり両膝を曲げる
  2. 両手を耳に添えるような形からへそをのぞき込むように身体を起こす

シットアップ

このとき腹直筋と言われる筋肉が主に刺激を受け、身体の折れ目のところが一番刺激を受けていると思います。この時点ではまだわかりづらいと思いますが、通常の腹筋では今のところに刺激を受けます。

一般的な背筋

  1. うつ伏せになり両手を背面で組む
  2. 身体を反らせるように起こす

このような背筋では脊柱起立筋と言われる腰辺りの筋肉が主に刺激を受けます。

一般的にはこれらを体幹トレーニングと言って実践されることが多いと思いますが、このような方法はただ身体を曲げたり、折ったりしており、体幹部分のみが動いています。

野球では上肢や下肢が動く中で体幹が活動するため、このような体幹部のみの動きはありません。ですので、これらをいくら数をこなしてもどこに成果が出ているのかが分かりません。

腹筋や背筋をする持久力はつくと思いますが、“野球に活かす”ための体幹トレーニングはできていません。これが目的と方法が一致していないということです。

ではどうすれば野球に活かすための体幹トレーニングができるのでしょうか?それはこのように行うことです。

上肢を使った腹筋

  1. 仰向けになり両手足を伸ばし、脚は肩幅、腕はⅤの字に伸ばす
  2. 背伸びをするように両腕を頭上に引き伸ばし、体幹まで引き伸ばす
  3. 軽く顎を引き、そこから頭と両腕を10cm持ち上げる

体幹トレーニング

体幹トレーニング

上肢を使った背筋

  1. うつ伏せになり両脚は揃えつま先まで伸ばす、両腕はⅤの字に開き、指先まで伸ばす
  2. 背伸びをするように両腕を頭上に引き伸ばし、体幹まで引き伸ばす
  3. そこから頭と両腕を10cm持ち上げる

体幹トレーニング

体幹トレーニング

まずこの2つをご紹介しましたが、実践してみた方はいかがでしょうか。こちらが意図としている方法ができていれば、先ほどの腹筋背筋とは違い、お腹・背中全体が刺激を受けている感覚があるはずです。

イメージとすれば、引き伸ばした両手の指先から順に腕、肩、体幹へと動かしていく感じです。まずは上肢から体幹へとつながりを持ってトレーニングをご紹介しましたが、本来はその他にも下肢から体幹などへ伝えるようなトレーニングも行います。

このように上肢、下肢から体幹へ連動させながらトレーニングを行うことで、野球で使う体幹がトレーニングでき、ピッチャーでは体幹をトレーニングすることで体幹の持久力がつき肩肘の負担を減らすことができます。

バッターの場合は、練習でより多くの数バットを振ることができ、数をこなせるということはよりうまくなれるということで、間接的に技術向上にもつながります。

このようにどのように体幹トレーニングをするのかによって結果は大きく異なり、改めて目的と方法を一致させる重要性を感じることができます。

 

求めるべきことは数より質。そこから数を求める

このように体幹トレーニングをご紹介すると「何回すればいいですか?」という質問を受けますが、限界まで行うことです。

この限界という言葉は、追い込め、追い込め、と精神論を言っているのではありません。限界の基準としては、正しいフォームが維持できなくなるところまで繰り返すということです。

しつこいようですが、今回の体幹トレーニングで重要なことは上肢、もしくは下肢からつながりを持って体幹をトレーニングすることです。

疲れてしまってフォームがバラバラになったり、崩れてしまって行っても、おそらく一般的な腹筋、背筋でご紹介したような使い方になる可能性があります。

まず大前提は、正しいフォームで行えること。それができてきたら数を求めるような形で行うと、得たい効果を得ることができます。

選手の場合は、焦らないことです。決して数を多くこなせることが良いということではありません。

ライバルに差をつけたい、追いつきたいという気持ちもあると思いますが、だからこそフォームを正しく行うことを何よりも大切にしていただきたいと思います。

 

まとめ

野球に活かす体幹トレーニングということで今日の記事をまとめていきましたが、いかがでしょうか。

腹筋をすること、背筋をすること、当たり前のように言われていることですので、疑うことさえもしないかもしれません。ただ、現状としては目的にそぐわない方法が多く紹介されているのも事実です。

この辺りをうまく精査していかないと思ったような成果を得られませんし、時間が無駄になってしまう可能性もあります。

2年半という短い高校野球、ひとつの集大成になる選手が多いと思いますし、一生の思い出になる2年半にするためにも、トレーニングや練習についてもひとつひとつ精査しながら実践していただきたいなと思います。

思い出になる2年半、悔いのない野球人生を送れることを陰ながら願っています。

今日の内容が少しでも参考になればうれしく思います。

今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

筋肉をつけたい方へ|筋肉が肥大しない理由と肥大させる刺激について

以前までIzuru Styleでは女性のクライアントさんが9割を占めていましたが、最近は連続して男性が入会されており、男性らしい目的をお持ちでセッションもこれまで以上に新鮮に感じ、充実感があります。

野球選手を中心に、ラグビー選手や会社員の男性も来られますが、スポーツ選手以外の男性は主に身体を大きくしたい、筋肉をつけたいという目的をお持ちです。

今日はそんな男性のクライアントさんとのセッションで感じたことをまとめていきたいと思います。筋肉をつけたい男性の参考になればうれしく思います。

こちらの記事も参考にしていただければと思います。

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筋肉をつけたい方が知っておきたいこと

ジムや自宅で筋力トレーニングに励む方も多いと思いますが、思ったように筋肉がつかなかったり、大きくならずで悩んでいる方もいると思います。

なぜ頑張っているのに、成果が得られないのでしょうか?それは筋肉に与えた刺激が、筋肉が大きくならない刺激だったということです。

筋肉が大きくなるためには、さまざまな条件があり、それを満たすことで筋肉は大きくなっていきます。

筋肉をつけるためにはどういうことを知っておく必要があるのでしょうか?

高重量を扱うから筋肉がつくわけではない

これは最も多い勘違いのひとつかもしれませんが、高重量を持てば持つほど筋肉が大きくなると思い、1回しか上げられない重量を使用したり、反動を使って2~3回しか挙上できない重量を使用したりしても筋肉はそこまでつきません。

全く変化がないということではありませんが、見た目に著しく変化をもたらすかと言うと微妙なところです。

ジムに入会したての方は、トレーニングエリアで高重量を扱っている筋肉ムキムキの人を見ると、「よし、自分もあれぐらいの高重量を持ち上げると筋肉がつくはず!」と意気込み、かなり重いダンベルを使用したりしているかもしれません。

筋肉を大きくする、つけるためには、ある一定の量が必要です。

どういうことかというと、10kgのダンベルを1回がやっと持ち上げられるとします。この場合、全体の量は10kgです。

でも5kgのダンベルだと4回持ち上げられるとします。すると、全体量は5kg×4=20kgとなります。この全体量をうまく調節することで筋肉は大きくなっていきます。

ただ重い重量を扱えばいいということではなく、筋肉がつくためには適切な刺激があり、その刺激を加える必要があるということです。

筋肉

重量に関係なく“限界”まで追い込む

「筋肉をつけたいのなら10回で限界を迎えるような負荷を使え」と、常識的にこのようなことが言われ、筋肉をつける=10回というのが認識されていると思います。

実際に10回前後で限界を迎えるような負荷で筋肉に刺激を加えると筋肉は肥大していきます。

ただ、近年その常識は少し変化してきており、必ずしも10回で限界を迎えなかっても、30回、40回でも反復できなくなるまで追い込むことで、その最後の数回の刺激が筋肉を大きくする刺激となるようです。

そのため30回、40回でもいいので、とにかく限界まで追い込めば筋肉がつくような刺激になっているという認識に変わってきています。

逆に言えば、それだけ追い込まなければ筋肉はつかないということになり、決して“楽に”筋肉をつけるということはできないということにもなります。

上腕二頭筋

エネルギー的に余裕がないと筋肉はつかない

人間の身体は非常に賢く、エネルギーが余分にない状態では筋肉がつきません。むしろ、エネルギーが不足している場合、多くのエネルギーを消費する筋肉は生命を維持するためには邪魔になるため、減っていきます。

僕自身も20歳前後の頃、どれだけジムでトレーニングをしても筋肉がつかないと悩み、トレーニングの内容を何度も見返しましたが、原因がわかりませんでした。

あるとき、「もっと太ってみよう!」と思って、食事量を増やすと筋肉がつきはじめ、トレーニング量も多すぎたため調節していくと筋肉も大きくなり始めたということがありました。

筋肉をつけるためには、ある程度余分なエネルギーの蓄えが必要になります。

レシピ

適切な刺激を加えられると1回の筋トレでも筋肉はつく

常識的には、筋トレをして筋肉がつくまでは2~3ヶ月かかると言われていますが、実際のところはそうでもないようです。

1回のトレーニングを終えたと、目に見えてというものではありませんが、微量ながら筋肉がつき、それが数週間すると数値でも小さな変化を確認することができるそうです。

そのため、適切な刺激を加えることで毎回のトレーニングで何かしら身体の変化は起こっていることになります。

筋肉 筋肉

ここからはクライアントさんとのセッションの中で感じたことをまとめていきたいと思います。

前提としてクライアントさん自身がこういうメニューをしたいとエクササイズをご指定されているものもあり、そういったことを踏まえてセッションを行っていきました。

 

筋肉をつけたいという目的に対して行ったこと

まず最初に行ったことは、クライアントさんの現状の確認から行っていきました。以前は筋肉をつけたいと思い、ジムでトレーニングをされており、あまり変化が見られなかったためにセッションを受けに来られました。

ジムとIzuru Styleでのセッションを併用するため、ジムで行うメニューのポイントや修正点をお伝えしたり、セッション時間を使って全身のトレーニングを行ったりと、臨機応変にセッションごとに変更していきました。

まずはクライアントさんが以前から行われているメニューを確認していきました。

ベンチプレス
ベントオーバーローイング
ショルダープレス
アームカール
トライセップスエクステンション
スクワット
デッドリフト

このような内容で行われていたそうで、オーソドックスなメニュー構成でそれぞれひとつひとつをチェックすることから始めていきました。

限界に達する前に終えている

まずクライアントさんのトレーニングを見て気になったことは、先ほどもお伝えした限界まで行うという、筋肉をつけるための条件が満たされていませんでした。

ご自身の中ではきつく追い込んでいるつもりでも、本当の限界まで行っていただくいつもよりも2~3回挙上することができ、まだ余力があったことを実感されていました。

これは非常に大きな点で、この2~3回の差というのは筋肉をつけたい方にとっては大きな要素であり、いかに限界までできるかが筋肉をつけるためには重要です。

余力

各種のフォーム

これまでインターネットでトレーニングのやり方を学び、実践されていたそうです。すごく勉強熱心なため知識も豊富でしたし、素晴らしいなと思う一方で、拾った情報が不適切だったため動き方も目的とする部位に効かせることができていませんでした。

この動き方や動きの手順も目的とする部位に効かせるためには重要ですので、ポイントを振り返りながら2種目程見ていきたいと思います。

ベンチプレス

これは以前、ベンチプレスで肩を痛めてしまう原因と改善についてでお伝えしていることに近いようなフォームでしたが、バーを上げ下げする位置が不安定で、スタートポジションはみぞおちの真上ぐらいに設定されていました。

そこから真下のみぞおちに下ろし、元の位置に戻るようにバーの上げ下げを行っていました。

ベンチプレス

この位置に設定すると、不安定となり重量が重くなればなるほど不安定になってしまいます。この不安定さを改善するためには、肩の真上の位置に設定することです。

ベンチプレス

ベンチプレス

この位置ではバーの重さを肩周りの筋肉で支え、動員される筋肉の量が多いため非常に安定してきます。これは一度試していただくとすぐにわかると思います。

ベンチプレスをしていると、胸ではなく、肩の前側に効いている感覚があり、実際の動きを見てもそこに刺激を受けるようにバーを上げていました。

肘を真横に開くように動き、そこから肘を伸ばし切るようにバーを上げていく。

ベンチプレス

ベンチプレス

このときに刺激を受けるのは、ちょうどこの辺りです。

ベンチプレス

バーを下ろす時は体側に沿わせるようなイメージで下げ、胸骨に下ろし、そこから弧を描くようなイメージで肩の真上に上げていきます。

ベンチプレス

ベンチプレス

このようなイメージでベンチプレスの動きを修正すると肩の前側から胸全体に刺激を受けることを感じることができ、いつもよりも軽めの重量でしたが、非常に効いている感もあり、きつく感じたそうです。

実際にベンチプレスを行っていきましたが、15~20回で限界を迎えるように負荷設定をして行うと、大胸筋全体に効いていたためパンプアップして、嬉しそうに胸を揉みながら「いい感じやね!」と喜ばれていました。(笑)

ベントオーバーローイング

ベントオーバーローイング(以下、ベントロー)を行っている時には、上腕二頭筋に効いているような感覚があり、うまく広背筋に効かせることができていなかったそうです。

ラットプルダウンという上からバーを引き下ろすマシンは、広背筋などが鍛えられ、ジムでも代表的なマシンのひとつ。

このマシンを使っているけど、うまく広背筋に効かせることができない方は多いのではないでしょうか。これは動作を知っておく必要があります。

この方の動作の手順のイメージは、

  • バーをへそに向かって引く

このイメージしかなく、手元からバーを引くと上腕二頭筋に効いてしまいます。

ベントロー ベントロー

人間の身体は不思議で動かす手順ひとつで効く筋肉が変わりますが、広背筋に効かせるためには、肩甲骨から動かします。

実際にベントローの動きは、2つの動きに分けてから1つにまとめるように行っていきました。

まず、このようなポージングをとり、軽くバーに上背部が引っ張られる(肩甲骨の外転)ように伸ばし、そこから肩甲骨を寄せる(内転させる)ように引きます。これが1の動きになります。

ベントロー ベントロー

続いて、この状態から肘を背中側に引き、バーをへその方に向かって引きます。これが2の動きになります。

ベントロー

この手順をインプットするように1-2、と動作を確認しながら行っていきました。

いきなり、1-2としてしまうとこれまでの動きとあまり変わらず、動きがインプットできませんので、まず県高校の動きだけを繰り返します。

それができるようになれば、1-2というように一気にバーをへそに向かって引き寄せ、再度スタートポジションに戻ります。

このように動作を修正することで、広背筋に効かせることができ、上腕二頭筋への刺激は軽減されていきました。もしベントローで、目的が上腕二頭筋に刺激を加えることであれば、手元のバーを引く意識で行うと刺激は上腕二頭筋に加わります。

エクササイズ名を書いていますが、重要なことは目的であり、この目的によってやり方は変わっていきます。

動作手順を確認して行っていきましたが、ベントローについては限界まで行えていましたが、フォームが問題で上腕二頭筋の肥大は見られていましたが、広背筋はセッションで行ったような刺激は加わっていませんでした。

この場合は、動作に問題があるために広背筋の肥大が起こっていなかったということです。

フォームについてはこのように確認をしていき、目的をする部位に刺激が加わるようにひとつひとつ手順を確認し、お伝えしていきました。

このクライアントさん場合は、この2点が修正点だと感じ、休息時間や頻度についてはご自身でも考えられていて、特に問題ではないように感じました。

 

筋肉をつけたい方必見!?筋肉を肥大させる刺激について

筋線維には白筋と赤筋と言われる筋肉があり、筋肉をつけたいと思われている方は、この白筋と言われる筋肉に刺激を加える必要があります。

それは、白筋は赤筋に比べ肥大しやすい特徴を持っているためです。

では、この白筋に刺激を加えるためにはどうすればいいのでしょうか?それは、このような刺激を加えることで白筋に刺激を加えることができます。

筋肉が限界を迎えるまで追い込む

これは先ほどもお伝えしましたが、一般的には10回で限界を迎えるような刺激を加えることで、筋肉が肥大します。これは、高重量を扱うことで白筋に刺激が加わるために筋肉が肥大します。

先ほどの話では、20回、30回と高回数の刺激でも限界まで追い込めば筋肉は肥大するとお伝えしましたが、筋肉を細く引き締めるときにも同じようなことが言われます。

30回ぐらいできるような軽めの刺激を筋肉に加えると筋肉は細く強くなりますが、このとき刺激を受けているのは赤筋です。

持久性を帯びた筋肉ですが、細くなるときと肥大するときでは何が違うのでしょうか?それは、高回数であっても反復不可能になる“限界”まで追い込むと、限界の数回前の刺激は白筋に刺激が加わると言われています。

扱う重要が軽めであれば、22・・・23回目辺りまでは赤筋に刺激が加わる。でも筋肉が疲労し、限界に近づけば近づくほど白筋に刺激が加わりはじめ、最後の5回は白筋に刺激が入る。

だから最後の5回程はかなりきつい。そこを追い込むことを筋肉は肥大します。ですので、細くしたい方の場合、限界の一歩手前で終える必要があるということになります。

筋肉をつけたいと思っている方は、楽に筋肉をつけることはおそらく難しいということは再確認していただけたかなと思います。

エキセントリックな刺激を加える

少しイメージしてみてください。10kgのダンベルを持ち、肘を曲げて持ち上げる。ただ、1回が限界。次は同じことを11kgでします。おそらく上がらないので、反動をつけるか、逆の手でサポートして持ち上げる。

ここから少し肘を伸ばそうとすれば、11kgのダンベルの重さに耐えられず本来はダンベルを止めたいが、肘が伸ばされる。このときに、筋肉は収縮したいけど、伸ばされながら張力を発揮している状態になります。

これがエキセントリックな刺激であり、日本語で伸張性筋活動といいます。

今その場でスクワットをするとします。自重ですので、10回で限界を迎えるということはなく、20・・・30・・・、おそらくもっとできると思います。

このように高回数反復できるときに刺激を受けるのは赤筋でした。ただ、今回はしゃがむときにスローで動くようにゆっくりとしゃがみます。すると太ももの前側の筋肉は伸ばされながら張力を発揮し、エキセントリックな刺激を受けます。

負荷は自重で軽いけども、このようにエキセントリックな刺激を受けるときは白筋に刺激が加わります。ですので、筋肉をつけたい方は、家にダンベルやバーベルがない場合は、このようにエキセントリックな刺激を活用することで筋肉を肥大させることができます。

急激なエキセントリック刺激はマイナスになる可能性

筋肉を肥大させようと思うと、これまでお伝えしてきた筋肉に刺激を加え、ある意味筋肉に傷をつけてその修復過程で以前よりも強くするということを行っていきます。

もうひとつの考え方として、筋肉を肥大させるにはタンパク質の合成のスイッチを入れる必要があります。

筋肉はタンパク質で構成され、タンパク質の合成スイッチが入ると分解スイッチはOFFとなり、分解スイッチが入ると合成スイッチはOFFになります。ここまで極端な反応ではありませんが、イメージとしてはこのように互いでバランスをとっています。

筋肉をつけたいと思う場合、できるだけ合成のスイッチを入れておきたいものです。スイッチを入れるためには、トレーニングで筋肉に刺激を加えると合成スイッチが入り、そこに適切な栄養があれば筋肉は肥大することになります。

先ほどエキセントリックな刺激を加えると白筋に刺激が加わり、筋肉が肥大するとお伝えしましたが、やり方ひとつで分解のスイッチが入り、マイナスになってしまう可能性があります。

それは、急激なエキセントリックな刺激が加わるとタンパク質分解スイッチが入り、筋肉が減る可能性が出てきます。

イメージとすれば、ゆっくりしゃがんでいる途中で誰かが背中に飛びついてきて、その重みで太ももの前側がギュッ!と急激に伸ばされると、この瞬間に分解スイッチが入ってしまうそうです。

そのためエキセントリックな刺激は筋肉を肥大させる上では、刺激としては適切ですが、そのやり方を間違ってしまうと逆効果になってしまう可能性があるということを知っておいていただければと思います。

スロートレーニングを活用する

もうひとつの刺激の加え方は、スロートレーニングを活用することで。文字通り、スローでトレーニングをしていきますが、軽く膝を曲げた状態からスクワットを開始し、4~5秒でしゃがみ、4~5秒で膝を伸ばし切らないように立ちあがる。

筋肉は常に張力を発揮しているため、筋内の血流量が制限され、低酸素状態になってしまいます。

この低酸素状態になることで、筋肉を肥大させるホルモンなどが分泌され、筋肉が肥大するという流れになります。

高齢の方の場合、高重量を扱うのはケガのリスクが伴いますが、自重でスロートレーニングをすれば、安全ですし筋肉をつける刺激は十分加えることができる。

こういったスロートレーニングも活用することで筋肉を肥大させることができます。

スロートレーニングと加圧トレーニングの違いについてまとめてみました。

 

まとめ

筋肉をつけたいと思う男性は多いと思いますが、適切なトレーニング刺激を加えることができないと思ったような成果を得ることもできず、ただ疲労してしまっただけということになりかねません。

時間ももったいないですし、できるだけ効率的に筋肉をつけていきたいものです。

上記のようなことが少しでも参考になればうれしいですし、それがきっかけでトレーニングの楽しみを感じていただければ嬉しく思います。

今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

小学生がトレーニングをすればケガする?子供に対するトレーニングの考え方について

小学生ぐらいの子供が筋トレをすると身長が伸びなくなる。骨がつぶれる。そんなことも言われていますが、成長に関することを理解していけば、それが適切かどうかわかってきます。

適度なトレーニングは骨の成長を促し、身長を伸ばす刺激になる可能性もありますし、「筋肉がつきすぎるのでは?」と心配する親御さんもいらっしゃると思いますが、子供の身体は成長過程にあるため胸板が厚くなるなどの反応は起こりません。

今日はそんな小学生に対するトレーニングについてまとめていきたいと思います。

 

子供のカラダとトレーニングについて

まず、子供のトレーニングについてお伝えする前に、トレーニング【training】という言葉について共通の理解をしていただきたいと思います。

トレーニング【training】

練習をすること、鍛錬、訓練と言う意味であり、目的とすることをできるようにするために行うこと、という意味があります。
トレーニング=鍛える、筋肉をつける、という意味だけではないということです。ここを今日は理解していただいてから読み進めていただければと思います。

大人と比べると小さな身体で、筋力も弱い小学生ですが、この時期に筋力トレーニングをすれば他の子よりも抜きんでることができるんじゃないか?そんな期待を持って筋力トレーニングをさせている親御さんもいるかもしれません。

結論から言うと、もし大人と同じような理屈でトレーニングをさせているのであれば、筋肉は肥大せず身体を壊したり、痛めてしまうリスクが高くなるだけです。

子供の身体は、小さな大人ではなく、子供独特の身体であり、トレーニングも子供に合わせて考える必要があります。

数十年前は子供にトレーニングをさせるということはあまり言われていなかったと思いますし、最近は特に体幹トレーニングを筆頭に子供向けのトレーニングが多いように思います。そもそも、なぜ子供にトレーニングが必要なのでしょうか?

 

過保護になり、社会が発展して変わった子供の遊び

5歳と2歳の子供を持つ僕も、子供の安全は第一に考えたいですし、犯罪などが多い現代ではいつ何時何が起こるかわかりません。だから子供を守らなければいけないと思います。

親としては本当に考えます。子供を守らないといけない、でもそれが過保護になっていないか。逆にそれは無責任なのか。難しい問題だと思います、思いますが、もっと自由でもいいかなと思っています。

社会全体が過保護になっていると感じますし、社会が発展してきたからこそ “遊び” というものが大きく変わってしまいました。

便利さゆえにテレビゲームやスマホ、ユーチューブにLINE。スマホ一台あれば何時間でも部屋で遊びことができる時代です。だからこそ現代の子供はトレーニングをする必要があると言われています。

何が言いたいのかというと、二十年前もゲームはありましたが、外でまだまだ遊んでいましたし、公園の木に基地とか名前をつけて登って、時の木を追っておっちゃんに怒られたりしました。

こういう外での遊びが減ってきています。それがトレーニングをする必要になった大きな理由です。

ゲーム

何でもダメというのは違う気がする

昔の生活を知っているわけではありませんが、過度なバリアフリーや機械化が進み、人間が本来手足を使って行っていたことが今は機械で自動化されたり、不自由なくすごせるようになりました。

これは良いことである一方、人間の機能を考えると低下の一途をたどるような気もします。その影響は子供にも及んでおり、外で泥んこになるまで遊ばないし、何かしようとすると親が「危ない」「危険」と言ってやらせなかったりもします。

あれもダメ、これもダメ、と制限をかけすぎることは子供の学ぶ機会を奪ってしまっていると思います。

何か悪さをして怒られたらそれも学びだし、友達とケンカしてもそこから人との関わり合いを学ぶはずです。その機会を与えるのが大人の役割でもあり、過度な口出しはしない方が子供のためになることの方が多いように思います。

当然していいこと、いけないことを教えることは大切です。それでも見守ってダメなことも経験させることも必要なときもあると思います。

ケガをするのもひとつの経験

最近は子供がバッティングセンターに行きたがってよく連れていきます。5歳ですから小学生が使うバットも重たいはずです。

小学生のお兄ちゃんたちの姿を見て、自分も!と思うんでしょうかね。100kmとか120kmのボールを打ちたいと言ってきます。そこは黙って打たせますが、当然当たらないですし、うまくいかない。

でも、よく見ていると子供なりに少しバットを短く持ったり、タイミングも変えているのが分かります。そしたらたまに当たるんですね。でもボールの勢いに負けてバットが吹っ飛んだり、バットが顔に当たります。

彼はそこから何かしら感じていると思います。「次どうしたらうまくできるかな?」って思っていると思うんですけど、最近は部屋で「ボール投げて?練習したい!」と言ってきます。

自転車に乗っているときもそうで、たまに思いっきりこけます。擦りむいて痛いと思いますけど、痛い経験もするからというわけではないですが、そこから「次はこうしたら・・・」と何かしら考えるはずです。

考える習慣をつけさせるようにしたいですし、自ら学ぶ環境を作ってあげれば子供は成長しますし、その環境を過保護にすることで奪うことにもなりかねない。ケガをしてもそれから学ぶことがあるように思います。

ケガ

遊びから多くのことを学ぶ

僕が小学生の頃、ドロケイがすごく好きで脚が速かったのでほぼ最後まで残ります。バリアゾーンというのがあって、そこは休憩ができて、捕まらないんですね。もしその前にケイがいたらヘッドスライディングで駆け込んでいました。

これで野球のときのヘッドスライディングを覚えました。

木を登る、階段を何段か飛ばしで駆け上がったり、飛び降りたいしていました。結構危ないように感じますが、これもひとつの経験です。木を登るとなれば今は「危ない、怪我をする」と規制するところもあるかもしれません。

落ちてもいいということではありませんが、そういう木を登ったり、脚を木に引っ掛けて遊ぶことでそれ自体が子供にとっては大切は筋トレになります。こういう外で自然の中で遊ぶことは身体の使い方を自然に学べる環境だと思います。

木登り

現代の親が教わってきたこと

僕もゆとり世代と言われる年齢ですが、ゆとりなんて一切ありませんでした。ただ、同年代を見ているとそういわれても仕方ないと思うことも多々あります。

僕が中学生の頃は、携帯を持っていることが普通で毎日メールもよくしていました。無料ゲームも流行り、ゲームをしていなかったら話題に入れないなんてこともありました。

スマホが普及し、僕らの世代が親になるとスマホがある生活が当たり前になりすぎて、子育てそっちのけでスマホをいじっている人も見かけます。

育ってきた環境が少しずつ変わって、便利な世の中で過ごしてきたゆとり世代が親になると、昔の方と比べると生活のベースが大きく違う。だからこそ子供に対しての教育の考え方も異なります。

良い側面もあると思いますし、そうでない側面もあります。僕らが当たり前と思ってこれまで行っていたことが、実は昔の方からするととんでもないようなこともあるかもしれません。

子供にとって現代社会で生きていくためにはどういう教育、環境がいいのか、改めて考える必要があると思います。

だから小学生も筋トレが必要になってきた

ここまで小学生が筋トレを必要とする理由をお伝えしていきましたが、一番の理由は先ほどお伝えした外で身体を動かして遊ばなくなってしまったからです。

だからこそあえてそういう刺激を加える必要があります。

先ほども少しお伝えしましたが、子供は大人の小さいバージョンではないので筋肉の使い方が大人とは異なります。この辺りを理解すればどういうトレーニングをすればいいのかが理解できると思います。

続いてこの辺りを詳しくお伝えしていきたいと思います。

 

子供の筋肉は大人と同じような使い方はしない

この話をする前に筋線維のタイプ(速筋・遅筋)について理解していただきたいと思います。

速筋線維とは?

速筋線維とは、文字通り筋肉の収縮速度が速く、別名白筋とも言います。魚で言えばヒラメやタイで、こういった魚の身は白く、この色は筋線維の色です。
筋肉を素早く動かすときや大きな力を発揮するときに主に使われ、筋トレをして肥大する筋肉は主にこの速筋線維です。

続いては、こちら。

遅筋線維とは?

遅筋線維とは、持久性を持つ筋線維で、別名赤筋とも言います。マグロなどの赤身の身を持つ魚の特徴で、泳ぎ続けます。泳ぎ続ける、動き続けるためには持久性が必要となり、このような筋線維を多く持っています。
遅筋線維は肥大の程度が小さく、遅筋が大きく肥大することはほぼありません。

これら2つの筋線維のタイプは遺伝的要素で決定されており、ほぼ変えることができないとされています。

さて、本題はここからです。筋線維のタイプを理解していただいたところで次に移りたいと思います。

子供はどのような運動、トレーニングをしても同じ筋線維が使われる

小学生低学年のような小さい子供の場合、100m走のような短距離走でも、1500m走のような持久走でも、どのような運動をしても遅筋線維が使われるそうです。

そのため子供はいくら遊んでも疲れないし、ずっと遊び続けられるのはそのためです。大人の場合、100m走や持久走など行う運動などによって使われる筋線維は自然と切り替わります。

ここが大人と子供の大きく違うところです。ですので、筋肉をつけようと小さい子供にバーベルを担がせて高重量でトレーニングを行っても遅筋線維に刺激が加わるので、筋肉もほとんど肥大しません。

ダンベル

どんな運動をしても遅筋線維が使われるということは・・・

子供の場合どのような運動をしても遅筋線維が使われるということですので、細かいトレーニングやこれをすればレベルアップするという方法はなく、だからこそ外で身体を使ったいろんな遊びをさせることがある意味トレーニングになります。

「●●トレーニングをすれば」ではなく、ただ好きな遊びを外でやらせてあげればいいと思いますし、スポーツも制限せずいろんなスポーツをすればいいと思います。

このようなことを理解しておくと、考え込む必要はないですし、子供も楽しく自由に身体を動かすことができます。身体を動かすすべてのことが役立つことになります。

とはいえ、現代っ子は外で遊ぶ習慣がなかったりするので、そこにはあえてトレーニングをする必要が出てきています。そんな小学生にはどのような考えを持ってトレーニングをすればいいのでしょうか?

ここからは小学生ぐらいの子供が行うトレーニングの考え方についてお伝えしていきます。

 

小学生が行うトレーニングの考え方

小学生がトレーニングを行うときにどのようなことを考え、注意すればいいのでしょうか?

小学生が行うトレーニングの目的

先ほどもお伝えしましたが、大人が筋トレをして、筋肉を大きくするような刺激を加えれば筋肉は肥大しますが、子供の場合は目に見えて筋肉が肥大することはありません。

もしそのような刺激を加えようとすれば、身体を壊す可能性があります。

小学生が行うトレーニングの目的は、正しい身体の使い方をトレーニングによってインプットさせることです。

座る、立つ、歩く、走る、立ち上がる、しゃがみ込む、肘を曲げる、伸ばす、身体を捻る、など身体のさまざまな箇所の動きを脳に正しくインプットすることで、怪我をするリスクを下げることができますし、ここで正しい動きをインプットすれば将来にも役立ちます。

スクワット

正しい身体の使い方をインプットすれば自分の持っている能力を最大限発揮できる

社会人野球選手など、スポーツ選手を指導していると動きが変わることでパフォーマンスがアップすることがあります。

もし子供のうちに正しい身体の使い方を学習していれば、その子が持っている能力を最大限発揮できるようになります。そう考えると、大人も同じことが言えると思いますが、重量を追い求めていくのではなく、先に身体の使い方を理解する方が先になります。

正しい身体の使い方、スムーズな動きを理解すればその後には重量はついてきます。

ケガの予防になる

正しい身体の使い方を理解することは、ケガの予防にもなります。

子供の関節可動域は非常に広く、柔らかすぎるということもあります。大人の膝関節は、基本的には曲げ伸ばしのみの動きですが、小学生ぐらいの子供では捻ることもできます。

股関節や肘関節なども同じですが、過度に伸ばしたり曲げたりできるため、正しい身体の使い方を理解させることでこういった過度に動かした際のケガを予防することもできます。

身体が柔らかいといって本来人間が持つ関節可動域以上で身体を動かす習慣がついてしまえば、それだけケガをする確率が高くなるのでこういったところも予防するという意味を込めてトレーニングを行います。

 

身長が伸びなくなる可能性はあるのか?

親御さんの中でも気になる方もいると思いますが、子供のときから筋トレをさせることで身長が伸びなくなる可能性はないのでしょうか?

そこについては詳しく見ていくことにします。

子供の成長は軟骨が関係する

寝る子は育つと言われる通り、子供の成長は睡眠の時間とも関係すると言われますが、これは成長ホルモンの分泌が子供の成長と大きく関わっているためです。

子供の骨は大人とは少し状況が異なり、関節を形成する骨の先端部分の軟骨が柔らかく、完全に硬い骨の状態になっていません。

大人の場合は、このように硬い骨になっており、子供はこの軟骨の部分が成長に伴い伸びていきます。

筋トレをすると身長が伸びなくなると言われるのは、高重量のバーベルなどを担ぎスクワットなどをしたり、ジャンプなどを繰り返すことで身体の大きな衝撃を与え続け、この縦方向の刺激を加わると軟骨がダメージを受けたり、傷んだりする可能性があります。

そうなれば成長が止まってしまう可能性もありますが、ただ大きなストレスを加えすぎた場合です。

逆に自重でスクワットをして身体の使い方を覚えるような刺激を加えることで、成長を促す刺激ともなりますので、一概にトレーニング=成長が止まるわけではありません。

だからこそ、冒頭でトレーニングの意味をお伝えしましたが、要はどのような刺激を身体に加えるのかということです。ここをおさえておけばトレーニングをしても成長が止まることはありません。

 

まとめ

僕自身もまだまだ現場で子供達とトレーニングを行い身体の変化を見ていく必要がありますが、一番感じることは子供達が前向きに身体を動かすようになるためには、”楽しさ” を感じてもらう必要があると思います。

また指導中もそうですが、選手がうまくできなくて怒るということもしません。というのは、指導したことができないということは、できないような指導をしているからであって、選手はある意味言う通りにしたということです。

この辺りを踏まえて指導をしていますが、怒られると面白くないですし、言われないとしなくなるかもしれません。

身体を動かす楽しさ、うまくなる楽しさを感じさせることができれば身体を動かすことが楽しいし、やっていることができるようになってさらに楽しい、という好循環になると思います。

楽しさの中でうまくなっていることが一番だと思いますし、そういう指導ができるトレーナーでありたいなって思います。

今日は、子供のトレーニングについてまとめていきました。この内容が少しでも参考になればうれしく思います。

今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

体幹トレーニング=腹筋だと理解しても思ったような効果が得られない理由

アタッチメントの装着

ブレない身体を作りたい。だからこそ体幹トレーニングをする、と意気込むスポーツ選手もいると思いますが、前向きに取り組む姿は素晴らしいなって思います。

ただ、その前向きさは正しいことがあって結果に結びつきます。50m走を誰よりも速く走りたいと思っているのに、シューズにこだわりすぎて練習をしないと意味がありません。

もしブレない身体を作りたいと思って腹筋にこだわっている場合、今日の記事を読んで少しだけ考えていただきたいことがありますので、お時間をいただければと思います。

では今日は、体幹トレーニングと腹筋についてお伝えしていきたいと思います。

こちらの記事も参考にしていただければと思います。

[clink url=”http://izuru-style.co.jp/core-baseball”]

 

体幹トレーニングって何?

そもそも体幹とは、どの部分を指しているのでしょうか?

体幹とはどこからどこまで?

■体幹とは?

体の主要部分。胴体のこと。また、その部分にある筋肉。

goo辞書より引用:体幹

一般的にはこのように胴体、首下から骨盤辺りまでの四肢を除いた部分を指していると思います。

体幹

僕の思う体幹の定義

僕自身が思う体幹の定義は、体幹の役割を考えると首や股関節まで含むと考えています。

体幹

体幹は上肢から下肢へ、下肢から上肢へのつなぎ役としての役割がありますが、首や股関節は胴体部分とつながっており、これらの動きも体幹部の筋肉の働きと関係するため首や股関節も体幹として含めて考えています。

トレーニングとは?

トレーニングっていう言葉は、一般的な理解としては筋肉を鍛える、強化するという意味で使われがちですが、言葉の意味は教育、教え込むなどといった意味があります。

■トレーニングとは?

練習をすること。訓練。鍛練。「試合を前に―する」「ハード―」

goo辞書より引用:トレーニング

これ辞書に載っている意味ですが、本来もっと意味があります。

訓練、教育、教え込む、指導する=できるようにすること。

このように何かをできるようにするために反復し、それらをできるように行うことをトレーニングと言います。そのため筋力に対する言葉だけではなく、たまに記事の中でも “整えるトレーニング” という表現を使っています。

柔軟性トレーニングとも言いますし、アジリティトレーニングともいいます。

体幹トレーニングは言葉通り体幹に教育し鍛錬していきます。

 

体幹トレーニング=腹筋と一般的には思われることが多い

具体的に体幹トレーニングとは?となると、一般的に言われるのは腹筋や背筋をしましょうとなります。代表的なのは、長友選手が行うような体幹トレーニングが今はひとつの流行りとなっています。

一般的に言われる体幹トレーニングはこのようなことが行われていることが多いと思います。

腹筋(クランチ)

クランチ【crunch】と言われる股関節、膝関節を90度に曲げた状態で腹筋を行うエクササイズ。

クランチ

これはお腹を引き締めたいと思っている方も行っているかもしれません。

背筋(バックエクステンション)

バックエクステンションと言われるいわゆる背筋。これは、うつ伏せの状態で身体を反らせるように背筋を行うエクササイズです。

 背筋

これを部活動なのでは一般的に行われるトレーニングだと思います。

フロントプランク

ここからは近年の流行りとして取り入れられていますが、腕立て伏せのような状態で肘から先を地面に付けこのようなポージングで数十秒耐えるトレーニングです。

体幹

これは長友選手が体幹トレーニングとして書籍で紹介されているため、有名になりましたね。

サイドプランク

フロントプランクと同じようなやり方ですが、横向きに行うエクササイズです。

サイドプランク

これらは体幹トレーニングとして一般的に行われていますが、ここで少し考える必要があるのは、これらをすると具体的に “どのような効果があるのか?” ということです。

そもそもトレーニングは何かの目的があって行うことであって、目的がなければしなくてもいいことになります。何かの体力要素を向上させたいなどの目的があるからこそすると思いますが、上記の体幹トレーニングをしてどんな効果が期待できるでしょうか?

また実際に行っている方は、どのような変化を感じているでしょうか?ここが最も大事なことです。ただやっているだけであれば練習をしている方がうまくなりますし、疲労するだけです。

ここで理解しておいた方がいいことは、トレーニングは行ったことに対しての効果しか出ないということです。スクワットして腕は太くならないですし、筋トレをしても野球はうまくなりません。

トレーニングの原則のひとつである、特異性の原則を理解しておかないとただやっているということになってしまいます。詳しくはトレーニーが知っておきたい7つのトレーニング原則に基づいたトレーニングの進め方を参考にしていただければと思います。

 

どんな効果を期待して体幹トレーニングを行うのか?

サッカー選手などのコンタクトスポーツをしている選手は、相手にぶつかられても倒れない身体になりたいと思っていると思います。そのために体幹トレーニングを行うというのは、現場でもよく選手から聞いています。

上記でお伝えした特異性ということを少し念頭に置きながら話を続けたいと思いますが、例えばサッカー選手に必要な体幹とはどのようなものでしょうか?

相手にぶつかられても倒れない体幹だと考えることができますが、先ほどの特異性を考えると仰向けになって身体を起こすような腹筋や、プランクなどのエクササイズ。これがぶつかられても倒れない体幹をつくるために活きるでしょうか?

プレー中は立っているので、そもそも特異性を考えるなら立ったままでトレーニングする必要があるのではないでしょうか?なぜ仰向け、うつ伏せになる必要があるのでしょうか?そう考えると、少し体幹トレーニングの見え方が変わってくると思います。

そもそもどのような効果を期待して体幹トレーニングを行っているのでしょうか?仰向けの状態で身体を100回起こす筋力がほしいのでしょうか?身体を1000回反らせることができるような筋持久力が必要なのでしょうか?

目的を明確にし、もし相手にぶつかられても倒れないような身体をつくりたいと考えている方は、次のようなことを理解していく必要があります。

 

相手にぶつかられたときに筋肉はどのような動きをしているのか?

例えば、野球選手がバットを振るときには筋肉は伸びる筋肉があり、縮まる筋肉があり、その中で動作という複雑な動きをしています。

この筋肉が伸び縮みしながら力を発揮することを、アイソトニックと言います。

サッカーのように相手とコンタクトするような種目では、相手にぶつかる、もしくはぶつかられたときに倒されないようにするためには、どのような動きになるでしょうか?身体を固めるような使い方になるのではないでしょうか。

このようなときに腹筋をするときと同じように身体を折り曲げるような動きをしないと思います。

身体を固めるということは筋肉が伸び縮みせず、同じ長さで力を発揮するということになりますが、このような筋力発揮の仕方をアイソメトリックといいます。

身体を強くする、ぶつかられても倒れない身体を作る際には筋力を向上する必要がありますが、この筋力を向上させるときに筋力の発揮形態によって向上させ方、条件が異なります。これを理解すれば体幹トレーニングへの活かし方につなげることができます。

アイソトニック(等張性筋活動)について

筋肉を伸び縮みさせて、筋力・筋肥大・筋持久力などの向上を目的とした場合、回数や負荷、全体の量などがトレーニング変数となります。

筋肉を大きくしたい方はこちらを参考にしていただければと思います。

[clink url=”http://izuru-style.co.jp/muscle-pump-up”]

[clink url=”http://izuru-style.co.jp/waittraining-point”]

これらの回数や量、負荷などのトレーニング変数を目的に合わせて変更することで目的に合った効果を得ることができます。

アイソメトリック(等尺性筋活動)について

続いて等尺性筋活動ですが、この筋活動の場合アイソトニックのように筋肉が伸び縮みせず、筋肉自体の長さは変わらないため回数を目安にすることができません。

そのため、アイソトニックの場合秒数が強度の設定として活用されます。

ここから重要なことですが、ぶつかられても倒れないような体幹の筋力を向上させようと思う場合、アイソメトリックでトレーニングし、筋力を向上させることになりますが、筋力を向上させる場合以下のような条件が必要になります。

筋力向上 6~12秒
筋持久力 15秒以上

アイソメトリックでトレーニングする場合、6~12秒で “限界” を迎えるような強度で行うことで筋力が向上すると言われています。

20秒や30秒連続してアイソメトリックのようなトレーニングをしても筋力は向上しないということになります。ということは、体幹トレーニングを行う場合、6~12秒を目安に設定し、出し切ることが重要だということになります。

これを踏まえて一般的に紹介される体幹トレーニングを見ていくと、時間が20秒や30秒に設定されることも多く、筋持久力が向上していることになります。

サッカー選手のような相手にぶつかられても倒れない体幹力をつけるためには、6~12秒で限界を迎えるようなアイソメトリックのトレーニングが必要だということになります。

 

具体的な体幹トレーニングの方法について

上記のことを実際に体幹トレーニングとして取り入れるためには、どうすればいいのでしょうか?

ラクロスというスポーツもコンタクトスポーツであり、実際に神戸女子大学のラクロス部で行ったトレーニングは以下のようになります。すべて直径3mほどの円を書いて、そこから押し出すというような方法をとりました。

相撲

正面で向き合い、相撲を取るように相手と身体を密着させ、押し合う。

体幹トレーニング

オフェンスは背中で、ディフェンスは身体の前側で押し合う

ディフェンス側の選手がオフェンス側の選手を押し出すような形で押し、オフェンス側の選手は背中側で出されないように抵抗する。

体幹トレーニング

体幹トレーニング

押し競まんじゅう

お尻を付け合い、背中側で相手を押し出す。体幹トレーニング

このような形で実際試合で受けそうなパターンを想定し、その形に合わせてさまざまなメニューをこのように行っていきました。

また試合だとファールになる強い当たりをシュートを打つ瞬間、走っているとき、ボールをキープしているときなど、状況に応じて行い、強くぶつかりそこに耐えるというトレーニングも行いました。

これは選手にさせると実際の試合や練習でも出てしまうかもしれないということで、僕が選手にぶつかったり、クロスと言われるラケットで叩きに行ったりしてトレーニングしました。

このように普段の試合では経験する以上の刺激を練習で受けているため、試合でファールにならない辺りに耐えられる体幹力がつくと考え行っていきました。実際、選手自身もあたりに強くなっていくことを実感することができました。

このようにただただ腹筋や背筋をするのではなく、競技に応じてどのような筋力が必要なのか、どういった形で筋力を発揮しているのかをきちんと押さえたうえでこのようなトレーニングを行っていくことで効果として実感することができるようになります。

野球選手なども同じで、体幹トレーニング=腹筋と思っていると、腹筋をすることでどのような効果があったのかを考えてみると意外と答えがみつからなかったりします。

意味がないということではないと思いますが、目的と方法を合わせることで自分が望んだ効果をはじめて得ることができると思います。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。今日は体幹トレーニング=腹筋じゃないよ、ということをお伝えしていきましたが、自分が行っている競技では、どのような体幹の筋力や筋持久力が必要なのかを分析し、理解することでその方法は出てくると思います。

プロの選手がしていたからするのではなく、目的があり理解した上でトレーニングすることではじめて効果を実感することができると思います。

目的と方法を一致させることが何よりも重要になると思います。

今日の内容が少しでも参考になればうれしく思います。

今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

インナーマッスルを鍛えようとしていたエクササイズは姿勢を認識するために活用する

インナーマッスルを鍛えようとしていた行っていたエクササイズが、実際はどのような効果が得られるのか、どのように活用できるのでしょうか?

体幹トレーニングやインナーマッスルについては、知名度が先行してしまい、本来の目的から外れてしまうことが多く、僕自身も改めて学んでいます。少し前まではインナーマッスルへの刺激は小さな負荷を使用して行うと思っていましたが、これも高負荷でも動かし方によって刺激が加わることがわかっています。

今日は、一般的にインナーマッスルの強化として行われているエクササイズが、本来の目的は、姿勢の認識をするために行うエクササイズだということをお伝えしていきたいと思います。

こちらの記事も参考にしていただければと思います。

[clink url=”http://izuru-style.co.jp/innermuscle-sports”]

 

インナーマッスルや体幹の強化として行われているエクササイズ

まずこのエクササイズをご覧ください。これはフロンブリッジという種目です。よく体幹トレーニングとして紹介されていることがあり、メディアを通じて目にされた方も多いと思います。

インナーマッスル

このエクササイズでインナーマッスルや体幹を強化する目的で行うことがあると思いますが、このようなエクササイズは動きがほぼない上に、全身の筋肉を強化するためには強度が低すぎてしまいます。

インナーマッスルは、不安定なところでバランスをとることで強化されるわけではなく、インナーマッスルと呼ばれる各筋肉が活動する動きを伴うことで強化されます。

そこには、強度の問題や動かし方の問題がありますが、姿勢をキープするようなエクササイズでは全くとはいわないでも、強化することは難しいとされています。

 

このようなエクササイズはやる意味がない?

フロントブリッジのように、筋肉が伸び縮みすることがなく動きのないエクササイズはやる意味がないのでしょうか?そうではなく、実はインナーマッスルを強化する目的ではなく、別の目的を持って行うことがあります。

それは、姿勢を認識するために行うことがあります。

実際にフロントブリッジをしてから立つとわかると思いますが、立ち方がわかり、自分がどのように立っているのが認識しやすくなります。このように筋肉が伸び縮みしないが、筋肉は活動している状態を等尺性筋活動といいます。

実際に現場での指導の中でも、例えばスクワットをするとき、どの位置にしゃがめばいいのかわかりづらいときに、しゃがんできてほしいところでこのような等尺性筋活動を行い、そこからスクワットをすると、どの位置にしゃがみこめばいいのかが理解しやすく、動きが変わってきます。

このような目的を持ってエクササイズを行うことで、結果も伴いますが、目的と方法が不一致のままでは、思ったような結果が得られないということになってしまいます。

 

バランスボールを使ってのトレーニングはインナーマッスルの強化になる?

これもよく行われるひとつのエクササイズですが、バランスボールの上に座りながらのトレーニングや、バランスボールを使ってのトレーニングです。

これがインナーマッスルの強化になるということもいわれていますが、実際にはさほど活動はしていないそうです。

フロントプランク フロントプランク

このようなエクササイズはどのような目的を持って行うことで効果を得られるのでしょうか?

不安定なところでトレーニングをすることは意味がないわけではありません。安定なところでトレーニングをするときには、ある一定の筋肉が使われます。しかし、それを続けているとその刺激に慣れてきてしまいます。

その慣れてしまった刺激に変化を加えるために行ったり、慣れを防ぐために行ったりします。

このような筋肉の活動をコ‐コントラクションといい、360度に刺激が加わり、柔軟性も向上すると言われています。

バランスボールやバランスディスクなどを使ったエクササイズの目的はインナーマッスルの強化ではなく、このような慣れを防いだり、柔軟性の向上を目的として行います。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか?最近は体幹トレーニングやインナーマッスルについてはメディアで多く取り上げられていますが、目的と方法を一致させることでより効果を感じられると思います。

不安定なところでトレーニングを行うことは、イメージ的にインナーマッスルが強化されそうですが、実際は強化できるような刺激は加わりづらいそうです。

何事にも目的と方法を一致させることで効果を実感できそうですね。

最後に今日の内容をまとめていきたいと思います。

  • バランスをとる必要があるエクササイズが必ずしもインナーマッスルを強化するとは限らない
  • インナーマッスルを強化するためにはインナーマッスルと呼ばれる各筋群が活動する必要がある
  • フロントブリッジのような等尺性のエクササイズは姿勢を認識するために行う
  • 不安定な状況でのトレーニングは刺激の変化としてとらえる

このような内容で書いていきました。実際に見た目としては非常に楽しめるものですし、バランスボールを使ってのトレーニングは効果がありそうなイメージもあるかもしれませんが、目的にあっていないと実際には効果を実感することはできないと思います。

メディアで取り上げられているからいいというわけではなく、目的に合った方法を選択していきたいですね。

今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

レジスタンストレーニングで継続的に筋肉を大きくさせる方法

トレーナーとして活動していると、どの業界でもそうだと思いますが“基本”の大切さを痛感します。

彩られた世界やクリエイティブな世界は、一見華やかで先端を行く異物のように感じることもありますが、これらも基本があり、その基本の上に発想が重なり今までもないものが完成されていると思います。

そんなどこでも共通する基本ですが、筋肉を大きくしたり継続的な変化を求めるにあたって、トレーニング原則という基本があり、基礎の知識を理解することで継続的に効果を感じ続けることができます。

今日はこのトレーニングの基本原則に沿って、継続的に筋肉を大きくする際に考えることを自分がどれだけ理解しているのか、を改めて確認するために書いていきたいと思います。

筋肉を大きくしていきたいと思っている方にもぜひ参考になればと思います。

 

トレーニングの基本である7つの原則

さて、トレーニングをする上で基本となる原則が7つ存在しますが、詳細については7つのトレーニング原則を参考にしていただければ、理解していただけると思います。

本日は、より実践的なことをお伝えできればと思いますが、改めて整理をすると7つの原則はこちらです。

  • 特異性の原則
  • 全面性の原則
  • 過負荷の原則
  • 反復性の原則
  • 意識性の原則
  • 漸進性の原則
  • 個別性の原則

では早速実践的なことをお伝えしていきたいと思います。

 

特異性の原則・・・目的としている部位にきちんと刺激を加える

男性の方であれば、大胸筋を大きくすること、腕を太くすることはトレーニングのモチベーションになっていることが多いのではないでしょうか。

そのためによく行われるトレーニング種目のひとつに、ベンチプレスがあると思います。大胸筋に刺激を加える目的でベンチプレスを行うとなっても、その動かし方の手順や意識の置く位置などで刺激が加わる場所が変わります。

例えば、ベンチプレスを行う際のイメージはこのようになると思います。

  • ベンチに仰向けになり、軽く肩甲骨を内転(寄せること)させる
  • 肩幅ぐらいでバーを持ち、スタートポジションをとります
  • そこから胸の上にバーを下ろし、軽い弧を描くように顔の方へバーを押し上げる

ざっくりとした説明ですが、特異性というのはその与えられた負荷に対して身体が反応するということですので、ベンチプレス=大胸筋の肥大、ではなく、どんな目的をもって、どのように行ったかが重要になります。

目的別の方法

大胸筋内側部に刺激を加えたい場合

先ほどは肩幅ぐらいでバーを持つと伝えましたが、バーの持つ幅を狭くし、こぶし一つ分ぐらいにしてベンチプレスを行うと大胸筋の内側部に刺激が加わりやすくなります。

ただ、バーを持つ手幅が狭くなればなるほど上腕三頭筋(肘の裏の筋肉)に刺激が加わりやすくなるためバーを上げる手順が重要になります。

その手順というのは、バーを手で押し返すようにすると腕に刺激が加わります。肩口を軽く前に出すように、肩から動き始め腕が伸びていくような手順が踏まれると大胸筋に刺激が加わりやすくなり、目的通りの効果を得られるようになります。

逆に目的が上腕三頭筋を肥大させるとなれば、今のようにベンチプレスの形であっても腕でバーを押し上げるようにすれば肥大していきます。

要は、どんな種目をするのかが重要なのではなく、目的が何で、それに対して何をどのように行うのかが重要になるということです。

大胸筋外側部に刺激を加えたい場合

続いては外側への刺激ですが、先ほどと逆でバーを持つ手幅を広げ肩幅よりも広く持ちます。そして先ほどの手順のように肩口から動かすようにバーを押し上げると大胸筋の外側部に刺激が加わり肥大します。

もちろんここでいう肥大します、というのは、負荷、回数、セット数などトレーニング条件がきちんと設定されている中でのことですので、動作がきちんとできていてもトレーニング条件が目的に沿わない場合は、思ったような効果を得ることはできませんので、ご注意ください。

 

全面性の原則・・・部分だけではなく、できるだけ全身を鍛えよう

この原則の意味は、部分的に鍛えるだけではなく全身を鍛えましょうということです。また他の意味では、コンディショニングのところでも言われることです。

例えば、野球選手がオフシーズンにいわゆる筋トレをして身体を大きくして、それだけでいいのかというとそれは違います。コンディショニングというと、筋力・持久力・スピード・調整力・柔軟性など5つから構成されていますが、これらすべてを向上させる必要があるという意味があります。

ひとつの能力を向上させたとしてもすべてがバランスよく向上しないと、基礎体力といわれるスポーツ選手の土台が出来上がりません。

一般の方であれば、腕を太くしたいと思っていてアームカールやトライセップスエクステンションなどの種目のみをして部分の肥大をさせるのもいいと思いますが、ビジュアル的に格好いい姿になるためには全身をバランスよく鍛える方がさらに格好いい身体になっていくと思います。

 

過負荷の原則・・・余裕がある負荷ではなく、少しきついぐらいの負荷を扱おう

トレーニーの方にとってはこれは当たり前のことだと思いますが、ジムでも勘違いしている方も多くいますので、改めて確認しておきましょう。

過負荷の原則、この意味は楽に感じる負荷では決して筋肉は大きくなることはありませんよ、という意味で、人間はとても賢い構造をしており、自分が限界まで追い込まれると次はその負荷に耐えられるように、以前よりも少し筋肉を肥大させます。

ジムでよくみかけるトレーニングとして、4~5kgのダンベルを自分が反復できる限界までの回数(100回)まで追い込む姿が見られますが、これは筋肉が細くなっていきます。

筋肉を大きくするためには、ある程度高重量を扱い、10回前後で限界を迎えるぐらいの重量を使います。

そうするとその刺激に反応するように、筋肉は大きくなっていきます。筋肉を大きく肥大させるためには、楽だ!と感じるのはありえないということです。

 

反復性の原則・・・さぼらずに、週2回のトレーニングを継続しよう

これは言葉通りですが、気が向いたときにしよう・・・なんてことは禁物です。筋肉を大きくしたい場合、週2~3回、連続しない日を継続する必要がります。

近年の研究では、週3回よりも2回の方がトレーニング効果が出るとされており、週2回をベースにトレーニングを継続することが必要になります。

ここで継続するためのポイントですが、大胸筋を大きくしたいという目的がある場合、そのための方法は、ベンチプレスやダンベルフライ、腕立て伏せやチェストプレスなどさまざまな方法があります。

トレーニング初心者の方は、その動作を習得するために同じ種目を一定期間継続した方がいいとは思いますが、もしトレーニングにもなれてきている方は、目的が一緒のため方法を毎回変えるというのも継続するためにコツだと思います。

要は、自分が飽きてしまわないように工夫することです。筋肉を大きくするためには10回前後で限界を迎えるような負荷を扱うということをお伝えしていますが、これを守ってさまざまな種目を行うと気分的にも身体にとっても毎回新鮮な刺激が入り、継続的に筋肉は成長していきます。

継続することが筋肉を大きくするためには、最低限必要なことです。

 

意識性の原則・・・なんとなくやっているのは効果が得ずらく、なぜするのかを理解すること

前からよく議論されることですが、トレーニング中に鍛えている部位を意識すると筋活動のレベルが向上しよりトレーニング効果が上がるとされています。

アームカールをすると上腕二頭筋に刺激が加わりますが、このときになんとなく肘の曲げ伸ばしをするのと筋肉に意識を向けて行うのとでは効果が変わってしまうということです。

一般の方でよくあるケースとしては、誰かがやっているトレーニングをそのまま真似して行ってしまうことです。

なぜそれを行うのか、どんな目的を持ち、どのように行うのかを理解していないと、ただやっているだけの浪費に近い形になってしまい、自分が求めている効果が得られないことがあります。

鍛えている部分を意識するという意味もありますが、なぜそのトレーニングを行うのか、それを理解することも重要だということです。みなさんが日頃行っているトレーニングはなぜ行っていますか?

それらを理解してトレーニングが行えているか、確認すると意外とその答えに困ってしまうかもしれません。一度振り返ることも重要かもしれません。

 

漸進性の原則・・・適応期間を守って、一定期間で刺激を変え続けよう

同じトレーニングを何年も行っている方はいませんか?もしそうであればある意味職人の世界かもしれません。職人は同じ仕事を何十年を行い、その中で鍛錬し、技を極めていきますが、筋肉はどうも職人の生き方ができないものです。

というのは、ある一定期間同じことを続けていると筋肉は停滞、あるいは衰退していきます。

もし工場の流れ作業をしているとしたら、はじめは仕事がわからないのですべて新鮮に感じ、覚えていくこともあるので成長していけると思います。でも2~3ヶ月するとある程度仕事にも慣れ、人間関係にも慣れてくると余裕が出てきて、次は少しさぼろうとするかもしれません。

すると容量がつかめると逆にさぼることばかりを考えてしまい、入社当時の思いはどこへ・・・というようなさぼり社員さんのような存在が筋肉かもしれません(笑)

2~3ヶ月で新しい仕事を与え、常に緊張感を保つ。この新しい仕事を与える期間が筋肉の適応期間です。

仕事を与えるタイミングが早すぎると、切羽詰まってしまってパニックになる。筋肉も同じで強すぎる刺激を受け続けると疲労し、オーバートレーニングとなります。その適応期間というのはこちらを目安にしてください。

  • トレーニング初心者・・・4~6週間
  • トレーニング鍛錬者・・・6~8週間

すべてがこれにあてはまらないこともありますが、ひとつの目安としてさぼり癖のありそうなさぼり筋肉を継続的に教育課程を踏ませるためにも、この期間を守り刺激を変えるといつか優秀な社員=筋肉が肥大し、自分が目指す身体へと近づいていきます。

 

個別性の原則・・・人と同じではなく、自分になったトレーニングを

これも言葉の通りですが、誰かのメニューをそのまましてしまうのはかなりのリスクがあります。

よくあるのは、プロ野球選手がしていたトレーニングをそのまますればプロ野球選手のようになれるかと言えばそうではありません。

ボディビルダーがしていたトレーニングをそのまますればおそらくオーバートレーニングになると思います。大切なことは目的が何か、そして現在の自分の体力レベルがどのくらいにあるのかを把握し、今の自分のレベルを継続的に向上させていくことが重要です。

誰かがしているから、負けてたまるか精神が強すぎるとメニューとしても高強度すぎる可能性がありますので個別性の原則を理解し、今の自分はどのくらいの強度でトレーニングをすればいいのかをしっかりと理解することが重要になります。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。以上7つのトレーニング原則をまとめていきましたが、振り返ってみると意外とできていないことがあったり、忘れていたことに気づくと思います。

僕自身も今日の記事を書きながら「そうだ、そうだった。」と良い振り返りの時間になりましたし、理解しきれていないこともあり、自分の課題を再発見できたように思います。

トレーニング効果を継続的に出していくためには、この7つの基本原則を理解することが重要になり、これがしっかりと実践できれば成果も継続に感じれるはずです。と自分に言い聞かせるように今反省をしています。

今日の記事が少しでもトレーニーの方のプレスになればうれしく思います。

では最後に今日のまとめをしていきたいと思います。

  • トレーニング原則は全部で7つある
  • 特異性、全面性、過負荷、反復性、意識性、漸進性、個別性の原則である
  • これらひとつひとつを理解し、実践できることで継続的な成果を感じ続ける
  • トレーニングは飽きを防ぐためにも、毎回メニューを変えることも考えれる

このような内容でお送りしていきました。今日の内容をきっかけにまた理想の自分に向かってトレーニングを継続してみてはいかがでしょうか?

今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。