ストレッチ=身体を変える方法だ!
そう期待して日々ストレッチを行っている方へ。ストレッチだけでは思ったようにお腹は引き締まってくれないかもしれません。
それはなぜか?お腹を引き締めるためには、食事を調整する、循環を改善する、便秘を改善する、水分量を調整する、病気を治すなど、一概にこれ!と言えないからです。
逆に言えば、なぜお腹は膨らんでしまうのでしょうか?
今日はお腹をストレッチしても全然痩せないと思っている方へ、お伝えしていきたいと思います。
こちらも参考にしていただければと思います。
■脚のむくみの原因はストレッチのやりすぎ?やり方ひとつで筋肉は硬くなる
■ストレッチをすると逆効果になってしまう?!知っておきたい筋肉が緊張してしまう理由
お腹周りの筋肉について
お腹周りをストレッチしている方は、そもそもどこの筋肉をストレッチしているのでしょうか?
お腹周りにある筋肉はいろいろありますが、主に3つあります。(※本来はまだあります。)
これらの筋肉はどこについているのでしょうか?
腹直筋について
この筋肉は、一般の方が「腹筋」と言って指すところだと思いますが、お腹の中央部にあり、みぞおちあたりから骨盤まで伸びている筋肉です。
よくシックスパックと言って、6つぐらいに割れているお腹の筋肉がありますが、あの筋肉を腹直筋と言います。

この筋肉は主にシットアップと言って、仰向けの状態から身体を丸めるように起こるエクササイズで筋肉が収縮します。

腹斜筋について
腹斜筋という言葉はあまりイメージがしづらいかもしれませんが、お腹の横側にある筋肉と思ってもらえればいいかなと思います。

この筋肉はローテーションと言って、身体を捻るようなエクササイズをするときに収縮します。

腸腰筋について
腸腰筋は、みぞおちあたりから太ももの付け根に近いところの内側についている筋肉です。
3つを合わせて腸腰筋と言います。
この筋肉はインナーマッスルと言われる筋肉で、腹直筋や腹斜筋の下にあるため、表面的には見えない筋肉ですが、このように存在しています。

この筋肉は骨盤を前傾させる役割があり、主に膝を胸に引きつけるような動きで収縮します。

みなさんがお腹のストレッチをしようと思う時、あまり意識してはいないと思いますが、このような筋肉が主にストレッチされているはずです。
お腹の周りのストレッチについて
ストレッチという言葉ですが、このような意味を持っています。
■ストレッチとは?
スポーツや医療の分野においてストレッチ(英: stretching)とは、 体のある筋肉を良好な状態にする目的でその筋肉を引っ張って伸ばすことをいう。
筋肉の柔軟性を高め関節可動域を広げるほか、呼吸を整えたり、精神的な緊張を解いたりするという心身のコンディション作りにもつながるなど[1]、いろいろなメリットをもたらす。
Wikipediaより引用:ストレッチ
ストレッチというのは、筋肉を伸ばす、引っ張るという意味で、ストレッチングは伸ばし続ける、引っ張り続けるという意味になります。
ストレッチとは?整理をしておきたい基礎と実践についてで詳しくお伝えしていますが、ストレッチの目的は筋肉を緩めるということになります。
そもそもストレッチをして、お腹周りを引き締めようと思う方は、【ストレッチ=引き締め】という構図が出来上がってしまっていますが、本来は【ストレッチ=筋肉を緩める】になります。
ここを少し覚えておいてくださいね。
さて、ストレッチをしている方は、このようなストレッチをしているのではないでしょうか?
腹直筋のストレッチ
スフィンクスのポーズ(?)になり、身体を反らすように腹直筋をストレッチングする。

腹斜筋のストレッチ
片脚を伸ばし、片膝を立てクロス。そして、身体を捻ったところでキープするようなストレッチ。

腸腰筋のストレッチ
脚を前後に開き、後ろ足の甲を地面につけ、股関節の前側を伸ばすようにストレッチする。

行っている時は筋肉が伸ばされて、適度に痛みを感じ、その痛みがなんとも心地よく感じている方もいると思います。
お腹を引き締めるために重要なことは、ストレッチをして筋肉を緩めることもひとつの方法として捉えることもできますが、もっと考える必要があります。
何かをご自身でやるってことって素晴らしいことだと思います。ただ、やることが無駄になってしまうのはもったいないので、ここからお伝えすることを少し覚えておいてほしいなと思います。
お腹をストレッチする前に覚えておいてほしいこと
少し考えてみてほしいんですが、そもそもお腹ってなんでたるんでしまうんですかね?
パッっと思いつきやすいのは・・・
こういったことが思いつきやすいかなと思いますが、これらってストレッチで改善できると思いますか?できることもあると思いますが、違うことをした方がもっと変わるってイメージできます?
ここでお伝えしたいことは、人間の身体は複雑で、身体に起こっている症状はいろんな原因が考えられて、その改善方法も無数にあります。
だから、ひとつの方法に縛られる前に、何でお腹ってたるむのかなって、何でお腹って膨らんでいるのかなって考えてみてほしいんですね。これがすごく大事。いわゆる原因をみつけるということ。
ただ、専門家でもない方が一人でわかるって難しいことだと思うので、今から挙げることを参考にちょっとご自身の身体を振り返ってみてくださいね。
お腹がたるむ、膨らむ原因
ここに挙げること以外にももちろん原因はあると思います。ひとつの参考にしていただければと思います。
脂肪がつきすぎている
最近食べ過ぎていませんか?食べ過ぎると脂肪がつき、それによってお腹がたるんでしまいます。

姿勢が悪い
イズラップ、そんな冗談も言われることもしばしば・・・。冗談はさておき、もう有名になったあのCM。

姿勢が悪くなると、お腹がたるんでしまうように見えます。
便秘
女性には多い問題ですが、便秘になってしまうとガスも溜まりますし、お腹がパンパンに張ってしまいます。

病気
実際に現場であったことですが、セッション中にお腹に触れたとき、少し硬い印象を受けたので病院での診察を勧めたところ、後日子宮頸がんがみつかったということがありました。
病的なことでもお腹が膨れることがあります。

水分の摂りすぎ
いわゆる水太り。毎日3リットルものお酒を飲むという方がいて、この方はお腹だけではなく全身がぽちゃぽちゃで水太りによってお腹が膨らんでいました。

このようにお腹がたるむ、膨らんでしまう原因を挙げていきましたが、思い当たる節はありましたでしょうか?
原因を挙げた理由はもうおわかりかもしれませんが、それぞれの原因によって改善方法が異なるということです。
食べ過ぎれば食事を減らせばいいし、姿勢が悪ければ姿勢を整えること。
大切なことは、今の自分になってしまった原因をシンプルに捉え、そこに対して方法を選択することです。
トレーナーとしても、原因をみつけシンプルに捉えることは重要ですが、難しく感じています。それだけ大事なことでもあるので、挙げていきました。
次に、原因に対してどのように考えて改善をしていけばいいのかをまとめていきたいと思います。
お腹を引き締める考え方と実践について
では、お腹を引き締めるために原因が分ければ、どうやって改善していけばいいのか?それは以下のように僕は考えています。
食べ過ぎた場合
食べ過ぎちゃって脂肪がついた。だとしたら、食事を変えましょうとなりますよね。
どうやって食事を変えればいいの?となりますが、糖質制限をしたり、炭水化物抜きダイエットをする必要はないと思います。
糖質には水の分子が2つくっついていて、糖質を制限すれば水分量も減り、ある意味脱水状態になるため体重は落ちやすい。
でもほとんどの人は糖質制限ができるのか、ある一定期間だけだと思います。
糖質を摂れば、水の分子も入ってきて抜けていた水分は戻ってくるので、数字上はリバウンドします。
極端なことをせず、実際にダイエットに成功された方の例をご紹介しますので、こちらを参考にしていただければと思います。
■ダイエット成功例から見るー16kgできた食事の摂り方について
■半日断食をして8kgのダイエットに成功した記録のまとめ
■3ヶ月で9kgの減量に成功|クライアントに伝えた食事と行ったトレーニング内容について
■糖質制限すると体重が減りやすくリバウンドしやすい理由
姿勢が悪い場合
空き缶を真上から踏みつけるとまっすぐぐしゃっとつぶれますよね。つぶれた空き缶って元のサイズよりも周径が太くなるってイメージできますか?
人間も同じことが言えて、猫背のように身体が丸まってしまったり、骨盤が後傾してしまったり、姿勢が崩れてしまうとその影響がお腹のたるみとなって出てきてしまいます。
こんな感じに。


これは去年かな?同じ日に撮った写真ですが、立ち方でお腹の印象が全然違うのがわかると思いますが、上の画像はお腹にたるみがありますよね。
脂肪が多いからってだけじゃなくて、姿勢の問題もお腹のたるみと関係します。
ですので、姿勢を良くすることもお腹を引き締めるためには必要になります。
考え方はこちらになりますので、参考にしていただければと思います。
■お腹を凹ませるには姿勢を整えること!脂肪燃焼だけではない理由
■ポッコリお腹を改善しよう!循環の改善と胸郭を引き上げるエクササイズでもお腹は変わる。
■下腹部の筋トレが必ずしもお腹を凹ませる方法とは限らない理由
便秘の場合
便秘になるとお腹も張ってきます。
便秘の原因は、病気が原因でなる場合と、腸の働きが悪くてなる場合と、さまざまあります。
便秘になると、横行結腸、下行結腸、S字結腸辺りの腸が狭くなって便が詰まってしまうという考え方があり、このような場合腸への刺激を加えます。
お腹をのの字を書くようにさすってみてもいいでしょうし、軽く押し込むように刺激を加えてみてもいいと思います。
腸は自律神経との関係もあり、この辺りは以下の内容を参考にしていただければと思います。
■便秘の原因はストレス!知っておきたい原因と改善について
■自律神経を整える方法|心が落ち着き仕事の効率も上がる
水分の摂りすぎの場合
水分を摂りすぎてお腹が膨れている方って、おそらくご自身であまり気づいていないことが多いかなと思います。
東京の方ですが、実際に1日4リットルぐらい水分を摂られていて、この方の場合とにかく室温を上げて、動き続けていただいて汗をかいて水分をどんどん出していただきました。
そうすると、1回のセッションでもお腹だけではなく、全身がしぼんでご自身でも水分を異常に摂りすぎていたと実感されたそうです。
水分の摂りすぎはだるさを感じさせたり、疲労感が増すということは現場でもよく経験しています。
水分の摂りすぎによる影響などについてはこちらを参考にしていただければと思います。
■水分のとりすぎによる弊害!1日2リットル以上水分を摂る人は要注意
■水膨れが原因で太く見える場合水分を出すことで身体は引き締まる
まとめ
いかがでしたでしょうか。お腹を引き締める=ストレッチ、もしくは細くしたい=ストレッチではないということはご理解いただけたでしょうか。
身体ってもっと複雑で、だけどシンプルな見方をすることで、やるべきことが見えてきます。
情報って本当に多いですし、何をすればいいのか、何が合っていて、何が間違っているのか、こんがらがりやすい時代なんだと思います。
だけど、すべてある意味で正しいと思います。
大事なことは、今の自分の身体はなぜこのようになったのかという“原因を理解する”ことであり、それが分かればその原因に対して方法を選択することです。
これが本当に理解できれば情報に流されず、やるべきことが見えてくると思います。
今日の内容が少しでもお役に立てると嬉しく思います。
今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。