身体に起こる悩みは何かしら原因があって、その症状が表面化します。
それが例え病気であっても、シルエットとしての身体の悩みであっても、何かしら原因があるはずです。その原因を探り、変えることができれば身体は変わっていくはずです。
太ももの前側の張りを気にしてセッションを受けに来られた方が、歩き方を変えることで太ももの前側の張りが改善し、細くなっていっています。
今日は歩き方を変え、脚が引き締まった方の例をご紹介していきたいと思います。
こちらの記事も参考にしていただければと思います。
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なぜ歩くことで太ももの前側が張るのか?
脚だけではありませんが、自分の身体を引き締めるためにはどうすればいいのでしょうか?食事を減らせばいいのか、きついトレーニングで自分の身体を追い込まなければいけないのか。
なぜ太ももの前が張ってしまうのでしょうか?
今回お伝えしていくクライアントさんの場合、毎日ウォーキングを合計約1時間半、朝と夕方の2回で行っています。
歩き終わると毎回太ももの前側が張り、歩く時間が長くなると翌日には筋肉痛が出ることもあったそうです。その他に、特にジムに通ってマシンでトレーニングしたり、走ったりということはありませんでした。
以前、太ももの前側がパンパンに張る!日常生活に潜む脚を太くする原因のまとめでもお伝えしていますが、日常的に行う“歩く”という動作であっても、その刺激で十分太ももの前側が張ってきてしまいます。
太ももの前側が張る理由は、太ももの前側が張るように歩いているということです。これを、太ももが張らない歩き方に変えれば引き締まると考え、実践していきました。
太ももの前側が張ってしまう歩き方とは?
歩き方で太ももの前側が張るということは、なんとなくイメージできるかもしれませんが、もう少しわかりやすく説明していきたいと思います。
太ももの前側が張る理由
クライアントさんが悩まれていたのは、太ももの前側の少し外側に位置する箇所に張りがあり、この張りを気にされていました。
少し話は外れますが、山を登るときと山を下るとき、どちらが筋肉痛になりやすいかといえば、後者です。なぜこのようなことが起こるのかというと、山を下るときは、斜面を下りるためブレーキをかけながら下ります。
このとき、このブレーキをかけるときに太ももの前側である大腿四頭筋という筋肉がその役割を果たしています。
ブレーキをかけるときに筋肉は収縮しているのではなく、伸ばされながら力を発揮している状態であり、この筋肉の働きをエキセントリック(伸張性筋活動)と言います。
このエキセントリックな刺激が太もものに加わると非常に大きなストレスを受けるため、筋肉はポコッと膨らんだように張ってきてしまいます。
さて、これを日常での歩くという場面に置き換えると、どのような場面でエキセントリックな刺激を受けているのでしょうか?
脚が前にくるとつっかえ棒になる
エキセントリックな刺激を受ける場面と言うのは、この場面です。
この瞬間に太ももの前側には大きなストレスがかかり、歩くことで何百、何千回と刺激を受けます。そうなると、太ももの前側が張ってしまうということです。
身体の前側に脚があるとつっかえ棒のようになってしまい、ブレーキがかかり、歩いていてもあまりスムーズさを感じることはできません。
気持ちよく歩く、太ももの前側に刺激を加えないようにするには、身体の真下に脚が来ればつっかえ棒にはならず、より楽に歩くことができますし、太ももの前側は張ってきません。
厳密に言えば、身体の真下ではなく、若干前の位置になりますが、身体の下で着地をするようなイメージを持つことで太ももの前側には刺激が入らず歩くことができます。
歩くだけでもヒップアップする
1週間に1~2回ぐらいトレーニングをし、それが3~4時間だとしても、日常的に何千回も刺激を受け、何十時間も過ごすため、日常動作が身体に及ぼす影響というのは、非常に大きいものです。
そのため、日常動作などを変えることで身体も変わっていき、歩き方を変えることでヒップアップされていきます。
身体の下に脚が来ることで、このような状態になります。
このとき、後方に来ている脚のお尻に刺激を受けます。それを体感するために、先ほどの画像のような状態で後ろ脚を少し上げてみてください。
そうすると、ヒップやハムストリングスに刺激を受けることがわかると思います。このように歩くことでヒップに刺激を受け、結果それだけでもヒップアップされるということです。
どうしても脚の力が抜けない
ここまでお伝えした内容を現場でもクライアントさんにお伝えし、実践していただこうとしました。
歩き方については、こちらを参考にしていただければと思います。
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脚を前に運ぶのではなく、重心を前に運ぶことで脚は緊張せず、スムーズに動かすことができます。意識を向けてしまうと、その筋肉は緊張しますので重心を運ぼうとすると脚は意識が外れますので、スムーズに動きます。
ただ、クライアントさんの場合どうしてもうまく力を抜くことができず、セッションのときは問題ないのですが、ご自身で歩くとなるとわからなくなってしまうそうです。
そこで今回は以前、個人教授で教わった歩き方の指導について実践してみました。
脚を振り子のイメージで使う
クライアントさんは脚を前に出してしまい、着地位置が身体の前にあるため、その刺激を日常で受け続けていました。
この改善に、着地位置をインプットするために、脚を振り子のようなイメージで動かし、着地位置をインプットさせることを行っていきました。
具体的な内容については、現場で実践したものですので、詳細はお伝えできませんが、昔の時計は振り子がついていたと思います。
こういう振り子は、左右に振れ続けますが、それを人間の脚ではリラックスして前後に軽く振り、脱力すると重力の影響で身体の真下で止まります。
そこでその位置を脳にインプットさせていきますが、このようなことを行うと左右の脚がそれぞれ1本の棒のように感じられ、重心を前に運ぶだけで自然と身体の真下に着地ができ、どこにもひっかかりを感じることなく歩くことができます。
歩き方の改善方法はさまざまありますが、下駄を履いて歩くだけでもフラット着地がしやすくなります。
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このように脚を振り子として考え、身体の下で着地ができるようにインプットさせたことで、日頃も脚をリラックスすることができ、太ももの前側の張りが改善されていきました。
遠回りせず、直接的に考える
歩き方だけに限ったことではありませんが、歩き方を変えるために○○トレーニングが必要だとか、楽に走るためには体幹トレーニングが必要だといい、メディアで情報が流れています。
すべてを否定するつもりもありませんが、もっと直線的に考えてもいいと思います。
歩き方に問題があるなら、歩き方を変える。階段を上っていて膝が痛くなるなら上り方を変える。
スポーツ選手もそうですよね。バッティングを良くするためにウエイトトレーニングをする。それも必要なことですが、シンプルにバッティング練習をすればうまくなるのではないでしょうか。
こういったことをクライアントさんにもお伝えしていきたいですし、実際このように考え実践することである意味結果もすぐ体感することができます。
みなさんが身体のことで悩んでいる場合、なぜ今そのような状態になってしまったのか、その原因を理解し、方法はたくさんあります。その中でわかりやすいもの、理解しやすいものを選択すればいいと思います。
頭の中をシンプルに、整理することも身体を変えていく上では非常に大切なことだと思います。
まとめ
今日は太ももの前側の張りについてお伝えしていきましたが、今回のクライアントさんの場合は歩き方が原因でした。
この歩き方の改善には、振り子のイメージを持ち、身体の真下で着地をすることを脳にインプットすることで、脚が棒のように感じ、スムーズに歩くことができました。
過度に脚に意識を向けてしまうと緊張が生まれ、それが太ももの張りの原因になる可能性があります。
自分の重心を前に運ぶこと。それだけ意識すればより楽に歩け、気持ちよく歩くことができます。
日頃からそのような意識で歩いていただければと思います。
今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。