膝・股関節痛

股関節の外側の痛みの原因と改善について

ふとした瞬間に股関節の外側に痛みがピキッ!っとはしって、ううう・・・となったことはないでしょうか?

先日、クライアントさんから歩いているときにふと瞬間に痛みが走り、不安になって病院に行って診てもらったけど特に異常が見られず湿布を出されたそうです。

レントゲンを撮っても、MRIを撮っても問題はないのになぜ痛みは出るのでしょうか?

これは股関節だけのことではなく腰や膝など痛みについては同様のことを経験されている方もいるのではないでしょうか?

今日はこの股関節の外側の痛みの原因と改善についてお伝えしていきたいと思います。

こちらの記事も参考にしていただければと思います。

変形性股関節症は必ず手術が必要?症状から見る改善のヒントについて

整骨院に通い続けている方が知っておきたい腰痛や股関節の痛みの改善について

 

股関節の外側が痛む箇所について

今回痛みがあった箇所というのは、この辺りの部分になります。

股関節

痛みは常にあるというよりも、歩いているときに瞬間的に痛みが強く出るときがあるけども、その他のときはあまり痛みを感じないということでした。

ただ、日頃から股関節周辺やお尻周辺はだるさがあり、立っていたり、歩いた後は股関節の外側からお尻にかけて揉んでほぐしたくなるそうです。

 

股関節の周辺にある筋肉について

今回関係する筋肉は、大腿筋膜張筋と言われる筋肉と腸脛靭帯という靭帯です。

■大腿筋膜張筋(だいたいきんまくちょうきん)

大腿筋膜張筋という筋肉は、骨盤を形成する腸骨という骨から腸脛靭帯を介して、スネの骨である脛骨の外側に付着する筋肉です。

大腿筋膜張筋

この画像の赤い部分が大腿筋膜張筋という筋肉の部分で、水色の部分が腸脛靭帯になります。

腸脛靭帯は、水色の部分だけではなく、本来お尻の外側などにもあり、もう少し範囲は広いですが、今回はわかりやすくこのように記しておきます。

大腿筋膜張筋という筋肉を確認するためには、ご自身のへそから真横ぐらいの位置に出っ張ったような骨盤の骨があると思います。

その骨の外側に触れた状態で、股関節を内側に捻ってみてください。そうすると触れているところ辺りがキュッと緊張し、筋肉がわかると思います。

これが大腿筋膜張筋という筋肉です。

 

股間節の外側が痛くなった原因

クライアントさんの話を聞いていると、股関節の外側が痛くなるときというのは、履き慣れた靴やヒールを履いた時に出やすく、新しい履物を履くと痛みが気にならないということでした。

痛みが出だした当初はこのような感覚があり、その後は履物に関係なく痛みが出てくるようになったとのことでした。

話を聞いている段階で何となくイメージができましたが、この方にスタジオで下駄を履いて歩いていただきましたが、痛みなく歩くことができました。

後日、履き慣れたシューズやヒールを持ってきていただくとわかりましたが、すべて右足の裏の外側がすり減っており、中敷きなども変形していました。

これを履くと外側に重心が偏ってしまい、右脚の外側に体重をかけながら歩くような状態になっていました。

歩き方

履物によって痛みが変わるのは、以前から履いているものは中敷きの外側が凹んでおり、そこに足を入れると外側に体重がかかり、大腿筋膜張筋にストレスを加えていたためです。

股関節やお尻にだるさが出ていたのも、この周辺の筋肉が硬くなっており、ストレスを受けていたためだと考えられました。

 

股関節の外側の痛みの改善について

筋肉を緩め全身を整える

股関節の外側などが痛くなる原因が見えてきたので、まずは全身の筋肉を緩め身体を整えていきました。

その中で今回は股関節周辺を緩めるために、鼠径部に手を置き、呼吸をし揺らすことをまず行っていきました。

鼠径部

鼠径部

そこから下肢の連動や股関節の動きを何パターンかを使い、筋肉を緩めていきました。

連動

体重支持ポイントを脳にインプットする

全身を整えた後は、体重支持ポイントを脳にインプットするということを行っていきました。

痛みが出る原因は足の外側に体重がかかってしまうことですので、身体を整える前にはこの情報がインプットされているはずです。

これを実際に指導する際は調整した後ですので、一時的にその情報は消えていますが、時間が経てば再度外側に体重が乗ってきてしまいます。

ですので、フラットな状態で足裏に体重が乗れるようにインプットする必要があります。

今回は、このようなブロックを使ってインプットしていきました。

ブロック

この上に片足を乗せて立ち、骨盤を平行にした状態で、足裏の感覚を掴みやすいように上から10秒程度押していきます。

インプット インプット

そして同じことを逆も行い、歩いていきました。

重心を前に運ぶ

ここまでできると特に何も意識しなくても歩くとフラットに着地することがわかります。

実際クライアントさんは、地面に足がベチャっと付着する感覚がよくわかるとおっしゃっており、痛みもなく歩かれていました。

今回の問題はこのフラットに着地ができず、外側に体重がかかって、大腿筋膜張筋にストレスがかかることで起こっていたため、フラットに着地ができ、スムーズに歩けると痛みは出ずに歩くことができます。

歩き方

最後に歩くイメージをシンプルに重心を前に運ぶだけだと伝え、安心して歩けるようになっていました。

 

忘れてはいけないこと

この方の場合、フラットに着地でき、スムーズに歩けることができれば痛みが出ないと思いますが、忘れてはいけないことは、中敷きを変えることです。

整体や整骨院に通って、そのときに改善してもまた再発するというケースもこの場合と同じことが言えると思います。

根本的に何が問題で痛みが出たのかということを理解しておかなければいけません。

セッション中は痛みが改善するけども、根本原因が座り方なら座り方も指導する必要がありますし、その他の姿勢動作が問題であれば、そこまで指導する必要があります。

どんな素晴らしい技術を持つ方でも、これができていないと痛みが再発する確率は高い。

痛みの改善に必要なことをすべてするということが指導をする上では大切なことだと思います。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。今日は、股関節の外側の痛みについてお伝えしていきましたが、原因と改善についてはこのように考えてセッションを行いました。

やっぱりまだまだ痛いところは弱いから痛むと考える方も多く、セッション中も鍛えないことで少し(?)となる方もいます。

人間はノーマルな状態であれば痛みは出ないはずで、アブノーマルだから痛んでいるとも言えます。

じゃあ、ノーマルな状態に直すために鍛えることでなるなら鍛えるようなトレーニングをします。だけど、鍛えるよりも筋肉を緩めることでノーマルな状態に近づきます。

だとすると、選択肢は筋肉を緩め整えることです。このように考えて痛みを見ていくと、しんどい思いをそこまでしなくても痛みを改善することができると思います。

では最後に今日のまとめをお伝えしていきたいと思います。

  • 股関節の外側の痛みの原因は、大腿筋膜張筋にストレスがかかっていたから
  • ストレスがかかった理由は、中敷きの変形により足の外側に体重がかかっていたから
  • 痛みを改善するためには、筋肉を緩めフラットに着地すること
  • そして中敷きを変えるか、新しい履物を使用する

このような内容でお送りしていきました。

今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

ランニングで膝の痛みが発生する原因と改善について

ねぎを入れる

いよいよ冬本番という感じになってきていますが、先日は神戸マラソンが行われ、ランナーにとってはシーズン到来という感じかもしれませんね。

知り合いに誘われて、今年から走ってみようかな?もしくはマラソンに挑戦してみようかな?と思っている方もいるかもしれません。

そんな初心者ランナーの方が起こしやすいのが、膝の痛みです。

ランニングをするとなぜ膝や足首に痛みが出てしまうのでしょうか?よく言われるのは筋力が弱いからという理由ですが、それだけではなく、多くの場合“痛くなるような走り方”をしているために身体に痛みが出てしまいます。

走り方だけではなくさまざまなことが膝の痛みを発生させる原因であると考えられます。

今日はそんなランニングで発生する膝の痛みについてまとめていきたいと思います。

ランニング関連の記事はこちらの記事も参考にしていただければと思います。

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ランニングで膝の痛みが発生する7つの原因とは?

ランニングをするとなぜ膝の痛みが出てしまうのでしょうか。この原因はさまざまな要因を考えることができますが、トレーナーとしてクライアントを見るとき、痛みが発生するとチェックしていることがあります。

考えられる痛みの原因は7つあり、それらを照らし合わせ痛みの原因を探っていきます。今日はこの7つを軸に膝の痛みの原因と改善を見ていきたいと思います。

この7つというのは、以下の通りです。

  • コンディショニング不足
  • 走り方
  • 道具や用具
  • 身体の歪み
  • 環境
  • アクシデント
  • 体調不良

それでは早速1つ1つを見てきたいと思います。

1、コンディショニング不足である

まず一般的に言われる痛みの原因ですが、筋力が不足していることで身体が痛むと言われていますが、これもランニングで膝を痛めてしまう原因のひとつです。

走っているときは片脚で身体の重みを受け止めるため、その衝撃は体重の4~5倍ほどになると言われています。

非常に大きなストレスが身体にはかかり、片脚でジャンプスクワットをするようなことを何十回、何百回、何千回と繰り返すため、そのストレスに耐えられる筋力がなければランニングによって筋肉を使いすぎれば膝を痛めてしまう可能性があります。

このような場合、ランニングをする以前の問題であり、筋力を強化をすることが必要となります。

こういった筋力など、身体的な問題で膝の痛みが発生する場合、コンディショニングを見直す必要があります。ただ、ここでいうコンディショニングというのは、一般的に言われる “体調” のことだけではなく、以下の図のようなことを指しています。

コンディショニング

本来コンディショニングとは、体調という意味も含めますが、それだけではなくこれら5つの柱のことを指しています。またその中の身体的な部分のことを指しているのが、バイオモーターアビリティというものです。

バイオモーターアビリティ,身体的,コンディショニング

こういった体力要素の問題でランニングをすると膝に痛みが出てしまうことがあります。ただ、一般的に起こるランニングでの膝の痛みは筋力不足が原因ではないケースが多く、次に紹介するケースが痛みの原因として多くみられます。

コンディショニングについては、こちらの記事を参考にしていただければと思います。

[clink url=”http://izuru-style.co.jp/conditioning”]

2、走り方の問題

ランニングで膝の痛みを感じる原因は、主にこの走り方の問題が多いと現場の経験から感じます。太ももの前側にある大腿四頭筋という筋肉は膝のお皿を介し、脛骨というスネの骨に腱が停止しています。

走り方の問題でこの大腿四頭筋が大きなストレスを受け、このストレスに耐えきれなくなると太ももの前に痛みを感じることもありますが、膝周囲に痛みを感じます。

このように大腿四頭筋が過度にストレスを受けると膝に痛みが出る可能性がありますが、これはランニングをするからストレスを受けるということではなく、走り方のまずさが関係しています。

では、どのような走り方をすれば太ももの前側にストレスを受け、膝が痛くなってしまうのでしょうか。

  • つま先で地面を突くように着地する
  • 身体の下ではなく、前で着地する

これらの走り方は両者とも大腿四頭筋に大きなストレスを加える可能性があります。それがこのような着地のイメージです。

着地

このようにつま先から着地する、もしくは身体の前で着地をしてしまうことによって、大腿四頭筋は伸ばされるような刺激を受け、太ももの前側にストレスがかかり、これが続くことによって膝を痛める原因となります。

このように走り方の問題で膝に痛みが出てしまう場合、筋力を鍛えることが必要なのではなく、走り方を変えることで膝へのストレスは軽減され痛みを改善することができます。

走り方のポイント

ここまでランニングをして膝を痛める原因のひとつに走り方が関係するということをお伝えしていきましたが、では具体的にどのような走り方をすれば膝へのストレスを軽減できるのでしょうか。

走り方については短い距離と長い距離では異なりますが、今回の問題はランニングですので長い距離をイメージしてお伝えします。

  • 重心を前に運ぶ
  • 膝を高く上げたり、つま先で地面を押したりしない
  • 腕はリズム取りとして使い、意識的に振ったりしない

このようなシンプルな意識だけを持つことでスムーズな動作ができ、楽に走ることができます。詳細については後程お伝えしていきたいと思います。

3、シューズの問題

神戸女子大学ラクロス部に帯同し、現場で痛みの対応をすることがありますが、膝の痛みだけではなく、足部などの痛みもよく相談されます。この原因にシューズの問題があります。

  • サイズが小さい、または大きすぎる
  • 中敷きの下にスパイクの金具がある
  • シューズが変形している
  • シューズの中に縫い目がある

これらはすべて膝の痛みや足部の痛みにつながる可能性があるシューズの問題です。実際にこれらを改善することや、シューズを変えることで痛みが改善することを経験しました。

シューズの問題も膝の痛みにつながるため、サイズがあっているのかをチェックする必要があります。

ちなみに、歩いたり、走ったりするとき、シューズの中で足は1cmほど前方にずれるため、シューズのサイズを決めるときは、踵をシューズの後方にしっかりと詰め、つま先側に指1本分ぐらいのスペースが空くぐらいのサイズが適切と言われています。

このスペースがないと、足趾が詰まってしまい曲がってしまう、ハンマー足趾と言われる状態になり、これも足部の障害につながる可能性があります。

最近はシューズ販売店でも足のサイズを測ってくれるところが増え、自分に合ったシューズを提案してくれるところもありますので、そういったところを利用すると不適切なサイズのシューズを買わなくて済みます。

シューズの問題もランニングで膝を痛めてしまう原因のひとつになりますので、チェックが必要です。

シューズ

4、身体の歪み

身体の歪みがあればその分だけ局部へのストレスは大きくなります。最近の女性で多くみられる身体の特徴のひとつに内股のように脚を内側に捻じり、左右のつま先が触れ合うような立ち方をしている人を多くみかけます。

ある意味女性らしいというイメージがあるのかもしれませんが、このような脚の捻じれや身体の歪みは痛みへとつながります。

膝の内側の痛みに鵞足炎という症状がありますが、これは半腱様筋、薄筋、縫工筋などの筋肉が停止している鵞足という部分があり、これらの筋肉が過度にストレスを受けることで鵞足という部分に炎症が起こり、それを鵞足炎といいます。

この症状の改善はこちらを参考にしてみてください。

[clink url=”http://izuru-style.co.jp/gasokuen”]

鵞足炎の場合、膝は内側に捻じれてることが多く、この捻じれを改善するために筋肉を緩めることで痛みの程度も変化していきます。

また膝の外側が痛む場合、外側広筋と言われる太ももの外側の筋肉が何らかの原因でストレスを受けると膝の外側が痛みます。この場合、大腿四頭筋の筋バランスを整えることで痛みは改善します。

このように身体の歪みもランニングで発生する膝の痛みにつながる可能性があるので、痛みを感じる以前に身体の歪みはできるだけ自然な状態に直しておくことも痛みの予防となります。

歪み

5、環境の問題

環境というのは、どのような場所でランニングをしたかということです。

  • グランド
  • 砂利道
  • 砂浜
  • 整備されていない河川敷
  • 雨の降った後の土の上
  • アスファルト

さまざまな環境が考えられますが、実際に雨の降った後の河川敷を走った方で、膝を痛めてしまった方がいます。

この方の場合、足場がぬかるんでいたため滑らないように恐る恐る走っており、その走り方が大腿部に大きなストレスとなってしまい、結果的に膝を痛めてしまったということがありました。

このように環境というのも、痛みと関係しておりその環境を把握することで痛みの原因がみつかることがあります。

砂利

6、アクシデント

ランニングで膝を痛める原因にアクシデントがあります。これは不意の事故であったり、突発的に起こってしまった予期せぬことです。公園で走っていた際に子供が飛び出てきてよけようと思って身体を捻った時、着地がまずく膝を痛めてしまったということも起こりえます。

このようなアクシデントも身体の痛める原因のひとつになります。

7、体調不良

体調不良もランニングで膝を痛めるひとつの原因になる可能性がありますが、体調不良でありながら無理をして走っていると普段よりも集中力は低下しています。

このことによってハプニングが起こったり、いつもとは違うフォームで走ることになり、それが原因でランニング時に膝を痛めることが考えられます。

日頃からコンディションを整え、無理をしないこともランニングによって膝を痛めることを未然に防ぐことになります。

 

ランニングをすると膝が痛くなる理由をもっと詳しく知ろう

ランニングをすると膝が痛くなる理由は主に走り方だとお伝えしてきましたが、もう少し詳しく見ていきたいと思います。

つま先で地面を突くような走り方をしている場合、ブレーキをかけるように走ってしまいそのときに大腿四頭筋と言われる太ももの前側の筋肉がストレスを受けます。

そもそも大腿四頭筋はどのようなところにある筋肉なのでしょうか。

■大腿四頭筋について

大腿四頭筋は、4つの筋肉で構成されており、大腿直近、中間広筋、外側広筋、内側広筋で構成されています。

これらの筋肉は下前腸骨棘や寛骨臼の上縁と言われる股関節の少し上側や、大腿骨といわれる太ももの骨の前側から始まり、膝蓋骨と言われる膝のお皿の外・真ん中・内側につき、脛骨粗面と言われるスネの骨の膝に近い部分についています。

こちらが大腿直筋のイメージです。

大腿直筋

こちらが中間広筋・外側広筋・内側広筋のイメージになります。

大腿四頭筋

これらの筋肉は膝のお皿に付着していますが、身体の前に着地するようなブレーキをかけてしまうような走り方をすれば太ももの前側にストレスを受け、筋肉が硬くなります。

筋肉がそのストレスに耐えられなくなり、炎症などが起こるとこの筋肉に痛みが出る場合もありますが、多くの場合膝周辺にある腱の部分に痛みが出てきます。

これはこの痛みが出ている箇所に問題があるのではなく、その上に問題があり、大腿四頭筋を緩めれば痛みは改善されます。

膝の内側や外側など場所に違いが起こるのは、例えば、足の外側から着地をする場合外側広筋に主にストレスがかかり、膝の外側が痛みます。逆に足の内側から着地をする場合、内側広筋にストレスがかかり膝の内側に痛みが出てしまうということになります。

以下に詳しく改善についてまとめていきますが、最後に大腿四頭筋を緩める方法をご紹介していきたいと思います。

 

ランニングで発生する膝の痛みを改善する方法

ここまで膝の痛みの原因を7つ挙げてきましたが、改善に必要なことはこれら原因に対して対応することが改善につながります。

そのため、これをやればすべて改善できるということはなく、それぞれの原因に対してどのように考え改善を図るのかをまとめていきたいと思います。

1、コンディショニング不足は走る以前の問題

筋力が不足しており、それが原因で膝を痛めてしまう場合、これは走る以前の問題であり、まずは筋力を鍛える必要があります。

ランニング時には、体重の4~5倍のストレスが片脚にかかりますので、そのストレスに耐えられる筋力や持久力が必要となります。

では鍛えるとなるとスクワットをすればいいのか?ということになりますが、走る筋力は走ることでつけることができ、自分の筋肉がどこまで刺激に耐えられるのかを知る必要があります。

人間の持つ筋肉は、使わなさすぎると委縮し細くなり、使いすぎても細くなっていきます。適度な刺激が加えられることで適切な反応を引き出すことができ、そこに栄養という問題も絡んできます。適切な刺激を加え、栄養をしっかり摂ることで筋力も向上していきます。

ただ、このように書いていますがランニングで発生する膝の痛みの原因は、多くの場合走り方に問題がありますので、ウエイトトレーニングをして筋肉を鍛えたからといって痛みが改善されるかといえばそうではなく、走り方を変えないと痛みの改善はしないということになります。

2、ランニングフォームを変える

ランニングによって発生する膝の痛みの原因で、最も多いのは“走り方”の問題です。

走るということは、地面を蹴ることでも脚を前に出すことでもなく、重心を運ぶことです。走るときに自分の脚をこう動かそうと意識を向けてしまうと、そこに緊張が生まれスムーズな動作ができず、疲労しやすくもなります。

頭や胸を前に運ぼうとすることで、下半身から意識が外れリラックスすることができます。

膝の痛みが起こる原因は着地位置の問題があります。足部というのは、4つのアーチがあり、この4つのアーチは衝撃を吸収する緩和剤のような働きをしています。

4つのアーチのはこちらです。

  • 内側縦弓
  • 外側縦弓
  • 中足骨弓
  • 横弓

この働きを活用するためには、フラット着地をする必要があり、この位置からずれることで局部にストレスを受けることになります。

マルカルドの体重分布図  

この位置で着地できるようになると衝撃が脚全体に分散され局部へのストレスが減りますし、お尻の付け根で衝撃を吸収するため、ランニングによって起こる膝の痛みは改善されます。

またこのような重心位置で走ることができれば自然とヒップアップもされていきます。

リラックスして走ることで楽になりますし、疲労も少なくなってきます。ランニングによる膝の痛みの改善は走り方を変え、着地位置を変えることで改善するケースは多くあります。

スムーズな動きをするためにおさえておきたいランニングフォームについて

ランニングで膝を痛めてしまう原因は上記でお伝えしてきた通りですが、主に走り方が原因になります。どのような走り方をすれば膝に痛みを抱えず、走ることができるのでしょうか。

  • 重心を前に運ぶ
  • 膝を高く上げたり、つま先で地面を押したりしない
  • 腕はリズム取りとして使い、意識的に振ったりしない

 

シンプルに考えるとこの3つに集約することができると思います。

走っている際は、脚を前に出さなくても重心を前に運べば”勝手に”脚は前に出てきます。意識的に脚を前に出そうとするとそこに緊張がうまれ、スムーズな動作ができなくなります。

重心移動

重心移動

重心移動

このようなイメージで重心を前に運ぶことでスムーズな動きとなります。そうするとつま先などで地面を蹴らなくても勝手に前に進んでいく感覚を得ることができます。

長い距離を走る場合腕はリズムとりの役割となるため、あまりこういう風に動かさないといけない!というよりも楽にスイングできればいいので、過度に意識を向けないようにします。

自分の中で楽にスイングできる位置を探し、そこでスイングしていきます。

走り方についてはこちらの記事も参考にしていただければと思います。

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[clink url=”http://izuru-style.co.jp/marathon-time”]

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3、シューズを変える

シューズをある程度使いこなすと、シューズの裏が擦り減ってしまったり、変形が見られたりします。

この場合、身体の歪みを調整したりしても、シューズの変形があるため履くとまたその変形によって身体が歪みます。こういった場合は、新しいシューズに変えることです。それだけで痛みが改善します。

サイズが適切でない場合も、適切なサイズのシューズに履き替えると問題はなくなります。

適切なシューズのサイズについて

シューズのサイズが不適切だと膝の痛みにつながってしまう可能性がありますが、どのようなサイズが適切と言えるのでしょうか。

まずはこちらの画像をご覧ください。

シューズ

人間は靴を履いて歩いていると、靴の中で足が前に1cm程ずれると言われています。ですので、その分の余白がないとつま先は靴に当たってしまいます。つま先が靴に当たり続けると、ハンマー足趾といって足趾が曲がったような状態になってしまいます。

適切なシューズのサイズというのは、シューズの踵に足の踵をあてがい、そこからつま先に1cmほどの余裕があるサイズが適切なサイズということになります。

シューズが不適切で膝などに痛みがある場合、適切なシューズに変えるだけで痛みは改善されていきます。

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4、身体の歪みを直し、自然体に

身体の歪みは痛みにつながる問題です。膝の痛みだけでなく、腰痛や肩こりにしても、痛む箇所に問題があることは少なく、痛む箇所は影響を受けた部分であることが多くあります。

どういうことかというと、例えば頭を前に突き出すような姿勢をしていると、この頭部の重さを支えるために、首や背中の筋肉は緊張してきます。これが原因で腰痛になって、腰をマッサージしたり温めたりすると一時的には改善がみられます。

ただ、根本の問題は頭部が前に突き出ているこの姿勢であり、この姿勢を直すことが痛み改善につながるということです。

脚の外側に問題がある場合、O脚気味であったり、脚の内側に問題が出る場合、X脚気味というぐらいに身体の歪みを改善することは痛みを改善する上で重要になります。

身体の歪みが原因で痛みが発生する場合、全身の歪みを改善し、その歪んでしまう原因を改善することで痛みも改善されていきます。筋肉を緩め自然な状態に直すと痛みも改善されていきます。

O・X脚で悩まれている方は、こちらの記事も参考にしていただければと思います。

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5、環境を変える

アスファルトやコンクリートを走ると身体にかかるストレスも多く、膝の痛みの原因になることがありますが、これは走る環境を変えることで痛みは改善されます。

土の上や専用のランニング場などあれば、衝撃を吸収し、身体にかかるストレスも軽減されるため、膝の痛みは改善されます。

また、雨の日にぬかるんだところを走って膝を痛めてしまうような場合、滑りにくアスファルトの上を走る方がけがをするリスクは少なく、環境も状況に応じて変えることで痛みの改善へとつながります。

最後の2つについても、日頃から体調管理をして、栄養や休養のバランスを考えランニングに取り組んだり、毎日の生活を過ごすことで未然に防ぐことができると思います。

アクシデントも前もっての準備やそういう状況を想定することで、けがの状況も変わってくると思いますので、日頃から気を抜きすぎないようにすることも重要になります。

 

膝の痛みを改善するために大腿四頭筋を緩める

では最後に太ももの筋肉を緩める方法をご紹介していきたいと思います。

  1. 座った状態で片膝を曲げ、片膝を伸ばす
  2. 両手で太ももを軽く持ち上げ、落とすようにして筋肉を揺らす
  3. ボールをバウンドさせるようなイメージで軽くバウンドさせる

バウンド

筋肉はストレッチングやこのように揺らぎを与えることで緩めることができます。筋肉を緩める考え方についてはこちらにまとめていますので、参考にしていただければと思います。

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まとめ

いかがでしたでしょうか。ランニングによって発生する膝の痛みといってもひとつの原因ではなく、さまざま要因があり、膝を痛めることにつながることが多くあります。

現場ではそれらの痛みの原因をみつけ、そこにアプローチすることで状態を改善することができます。

筋力不足なだけではなく、シューズや環境の問題など、そういったことも痛みと関係すると理解することで、原因を探りやすくなり、それらの原因に対してアプローチすることで痛みは改善されていきます。

最後に痛みの改めて痛みの原因になると考えられる7つをまとめていきたいと思います。

  • コンディショニング不足
  • 走り方
  • 道具や用具
  • 身体の歪み
  • 環境
  • アクシデント
  • 体調不良

今日の記事が少しでもランニングで発生した膝の痛みに悩む方のお役にたてるとうれしく思います。

今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

鵞足炎の原因とあまり知られていない改善方法とは?

脚を前に出す

運動やスポーツをしていると、膝のお皿の内側が痛むということがよく起こります。お皿の近くではあるけど、少し下あたりが痛むかも・・・と思っている方はおそらく鵞足炎の疑いがあるかもしれません。

鵞足炎とは、後述しますが半腱様筋、縫工筋、薄筋などが付着する鵞足という部分で炎症が起こる障害です。この障害になる原因は、この3つの筋群が過度にストレスを受け、筋肉が硬くなり、そのストレスに耐えられなくなると痛みが出てきます。

この3つの筋群を過度に使うような身体の使い方や動作をしている結果、鵞足炎になりますが、これは安静にしても一時的に痛みはひきますが、また運動すれば痛みが出てきます。

痛みの改善のためには、まず3つの筋群を緩めること。そして、これらにストレスをかける身体の使い方、動作を改善しなければ、これらが根本原因となっているため痛みの解決とはならなりません。

今日はこの鵞足炎についてお伝えしていきたいと思います。

こちらの記事も参考にしていただければと思います。

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[clink url=”http://izuru-style.co.jp/leg-hurts”]

 

鵞足炎とは?

先ほども簡単に説明しましたが、鵞足炎について詳しく解説していきたいと思います。

まず、鵞足というのは、脛骨と言われるすねの骨の内側上部(膝に近い位置)にある部分のことであり、鵞鳥の足に似ていることからこのような名前がついたといわれています。

鵞足

この鵞足には、半腱様筋、薄筋、縫工筋といわれる3つの筋肉が付着しており、それぞれ骨盤を形成している腸骨や坐骨などとつながっています。

鵞足炎とは、言葉通りでこの鵞足で炎症が起きることを言いますが、上記の3つの筋肉が過度にストレスを受けることで炎症が起こります。なぜこの筋群は過度なストレスを受けてしまうのでしょうか?

 

鵞足炎の原因は身体の使い方にある

ランニングをよくする方だと身に覚えがあるかもしれませんが、ランニングをした後に膝の内側、この鵞足が痛んでしまうことがあります。これは走り方に問題がありますが、一般的には、走り方のイメージとしてこのように思われていることが多くあります。

  • 地面を蹴る
  • 母趾球で地面を押す

このような走り方が鵞足炎と関係が深く、母趾球で地面を蹴るような意識であったり、地面をキックして外側に足が流れるランナーは鵞足炎になりやすい傾向があります。これは、3つの筋群が過度にストレスを受け、鵞足の付着部が過度に引っ張られることで炎症が起こります。

また地面を拇趾球周辺で地面をつつくように着地をしてしまうことも、鵞足炎になってしまう原因のひとつとなります。

鵞足炎

鵞足炎の改善のためには、この痛くなった場所をどうこうしてもあまり改善が見られません。痛みが出ている場所は腱であり、この場所は痛みの原因がある場所ではなく、改善のためには先ほどあげた3つの筋肉の緊張をとることで改善がみられるようになります。 要はこの3つの筋群の使いすぎということです。

 

鵞足炎の改善には縫工筋、半腱様筋、薄筋を緩める

では、ここからは具体的な方法に移っていきたいと思います。ハムストリングスを緩める方法は数多くありますので、参考としてご覧になっていただければと思います。

半腱様筋や薄筋のストレッチング

  1. 長座になり、軽く膝を曲げておく
  2. 前屈をし、気持ちがいいところでキープする
  3. 深呼吸をしながら2~3分伸ばし続ける

身体が硬い

これで半腱様筋や薄筋は緩んでくれます。前回話をしたストレッチングのところと伸ばす時間が異なっていると思います。これは筋膜を対象としたとき、時間が長くなるため2~3分と表記しています。ここではこのくらいの時間を気持ちよく筋肉を伸ばしてください。

鵞足炎を改善:揺らぎを与えて筋肉を緩める(3つの筋群)

  1. 長座になり、楽な状態で両脚を前に投げ出す(仰向けになってもOK)
  2. 深呼吸を3回ほどする
  3. 両脚をぶらんぶらんと転がすように揺らぎを与える

呼吸

脚の動き

これでもハムストリングスは緩みます。ここで重要なことは、揺らぎを与えるとき太ももの筋肉が緊張していないかどうかです。リラックスをし、緊張のない状態ですることで緩みますが、緊張するように揺らぎを与えてしまうと筋肉は逆に緊張してしまうので注意してください。

鵞足炎を改善:下肢の連動を使って筋バランスを整える

鵞足炎などの下肢の痛みの場合、筋バランスが崩れていることが多く、この筋バランスを整えることが重要になります。そのために、下肢の連動を活用してバランスを整えていきます。

  1. 長座になり、片脚を伸ばします。
  2. 脚をリラックスさせ、息を吐きながら踝の外側を地面に擦るように膝を身体に引きつけていきます。
  3. 膝が伸びきらないように、踝の外側を擦るように脚を伸ばします。これを1分程度繰り返します。
  4. 次に、脚を曲げたあと膝を伸ばし切りながら内側に転がすように脚を内旋(内側に捻じる)させます。
  5. また踝の外側を地面に擦るように膝を曲げ、伸ばしての繰り返しを行います。

連動

この状態は膝が伸びきっているので、この手前ぐらいまでで再度膝を引きつけるようにします。

連動

連動

これはきちんとできれば立ったときに下記でお伝えしている踵で立つ感覚が出てきて、フラット着地、体重支持ポイントが理解できると思います。この体重支持ポイントを理解することが重要で、このポイントで着地することができれば着地の際の衝撃も分散され、局部へのストレスが緩和されます。

いかがでしょうか。このほかに方法は多数ありますので、もしこれ以外に知りたいという方は、お気軽に問い合わせていただければと思います。

これで鵞足の痛みは軽減できると思いますので、これでもう大丈夫です・・・とはなりません。一般的には、鵞足炎が出たときは、安静にしましょう、痛みが出たらそれはやってはいけないサインなどといわれますが、もっと本質を見ていきましょう。

ここまできちんと筋肉を緩め、筋バランスを整えることができればと痛みの程度は変化していきますが、これだけでは再発してしまいます。なぜなら根本的には走り方などに問題があるため、これらを改善しない限り改善とはなりません。

ここからが本当の意味での改善を目指すところになります。

 

重心の位置を変え、着地位置を変える

鵞足炎の原因を思い出していただきたいと思います。それは、地面を蹴るような走り方をしていることであるとお伝えしましたが、母趾球辺りで着地をしてしまったり、母趾球で地面を蹴ってしまうと3つの筋群に大きなストレスがかかります。

これによって3つの筋群の腱に炎症が起き、鵞足炎となってしまいます。部分的な筋肉に過度にストレスをかけないようにするためにはどうすればいいのでしょうか?このときに活用できるのが、マルカルドの体重分布図というものです。これを見ながら重心について考えていきたいと思います。

マルカルドの体重分布図

人間の身体はどのように足の裏で支えているのかというものを表した図になりますが、下の図のように表されています。

これは、3点支持、ベタ足などと表現していますが、人間は本来この3点、そしてこの割合で体重を支えているというものです。

この体重分布により、脚を筒のように考えることができます。どういうことかというと、ジュースの缶をイメージしてみてください。この缶をまっすぐ地面に落とすと凹みが出ず、もしかすると地面にパッっと立つかもしれません。

ですが、少し角を当てるように落とすと凹んだり、空き缶だとへしゃげて折れ曲がってしまうかもしれません。

人間の身体も似ているように、この3点がきちんととれていれば脚を筒として使うことができ、脚の筋肉全体で衝撃を受けることができるので、部分的に大きなストレスを受けることはありません。

ただ、母趾球で地面を蹴ったり、着地をしていたりすると、この割合が崩れ、部分的にストレスを受けてしまいます。そのストレスを受ける点というのが先ほど挙げた3つの筋群ということになります。

鵞足炎の原因がわかり、ハムストリングスを緩めた。そして次は走り方であったり、この重心の位置を変えることで根本的な改善となります。鵞足炎はここまで改善しないと再発してしまう可能性が高くなります。

 

鵞足炎の改善には脛骨の真下を理解する

では、実際にこの3点支持を理解していただきたいと思いますが、人間は1つのことしか意識できないため、3点のどこかに意識を向けるのはNG。この3点支持を実現するために、“脛骨の真下”に重心を置くとこの3点支持が実現できます。

マルカルドの体重分布図

もっとわかりやすく言うと、踵と土踏まずの間という表現が一番適しているように思います。要は、踵ではなく、少し土踏まずの方だということです。(以後はこの脛骨の真下の位置を“踵”と呼びます。)

足裏全体が地面に付着し、つま先も踵も浮くことのないベタっと地面に足がついた状態。これが3点支持、ベタ足という状態です。

この重心位置を理解し、実際に走ることでその衝撃は脚全体に吸収され、また足部のアーチのおかげで衝撃を緩和してくれるため、部分にかかる負担というのは軽減できるというわけです。

これで鵞足炎については、ご理解いただけたでしょうか。まとめて言えば、筋肉の緊張をとり、筋バランスを整え、そして筋肉が緊張してしまう原因を解消するということが必要になります。

 

一般的に言われている鵞足炎の改善の方法は本当に改善できるのか?

ネットで鵞足炎と検索すれば改善の方法などが多数載っていますが、これらは本当に鵞足炎の改善になるのでしょうか?頭の中をクリアにしてこれらについて考えていきたいと思います。

鵞足炎の改善方法 ①安静にする

一般的な痛みへの対応として、安静にするといわれることがありますが、鵞足炎の場合、安静にすると痛みは一時的に改善されます。

身体の使い方に問題があり、局部にストレスを受けていたことで痛みが発生しているわけですから、身体を動かさなければ筋肉がストレスを受けることがないので、筋肉が緩み痛みも軽減されます。

ただ、これは根本的な改善にはなっていません。問題は身体の使い方を変えないと同じ場所にストレスを受けてしまうため、身体を動かすと痛みが再発する可能性があります。

安静にすることも必要な時がありますが、これが鵞足炎の改善になるのかと言われれば一時的、もしくは身体を動かさなくなるのであれば改善になると思います。ですが、根本の改善は他の場所にあるということがわかると思います。

鵞足炎の改善方法 ②アイシングをする

鵞足炎は鵞足の部分に炎症があるため、熱を持っていればアイシングを続け、炎症を抑える必要があります。アイシングは、ただ冷やせばいいのではなく、アイスパックなどで20分間冷やすか、もしくはアイシングしている箇所の感覚がなくまでアイシングをします。

塩水やジェルパックを凍らせる場合、直接皮膚へあてがってしまうと凍傷になる危険性があるため、このような場合は必ずタオルなどを挟んで冷やすようにします。

アイシングも炎症を抑えるためには必要なことですが、これをするから改善するのではなく、あくまでも炎症を抑える、体温を下げるなども目的で行います。

鵞足炎の改善方法 ③筋力が弱いから筋トレをする

痛み=筋力が弱いという認識を持っている方は比較的多いと思いますが、これまでの原因では身体の使い方に問題があり、局部に大きなストレスがかかってしまうため痛みが出るということをお伝えしてきました。

●局部にストレスを受ける→筋肉が緊張する→そのストレスに耐えられなくなり痛む

このように考えると、筋力を強化すればストレスにより耐えられるということになりますが、筋力が弱いから痛めていればこれで改善できます。

ただ、根本的な問題は身体の使い方にあり、これが適切にできれば局部へのストレスが軽減され、痛みが出ないのではないでしょうか?

もしくは筋肉が緊張し痛みが出ている、そんな中で筋肉を鍛えるような刺激を加えるとさらに筋肉が緊張しないでしょうか。このように考えると筋力が弱いというのは原因のひとつではありますが、多くの場合、筋肉を緩める、痛むような身体の使い方を改善することが必要なのではないでしょうか。

ジムでみかけるレッグエクステンションの使い方と膝痛の改善について

鵞足炎の改善方法 ④痛み止めの注射をうつ

鵞足炎だけではなく、腰痛なども改善のために注射がすすめられたりしますが、注射は痛みのある場所に直接うってもそもそもそこは原因はないですし、一時的な痛みの改善はみられます。

ですが痛みを感じなくさせていることと同じですので、時間がたてばまた痛みは再発してしまいます。

そもそもなぜ鵞足炎になってしまったのかを考えると、スポーツ選手の場合、体重支持ポイントが不適切であったり、走り方の問題が考えられ、そういうことが原因であればこれらのことを変える必要があります。

上記でお伝えした3つの筋肉を緩め、原因であった走り方や体重支持ポイントを変えると痛みは改善されていきます。

痛み止めの注射をうつから改善されるのではなく、根本原因の改善ができれば痛みは改善されるはずです。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。鵞足炎の改善は、本来突き詰めていけば、これから走り方というものになっていきますが、おそらくこの重心点を理解し、実践できれば痛みの軽減を体感することができると思います。

ただ、安静にすることやシップを貼ったり、アイシングをするということは、間違いではありませんが根本的な改善のためには、足りないと思います。上記のように考えることで改善までの道筋がイメージしやすくなると思いますし、ひとつひとつ納得しながら進んでいけると思います。

最後に今日のまとめを書いていきたいと思います。

  • 鵞足炎とは、半腱様筋、薄筋、縫工筋などの腱が炎症を起こした障害のこと
  • 原因は、母趾球で地面を蹴るような走り方、身体の使い方をしているため
  • 痛みの改善のためには、3つの筋群などを緩める身体を整えること
  • そして、根本原因の改善には体重支持ポイントを理解し、走り方を変えること

このような内容でお送りしていきました。ご自身で改善をはかられる場合、筋肉をいかに緩めることができるかということがポイントになります。ここができれば痛みの軽減を理解していただけますので、時間をかけて筋肉を緩めていただければと思います。

今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

自分史上最高カラダとココロに。

ジムでみかけるレッグエクステンションの使い方と膝痛の改善について

レッグエクステンション

ジムにはさまざまな種類のマシンがあり、ジムに通っている方は実際に使っている方も多いと思います。

その中のひとつにレッグエクステンションといって、膝を伸ばす際に抵抗が加わり、太ももの前側(大腿四頭筋)のトレーニングとして活用されるマシンがあります。

このマシンを使用される理由はそれぞれ違うと思いますが、使う理由のひとつに『膝痛を改善したいから』という声があります。改善したいからこのマシンを使用しているわけですが、このマシンの使い方を知らなければ、膝痛を改善することができないばかりか、逆にさらに痛めてしまう可能性もあります。

なぜそのようなことが起こってしまうのでしょうか?今日はそんなレッグエクステンションの使い方と膝痛改善の考え方についてお伝えしていきたいと思います。

こちらの記事も参考にしていただければと思います。

[clink url=”http://izuru-style.co.jp/gym”]

 

レッグエクステンションとは?

まず最初にレッグエクステンションという意味についてです。

■レッグエクステンション【Leg-Extension】とは?

レッグ=脚、エクステンション=伸ばす、脚を伸ばすという意味があり、膝を伸ばすようなエクササイズをレッグエクステンションといい、ジムのマシンにもレッグエクステンションと書かれていると思います。レッグエクステンション

主に大腿四頭筋の筋肉を鍛えるために使用されるマシンになります。

 

一般的に言われるレッグエクステンションの使い方について

ジムでトレーニングをしているときに、スタッフの方がレッグエクステンションの使い方を説明しているところを見ると、このような説明をされていました。

『つま先をまっすぐ天井に向けるように膝を伸ばしきりましょう。』

レッグエクステンション レッグエクステンション

このような説明をしているところも多く、この説明はマニュアル化された説明だと思います。一見正しそうな説明ですが、どのような目的を持っているかでこの膝の伸ばし方では膝が歪んでしまう可能性もあり、膝の痛みの改善を目的にしている方は、おそらくこれでは膝の痛みを改善することはできません。

膝を伸ばす“だけ”のようなマシンであり、エクササイズですが、膝の曲げ伸ばしは実は複雑です。これを知っているのと知らないのでは、大きな差が生まれてしまいます。

 

膝関節の動きと周辺の筋肉について

レッグエクステンションのマシンを「膝を伸ばすだけ」と思っている方は、ぜひ膝関節の動きを知っていただければと思います。

膝関節の動きについて

膝関節というのは、大腿骨と言われる太ももの骨と、脛骨と言われるスネの骨、そしてお皿と言われる膝蓋骨の3つの骨で構成されています。

レッグエクステンション

基本的な動きとしては、膝の曲げ伸ばしをする関節で、みなさんもそのように認識されていると思います。

膝関節は、ただ曲げ伸ばしするだけの関節ではなく、膝が伸びきる直前から太ももの骨である大腿骨が内旋をして膝関節は伸びきっています。

スネの骨である脛骨は膝を伸ばしきる直前から太ももの骨に対して、外旋をして膝関節が伸びきっています。

少し専門的な言い方をすると、完全伸展する15度手前の位置から大腿骨は内旋、脛骨は外旋するような動きをし、完全伸展をする。ということです。

レッグエクステンション

イメージとすればこのような感じです。つま先をまっすぐ向けた状態で膝を伸ばし切ると、本来は自然に動くと捻りの動きがあるのにその捻りの動きができず、このような動かし方は太ももの内側の部分に刺激を受け、その部分だけポコッと出てしまう可能性があります。また、膝関節は捻じれてしまい、膝上にたるみが生じたり、歪みが生じてしまいます。

脚を細くしたい、痛みを改善したい場合、このような捻じれが生じたり、局部にストレスを受けてしまうことをすると悪影響が出ることもありますので、レッグエクステンションの使い方には注意が必要です。

膝関節はこのような動きをしますが、続いては、筋肉の動きについて見ていくことにします。

膝関節周辺の筋肉について

膝関節周辺の筋肉に大腿四頭筋という筋肉があります。この筋肉は名前の通り、4つの筋肉から構成されているためこのような名前になっています。

レッグエクステンション

骨盤や大腿骨から始まり、膝のお皿を介してスネの骨に付着しています。

先ほど膝関節の動きでも少し触れていますが、大腿四頭筋は膝が伸びきる手前で大腿骨が脛骨に対して内旋することですべての筋肉にバランスよく刺激が加わりますが、つま先をまっすぐした状態で膝を伸ばし切ると、内側広筋と言われる脚の内側の筋肉に主に刺激を受けます。

レッグエクステンション

もし内側広筋だけを肥大させたいのであれば、つま先をまっすぐ向けた状態で膝を伸ばし切ることは適切だと思いますが、目的がそうでなければ先ほどからもお伝えしている通り、膝の伸ばし方を考える必要があります。

 

レッグエクステンションのマシンが膝痛改善に使われる理由

膝の痛みで悩まれ、病院などで診断を受けた数多くの方は、筋肉をつけなさいといわれ、ジム通いを勧められます。

ただ、そのジム通いをはじめても膝の痛みが改善せず、最悪の場合さらに痛みが増してしまったというケースもあります。そもそもなぜ膝を鍛えることが勧められるのでしょうか?

鍛えること=痛みの改善

多くの方は筋トレ依存症と言えるのではないでしょうか。痛みを改善する、ダイエットをする、筋肉をつける、すべてのことに筋トレ=筋肉を鍛えること、つけることが必要だと思っていると思います。

筋肉をつけ、強くなることで痛みの出ない頑丈な身体になるとイメージされているかもしれません。

そもそもの問題ですが、痛みを改善する場合、鍛えることで痛みが改善することもありますが、多くの場合、筋肉を緩めること、身体を整えることで痛みが改善されます。

もしくは、痛みが出ないような姿勢、動作をすることで痛みが改善されます。

その理由は後述しますが、筋肉がつくことで痛みが本当に改善できるのでしょうか?筋肉があるスポーツ選手はなぜ膝を痛めるのでしょうか?なぜ筋力の弱い子供は、膝の痛みが大人よりも少ないのでしょうか?

このようなことを考えると、鍛えることで痛みが改善するということは少し疑問が浮かぶことでもあります。

スポーツ選手と一般人

一般の方と比べるとスポーツ選手は筋肉があり、筋力が高い。それでも膝の痛みに悩まされているスポーツ選手は多くいます。

もし筋肉の多さ、筋力の高低が痛みの程度に変わるというのであれば、ボディビルダーの方が一番痛みがない身体と言えます。逆にお年寄り、子供は痛みを抱えているということになりますが、そうではありません。

痛みに悩むボディビルダーの方もいますし、痛みのないお年寄りもいます。

筋肉の多さ、筋力の高さが痛みの原因ではないとすると、どのようなことが痛みの原因として考えることができるのでしょうか?ここに膝痛改善のヒントがあると思います。

 

膝痛改善の考え方について

膝痛を改善するにはどのように考え、日頃どのようなことに取り組む必要があるのでしょうか?それは、骨に筋肉が付着しているだけけの状態にすることです。

人間の身体はノーマルな状態だと、何も問題はないはずですが、痛みがある、身体に問題があるとなれば、何かアブノーマルなことがあるはずです。そう考えると、このアブノーマルな部分を直し、ノーマルな状態にすれば痛みも改善するのではないでしょうか?

アブノーマルな状態とは、筋肉が過度に緊張したり、身体に歪みがある。そういったことは本来の状態ではないので、こういったことを直し、ノーマルな状態に直すことです。

ノーマルな状態をどのような状態と仮定するかによって、ゴールのイメージは異なりますが、僕はこのイメージを骨にただ筋肉が付着している状態をイメージしています。

筋肉が緊張することで歪む

ほとんどの方の身体は歪んでいますが、なぜ人間の身体は歪んでしまうのでしょうか?それは筋肉が緊張し、筋バランスを崩しているからです。

具体的にどういうことでしょうか?例えば日頃このような姿勢で座っているとします。

レッグエクステンション

スマホを触り、身体を左側に捻るような姿勢をとっているとします。このような姿勢をすることで、頭の位置が前に突き出るような状態となり、首や肩の筋肉が緊張し、背中の筋肉も緊張してしまいます。背中側の画像では、左側の筋肉が縮まり、緊張しているように見えます。

そうすると左側の骨盤は上がっていき、左の肩は下がってしまう可能性があります。このような歪みは、上半身だけの例をあげていますが、立ち上がると重心が左右にずれていたり、身体全体の歪みへと変わっていきます。

このように日頃とっている姿勢、動作に問題があると筋肉はストレスを受け、緊張します。そうすると身体は歪んでしまいます。簡単に言うと筋肉が緊張するから身体が歪む、もしくは身体を歪めることで筋肉が緊張します。

これら緊張している筋肉を緩めることで歪みのないノーマルな状態になるということになります。

[clink url=”http://izuru-style.co.jp/sitting-pause”]

部分ではなく全身の筋肉を緩めることで膝痛が改善する

人間の身体はつながりを持っているため、膝が痛い場合、その周辺の筋肉が硬くなり、その他の筋肉も硬くなっている可能性があります。

直立の状態で、頭を5cm左に傾けてください。そうすると、左側に体重がかかることがわかると思いますが、このように部分的な歪みや捻じれの影響は、その部分だけではなく、全身に影響を与えています。

そのため、膝痛で膝周辺の筋肉の緊張が強いとなっても、その部分だけではなく全身の筋肉を緩め、自然体に直すことで部分である膝も改善します。

先ほどお伝えした骨に筋肉が付着してる状態をイメージし、その状態に直すことで部分の問題も改善します。このように考え、膝痛だから膝周辺を鍛えるだけではなく、まずは全身を緩め、骨に筋肉が付着している人間本来の状態に直すことで膝の痛みが改善すると考えています。

これだけできればいいのかというと、そうではありません。全身の筋肉を緩めることで一時的に痛みは改善しますが、おそらく再発の可能性は高いと思います。それは、膝周辺にストレスを受ける原因があり、その原因をみつけ、改善が必要になるからです。

なぜ膝周辺の筋肉が硬くなってしまったのでしょうか?大切なことは、ここであり、全身の筋肉を緩め、そしてその原因を取り除くことが重要です。どのようなことで膝周辺にストレスを受けてしまうのでしょうか?

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膝周辺にストレスを受ける原因とは?

膝の痛みを改善するためには、レッグエクステンションなどで鍛えることではなく、まず自然体に直すこと、全身の筋肉を緩めることだということはイメージできたと思いますが、そもそもなぜ膝周辺にストレスを受けてしまうのでしょうか?

その原因は日常の動作などに潜んでいます。

階段の上り下り

階段の上り下りの際に膝が痛んで悩んでいる方もいるのではないでしょうか?

階段の上り下りそのものが悪いわけではなく、そこで行う動作が問題になります。階段を上る際に、問題になるのが階段に乗せた足でグッと踏ん張ることです。

レッグエクステンション

レッグエクステンション

踏ん張ってしまうことで、膝に過度なストレスがかかり、その動作の繰り返しによって膝が痛くなってしまいます。

いくら筋肉を緩めたからといって、このような階段の上り方を繰り返すと再度筋肉が硬くなり、痛くなってしまいます。膝が痛くなるように階段を上っているから膝が痛くなるので、痛くならないような階段の上り方をすれば痛みが出ずに階段を上ることができます。

階段を下りる時の痛みですが、これは主に後ろ側の膝が痛くなることが多くあります。階段を下りるとき、後ろ足は踏ん張るようにブレーキをかけながら階段を下りています。このとき、後ろ脚の大腿四頭筋は伸ばされながら刺激を受けています。

レッグエクステンション

レッグエクステンション

この画像でいえば、左脚の大腿四頭筋に大きなストレスを受けており、このような動作を繰り返すことで膝に大きなストレスを受け、階段を下りるときに膝が痛むということになってしまいます。

ここでも、階段の下り方を改善すれば膝の痛みを感じることなく、下りることができます。

このように、階段の上り下りの動作に問題があれば、膝にストレスを受け、痛めてしまう原因になる可能性があります。

地面をつつくような歩き方、走り方

太ももの前側が張ってしまったり、太くなってしまう原因のひとつに歩き方や走り方がありますが、地面をつつくような着地を繰り返すと、大腿四頭筋に大きなストレスが加わり、太ももの前側が張ってしまいます。

これは走り方にも同じことが言え、地面を突くように着地をすると大腿四頭筋に大きなストレスが加わり、これが膝を痛めてしまう原因となります。

太ももの前側

レッグエクステンション

[clink url=”http://izuru-style.co.jp/walking”]

エクササイズのやり方

冒頭でレッグエクステンションのやり方について触れていますが、こういったマシンの使い方によっては膝に大きなストレスがかかり、痛めてしまう原因となります。

膝痛を改善するためには、まず自然体に直し、そのためには全身の筋肉を緩めることが必要だということをお伝えしました。

膝が痛くなる原因は、日頃の姿勢や動作でストレスを受け、筋肉が硬くなり炎症を起こすことで発生します。そう考えると、その筋肉に鍛えるような強い刺激を加えると、さらに筋肉は硬くなってしまい、痛みが増してしまうのではないでしょうか?

そう考えると、レッグエクステンションを行うことはこの場合不適切ですし、場合によってはマイナスになる可能性もあります。

またスクワットなどもそうで、身体をどのように動かすのか、その手順ややり方がまずければ膝周辺にストレスを受け、痛める原因にもなります。

エクササイズをどのような目的で、どのように行うのか、それによってプラスにもマイナスにもなるので、エクササイズのやり方は非常に重要になります。

競技特有の動き

スポーツ選手の場合、切り返し動作や踏ん張る動作などが多く行われる種目もあります。バスケットやサッカーなどはそういった場面が数多くあると思いますが、その動作中の身体の使い方がまずいと膝に大きなストレスを与えてしまいます。

フラットに着地することができれば、大腿部全体で衝撃を分散でき、局部的に大きなストレスを受けることがありません。

ただ、それがつま先であったり、母趾球で踏ん張ってしまうと局部に大きなストレスが加わり、それが原因で膝を痛めてしまうことになります。

身体の使い方の例としてこちらを参考にしていただければと思います。 

[clink url=”http://izuru-style.co.jp/ladder-agility”]

 

膝痛改善には全身を緩め、姿勢・動作を直すこと

ここまでお伝えした通り、膝の痛みを改善するためには、全身の筋肉を緩め、そして姿勢・動作を改善することです。

そうすることで、膝の痛みが改善でき、快適な毎日を過ごすことができると思います。

ここまでを理解していただくと、なぜマッサージだけでは痛みが改善しないのか、整体・整骨院に通うだけでは痛みが改善できないかがわかると思います。

すべてがそうではないと思いますし、素晴らしい整体院・整骨院はあると思います。ただ、大多数の場合、根本原因である姿勢や動作の改善を指導してくれるところが少なく、その改善ができない限り痛みは再発し、一時的に良くなったとしてもまた痛み出してしまいます。

その一番の理由は根本原因である、日頃行う姿勢や動作を改善できていないということがあります。

膝痛改善のためには、レッグエクステンションなどのマシンで鍛えることが重要なのではなく、全身の筋肉を緩め、動作などを改めることが痛みを改善するポイントになります。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。膝痛で悩まれている方は、痛みを改善するためにさまざまなことをされている方も多いと思います。

努力されることは素晴らしいと思いますし、改善のためにはそうやって何かをやることは重要だと思いますが、やることの“内容”が最も重要です。同じ時間を使うのであれば、少しでも改善につながることの方がいいはずです。

そのためには、膝の痛みをどのように考え、改善に取り組むのか、そういう考え方を整理することも重要になります。

最後に今日の内容をまとめていきたいと思います。

  • 膝関節は最後の伸展15度で、大腿骨は内旋、脛骨は外旋する
  • レッグエクステンションでは、つま先をまっすぐ向けた状態で膝を伸ばしきると膝が捻じれる
  • 膝痛の原因は、日頃の姿勢や動作で膝にストレスを受けているから
  • そのストレスの原因は、階段・歩き方・走り方など日頃行う姿勢や動作にある
  • 膝痛の改善は全身の筋肉を緩め、日頃の姿勢や動作を直すこと
  • 筋肉を鍛えても膝の痛みが改善しない理由は上記の通りである

このような内容でお送りしていきました。

今日の内容が少しでも膝の痛みで悩んでいる方の参考になればうれしく思います。

今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

膝に注射しても痛みが軽減しない理由と改善について

年齢を重ねると身体にがたがくるから早いうちにメンテナンスしておいた方がいいよ、なんてことを言いますが、中高年の方は膝にがたがきてしまうかもしれません。

今日は膝の痛みについて話をしたいと思っています。膝の痛みで悩んでいる方もいると思いますが、なぜ痛み、どうすれば改善できるのでしょうか?よく聞くのがヒアルロン酸注射です。

結論から言うと、注射をしても思ったような痛みの改善ができず、本当に膝の痛みの改善を目指すのであれば、 “噛み合わせを良くすること” です。

 

膝が痛くなる原因って何?

そもそも年齢を重ねると痛くなる膝は、なぜ痛くなるのでしょうか?注射を打つ前に少し考えておきたいですよね。

まず考えられることは、日頃行う階段の上り下りなどの動作が問題で、太ももの筋肉がパンパンに張って痛みが出るというケースです。ちょっと詳しくお伝えしていきたいと思います。

階段の上り下りについて

階段を上る、下りる、という動作で膝の前が痛くなったりする方もいるかもしれませんが、痛みがどこに出ているのかによって問題の箇所は異なります。

中の方が痛いかな?と感じる方は、関節や軟骨に問題があると考えられ、外の方が痛いと感じる方は、腱や筋肉に問題があると考えられます。あくまでも目安ですので、きちんとしたことを病院で診断してもらうことが大切です。

階段の上り下りで痛みが出てしまう方は、階段を上ろうと踏ん張った瞬間や下りようとした瞬間に痛みが発生することが多いと思います。

これは、大腿四頭筋という太ももの前側の筋肉にストレスがかかり、このストレスに耐えられなくなれば痛みが出てきます。こういう方の太ももはパンパンに張っています。

この大腿四頭筋は膝のお皿を通り、脛骨と言われるスネの部分に付着していますが、筋肉がパンパンになり張ってくると痛みは腱の部分に出てくることもあります。この腱の付着の部分が膝の位置に当たり、筋肉が過度に緊張することで膝が痛むということが考えられます。

膝の痛み

関節の噛み合わせの悪さ

足の親指の付け根あたりで体重を支えるように生活をしていると、膝は捻じれX脚のような曲がったように見える脚になります。

このとき関節では、骨と骨の噛み合わせが悪くなり、ぶつかり合ってしまったりこすり合ってしまったりすることで摩耗してしまいます。このような状態では関節液と言われる潤滑油は、少なくなり、油の切れてしまったチェーンのようになります。

油が切れた自転車をこぐと、ガリガリ!と音がなりますが、同じような状態が関節でも起こり、実際に膝の中できしむ音がするといのはこの状態と同じです。

このような状態になり膝が痛んでしまうと、膝の中に痛みを訴えるケースがあり、この場合は膝の関節に問題があることがあります。

このように膝の痛みについても、これが原因と決まったことがあるわけではありませんが、このように筋肉や関節に問題があり膝が痛むということが考えられます。

 

そもそも膝に注射をする理由ってどこにあった?

では、原因から注射をする理由について考えてみたいと思いますが、膝関節の噛み合わせが悪い場合、骨どおしがぶつかり合い、これによって関節液が少なくなり、関節のスムーズさが失われていきます。

だから注射を打って滑らかさを取り戻せば痛みも改善します。というのが一般的に言われていることですが、そもそも滑らかさを失ってしまったのは噛み合わせが悪くなるような身体の使い方をしていたからではないでしょうか。

と、考えると注射をする理由を見失ってしまいますよね。だから注射を打っても膝の痛みが改善されないんですね。ある程度の変化を感じますが、それは時間の問題です。

自転車のチェーンも油をさせばそのときはガリガリ音もなくなりますが、時間が経つとまた出てきますよね。それと同じです。

今日の一番のポイントはここです。膝の痛みを改善するためには、注射をすることではなく、関節の噛み合わせを良くし、それを維持することです。

維持するというのは程度に運動をしたり、歩いたり、階段の上り下りの動作をもっと楽に、スムーズにできるように変えることです。そうすれば膝の痛みを感じなくなります。

言い方を変えれば、膝が痛むように動いているということです。

 

50代女性|膝の痛みを改善できた例について

上記のことだと少しリアリティに欠けますので、実際に現場で改善できた例をご紹介していきたいと思います。

痛みを感じる瞬間

この方は、膝のお皿の真中すぐ下辺りに痛みを訴えており、階段を上ろうとグッと踏み込んだ瞬間に一番痛みが強くなるそうです。

膝の痛み

その他には、歩いているときに前脚が着地した瞬間に痛みが出るそうで、この2つの場面で痛みが出て悩んでいたそうです。

歩き方

これまでしてきたこと

これまで整骨院に通ってみたり、病院で診てもらったりしたそうで、注射も毎週のように打っていたそうです。

ジムに行って鍛えろ言われてパーソナルトレーニングを受けたり、マシンで鍛えたりしてみたけども思ったように変化がなかったそうで、逆に痛みが増すこともあったそうです。

ジム

X脚のように捻じれた膝

立ち方を見てみると、つま先重心で、脚はX脚のように捻じれていました。先天的に骨自体に変形はなく関節での噛み合わせが悪くなっていました。また筋肉もパンパンに張っている状態でした。

X脚

このような状態をセッション前に確認し、膝の噛み合わせを良くするために身体調整を行い、その後歩いたり、階段の上り下りを行っていきました。

セッション中に行ったこと

まずは、身体全体を緩め、膝の噛み合わせを良くし、循環の改善を行っていきました。その後は姿勢や動作についてお伝えしていきました。

身体調整

冷え性や便秘も続いていたそうで、僕自身の手がかなり温かいということもありますが、身体調整でクライアントさんの身体に触れているとどんどん体内の循環が良くなり、温かくなってきたとおっしゃっていました。

調整は首の方から足の方へと移っていきましたが、それに伴い順に身体も温かくなっていったそうです。

膝の噛み合わせを良くするために、下肢の連動を行ったり、股関節や足関節を使いながら噛み合わせを良くしていきました。

歩き方の指導

歩き方については、ヨガのときに胸を張って立つということを意識づけしているとのことで、その状態がそのまま歩きにつながり、肩甲骨を寄せ胸を張って歩かれていました。

脚については前に出すという感覚があるそうで、膝の痛みもあるのでそっと音がしないような着地の仕方で忍び足で歩くみたい感覚で歩かれていました。

セッションで行ったことは、リラックスして歩くというシンプルなことですが、みぞおちに意識を向け、そこを前に運ぶような感覚で歩いていただきましたが、それだけで以前まで痛かった膝の痛みは出なくなっていきました。

 

はじめは少し怖さがあり、スムーズさが出てきませんでしたが歩き続けると安心感が出てきたそうでスムーズに歩くことができるようになっていきました。

階段の上り下り

歩くことで痛みが出なかった分、すごく気持ちが楽になったそうですが、階段の上り下りもポイントをお伝えすると痛みを感じずに上り下りができ、喜ばれていました。

ここでしたことは、階段を上るときは頭をスッと引き上げるようなイメージで軽く上がる上ること。下りるときは、真下にスッと落ちるように膝を抜くような感覚で下りていただくと膝の痛みを感じずに下りることができました。

このような流れで実際に指導を行っていき、膝の痛みを改善することができました。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。膝の痛みは注射を打つから良くなるのではなく、痛い原因を改善することが重要です。

痛みの原因は、膝関節の噛み合わせが悪いことによって起こり、この噛み合わせが悪くなる原因は日常の動作に潜んでいることが多くあります。

日常で行う動作の歩く、階段の上り下りのやり方を改善して楽に動くようにすれば膝の痛みが改善し、注射を打たなくても過ごせるようになるはずです。

まずは噛み合わせを良くすることで膝の痛みを改善することだと思います。

今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

走っているときに出る膝の痛みの原因と改善について

走っているときに膝に痛みを感じてしまうランナーの方もいると思いますが、なぜ膝に痛みが出てしまうのでしょうか。

この場合、走ることをやめた方がいいのか、はたまた筋力を強化する方がいいのでしょうか。いずれでもなく、このような場合は走り方に問題があることが多く、走り方を変えることで痛みが改善することが多くあります。

今日はこの走っているときに出る膝の痛みについてお伝えしていきたいと思います。

 

なぜ走っている時に膝が痛むのか?

走っている時に出る膝の痛みは、お皿の周辺に出ることや膝の中側に感じることが多いと思いますが、これらの痛みの原因は大腿四頭筋に過度にストレスがかかり、その腱周辺に痛みが出ていることが多くあります。

先日マラソンなどに出場されるクライアントさんが、この膝の痛みを訴えられていましたが、この方の場合、着地の仕方に問題があり、フラットに着地することができておらずその影響で膝の痛みが出ていました。

このような場合、走るのをやめて安静にしてまた走り出しても時間が経つとまた痛みが出てきてしまいます。マッサージをして周囲の筋肉を緩めて走ると一時的には痛みが引く可能性がありますが、走っているとまた膝に痛みが出てきます。

このようなことが起こるのはなぜでしょうか?それは、痛くなるような走り方をしているということです。

野球選手でも同じですが、名医に肩肘を手術をしてもらい復帰して、実際投げるとまた痛めてしまうというのは手術が問題ではなく投げ方が問題です。

この走り方、投げ方の部分が改善しないとうまく痛みを改善することができません。

 

走り方の問題を改善する

痛みの原因は走り方だとお伝えしていきましたが、ではどのようにこの走り方を変えればいいのでしょうか?

実際にクライアントさんにお伝えしたのは、このような手順にになります。

  • 身体調整
  • 着地の仕方(フラット着地)
  • 重心の移動
  • 走り方

このような指導をしたまた別日に筋肉が硬く弾力がない状態でしたので、しゃがむ立つなどさまざまなエクササイズで筋肉に刺激を与え、筋肉に弾力を取り戻すようなことをしていきました。

痛みの改善は、上記の4つのことでうまく改善でき、膝の痛みを感じることなく走ることができました。

痛みがある場合、身体には歪みや捻じれが多くみられます。いわゆるつるされている人体模型のような状態ではありません。これらは痛みと関連が高く、元に戻す必要があります。また着地の仕方や走るときの動作のイメージなどは筋肉が受けるストレスの大きさが変わってくるため、人間の構造を理解し、それを走りに活かす必要があります。

このように4つのことを実践していただき、この内容は1日で行って痛みの改善がうまくできたケースであり、動作をどのように行うのかということが非常に大切になります。

 

走り方の参考にしていただきたいこと

記事の中で走り方やこれまでもさまざまなことをお伝えしてきていますが、方法論をお伝えすることはいつも難しいことだなと感じています。

お伝えした内容を “どのように行うのか” によって結果が変わり、細かい部分までお伝えできませんので、あくまでも参考になりますが、走りというのは大きく分けて4つに分けて考えられると思います。

  • 重心の移動
  • 脚の動き
  • 腕の動き
  • 全体の動き

これらを順に理解し、全体の走りを変えていく。

また膝以外にもランニング時に感じる痛みについてまとめていますので、参考にしていただければと思います。

 

まとめ

走っている時に出る膝の痛みの原因は、走り方が問題です。この走り方を変えれば痛みの改善はできますが、いくら筋肉を緩めたり、ほぐすようなことをしても根本的な走り方が変わらないとうまく痛みを改善することはできません。

ジムに行って筋トレをするという発想も同じです。根本的な問題は、動作にあります。

動きの中であまり部分に意識を向けずに、フラットに着地し、自分の重心を前に前に運ぼうとすると脚に過度な緊張がうまれず痛みを感じることもありません。

今日の内容で膝の痛みを改善するきっかけになればうれしく思います。

今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

階段を上がるときに出る膝の痛みは筋力強化では改善しない理由

先日、神戸駅の近くに出張に行きましたが、そこでお会いしたクライアントさんは階段を上るときに膝が痛むとのことで相談を受けました。

この方は病院でリハビリをされているそうですが、そこでは「痛みがあるのは筋力が弱いから鍛えましょう」ということでマシンなどで鍛えているそうです。

ただ、鍛えても今のところ改善していませんでしたが、階段の上り方をお伝えすると痛みがなく階段を上ることができました。

今日はこの階段の上り下りのときに出る膝の痛みについてお伝えしていきたいと思います。

こちらの記事も参考にしていただければと思います。

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[clink url=”http://izuru-style.co.jp/hiza-itami”]

 

鍛え続けた結果脚の筋肉がパンパンに張っていた

この方の年齢は70歳を超えられていますが、とてもお元気で社交ダンスもされているそうです。

社交ダンスを続けるためにもこの膝の痛みを改善したいという想いがあるそうで、今回セッションを受けられました。

お話を聞いているとお尻や脚周りの筋肉を強化するためにマシンなどで強化しているそうです。ただ、その影響なのかお尻や脚の筋肉は硬く、むくみもひどくパンパンな状態でした。

鵞足(鵞足炎の記事を参考にしてください)に触れるとかなり痛みがあり、膝も捻じれていました。階段を上がるときもこの鵞足に痛みが出ているそうです。

鵞足(膝のすぐ下の内側)に痛みがある場合、縫工筋、半腱様筋、薄筋などの筋肉が緊張しているため、これらの筋肉を緩め、調整すると鵞足を押した時の痛みは改善されました。

このように緊張している筋肉をさらに鍛えるとこれらの筋肉はさらに緊張してしまいます。鍛えるのではなく、筋肉を緩めることで痛みは改善します。

この痛みが出る問題は階段の上り方です。

 

階段の上り方を変えることで痛みは出なくなる

まずクライアントさんに現在行っている階段の上る際のイメージをお聞きしましたが、階段に足を乗せて、膝に力を入れるようにグッと踏ん張るようなイメージで階段を上がっているそうです。

まさにこのイメージが問題で、このイメージは筋力が弱いから日常の中でどうにか鍛えることができないかという想いからするようになったそうです。

確かにこのような上がり方をすれば、膝上にストレスがかかり鍛えることができますが、日を増すごとに痛みが増しています。

筋肉がさらに緊張したため、その影響が膝の痛みにつながっているということです。

この方に対して行ったことは、調整後階段の上り方を変えました。

膝に力を入れるイメージを、糸か何かで頭が斜め上に引き上げられるようなイメージを持ち、グッと上がるのではなく、スッというイメージを持っていただきました。

上がるときに最初は身体を支え、サポートしながら階段を上がっていただき、スッと、軽く上がれるようにイメージづけを行い、そこからご自身で階段を上がっていただきましたが、身体が軽く楽に階段が上がれ、膝の痛みを感じることなく上がることができました。

このように膝の痛みが出てしたのは、痛いように階段を上がっていただけです。

一般的には、マシンでトレーニングしたり、マッサージをするのかもしれませんが、問題は階段を上る動作です。ですので、この階段の上がり方を変えれば痛みは改善していきます。

階段 階段

 

お腹の膨らみも立ち方で改善した

膝の痛みはこのように改善し、続いてはお腹を引き締めるということをお伝えしていきましたが、この方の場合、お腹を突き出すように立っており、この立ち方が問題でお腹が出ていました。

そこで調整をした後、骨盤の位置を調整し、立ち方をお伝えするとこれまでに感じなかった安定感が出てきて、お腹も引き締まり、楽に立つことができるようになりました。

70代を超えられてなおこのように身体のことを考え、ダンスをされているでの、本当にお元気でした。

痛みの改善ができたことで安心されていましたし、こうやって結果を感じながらセッションを進めていく大切さも改めて感じることができました。

日頃することもお伝えし、今後どのように膝の痛みが改善するのかを見ていきたいと思います。

 

まとめ

今日は、階段を上がるときに出る痛みのことについてお伝えしていきましたが、まとめて言えば、痛みが出るような動作をしているからこそ痛みが出るのであって、そういう場合は、その動作を変えることで痛みは改善します。

難しいことや複雑なことをするから改善するのではありません。

この辺りも改めて理解してお伝えしていく必要があると感じます。

痛みの原因そのものを取り除くことで痛みは改善していきます。

今日の内容が少しでも参考になればうれしく思います。

今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

変形性股関節症は必ず手術が必要?症状から見る改善のヒントについて

変形性股関節症に悩まれている方から相談もありますが、みなさん1回は手術が頭をよぎり、手術を回避しようと希望を持って鍼灸院に通ったり、整体に通ったりされています。

しかし思ったような結果が得られずに悩んでいるいる方も多いと思います。変形性股関節症は必ず手術をしないと痛みから解放される、もしくは痛みが改善することはないのでしょうか。

今日はそんな変形性股関節症を手術をせずに改善に向かっている実際の例を含めて、改善の考え方とそのヒントについてお伝えしていきたいと思います。

 

変形性股関節症とはどのような病気か?

まずこの病気を語る前に変形性股関節症というのは、どのようなものかと整理していきたいと思います。

■変形性股関節症とは?

変形性股関節症(へんけいせいこかんせつしょう、osteoarthritis of hip)は、関節軟骨の変性・磨耗によって、近傍の骨の変形・破壊や関節滑膜の炎症が起き、疼痛や運動障害からADL障害をきたす股関節疾患である。

Wikipediaより引用:変形性股関節症

変形性股関節症には、先天的なものと後天的なものがあるといわれており、どちらも関節の変形や噛み合わせの不一致などにより、関節軟骨がすり減ったり傷がついたりし、痛みを伴う症状です。

具体的には、歩いているとき立っているときにズキズキ刺すような痛みがあったり、臀部に鈍痛のようなだるさを感じたり、生活にも支障が出るほどの痛みが伴うケースもあります。

また変形性股関節症には、一次性と二次性があります。

  • 一次性股関節症・・・原因が不明
  • 二次性股関節症・・・先天性股関節脱臼症や臼蓋形成不全などの症状に続発される形で起こる股関節症

日本では主に二次性股関節症がほとんどだといわれ、またそのほとんどが女性です。

 

一般的に行われる変形性股関節症への対応について

変形性股関節症になってしまった場合、どのような対応が行われるのが一般的なのでしょうか。クライアントさんから聞いた話も含めてまとめていきたいと思います。

筋トレをする

一番聞いた答えは、股関節周囲の筋肉を強化するために筋トレをするということでした。

股関節周りの筋肉が弱くなっており、支えられないから股関節の痛みが出ている。だから鍛える必要があるということでした。後述しますが、あるクライアントさんのケースでは、勧められた通りジムで股関節周辺の筋肉を鍛えることをはじめました。

レッグエクステンション、レッグカール、ヒップアダクション、ヒップアブダクションなど股関節に関係する筋肉を強化しましたが、エクササイズ中も股関節は痛み、このときの痛みは弱いから痛んでいる。きっと強化すれば痛みは軽減されると信じてトレーニングに励みました。

しかし、1ヶ月経っても、2ヶ月経っても痛みは改善するどころか、逆に痛みが増してしまったこともあるそうです。

筋力が弱いから痛むという要因もありますが、このようなケースからもわかる通り、筋トレをしても思ったように改善しないことがあります。

安静にする

痛みを改善するには時間が薬になるといわんばかりに、負担をかけないように日頃から安静にしなさいといわれる方も多いと思います。

仕事や育児、生活をする上でしなければたくさんあると思いますが、それを控えるように言われた方もいました。安静にするだけでは痛みが改善しないのは目に見えています。

手術をし、人工関節にする

変形性股関節症は、股関節の形成に問題があるためその股関節を人工関節にすることで痛みを取り除こうと病院で勧められる方もいると思います。

実際に人工関節にして痛みが軽減された方もいました。イメージとしては御幣を恐れずに言葉を使えば、一番手っ取り早いというイメージになるのかもしれません。決してそんなことはありませんが。

ただ、クライアントさんの言葉を聞くと、やはり自分の関節ではなくあくまでも人工のものが体内に入るとなると非常に悩まれると思いますし、実際に悩まれている方からお話を伺ったこともあります。

変形性股関節症の改善に手術を勧められることも多くあります。

インソールを使う

これは少数の意見ですが、変形性股関節症を改善するためにはインソールが必要だといわれて数千、数万円するインソールを購入し、使われていた方もいます。

片側だけに入れていたこともあり、これが原因で身体が歪みさらに痛みが増してしまったということもあります。

左右の脚の長さが違うとインソールを使うこともありますが、片側だけに使用すると歪みにつながり、痛みを助長してしまうこともあります。

本当に必要なのかは見極めが必要になります。

温熱療法

腰痛や肩こりなどにも行われることですが、痛みのある部分を温めるということをします。一時的に痛みが和らいだり、気持ちよさを感じると思いますが、根本的な改善とはいかじ、時間の経過とともにまた痛みが再発することがほとんどです。

ただ温熱療法は意味がないということではなく、調整前などに温めてから調整に入るとより筋肉を緩めやすいということもあります。

これだけで痛みを取り除こうとするのは非常に難しいことだと思います。

 

変形性股関節症でなぜ痛みが出てしまうのか?

まず変形性股関節症で痛みが出てしまう理由をお伝えする前に、少し股関節というところを知っていただきたいと思います。

股関節とはこのような形状をしており、簡単言えば受け皿とそこにはまるボールのようなものがあり、両者で股関節を形成しています。

先ほど出てきた臼蓋不全というのは、受け皿の幅が狭くなってしまってる状態のことです。

変形性股関節症にもさまざまあり、簡単に言うと受け皿に変形があるのか、またボールに変形があるのか、またそれらの変形によってかみ合わせが悪くなり関節面にある軟骨がぶつかり、すり減り痛みが出てしまいます。

変形性膝関節症も同じですが、骨と骨とで形成される関節面がぶつかり合い、軟骨がすり減り痛みが出てしまいます。

この原因は関節の噛み合わせが悪くなり、周りの筋肉が緊張しているがために骨がぶつかり、痛みが出てしまいます。このような原因から考えられることは、周りに変形があっても関節のかみ合わせが良くなれば痛みは改善されるのではないでしょうか。

このような考えをもとに実際にクライアントさんに身体調整をし、痛みの改善が見られたケースをご紹介したいと思います。

 

全身の歪みを直し、立つ、座る、歩くの基本の動作や姿勢を見直す

変形性股関節症だからと言って、股関節だけを見ればいいのではなく、部分の歪みは全体へ影響しますし、もちろん全身の歪みは部分に影響を与えます。

まず全身の歪みや姿勢の崩れを直していきました。

身体調整で全身を整える

さまざまな事柄に共通して言えることではないでしょうか。お腹を引き締めたいから腹筋をする、腰痛を改善したいから腰をマッサージする。

部分をあまりに見すぎると、思ったような結果が得られません。全体を直せば、部分の問題も改善されるのではないでしょうか。また部分に出る痛みは、全身の歪みなどの結果ストレスを受け、部分に痛みが出る。

痛みのある箇所が原因ではなく、その他のことが影響し部分に痛みが出ることが多くあります。

このような考えから、股関節周りの痛みに対しても全身の歪みを改善するために身体調整を行い、全身の筋肉を緩めていきます。筋肉を緩めることで歪みを改善されますので、まずは筋肉の緊張のない状態へと直していきます。

全体を直す中でも、部分である股関節周辺の筋肉も硬くなっているためそこにも時間をかけ筋肉を緩めていきました。

全身を整えると痛みは軽減される

全身の筋肉を緩め、整えることで痛みが軽減し、身体が軽くなっていることを感じていただけました。また身体調整の後、立っていただくと踵で立ち、骨を感じていただけます。

調整前には立つだけでも鈍痛のようなものが出ていたけど、それも改善され痛みを感じずに立つことができました。

このように全身の歪みを直し、筋肉を緩めることで痛みの改善は見られますが、ここから座る、歩くの指導へと移っていきます。

椅子の高さや車での座席について

身体の使い方によって、筋肉が緊張してしまうことを日常的に行ってしまうと関節のかみ合わせが悪くなり痛みが出てきてしまいます。

椅子の高さについては、膝の位置が股関節の高さよりも高くなると太ももの前側や股関節周辺の筋肉は緊張し、そのような姿勢や動作を続けることで痛みが出てきます。

必ず椅子に座るときは、膝の高さよりも股関節の位置は高くします。これは椅子だけに限ったことではなく、自転車に乗るとき、車に乗っているときの座席も同じです。座席自体が動かしづらい場合、クッションなどを敷いてお尻の高さを上げれば膝の位置は下がることになります。

このように椅子の高さをどこで設定するのか、それを気をつけることで日常で過度に筋肉が緊張するのを防げます。

歩き方について

変形性膝関節症で痛みを抱えている方ほど、その痛みを脳が記憶しています。後でお伝えしますが、どうしても痛みがある分その動きを脳が覚えています。

また痛みの出方はさまざまですが、着地をするときに痛む方は、着地をするのが怖くなり、どうしてもそうっと足を地面につけるような歩き方になっていたり、びっこを引いたり、脚をどう前に出そうかということを考えられると思います。

このような意識を持ってしまうと筋肉が緊張し、そのような動きだから痛みが出てしまうということになります。

歩く=痛みが出る、という脳の中にあるデータを消す必要があります。そして歩いても痛くないんだよというデータを再度書き入れることが必要です。

そのためには、脚から意識を外し、重心の位置を高くし、その重心を前に運ぶように歩くことでスムーズに歩け、歩いても痛くなりません。歩き方をスムーズに変え、そして脳の中にある痛いという情報をいかに自分の中で痛くないということに気づけるか、それを理解できるかということも重要になります。

個人によって歩き方は変わり、アドバイスも変わると思いますが、この記事を参考にしていただければと思います。

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日常動作で股関節周囲を鍛えていく

変形性膝関節症の場合、股関節が不安定です。噛み合わせも悪くなりやすく骨どおしがぶつかることで痛みが出てしまいます。このような状態を改善するため、股関節周囲の筋肉を鍛え、その筋肉で関節を安定させます。

その鍛え方が問題となりますが、ジムのマシンなどで鍛えていれば逆に痛みが増してしまうということもあります。人間は日常の中で階段を上る、下りる、などの動作を行いますが、このとき片脚で身体を支えることになります。

このとき片脚にかかる負荷は、体重の約3~4倍に相当し、50kgの人であれば150~200kgものストレスが股関節にかかることになります。このように考えるとジムでマシンで鍛えてもこれまでの刺激は加えづらいと思います。

日常の中でも鍛えることができ、椅子からの立ち上がり、座り、階段の上り下り、という基本的な動作を使って強化することも股関節を安定させるためには重要になります。

このような流れで実際に変形性股関節症の方とセッションを行い、少しずつ身体にも変化を感じることができるようになりました。

 

変形性膝関節症という病気と痛みを脳がどのように感じているのかを知る

紙で指を切っているのに気づかなければ痛みは感じませんが、いざ指が切れているのを気づくと急に痛みだすということを経験したことはないでしょうか。

人間が感じる痛みは脳が感じているということです。切れたから痛むのではなく、切れたという情報が脳へ伝わることで痛みを感じます。これは変形性膝関節症だけに限らず、さまざまな痛みにも共通していることです。

気分が落ち込んでいるときほど痛みが出やすく、痛みを感じやすくなります。
 
おばあちゃんの改善した理由は学生に不満をぶつけたおかげだったという話があります。

これは身体に対して何かをしたからということだけではなく、文句を言うことで脳が感じていたストレスがなくなり、それによって脳が感じてした痛みがなくなったということではないでしょうか。

痛いと思いこんでいる、という一辺倒な言い方ではなく痛みの強弱は少なからず脳の影響を受けます。そのため今感じている痛みを改善するときに必要なことは、クライアントさん自身も痛みに対して前向きに改善しようという姿勢で取り組む必要があります。

『治してくれ!』という横柄な態度ではうまく治らない。ここで理解していただきたいことは、痛みは脳も関係しているということです。痛みを抱える方の頭の中にあるデータを書き換える必要があります。

 

まとめ

いかがでしょうか。今回ここでお伝えしたことがすべてだとは思いませんが、この実際の例でお伝えしたクライアントさんはセッションを受けられてもうすぐ4年になろうとしています。

歩きすぎたりすると痛みを感じるときはありますが、歩き方や階段の上り下りについては問題なくできるようになり、以前よりもストレスのない楽な生活がおくれています。

10の痛みがいきなり1や0になることは難しいと思いますし、僕のようなトレーナーの立場であれば治療家ではありませんので、そのようなことは目指していません。大切だと感じるとは、日々小さな改善を繰り返すことです。

10が9に、9が8に、8が7に・・・というように少しずつの積み重ねで改善を行い、日常生活の中で行う動作をいかに楽にできるか、それが重要になります。トレーナーとクライアントで痛みが改善できるように協力して同じ方向へ歩もうとする姿勢が何よりも重要になります。

今日の内容が少しでも参考になればうれしく思います。

では最後に今日のまとめを行っていきたいと思います。

  • 変形性股関節症は、一次性と二次性があり、二次性の方が多い
  • 改善するためには、ただマシンで鍛えても期待した効果は得られない
  • 全身の歪みを改善し、股関節周辺の筋肉も緩める
  • 噛み合わせが良くなると、それを固めるように股関節周囲を鍛える
  • 鍛え方は、日常動作で行う椅子からの立ち、座りや階段の上り下りを活用する
  • 痛みは脳が感じており、身体だけではなく脳のストレスも取り除く必要がある
  • 痛みはいきなり10→0を目指すのではなく、1ずつぐらいのペースで改善し、焦らない

このような内容でお送りしていきました。今日の内容が少しでも参考になればうれしく思います。

今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

変形性膝関節症は手術がすべて?メスを入れるのではなく噛み合わせを良くすることで改善する

変形性膝関節症という病気があり、この病気に悩んでいる方もいると思いますが、このようなクライアントさんが相談に来られることもあります。

病院に通い、整骨院、ジムに通っていたけど痛みが改善に向かわないということでどうしたらいいものかと思われていたそうですが、そもそもこのような変形性膝関節症を改善するにはどうすればいいのでしょうか。病院からの指示は『膝周りをジムなどで鍛えなさい』ということだったそうです。

もしくは手術を勧められる。鍛える、手術以外、変形性膝関節症の痛みを改善することはできないのでしょうか?

鍛える、温める、冷やす、柔軟性を向上させる、さまざまなことが言われていますが、この方の場合膝のかみ合わせが悪く、膝周りの筋肉や臀部、股関節周りの筋肉も硬くなっていました。

まずはこれらを緩め、歪みを改善を行っていくと、痛みの変化が見られて喜ばれていました。今日は変形性膝関節症についてお伝えしていきたいと思います。

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[clink url=”http://izuru-style.co.jp/hip-osteoarthritis”]

 

変形性膝関節症って?

いきなり変形性膝関節症って言われてもわからない方もいると思いますので、参考程度にこちらを載せておきます。

変形性膝関節症とは?

■変形性膝関節症とは?

変形性膝関節症(へんけいせい しつかんせつしょう、英: osteoarthritis)は、筋力低下、加齢、肥満などのきっかけにより膝関節の機能が低下して、膝軟骨や半月板のかみ合わせが緩んだり変形や断裂を起こし、多くが炎症による関節液の過剰滞留があり、痛みを伴う病気である。

膝関節のクッションの役目を果たす膝軟骨や半月板が長期間に少しずつすり減り変形することで起こるもの(一次性)と、関節リウマチや膝のケガなどの他の原因によって引き起こされるもの(二次性)の2種類がある。

Wikipedia 変形性膝関節症より引用

変形性膝関節症の原因について

これらから原因は、噛み合わせが悪くなり、軟骨がぶつかりすり減ることで炎症が起きる。これが痛みの原因であると言われています。

噛み合わせの悪さが原因として考えられるのであれば、噛み合わせを良くすれば痛みは改善できるのではないでしょうか?

日常の中で何かしらの動作や姿勢の影響を受けて、歪んだり捻じれが生じたりします。人間の身体は本来歪んだり、捻じれがない状態にありますが、生きていく中でこういったものが生じてしまいます。

この見方を少し変えると、歪みや捻じれを改善し、それらを維持できるように動作や姿勢を改善すれば痛みは出なくなるのではないでしょうか?

関節の噛み合わせを良くし、自然な動きができれば痛みの改善をしたケースは現場でもいくつかあります。

 

変形性膝関節症、痛み等についてそもそも・・・

これは僕自身も意識をして考えることですが、そもそも痛みの原因というのは何でしょうか?

ダイエット、シェイプアップ、痛みの改善。これらすべての目的に対して、なぜ今のような体型に、状態になっているのでしょうか。そこには何かしらの原因があるはずです。先天的な問題を除き、その原因を見つけ出すことで、改善の糸口がみつかる可能性が高くなります。

いかにクライアントさんから情報を得られるか。これは現場でも常に意識していることですが、なぜ?原因は?これが見えてこれば、方法が決まります。

逆にこの原因がわかっていないのに、

『鍛えておいてください。』

『緩めておいてください。』

『ジムに行ってください。』

とは言えないということになります。もっと言えば、どこをどう鍛えればいいのか、何回、何セット、何kgの重量で、などそこには内容が具体化されて提示させる必要があります。その方の目的に合った適切な条件が存在し、そこまで指定をし、どんなしゃがみ方なり、動き方をすればいいのか伝える必要があります。

その条件というのは、Aさん、Bさん、Cさんが同じような痛みを訴えられてもすべて違うはずです。人の身体はみな違い、同じ言葉をかけてもそれぞれの解釈がそこには存在するため、こういうコンテンツでの発信も本来『●●な方法』というのは伝えるべきではないと思っています。(今はあえて伝えている部分もありますが。)

それは誰一人として同じことを指導することがないからであり、大切なことは原因が何か、それに対して初めて方法が来るということになるからです。

そもそもの話、痛みの改善をしたいのであれば、『=●●』という考え方をまずは変えないといけません。僕自身もそうで、現場で決めつけるように『こういうタイプの身体は●●をする』ということはあり得ない話です。個人によって伝えない内容、伝え方は変化していきます。

 

変形性膝関節症の手術をするか迷っていたクライアントさん

先日、あるクライアントさんからご連絡をいただき、変形性膝関節症の痛みで悩んでおり、いろいろいったけど改善されなかったので手術をしようと思っていたタイミングでイズログをみつけ、来られたクライアントさんがいます。

この方は、病院では手術を勧められてほぼ決めかけていたそうですが、どうしても手術に抵抗があったそうです。自分の身体にメスを入れることはいろんな想いがあると思います。

スタジオに来られるまで全国に駆け回り、手術しないでどうにかならないかと考えていたそうですが、なかなか思った通りの結果を実感することができなかったそうです。

ジムで筋トレ

診察を受けたところの医師からは「ジムで膝周りを鍛えなさい」と言われ、レッグエクステンションやレッグカールなどで膝周りを鍛えていたそうです。

このときは初めのうちは痛みもある程度収まってきたと実感があったそうですが、ある時期を境に痛みが右肩上がりになってきて鍛えることで痛みが増したと感じる日が続くようになってしまい、そこでジムでの筋トレは少し違うのではと思い、辞めてしまったそうです。

ジム

整骨院で温熱、マッサージ

次に行ったのは整骨院で、ここでは膝を温めマッサージのようなことをしてもらったそうです。

整骨院に行って、院を出た直後までは身体も軽く痛みは出なかったそうですが、院から家までの帰り道で痛みが出てきてしまい、ある程度通われたそうですが、行かなくなってしまったそうです。

マッサージ

整体

次に行ったのは整体で、歪みをとってもらったり、ボキボキならして矯正をしてもらったそうです。

このときも行きはじめた頃は改善を実感していたそうですが、どうしても痛みが改善した状態が維持できないでいたそうです。

この頃に、自分の膝はもう治らないのではないかと諦めるようになり、手術が少しずつ頭にちらつき始めたそうです。

このような経緯でスタジオに来られてましたが、来られてからは姿勢や動作の確認をしていきましたが、これまで病院やその他のところに行ったときに、こういった姿勢や動作をチャックしてもらうことはほとんどなかったそうです。

今回の記事はクライアントさんに許可をいただいていますので、ここからもう少し現場で行った流れを見ていきたいと思います。

 

姿勢や動作を見て感じたこと

この方の身体を見たときに歪みや捻じれがあり、姿勢が崩れた状態で、歩き方については痛みが出るため膝をかばうような歩き方などをされていたのが印象的でした。

立ち方について

膝の痛みを抱えてからは、痛みが出ないようにかばったり痛みが出そうなことは避けてきていたので、膝が伸びきらず曲がった状態になっていました。

膝は曲がり、膝のお皿も正面ではなく内側に向いており、X脚のような状態。太もも全体がパンパンに張っており、指先は冷たくなっていました。

歩き方について

表現として適切かわかりませんが、歩き方を見たときに人間型ロボットのアシモのような歩き方で、着地するタイミングで膝に痛みを感じることが多かったので怖さがあるそうです。

そのためそっと着地をするような形で歩かれており、この歩き方では太ももの前側がパンパンに張ってきて、いつも歩くことはすごく疲れると感じていたそうです。

階段の上り下り

階段の上り下りも同様で、膝に痛みを感じるため上るときは手すりを持って、よいしょ。という感じで、足にグッと力を入れるように踏ん張って上り、下りるときは怖さもあるので、ゆっくりと探るように着地をし、階段を下りていったそうです。

痛みが出ることが前提で、この痛みをできるだけ抑えるようにこのような階段での動作を行っていたそうですが、見ていても非常につらそうでした。

改善のイメージについて

こういったセッションに入る前のチェックをしていきましたが、この方の膝は、膝関節の内側で大腿骨と脛骨とがぶつかる形で軟骨のすり減りが起こっているとのことでしたので、まずは噛み合わせを良くすることが必要だと感じました。

そして、この膝の噛み合わせが悪くなる原因としては、上記のような動作がすべて親指の付け根が一番最初に着地し加重されるため、この影響が歪みなどにつながっていると感じました。

噛み合わせをよくし、動くことで痛みが出るという恐怖感を取り除きつつ痛みの出ない動作を理解していただく必要があると感じ、実際にセッションに移っていきました。

 

この方とのセッションで行ったこと

まず行ったことは、全身の筋肉を緩め、崩れていた姿勢を整えていきました。

身体調整の流れ

  • 呼吸
  • 頸部の牽引
  • 上肢への揺らぎ
  • 腹部への刺激
  • 鼠径部への刺激
  • 股関節の回旋
  • 下肢の連動
  • 足首回し
  • 足首の背屈によるポンプ作用
  • 全身へのゆらぎ

このような流れで調整を行いましたが、股関節周りや膝周囲は緊張が強かったため時間を長くし、緩めていきました。

調整中は少し眠られていましたが、途中で起きた際に「すごく身体が温かく感じる」と言われており、循環の改善を実感されていました。

身体調整後は、全身の筋肉が緩み、立ったときに踵に重心を感じ楽に立つことができたそうです。以前まで立つだけでも少し痛みやだるさを感じていたそうですが、調整後は楽に立てていたので喜ばれていました。

身体調整

調整の後は、立ち方や歩き方についてのアドバイスを行っていきましたが、歩くときに痛くなるのではないかという怖さがあり、硬さが見られました。ここでは、現在の歩き方と、実際にしていただきたい歩き方を見本で見せ頭がイメージしていただき、歩き方とは、という話をして、そこから実際に歩いていきました。

立ち方のアドバイス

調整後に立っていただくと踵の骨をよく感じられており、いつもはつま先重心で立っているのに自然に踵で立つことができました。

この方も立ち方と言えば、肩甲骨を寄せて立つ、胸を張るように立つことが良い姿勢だと思われていましたが、実際にはそうではなく肩の位置や骨盤の位置を少し修正し立っていただくと楽に立つことができるようになっていきました。

立ち方についてはこちらを参考にしていただければと思います。

[clink url=”http://izuru-style.co.jp/standing”]

歩き方のアドバイス

この方の場合、痛みを脳がインプットしていましたので、骨盤あたりを持ってサポートしながら1歩1歩歩いていき、どう歩けば痛みが出るのか、それをどのように歩けば痛みが出ないのかを実感しながら歩いていただきました。

  • 歩くということを話し、実践して見える
  • サポートしながら1歩ずつ少しずつ歩く
  • 痛みがない歩き方、痛みが出る歩き方の確認
  • サポートして連続して歩く
  • サポートなしで歩く

という順序を辿るようにひとつひとつ理解し、痛みがないかどうかを確認し、どうすれば楽に歩けるようになるのかということを理解しながら進めていきました。

「あれ、痛くない?」という実感がすごく大事で、この感覚を味わえると徐々に痛みへの恐怖感も消えていきます。それができれば後はシンプルな表現で、重心を前に・・・というようなアドバイスで最終的には歩けるようになっていきました。

[clink url=”http://izuru-style.co.jp/walking”]

階段の上り下りのアドバイス

歩き方の流れで台で階段を作り、スッ、スッ、上がる、下りるようなイメージで階段の上り下りを繰り返していただくと、痛みが出ずに上り下りをすることができました。

まだ恐怖感も少し残っていたそうで、それが出てきてしまうと動作自体が硬くなり痛みが出るときはありましたが、この動きの違いはご自身でも理解されていましたので、痛みが出る原因もわかったそうです。

階段の上り下りはスッ、スッというイメージでという程度のアドバイスだけで痛みを感じなかったので、このぐらいのアドバイスのみでした。

しゃがむ、立つの繰り返しを行う

動作を改善した後は、噛み合わせが良くなった膝周りの状態を維持するために、椅子からの立ち上がり、しゃがみ込みで膝周りを鍛えていきました。

通常の椅子よりも高めの椅子を用意し、バーカウンターにありそうなぐらいの椅子に座って立つ、ということを繰り返していきました。これは深さが深くなるとそれだけ怖さもできますし、動作のまずさがあったので、最初はスムーズにしゃがみ込み、立ち上がりができる高さで行います。

それができたら少し高さを下げていき、慣れてくると椅子にお尻が着くと同時にバウンドするように跳ね上がるような動作で脚に刺激を与えていきました。

このようなセッションでの流れをつくり、膝の噛み合わせや姿勢や動作の改善を行い、気持ちも晴れやかになったそうで、今でもセッションを受けられています。

 

改善のイメージ

治療家ではなく、あくまでもトレーナーとしての立場でできることをクライアントさんにしていますが、痛みの改善はいきなり10の痛みが0になることはありません。

10の痛みを8、9へ。そしてそれを7、8へ。

1週間に1度のペースでこられるため、この1週間でセッションの状態を維持していただく必要があります。そのために日頃何を気をつけるのか、どういう姿勢や動作、また体操などをすればいいのかをお伝えし、次回に確認するような形をとっています。

この方の場合、お伝えしたことをまじめにしていただき、毎日やっているからこそ気づきがあったり、変化を感じたり、またやり方がわからなくなるものもあって、次に来られた時にご自身から質問していただけました。

『治してもらう』

というようなスタンスではなく、『自分でも治す』という意思をしっかりとお持ちで、どうしてもご協力がいただけない場合、うまく改善しないこともあります。これはダイエットも同じことが言えます。

お伝えした内容を次に来られた時に再度していただき、見てみるとお伝えしたことと内容が異なってそれが原因で緊張してしまったりするので、それを修正してまたやっていただくという繰り返しです。

こうやって一緒に痛みの改善をしていくような感覚で進めていきます。

 

最後に

セッションでもすごく感じたことですが、クライアントさんが“理解”することが何よりも大事で、言いっぱなしになっていないか、改めて確認していかないといけないと痛感しました。

「最近はいずるさんに言われていることが実感できてきました。本当に意味でひとつひとつの意味がようやくわかってきました。」

周りを見ればいろんなことを感じてしまうかもしれませんが、こういうトレーニングやセッションに関して言えば他人は一切関係ありません。ダイエットをしても、何をしても進むスピードは個人によって異なり、それがパーソナルの醍醐味だと思います。

それぞれのペースに合わせて進んでいくこと。それが大切で、何よりも1週間前の自分よりも少しでも何かやっていることが変わっている、行動しているのであればそれでOKだと思います。

精神論ではなく、目標に対してただ淡々とやるべきことをしていく。それが大切です。

“わかっている、できている、そして理解している。すべてつもりになっていないか”それを改めて感じ、自分自身に対しても感じることですが、クライアントさんに対しても、“言った、伝えたつもりになっていないか”ということを再確認しながらセッションをしていきしたいと思います。

クライアントさんに現れる結果はすべてそれを指導したトレーナーの責任であり、技量であるということを肝に銘じたいと思います。

では最後に今日のまとめをしていきたいと思います。

  • 変形性膝関節症は、痛みを伴う病気である
  • 膝周りを鍛えれば改善するのではなく、かみ合わせが悪いことが原因で痛みが出るので歪みを直せば痛みは改善する
  • 歩いて痛い場合、痛いような歩き方をしている可能性がある
  • 痛くない歩き方ができれば痛みは出ないこともある
  • ただ鍛えるだけではあまり痛みは改善しない

このような内容でお送りしていきました。

今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

整骨院に通い続けている方が知っておきたい腰痛や股関節の痛みの改善について

高校時代、野球部に所属していた僕は1年生の頃に腰痛に悩まされて、数多くの病院や整骨院に通っていました。片道2時間もかけて大阪の長居なる病院へ通っていたこともありましたが、痛みは一時的に改善されても継続的な改善には至らず、練習をすれば痛みが増してしまうということを繰り返していました。

そんなある日、1件の整骨院に出会いました。そこにいらっしゃる先生はどこに整骨院やマッサージ店に行ってももまれたり、マッサージをされても痛いのを我慢していましたが、すごく優しいタッチで筋肉を緩めてくださり、気持ちいい時間を過ごすことができました。

その結果痛みが改善されました。

そんな素晴らしい整骨院との出会いは野球部時代の僕にとっては大きな存在でした。現在、パーソナルトレーナーとなって、腰痛や痛みで悩まれている方がスタジオへ来られますが、お話を聞いていると整骨院に長く通われていたり、整体に長く通われていたけど痛みが改善できなかったという方もいます。

またジムやストレッチなどの通っても一向に成果が上がらないという方が多くいます。

今日は、腰痛や股関節の痛みなどを抱え続け、治療院などに通っているけどなかなか痛みが改善できない方に向けて書いていきたいと思います。

痛みが改善される参考になればうれしく思います。

こちらの記事も参考にしていただければと思います。

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股関節が痛くなった原因

先日、あるクライアントさんから股関節に痛みがあるのでみてほしいという相談を受けました。この方は、以前から股関節に痛みがあったそうですが、そのときは整骨院などに通っていると痛みが一時的には改善できていたそうです。ただ、何度も痛みが繰り返しているとのことで、スタジオに相談に来られました。

痛む部分は、股関節の前外側周辺で大腿筋膜張筋と言われる太ももの筋肉周辺に痛みが出だしたそうです。ご本人は股関節の痛みとおっしゃっていましたが、大腿筋膜張筋の緊張が強く、筋肉が非常に硬くなっていました。

痛みが出るタイミングとしては、歩いている際に着地をしたタイミングで痛みを感じるそうで、歩き方を見てみると、痛みが出ないように恐る恐る着地をするような形となっており、膝が曲がり、地面をつつくような形で着地をしており、このときの刺激が大腿部周辺の緊張となっているように感じました。

この方の股関節の痛みの原因は大腿部の緊張から起こっているもので、歩き方が原因だと考えました。

 

股関節の痛みへの対応について

この方の場合、大腿筋膜張筋の緊張を緩めることが痛みの改善となりましたが、全身の歪みをあったため身体調整で全身の歪みを改善し、歪みを直していきましたが、筋肉を緩めると痛みが改善しており、安心されていました。

痛みがある場合、よく筋力の問題が指摘されがちですが、この方のような場合筋力が弱いから痛むのではなく、痛むような身体の使い方を続けることで局部に刺激を受け、筋肉が緊張し痛くなってしまいます。

ですので、痛くないような身体の使い方をすることで根本的な痛みの改善をすることができました。

基本的な流れとしては、痛みの原因を探り、会話の中から原因となることを探し、その原因を仮定しその原因に対応する形でセッションを進行させます。多くの場合、身体調整などに移っていきます。そして、全身の筋肉を緩め、自然体に直し根本原因と考えられる姿勢や動作の指導に移っていきます。

痛みによって対応も変わりますが、この方の場合はこのような流れでみていきました。

 

治療院に通ってもなかなか痛みが改善しない理由

高校時代に整骨院で腰痛を改善していただいた経験がありますので、素晴らしい技術をお持ちの柔整師の方もいらっしゃると思いますが、相談に来られる方の多くが一時的には痛みが改善するが良い状態が続かないということを言われます。

このようなことはなぜ起こるのでしょうか?実は、筋肉を緩めたり、電気治療をしているだけでは一時的に痛みの改善はできたとしても、その痛みは時間の経過とともにまた出てきます。

それは根本的な原因の改善ができていないことから起こってしまいます。例えば、この方の場合、お話や実際の動きの中で歩き方が原因で痛みが出ているということがわかりました。

身体調整で全身を緩め、歩き方の改善を行うことで痛みがなくスムーズに歩けることを感じていただきましたが、この際に歩き方の指導をせずに帰っていただくとまた歩き方に問題あるため大腿部は緊張し局部に刺激を受け、時間とともに痛みが出てきます。

この根本的な動作の指導をしない限り痛みの原因は改善できていないため、時間の経過とともに痛みが出てきてしまうということです。ですので、繰り返しどこかへ通っているけど、痛みが改善しないという方はこのような根本的な改善ができていない可能性があります。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。結果的に全身の筋肉を緩め、原因である姿勢や動作の改善を行うことで痛みの改善はできていきます。ただ、10の痛みが1日で0になることはなく、10→9、9→8というように段階を踏むように痛みが改善していきます。

もちろんトレーナーという立場でありますので、痛みがあるからなんでもみれるということでもなく、医者の診断が必要になり、そこで運動などの許可がおりている方に対して対応することができます。

トレーナーとしての立場を守りつつ、自分ができる限りの範囲で痛みで悩んでいる方の対応ができればと思っていますし、今日の内容が痛みで悩み続けている方の役に立てればうれしいと思います。

では、最後に今日のまとめを書いていきたいと思います。

  • 痛みの原因は、クライアントさんから引き出すお話の中にヒントがある
  • 筋肉を緩めただけでは一時的な痛みの改善に留まってしまう
  • 痛みの改善は、根本的な姿勢や動作の改善も必要になる
  • 身体調整で自然体に直し、根本原因である姿勢や動作を改善することで痛みを改善できる
  • 10の痛みが0に激減することは少ないが、10→9、9→8という小さな改善のステップを踏む
  • トレーナーは医者ではないので、治すことはできないが、直すことで痛みを治すという考え方

このような内容でお送りしていきました。痛みについては少し難しい問題ではありますが、痛みのない生活が送れることはどれだけ幸せなことかは、痛みが改善できると感じるものであり、痛みがない生活を送り続けているとそのありがたさも忘れてしまったりわからなかったりします。

1人でも多くの方が痛みのない生活に近づけるようにお役に立てれればと思います。

今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。