痛みについて

股関節の外側の痛みの原因と改善について

ふとした瞬間に股関節の外側に痛みがピキッ!っとはしって、ううう・・・となったことはないでしょうか?

先日、クライアントさんから歩いているときにふと瞬間に痛みが走り、不安になって病院に行って診てもらったけど特に異常が見られず湿布を出されたそうです。

レントゲンを撮っても、MRIを撮っても問題はないのになぜ痛みは出るのでしょうか?

これは股関節だけのことではなく腰や膝など痛みについては同様のことを経験されている方もいるのではないでしょうか?

今日はこの股関節の外側の痛みの原因と改善についてお伝えしていきたいと思います。

こちらの記事も参考にしていただければと思います。

変形性股関節症は必ず手術が必要?症状から見る改善のヒントについて

整骨院に通い続けている方が知っておきたい腰痛や股関節の痛みの改善について

 

股関節の外側が痛む箇所について

今回痛みがあった箇所というのは、この辺りの部分になります。

股関節

痛みは常にあるというよりも、歩いているときに瞬間的に痛みが強く出るときがあるけども、その他のときはあまり痛みを感じないということでした。

ただ、日頃から股関節周辺やお尻周辺はだるさがあり、立っていたり、歩いた後は股関節の外側からお尻にかけて揉んでほぐしたくなるそうです。

 

股関節の周辺にある筋肉について

今回関係する筋肉は、大腿筋膜張筋と言われる筋肉と腸脛靭帯という靭帯です。

■大腿筋膜張筋(だいたいきんまくちょうきん)

大腿筋膜張筋という筋肉は、骨盤を形成する腸骨という骨から腸脛靭帯を介して、スネの骨である脛骨の外側に付着する筋肉です。

大腿筋膜張筋

この画像の赤い部分が大腿筋膜張筋という筋肉の部分で、水色の部分が腸脛靭帯になります。

腸脛靭帯は、水色の部分だけではなく、本来お尻の外側などにもあり、もう少し範囲は広いですが、今回はわかりやすくこのように記しておきます。

大腿筋膜張筋という筋肉を確認するためには、ご自身のへそから真横ぐらいの位置に出っ張ったような骨盤の骨があると思います。

その骨の外側に触れた状態で、股関節を内側に捻ってみてください。そうすると触れているところ辺りがキュッと緊張し、筋肉がわかると思います。

これが大腿筋膜張筋という筋肉です。

 

股間節の外側が痛くなった原因

クライアントさんの話を聞いていると、股関節の外側が痛くなるときというのは、履き慣れた靴やヒールを履いた時に出やすく、新しい履物を履くと痛みが気にならないということでした。

痛みが出だした当初はこのような感覚があり、その後は履物に関係なく痛みが出てくるようになったとのことでした。

話を聞いている段階で何となくイメージができましたが、この方にスタジオで下駄を履いて歩いていただきましたが、痛みなく歩くことができました。

後日、履き慣れたシューズやヒールを持ってきていただくとわかりましたが、すべて右足の裏の外側がすり減っており、中敷きなども変形していました。

これを履くと外側に重心が偏ってしまい、右脚の外側に体重をかけながら歩くような状態になっていました。

歩き方

履物によって痛みが変わるのは、以前から履いているものは中敷きの外側が凹んでおり、そこに足を入れると外側に体重がかかり、大腿筋膜張筋にストレスを加えていたためです。

股関節やお尻にだるさが出ていたのも、この周辺の筋肉が硬くなっており、ストレスを受けていたためだと考えられました。

 

股関節の外側の痛みの改善について

筋肉を緩め全身を整える

股関節の外側などが痛くなる原因が見えてきたので、まずは全身の筋肉を緩め身体を整えていきました。

その中で今回は股関節周辺を緩めるために、鼠径部に手を置き、呼吸をし揺らすことをまず行っていきました。

鼠径部

鼠径部

そこから下肢の連動や股関節の動きを何パターンかを使い、筋肉を緩めていきました。

連動

体重支持ポイントを脳にインプットする

全身を整えた後は、体重支持ポイントを脳にインプットするということを行っていきました。

痛みが出る原因は足の外側に体重がかかってしまうことですので、身体を整える前にはこの情報がインプットされているはずです。

これを実際に指導する際は調整した後ですので、一時的にその情報は消えていますが、時間が経てば再度外側に体重が乗ってきてしまいます。

ですので、フラットな状態で足裏に体重が乗れるようにインプットする必要があります。

今回は、このようなブロックを使ってインプットしていきました。

ブロック

この上に片足を乗せて立ち、骨盤を平行にした状態で、足裏の感覚を掴みやすいように上から10秒程度押していきます。

インプット インプット

そして同じことを逆も行い、歩いていきました。

重心を前に運ぶ

ここまでできると特に何も意識しなくても歩くとフラットに着地することがわかります。

実際クライアントさんは、地面に足がベチャっと付着する感覚がよくわかるとおっしゃっており、痛みもなく歩かれていました。

今回の問題はこのフラットに着地ができず、外側に体重がかかって、大腿筋膜張筋にストレスがかかることで起こっていたため、フラットに着地ができ、スムーズに歩けると痛みは出ずに歩くことができます。

歩き方

最後に歩くイメージをシンプルに重心を前に運ぶだけだと伝え、安心して歩けるようになっていました。

 

忘れてはいけないこと

この方の場合、フラットに着地でき、スムーズに歩けることができれば痛みが出ないと思いますが、忘れてはいけないことは、中敷きを変えることです。

整体や整骨院に通って、そのときに改善してもまた再発するというケースもこの場合と同じことが言えると思います。

根本的に何が問題で痛みが出たのかということを理解しておかなければいけません。

セッション中は痛みが改善するけども、根本原因が座り方なら座り方も指導する必要がありますし、その他の姿勢動作が問題であれば、そこまで指導する必要があります。

どんな素晴らしい技術を持つ方でも、これができていないと痛みが再発する確率は高い。

痛みの改善に必要なことをすべてするということが指導をする上では大切なことだと思います。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。今日は、股関節の外側の痛みについてお伝えしていきましたが、原因と改善についてはこのように考えてセッションを行いました。

やっぱりまだまだ痛いところは弱いから痛むと考える方も多く、セッション中も鍛えないことで少し(?)となる方もいます。

人間はノーマルな状態であれば痛みは出ないはずで、アブノーマルだから痛んでいるとも言えます。

じゃあ、ノーマルな状態に直すために鍛えることでなるなら鍛えるようなトレーニングをします。だけど、鍛えるよりも筋肉を緩めることでノーマルな状態に近づきます。

だとすると、選択肢は筋肉を緩め整えることです。このように考えて痛みを見ていくと、しんどい思いをそこまでしなくても痛みを改善することができると思います。

では最後に今日のまとめをお伝えしていきたいと思います。

  • 股関節の外側の痛みの原因は、大腿筋膜張筋にストレスがかかっていたから
  • ストレスがかかった理由は、中敷きの変形により足の外側に体重がかかっていたから
  • 痛みを改善するためには、筋肉を緩めフラットに着地すること
  • そして中敷きを変えるか、新しい履物を使用する

このような内容でお送りしていきました。

今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

ランニングで膝の痛みが発生する原因と改善について

ねぎを入れる

いよいよ冬本番という感じになってきていますが、先日は神戸マラソンが行われ、ランナーにとってはシーズン到来という感じかもしれませんね。

知り合いに誘われて、今年から走ってみようかな?もしくはマラソンに挑戦してみようかな?と思っている方もいるかもしれません。

そんな初心者ランナーの方が起こしやすいのが、膝の痛みです。

ランニングをするとなぜ膝や足首に痛みが出てしまうのでしょうか?よく言われるのは筋力が弱いからという理由ですが、それだけではなく、多くの場合“痛くなるような走り方”をしているために身体に痛みが出てしまいます。

走り方だけではなくさまざまなことが膝の痛みを発生させる原因であると考えられます。

今日はそんなランニングで発生する膝の痛みについてまとめていきたいと思います。

ランニング関連の記事はこちらの記事も参考にしていただければと思います。

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ランニングで膝の痛みが発生する7つの原因とは?

ランニングをするとなぜ膝の痛みが出てしまうのでしょうか。この原因はさまざまな要因を考えることができますが、トレーナーとしてクライアントを見るとき、痛みが発生するとチェックしていることがあります。

考えられる痛みの原因は7つあり、それらを照らし合わせ痛みの原因を探っていきます。今日はこの7つを軸に膝の痛みの原因と改善を見ていきたいと思います。

この7つというのは、以下の通りです。

  • コンディショニング不足
  • 走り方
  • 道具や用具
  • 身体の歪み
  • 環境
  • アクシデント
  • 体調不良

それでは早速1つ1つを見てきたいと思います。

1、コンディショニング不足である

まず一般的に言われる痛みの原因ですが、筋力が不足していることで身体が痛むと言われていますが、これもランニングで膝を痛めてしまう原因のひとつです。

走っているときは片脚で身体の重みを受け止めるため、その衝撃は体重の4~5倍ほどになると言われています。

非常に大きなストレスが身体にはかかり、片脚でジャンプスクワットをするようなことを何十回、何百回、何千回と繰り返すため、そのストレスに耐えられる筋力がなければランニングによって筋肉を使いすぎれば膝を痛めてしまう可能性があります。

このような場合、ランニングをする以前の問題であり、筋力を強化をすることが必要となります。

こういった筋力など、身体的な問題で膝の痛みが発生する場合、コンディショニングを見直す必要があります。ただ、ここでいうコンディショニングというのは、一般的に言われる “体調” のことだけではなく、以下の図のようなことを指しています。

コンディショニング

本来コンディショニングとは、体調という意味も含めますが、それだけではなくこれら5つの柱のことを指しています。またその中の身体的な部分のことを指しているのが、バイオモーターアビリティというものです。

バイオモーターアビリティ,身体的,コンディショニング

こういった体力要素の問題でランニングをすると膝に痛みが出てしまうことがあります。ただ、一般的に起こるランニングでの膝の痛みは筋力不足が原因ではないケースが多く、次に紹介するケースが痛みの原因として多くみられます。

コンディショニングについては、こちらの記事を参考にしていただければと思います。

[clink url=”http://izuru-style.co.jp/conditioning”]

2、走り方の問題

ランニングで膝の痛みを感じる原因は、主にこの走り方の問題が多いと現場の経験から感じます。太ももの前側にある大腿四頭筋という筋肉は膝のお皿を介し、脛骨というスネの骨に腱が停止しています。

走り方の問題でこの大腿四頭筋が大きなストレスを受け、このストレスに耐えきれなくなると太ももの前に痛みを感じることもありますが、膝周囲に痛みを感じます。

このように大腿四頭筋が過度にストレスを受けると膝に痛みが出る可能性がありますが、これはランニングをするからストレスを受けるということではなく、走り方のまずさが関係しています。

では、どのような走り方をすれば太ももの前側にストレスを受け、膝が痛くなってしまうのでしょうか。

  • つま先で地面を突くように着地する
  • 身体の下ではなく、前で着地する

これらの走り方は両者とも大腿四頭筋に大きなストレスを加える可能性があります。それがこのような着地のイメージです。

着地

このようにつま先から着地する、もしくは身体の前で着地をしてしまうことによって、大腿四頭筋は伸ばされるような刺激を受け、太ももの前側にストレスがかかり、これが続くことによって膝を痛める原因となります。

このように走り方の問題で膝に痛みが出てしまう場合、筋力を鍛えることが必要なのではなく、走り方を変えることで膝へのストレスは軽減され痛みを改善することができます。

走り方のポイント

ここまでランニングをして膝を痛める原因のひとつに走り方が関係するということをお伝えしていきましたが、では具体的にどのような走り方をすれば膝へのストレスを軽減できるのでしょうか。

走り方については短い距離と長い距離では異なりますが、今回の問題はランニングですので長い距離をイメージしてお伝えします。

  • 重心を前に運ぶ
  • 膝を高く上げたり、つま先で地面を押したりしない
  • 腕はリズム取りとして使い、意識的に振ったりしない

このようなシンプルな意識だけを持つことでスムーズな動作ができ、楽に走ることができます。詳細については後程お伝えしていきたいと思います。

3、シューズの問題

神戸女子大学ラクロス部に帯同し、現場で痛みの対応をすることがありますが、膝の痛みだけではなく、足部などの痛みもよく相談されます。この原因にシューズの問題があります。

  • サイズが小さい、または大きすぎる
  • 中敷きの下にスパイクの金具がある
  • シューズが変形している
  • シューズの中に縫い目がある

これらはすべて膝の痛みや足部の痛みにつながる可能性があるシューズの問題です。実際にこれらを改善することや、シューズを変えることで痛みが改善することを経験しました。

シューズの問題も膝の痛みにつながるため、サイズがあっているのかをチェックする必要があります。

ちなみに、歩いたり、走ったりするとき、シューズの中で足は1cmほど前方にずれるため、シューズのサイズを決めるときは、踵をシューズの後方にしっかりと詰め、つま先側に指1本分ぐらいのスペースが空くぐらいのサイズが適切と言われています。

このスペースがないと、足趾が詰まってしまい曲がってしまう、ハンマー足趾と言われる状態になり、これも足部の障害につながる可能性があります。

最近はシューズ販売店でも足のサイズを測ってくれるところが増え、自分に合ったシューズを提案してくれるところもありますので、そういったところを利用すると不適切なサイズのシューズを買わなくて済みます。

シューズの問題もランニングで膝を痛めてしまう原因のひとつになりますので、チェックが必要です。

シューズ

4、身体の歪み

身体の歪みがあればその分だけ局部へのストレスは大きくなります。最近の女性で多くみられる身体の特徴のひとつに内股のように脚を内側に捻じり、左右のつま先が触れ合うような立ち方をしている人を多くみかけます。

ある意味女性らしいというイメージがあるのかもしれませんが、このような脚の捻じれや身体の歪みは痛みへとつながります。

膝の内側の痛みに鵞足炎という症状がありますが、これは半腱様筋、薄筋、縫工筋などの筋肉が停止している鵞足という部分があり、これらの筋肉が過度にストレスを受けることで鵞足という部分に炎症が起こり、それを鵞足炎といいます。

この症状の改善はこちらを参考にしてみてください。

[clink url=”http://izuru-style.co.jp/gasokuen”]

鵞足炎の場合、膝は内側に捻じれてることが多く、この捻じれを改善するために筋肉を緩めることで痛みの程度も変化していきます。

また膝の外側が痛む場合、外側広筋と言われる太ももの外側の筋肉が何らかの原因でストレスを受けると膝の外側が痛みます。この場合、大腿四頭筋の筋バランスを整えることで痛みは改善します。

このように身体の歪みもランニングで発生する膝の痛みにつながる可能性があるので、痛みを感じる以前に身体の歪みはできるだけ自然な状態に直しておくことも痛みの予防となります。

歪み

5、環境の問題

環境というのは、どのような場所でランニングをしたかということです。

  • グランド
  • 砂利道
  • 砂浜
  • 整備されていない河川敷
  • 雨の降った後の土の上
  • アスファルト

さまざまな環境が考えられますが、実際に雨の降った後の河川敷を走った方で、膝を痛めてしまった方がいます。

この方の場合、足場がぬかるんでいたため滑らないように恐る恐る走っており、その走り方が大腿部に大きなストレスとなってしまい、結果的に膝を痛めてしまったということがありました。

このように環境というのも、痛みと関係しておりその環境を把握することで痛みの原因がみつかることがあります。

砂利

6、アクシデント

ランニングで膝を痛める原因にアクシデントがあります。これは不意の事故であったり、突発的に起こってしまった予期せぬことです。公園で走っていた際に子供が飛び出てきてよけようと思って身体を捻った時、着地がまずく膝を痛めてしまったということも起こりえます。

このようなアクシデントも身体の痛める原因のひとつになります。

7、体調不良

体調不良もランニングで膝を痛めるひとつの原因になる可能性がありますが、体調不良でありながら無理をして走っていると普段よりも集中力は低下しています。

このことによってハプニングが起こったり、いつもとは違うフォームで走ることになり、それが原因でランニング時に膝を痛めることが考えられます。

日頃からコンディションを整え、無理をしないこともランニングによって膝を痛めることを未然に防ぐことになります。

 

ランニングをすると膝が痛くなる理由をもっと詳しく知ろう

ランニングをすると膝が痛くなる理由は主に走り方だとお伝えしてきましたが、もう少し詳しく見ていきたいと思います。

つま先で地面を突くような走り方をしている場合、ブレーキをかけるように走ってしまいそのときに大腿四頭筋と言われる太ももの前側の筋肉がストレスを受けます。

そもそも大腿四頭筋はどのようなところにある筋肉なのでしょうか。

■大腿四頭筋について

大腿四頭筋は、4つの筋肉で構成されており、大腿直近、中間広筋、外側広筋、内側広筋で構成されています。

これらの筋肉は下前腸骨棘や寛骨臼の上縁と言われる股関節の少し上側や、大腿骨といわれる太ももの骨の前側から始まり、膝蓋骨と言われる膝のお皿の外・真ん中・内側につき、脛骨粗面と言われるスネの骨の膝に近い部分についています。

こちらが大腿直筋のイメージです。

大腿直筋

こちらが中間広筋・外側広筋・内側広筋のイメージになります。

大腿四頭筋

これらの筋肉は膝のお皿に付着していますが、身体の前に着地するようなブレーキをかけてしまうような走り方をすれば太ももの前側にストレスを受け、筋肉が硬くなります。

筋肉がそのストレスに耐えられなくなり、炎症などが起こるとこの筋肉に痛みが出る場合もありますが、多くの場合膝周辺にある腱の部分に痛みが出てきます。

これはこの痛みが出ている箇所に問題があるのではなく、その上に問題があり、大腿四頭筋を緩めれば痛みは改善されます。

膝の内側や外側など場所に違いが起こるのは、例えば、足の外側から着地をする場合外側広筋に主にストレスがかかり、膝の外側が痛みます。逆に足の内側から着地をする場合、内側広筋にストレスがかかり膝の内側に痛みが出てしまうということになります。

以下に詳しく改善についてまとめていきますが、最後に大腿四頭筋を緩める方法をご紹介していきたいと思います。

 

ランニングで発生する膝の痛みを改善する方法

ここまで膝の痛みの原因を7つ挙げてきましたが、改善に必要なことはこれら原因に対して対応することが改善につながります。

そのため、これをやればすべて改善できるということはなく、それぞれの原因に対してどのように考え改善を図るのかをまとめていきたいと思います。

1、コンディショニング不足は走る以前の問題

筋力が不足しており、それが原因で膝を痛めてしまう場合、これは走る以前の問題であり、まずは筋力を鍛える必要があります。

ランニング時には、体重の4~5倍のストレスが片脚にかかりますので、そのストレスに耐えられる筋力や持久力が必要となります。

では鍛えるとなるとスクワットをすればいいのか?ということになりますが、走る筋力は走ることでつけることができ、自分の筋肉がどこまで刺激に耐えられるのかを知る必要があります。

人間の持つ筋肉は、使わなさすぎると委縮し細くなり、使いすぎても細くなっていきます。適度な刺激が加えられることで適切な反応を引き出すことができ、そこに栄養という問題も絡んできます。適切な刺激を加え、栄養をしっかり摂ることで筋力も向上していきます。

ただ、このように書いていますがランニングで発生する膝の痛みの原因は、多くの場合走り方に問題がありますので、ウエイトトレーニングをして筋肉を鍛えたからといって痛みが改善されるかといえばそうではなく、走り方を変えないと痛みの改善はしないということになります。

2、ランニングフォームを変える

ランニングによって発生する膝の痛みの原因で、最も多いのは“走り方”の問題です。

走るということは、地面を蹴ることでも脚を前に出すことでもなく、重心を運ぶことです。走るときに自分の脚をこう動かそうと意識を向けてしまうと、そこに緊張が生まれスムーズな動作ができず、疲労しやすくもなります。

頭や胸を前に運ぼうとすることで、下半身から意識が外れリラックスすることができます。

膝の痛みが起こる原因は着地位置の問題があります。足部というのは、4つのアーチがあり、この4つのアーチは衝撃を吸収する緩和剤のような働きをしています。

4つのアーチのはこちらです。

  • 内側縦弓
  • 外側縦弓
  • 中足骨弓
  • 横弓

この働きを活用するためには、フラット着地をする必要があり、この位置からずれることで局部にストレスを受けることになります。

マルカルドの体重分布図  

この位置で着地できるようになると衝撃が脚全体に分散され局部へのストレスが減りますし、お尻の付け根で衝撃を吸収するため、ランニングによって起こる膝の痛みは改善されます。

またこのような重心位置で走ることができれば自然とヒップアップもされていきます。

リラックスして走ることで楽になりますし、疲労も少なくなってきます。ランニングによる膝の痛みの改善は走り方を変え、着地位置を変えることで改善するケースは多くあります。

スムーズな動きをするためにおさえておきたいランニングフォームについて

ランニングで膝を痛めてしまう原因は上記でお伝えしてきた通りですが、主に走り方が原因になります。どのような走り方をすれば膝に痛みを抱えず、走ることができるのでしょうか。

  • 重心を前に運ぶ
  • 膝を高く上げたり、つま先で地面を押したりしない
  • 腕はリズム取りとして使い、意識的に振ったりしない

 

シンプルに考えるとこの3つに集約することができると思います。

走っている際は、脚を前に出さなくても重心を前に運べば”勝手に”脚は前に出てきます。意識的に脚を前に出そうとするとそこに緊張がうまれ、スムーズな動作ができなくなります。

重心移動

重心移動

重心移動

このようなイメージで重心を前に運ぶことでスムーズな動きとなります。そうするとつま先などで地面を蹴らなくても勝手に前に進んでいく感覚を得ることができます。

長い距離を走る場合腕はリズムとりの役割となるため、あまりこういう風に動かさないといけない!というよりも楽にスイングできればいいので、過度に意識を向けないようにします。

自分の中で楽にスイングできる位置を探し、そこでスイングしていきます。

走り方についてはこちらの記事も参考にしていただければと思います。

[clink url=”http://izuru-style.co.jp/run-tsumasaki”]

[clink url=”http://izuru-style.co.jp/marathon-time”]

[clink url=”http://izuru-style.co.jp/running-speed”]

3、シューズを変える

シューズをある程度使いこなすと、シューズの裏が擦り減ってしまったり、変形が見られたりします。

この場合、身体の歪みを調整したりしても、シューズの変形があるため履くとまたその変形によって身体が歪みます。こういった場合は、新しいシューズに変えることです。それだけで痛みが改善します。

サイズが適切でない場合も、適切なサイズのシューズに履き替えると問題はなくなります。

適切なシューズのサイズについて

シューズのサイズが不適切だと膝の痛みにつながってしまう可能性がありますが、どのようなサイズが適切と言えるのでしょうか。

まずはこちらの画像をご覧ください。

シューズ

人間は靴を履いて歩いていると、靴の中で足が前に1cm程ずれると言われています。ですので、その分の余白がないとつま先は靴に当たってしまいます。つま先が靴に当たり続けると、ハンマー足趾といって足趾が曲がったような状態になってしまいます。

適切なシューズのサイズというのは、シューズの踵に足の踵をあてがい、そこからつま先に1cmほどの余裕があるサイズが適切なサイズということになります。

シューズが不適切で膝などに痛みがある場合、適切なシューズに変えるだけで痛みは改善されていきます。

[clink url=”http://izuru-style.co.jp/runner-shoes”]

4、身体の歪みを直し、自然体に

身体の歪みは痛みにつながる問題です。膝の痛みだけでなく、腰痛や肩こりにしても、痛む箇所に問題があることは少なく、痛む箇所は影響を受けた部分であることが多くあります。

どういうことかというと、例えば頭を前に突き出すような姿勢をしていると、この頭部の重さを支えるために、首や背中の筋肉は緊張してきます。これが原因で腰痛になって、腰をマッサージしたり温めたりすると一時的には改善がみられます。

ただ、根本の問題は頭部が前に突き出ているこの姿勢であり、この姿勢を直すことが痛み改善につながるということです。

脚の外側に問題がある場合、O脚気味であったり、脚の内側に問題が出る場合、X脚気味というぐらいに身体の歪みを改善することは痛みを改善する上で重要になります。

身体の歪みが原因で痛みが発生する場合、全身の歪みを改善し、その歪んでしまう原因を改善することで痛みも改善されていきます。筋肉を緩め自然な状態に直すと痛みも改善されていきます。

O・X脚で悩まれている方は、こちらの記事も参考にしていただければと思います。

[clink url=”http://izuru-style.co.jp/o-leg”]

[clink url=”http://izuru-style.co.jp/x-leg-run”]

5、環境を変える

アスファルトやコンクリートを走ると身体にかかるストレスも多く、膝の痛みの原因になることがありますが、これは走る環境を変えることで痛みは改善されます。

土の上や専用のランニング場などあれば、衝撃を吸収し、身体にかかるストレスも軽減されるため、膝の痛みは改善されます。

また、雨の日にぬかるんだところを走って膝を痛めてしまうような場合、滑りにくアスファルトの上を走る方がけがをするリスクは少なく、環境も状況に応じて変えることで痛みの改善へとつながります。

最後の2つについても、日頃から体調管理をして、栄養や休養のバランスを考えランニングに取り組んだり、毎日の生活を過ごすことで未然に防ぐことができると思います。

アクシデントも前もっての準備やそういう状況を想定することで、けがの状況も変わってくると思いますので、日頃から気を抜きすぎないようにすることも重要になります。

 

膝の痛みを改善するために大腿四頭筋を緩める

では最後に太ももの筋肉を緩める方法をご紹介していきたいと思います。

  1. 座った状態で片膝を曲げ、片膝を伸ばす
  2. 両手で太ももを軽く持ち上げ、落とすようにして筋肉を揺らす
  3. ボールをバウンドさせるようなイメージで軽くバウンドさせる

バウンド

筋肉はストレッチングやこのように揺らぎを与えることで緩めることができます。筋肉を緩める考え方についてはこちらにまとめていますので、参考にしていただければと思います。

[clink url=”http://izuru-style.co.jp/muscle-loose”]

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。ランニングによって発生する膝の痛みといってもひとつの原因ではなく、さまざま要因があり、膝を痛めることにつながることが多くあります。

現場ではそれらの痛みの原因をみつけ、そこにアプローチすることで状態を改善することができます。

筋力不足なだけではなく、シューズや環境の問題など、そういったことも痛みと関係すると理解することで、原因を探りやすくなり、それらの原因に対してアプローチすることで痛みは改善されていきます。

最後に痛みの改めて痛みの原因になると考えられる7つをまとめていきたいと思います。

  • コンディショニング不足
  • 走り方
  • 道具や用具
  • 身体の歪み
  • 環境
  • アクシデント
  • 体調不良

今日の記事が少しでもランニングで発生した膝の痛みに悩む方のお役にたてるとうれしく思います。

今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

枕が合わない方へ|自分に合った枕の選び方について

いつも使っている枕が自分に合わない。そんな想いを抱いて毎日朝を迎えていないでしょうか?

1日の始まりである朝にそういう想いをしてしまうと、なんとなく1日がしんどい感じもします。自分に合った枕ってそもそもどのようなものなのでしょうか。

枕の素材もストロー、そばから、綿、いろんな種類があり、高反発や低反発。いろいろありすぎてどれがいいのかわからないという方も多いと思います。

今日はそんな方へ、自分に合った枕の選び方や枕が合わないことで起こる身体の不調についてお伝えしていきたいと思います。枕選びのポイントは、枕の高さ、硬さ、マットの硬さです。

以前首こりのところでお伝えしましたが、改めてお伝えしていきたいと思います。

[clink url=”http://izuru-style.co.jp/neckache”]

 

自分に合った枕とは?

僕自身も枕が合わなくて、朝起きると身体がだるかったり、肩や首が緊張してしまっていたり、すっきりしない朝を迎えることが多くありました。

それから枕のことを調べたり、実際にお店に行って聞いてみたり、それを実践してみる中で徐々に状態も良くなっていきましたが、自分に合った枕を選ぶポイントは自分の体型に合わせることです。

身長と体重に比例して頭の大きさが変化するため、それらに合わせて枕の高さなどを設定することが重要になります。

枕に頭を乗せて眠るわけですが、どのような状態になれば身体と枕の関係は良好と言えるのでしょうか?

首の角度は5~15度を維持する

枕と頭がどのような関係になれば、一番楽なのでしょうか?それは、首の角度が5~15度になる角度です。

首の角度

この角度が首周囲の筋肉が一番緩み、楽なポジションになります。この角度を維持できる枕の高さ、硬さ、マットを選択すること枕選びのポイントになります。

身長と枕の高さは比例関係

枕の高さを選択する上で、知っておきたいことは、身長と枕の高さは比例関係にあるということです。身長が大きくなればその分だけ体格も異なりますが、ある研究からはこのようなデータが出ています。

身長と枕の高さ

体重と枕の高さは比例関係

体重も同じで、体重と枕の高さもまた比例関係にあることがわかっているそうです。

体重と枕の高さ

ここまでのことをまとめると、自分に合った枕というのは首の角度が5~15度で維持できる枕を選択し、そのうえで万人に共通する枕があるのではなく、体格に合わせて枕を調整する必要があります。

 

適切な枕の硬さとは?

先日あるクライアントさんが、「朝起きると首が凝ってしまってしんどい」と相談を受けましたが、その原因が枕の硬さが柔らかすぎることが考えられました。

同じような経験をしたことがある方もいると思いますが、適切な枕の硬さとはどのような状態のことを言うのでしょうか。

枕の素材

現在使用されている枕の素材は、以下のようなものなどがあります。

  • ストロー
  • そばがら
  • ビーズ
  • 羽毛
  • ミニボール など

その他にもありますが、このような素材を使い枕は作られています。

今使っている枕を選んだ理由は、多くの場合寝心地が良さそう、触った感覚が良かった、実際に使ってみて気持ちよく感じた、などが多いのかなと思います。

人間が感じる“気持ちいい”という感覚と身体にとって“楽な状態”というのは、若干異なっています。ただ気持ちよさを追究してしまうと、先ほどのクライアントさんのように朝起きたときにだるさが残ってしまうかもしれません。

寝返りを打てること

寝返り

「この枕はふかふかで寝心地は最高です」そう言った営業の仕方などもありますが、身体にとっては「これ、身体に合ってないですよ」と言っていることに近いかもしれません。

というのは、枕や布団を選ぶときに最も大切にしたいことのひとつに寝返りを打てるということがあります。

以前テレビの実験で行われていたそうですが、棺桶の中に人が入れられ、空いているスペースをすべて埋め、動けない状態で人はどれぐらいいられるのかという実験が行われました。

3時間でギブアップだったそうですが、このとき首や肩周りはがちがちに緊張してしまっていたそうです。

人間は寝ているときに寝返りを打ちますが、これは自然に身体の歪みを調整するための行為です。寝返りが阻害されない枕や布団を選択することが身体のだるさや痛みを改善する上でも重要となります。

そして、寝返りが打てるような枕の硬さにすることが必要だということです。

 

マットの素材について

マットの素材

そして、もうひとつ忘れていけないのはマット、敷布団の存在です。

先ほど寝返りの打つ意味をお伝えしましたが、寝返りをするためには枕だけではなくマットも関係し、もし身体が沈み込んでしまうような柔らかさのマットを使っているのであれば、それも寝返りを阻害してしまう可能性があります。

どのようなマットが良いのかと言われると、柔らかすぎず硬すぎないものをお勧めしたいと思いますが、この言葉だけではあまり具体的ではありません。

寝返りを打ちやすいマットにすれば、寝ているときに自然と身体の歪みも調整されるため、寝返りを打ちやすい硬さのマットを選択することです。

主に3ヶ所が沈む

寝ているときと立っているときの背骨の状態は異なりますが、寝ているときには主に、頭、肩、臀部、この3ヶ所がマットに対して負荷となります。

そのため、この3ヶ所が沈み込みすぎると寝返りを打てず、身体が調整できません。

沈み込む位置

逆にこの3ヶ所をがちがちの硬い地面に触れさせてしまっても、腰部に緊張が出てしまい腰痛の原因となる可能性もあります。

マットは、身体が沈み込みすぎず、マットが硬すぎず、寝返りを打てるマットの柔らかさが確保できれば身体にとって適切なものになります。

 

おすすめしたい枕の条件

ここまでのことをまとめて、みなさんにおすすめしたい枕などの条件は3つです。

  • 枕の高さ
  • 枕の硬さ
  • マットの硬さ

これらを調整し、筋肉が緊張しない適切な状態が維持でき、かつ感覚的にも気持ちが良いと思える枕やマットなどがおすすめしたい条件となります。

頭が5~15度で維持でき、寝返りを打てる枕とマットを用意する。これがより睡眠の質を高めてくれたり、身体の緊張を改善できるヒントになると思います。

 

枕が合わないことで起こる症状

もし自分に合わない枕を使用していると、このような症状が起こると言われています。

  • 頭痛
  • 後頭部痛
  • 目の痛み
  • 耳の痛み、しびれ
  • 顎の痛み
  • 首、肩のこり
  • 胸に圧迫感が出る
  • 腕の痛み
  • 指のしびれ

このような症状はすべて枕が原因で起こると言われています。それほど枕は大切であり、健康には欠かせない存在となっています。

ただ気持ちが良いから枕の選択をするのではなく、自分の身体にとって適切な枕を使用することで上記のような症状を予防できたり、改善することができます。

改めて枕という身近な存在を見つめ直すきっかけになればうれしく思います。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。ここまで枕についてお伝えしてきましたが、身体の痛みを改善することや健康を維持する、朝起きたときに気持ちよく目覚めるためには枕を自分の身体に合わせることが重要です。

そのためには、身長や体重と枕の高さが比例することや、寝返りを打つ意味などを理解し、枕やマットをどのようにすれば自分にとって適切なのか、それらを知っていただくことでより身体の状態を良くすることができます。

流行りや高価なものがいいのではなく、上記でお伝えしたようなことが実現できる枕やマットが何よりも必要だということです。

最後に今日のまとめをお伝えしていきたいと思います。

  • 首の角度が5~15度になることで首の筋肉が緩む
  • 枕の高さは、身長と体重に対して比例関係である
  • 人は寝返りを打つことで身体の歪みを調整している
  • 枕やマットは寝返りを打てるようなものを選択する
  • 柔らかすぎる、硬すぎる膜やマットは腰痛や股関節などの原因となる

このような内容でお送りしていきました。

今日の内容が少しでも、参考になればうれしく思います。

今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

ウォーキング時の歩き方を変えることで脚の膨らみは改善する

身体に起こる悩みは何かしら原因があって、その症状が表面化します。

それが例え病気であっても、シルエットとしての身体の悩みであっても、何かしら原因があるはずです。その原因を探り、変えることができれば身体は変わっていくはずです。

太ももの前側の張りを気にしてセッションを受けに来られた方が、歩き方を変えることで太ももの前側の張りが改善し、細くなっていっています。

今日は歩き方を変え、脚が引き締まった方の例をご紹介していきたいと思います。

こちらの記事も参考にしていただければと思います。

[clink url=”http://izuru-style.co.jp/heel-walking”]

 

なぜ歩くことで太ももの前側が張るのか?

脚だけではありませんが、自分の身体を引き締めるためにはどうすればいいのでしょうか?食事を減らせばいいのか、きついトレーニングで自分の身体を追い込まなければいけないのか。

なぜ太ももの前が張ってしまうのでしょうか?

今回お伝えしていくクライアントさんの場合、毎日ウォーキングを合計約1時間半、朝と夕方の2回で行っています。

歩き終わると毎回太ももの前側が張り、歩く時間が長くなると翌日には筋肉痛が出ることもあったそうです。その他に、特にジムに通ってマシンでトレーニングしたり、走ったりということはありませんでした。

以前、太ももの前側がパンパンに張る!日常生活に潜む脚を太くする原因のまとめでもお伝えしていますが、日常的に行う“歩く”という動作であっても、その刺激で十分太ももの前側が張ってきてしまいます。

太ももの前側が張る理由は、太ももの前側が張るように歩いているということです。これを、太ももが張らない歩き方に変えれば引き締まると考え、実践していきました。

 

太ももの前側が張ってしまう歩き方とは?

歩き方で太ももの前側が張るということは、なんとなくイメージできるかもしれませんが、もう少しわかりやすく説明していきたいと思います。

太ももの前側が張る理由

クライアントさんが悩まれていたのは、太ももの前側の少し外側に位置する箇所に張りがあり、この張りを気にされていました。

少し話は外れますが、山を登るときと山を下るとき、どちらが筋肉痛になりやすいかといえば、後者です。なぜこのようなことが起こるのかというと、山を下るときは、斜面を下りるためブレーキをかけながら下ります。

このとき、このブレーキをかけるときに太ももの前側である大腿四頭筋という筋肉がその役割を果たしています。

ブレーキをかけるときに筋肉は収縮しているのではなく、伸ばされながら力を発揮している状態であり、この筋肉の働きをエキセントリック(伸張性筋活動)と言います。

このエキセントリックな刺激が太もものに加わると非常に大きなストレスを受けるため、筋肉はポコッと膨らんだように張ってきてしまいます。

さて、これを日常での歩くという場面に置き換えると、どのような場面でエキセントリックな刺激を受けているのでしょうか?

脚が前にくるとつっかえ棒になる

エキセントリックな刺激を受ける場面と言うのは、この場面です。

歩き方

この瞬間に太ももの前側には大きなストレスがかかり、歩くことで何百、何千回と刺激を受けます。そうなると、太ももの前側が張ってしまうということです。

身体の前側に脚があるとつっかえ棒のようになってしまい、ブレーキがかかり、歩いていてもあまりスムーズさを感じることはできません。

気持ちよく歩く、太ももの前側に刺激を加えないようにするには、身体の真下に脚が来ればつっかえ棒にはならず、より楽に歩くことができますし、太ももの前側は張ってきません。

厳密に言えば、身体の真下ではなく、若干前の位置になりますが、身体の下で着地をするようなイメージを持つことで太ももの前側には刺激が入らず歩くことができます。

身体の真下で着地

歩くだけでもヒップアップする

1週間に1~2回ぐらいトレーニングをし、それが3~4時間だとしても、日常的に何千回も刺激を受け、何十時間も過ごすため、日常動作が身体に及ぼす影響というのは、非常に大きいものです。

そのため、日常動作などを変えることで身体も変わっていき、歩き方を変えることでヒップアップされていきます。

身体の下に脚が来ることで、このような状態になります。

身体の真下で着地

このとき、後方に来ている脚のお尻に刺激を受けます。それを体感するために、先ほどの画像のような状態で後ろ脚を少し上げてみてください。

お尻へ刺激

そうすると、ヒップやハムストリングスに刺激を受けることがわかると思います。このように歩くことでヒップに刺激を受け、結果それだけでもヒップアップされるということです。

 

どうしても脚の力が抜けない

ここまでお伝えした内容を現場でもクライアントさんにお伝えし、実践していただこうとしました。

歩き方については、こちらを参考にしていただければと思います。

[clink url=”http://izuru-style.co.jp/walking”]

脚を前に運ぶのではなく、重心を前に運ぶことで脚は緊張せず、スムーズに動かすことができます。意識を向けてしまうと、その筋肉は緊張しますので重心を運ぼうとすると脚は意識が外れますので、スムーズに動きます。

ただ、クライアントさんの場合どうしてもうまく力を抜くことができず、セッションのときは問題ないのですが、ご自身で歩くとなるとわからなくなってしまうそうです。

そこで今回は以前、個人教授で教わった歩き方の指導について実践してみました。

 

脚を振り子のイメージで使う

クライアントさんは脚を前に出してしまい、着地位置が身体の前にあるため、その刺激を日常で受け続けていました。

この改善に、着地位置をインプットするために、脚を振り子のようなイメージで動かし、着地位置をインプットさせることを行っていきました。

具体的な内容については、現場で実践したものですので、詳細はお伝えできませんが、昔の時計は振り子がついていたと思います。

振り子

こういう振り子は、左右に振れ続けますが、それを人間の脚ではリラックスして前後に軽く振り、脱力すると重力の影響で身体の真下で止まります。

そこでその位置を脳にインプットさせていきますが、このようなことを行うと左右の脚がそれぞれ1本の棒のように感じられ、重心を前に運ぶだけで自然と身体の真下に着地ができ、どこにもひっかかりを感じることなく歩くことができます。

歩き方の改善方法はさまざまありますが、下駄を履いて歩くだけでもフラット着地がしやすくなります。

[clink url=”http://izuru-style.co.jp/walking-geta”]

このように脚を振り子として考え、身体の下で着地ができるようにインプットさせたことで、日頃も脚をリラックスすることができ、太ももの前側の張りが改善されていきました。

 

遠回りせず、直接的に考える

歩き方だけに限ったことではありませんが、歩き方を変えるために○○トレーニングが必要だとか、楽に走るためには体幹トレーニングが必要だといい、メディアで情報が流れています。

すべてを否定するつもりもありませんが、もっと直線的に考えてもいいと思います。

歩き方に問題があるなら、歩き方を変える。階段を上っていて膝が痛くなるなら上り方を変える。

スポーツ選手もそうですよね。バッティングを良くするためにウエイトトレーニングをする。それも必要なことですが、シンプルにバッティング練習をすればうまくなるのではないでしょうか。

こういったことをクライアントさんにもお伝えしていきたいですし、実際このように考え実践することである意味結果もすぐ体感することができます。

みなさんが身体のことで悩んでいる場合、なぜ今そのような状態になってしまったのか、その原因を理解し、方法はたくさんあります。その中でわかりやすいもの、理解しやすいものを選択すればいいと思います。

頭の中をシンプルに、整理することも身体を変えていく上では非常に大切なことだと思います。

 

まとめ

今日は太ももの前側の張りについてお伝えしていきましたが、今回のクライアントさんの場合は歩き方が原因でした。

この歩き方の改善には、振り子のイメージを持ち、身体の真下で着地をすることを脳にインプットすることで、脚が棒のように感じ、スムーズに歩くことができました。

過度に脚に意識を向けてしまうと緊張が生まれ、それが太ももの張りの原因になる可能性があります。

自分の重心を前に運ぶこと。それだけ意識すればより楽に歩け、気持ちよく歩くことができます。

日頃からそのような意識で歩いていただければと思います。

今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

首こりの方必見!筋力不足ではなく枕や寝方が原因になる可能性が高い

最近、夜中や明け方はひんやりすることが多く、少し冷たくなっている布団に半ズボンから出る僕の太ももをつけたときに妙な温度差にすごく癒されています。「あっ、気持ちいい・・・」なんてことを感じているわけですが、最近はとても寝起きがいいです。

20歳前後のときに寝起きが絶不調な時があり、朝起きると頭痛や肩こり、首のこりを感じ気持ちのいい朝を迎えたいと本気で思っていました。今思うと一番つらい時期だったかもしれません。

当時使っていた枕は小さく切ったストロー(?)が入っているような枕を使っていて、たまにそのストローひとかけらを取り出し、指でグニャグニャしながら寝たもんですね。意外に落ち着くんですよね。みなさんも何か経験ありませんか?

やたらとボロボロで少し臭いもあるようなタオルケットが妙に落ち着いたり、お母さんが寝ていた布団はすごく落ち着くとか、何か思い出しませんか?僕はタオルケットが手放せなかって、指をくわえて寝る癖が、多分・・・小学4・5年生ぐらいまでとれなかったと思います。

これは結構やばい感じだと思いますけど、今では立派な大人になりました。と、思い出話は置いといて、みなさんも寝起きに悩まされたことはありませんか?僕の場合、寝起きが改善をした理由は枕の高さを変えたことです。

首のこりで悩んでいる方はもしかすると、枕の高さや寝ているときの姿勢に問題があるかもしれません。今日はそんな首のこりの原因についてまとめていきたいと思います。

 

首のこりで悩まされていませんか?

パソコン作業や事務作業を長時間続けると、肩こりだけではなく首にこりを感じたり、ひどいときには頭痛や吐き気さえも感じることがあります。なぜこのようなことが起こるのでしょうか。

それは、人間の頭部の重さが関係しているからです。人間の頭部はボーリングの球ほどの重さがあるといわれ、体重の約10%にもなるといわれています。僕の場合、約6.5kg。

1ポンドは0.45359237 kgだから・・・ざっくりいうと、14ポンドぐらいかな?ボーリング場で手に取る球を想像していただけるとどれだけの重りが、首の上に乗っかっているのか想像ができると思います。

かなりの重さがかかっているわけですが、そんな重りが前や横にズレた状態で長時間座って何かの作業をしているとします。すると頭部を支え続けている筋肉があって、それらの筋肉はオーバーワークになって硬くなってしまいます。

筋肉が硬くなると血流が悪くなって、頭部への酸素量が低下し、頭痛を感じる原因となります。またこれとは違い、パソコン作業していると食い入るように画面をみつけているため、眼球が疲れてきます。眼球は後頭下筋と言われる後頭部の近辺にある筋肉とつながっているため、眼球が疲れると首のこりとして感じることがあります。

[clink url=”http://izuru-style.co.jp/smart-phone”]

 

首こりの原因

もう少し具体的に発生の原因をみていきたいと思います。頭部のズレや眼球疲労、これらも首こりの原因ですが、新幹線やバス、飛行機での座っているときの姿勢、枕の高さなどが影響し、首のこりを感じることがあります。

なぜこのようなことが起こるのでしょうか?まずこちらをご覧ください。このような姿勢はよく見られるものだと思います。

姿勢

新幹線や飛行機など座席に座って眠りについてしまうとこのように頭が前に落ちてきます。またスマホを触る時間が長い現代人は、このような姿勢になりがちです。

こうなれば首の筋肉は緊張し、これが長時間ともなれば筋肉は硬くなります。これが首こりの原因のひとつです。

また枕の高さが合っていないと首のこりを感じてしまいます。

高すぎる枕

この場合、枕の高さが高すぎるとため寝ていると首の筋肉が引っ張られるような感覚があり、緊張していることを感じます。

このように首のこりは姿勢の問題だけではなく枕の問題などもあり、もし枕が原因であれば適切な角度に変える必要があります。では、どのような角度が適切なのでしょうか。

伸展15度で首が緩む

首周囲の筋肉は、斜め上方15度を見るように頭の位置を伸展位にすることで、前後の筋肉がともに緩んだ状態になります。

首が緩む

この状態を応用すれば、寝るときの枕の角度も筋肉が緩む角度をみつけることができます。まずこちらをご覧ください。

首の角度

先ほどの応用をすると、寝ているとき軽く顎を上げるような形にすることで首の筋肉が緩みます。ただ、自分の頭を調整すると不快感が出やすく緊張もしますので、こんなタオルを用意します。今回はタオルケットを活用します。

枕

このタオルを丸め、この丸めたところを首の下に敷きます。何もない状態で地面に寝ると首に隙間ができますが、これを埋めるような感覚で、このタオルを首の下に敷きます。

枕

だいたい枕の高さはこのぐらいです。

枕の高さ

首の下にタオルを敷くと、首回りが楽になる感覚が出てきますが、もし不快感が出ている方はタオルの高さが高すぎるか、もしくは当てる位置が悪いか、何か原因がありますので、一番は自分が気持ちがいいなと感じるところや高さに調節をします。

これはお金もかかりませんし、非常にリラックスして寝ることができますのでぜひ一度お試しください。

このように寝る際も枕の高さを調整するなど、適切に設定できると寝起きもよく気持ちのいい朝を迎えることができると思います。

 

寝返りから見る枕について

ここまでタオルで作る枕についてお伝えしていきましたが、これでも首の筋肉が緩みますが、人間常に仰向けになっているのではなく、寝ているときは寝返りを打ちます。

少し話が反れてしまいますが、人間はなぜ寝返りをうつのでしょうか。

寝返りをする理由は、身体の歪みを直すために行うそうです。寝ているときに日常生活で歪んだ身体を自分で直すために寝返りをするそうで、もしそれができないのであれば都合が悪くなります。

仰向けのみであれば上記で紹介したタオルでもいいのですが、これをすると横になろうと思うとしづらくなります。ではどうするか。

少し硬めの枕を用意します。もしくは高反発枕と言われる硬めの枕があります。これを枕にして寝てみます。角度は上記のままで大丈夫ですので、一度試していただくと、ふかふかのまくらよりも横に転がりやすく寝返りがしやすくなります。

これまで低反発が良いとされており、僕も低反発のマットや枕を使用していましたが、高反発や硬めの敷布団に変えるとその方が寝起きがすっきりしたり、首の緊張も出づらくなりました。

低反発の布団などは身体がしづ見込んでしまうため、寝返りを打ちづらくなります。そういう意味から布団やまくらを考えると、柔らかいものよりも少し硬めのものを使うとより首が楽になり、寝起きもすっきりしてくると思います。

 

筋力と首こりの関係について

一般的には首のこりや肩こりは、筋力が弱いからなどを言われますが、本当に筋力が弱いから首のこりを感じるのでしょうか。そもそもなぜ首のこりを感じるのでしょうか。

それは上記にも書いた通りですが、やはり姿勢の問題が大きい。

  • 姿勢が崩れる
  • その影響で首や肩の筋肉が緊張する
  • 長時間筋肉が緊張すると筋肉は硬くなる
  • 筋肉が硬くなり動きにくくなり、動かすと痛くなる

一般の方であればこのようなことが考えられますが、筋肉が緊張しているところに鍛えるという筋トレをすると、さらに緊張するという考え方ができます。そうするとさらに動きにくくなる可能性があります。

そうではなく、緊張してるからこそ筋肉を緩め柔らかくする。そして姿勢を直すことで、原因を取り除く。もとはといえば姿勢が崩れたことが大きな原因ですので、これを直せば問題はなくなるのではないでしょうか?

このように考え、現場でも身体調整をし座り方、機内や電車内での姿勢についてアドバイスを送ると改善がみられています。

筋力が弱いからではなく、姿勢や枕の高さ、また寝方に問題がありそれらを改善することで首のこりも改善されるはずです。

[clink url=”http://izuru-style.co.jp/good-posture”]

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。イズログをご覧になっていただいている方は、痛みについての考え方は少しずつ変化してきているのではないでしょうか。

シェイプアップについてもそうですし、健康についてもそうですが、なんでもかんでも鍛えることが必要かといえばそうではありません。なぜたるみがあるのか、なぜ不健康なのか、健康診断の数値が悪いのか、それらを改善するには鍛えることが必要でしょうか?

そうではなく、やはりなぜそのようになってしまったのか、その原因が問題です。もし食べ過ぎてたるみが出ているのであれば食事を改善する必要がありますし、飲みすぎで数値が高くなってしまったのであれば少し量を控える必要があります。

いつもいうことですが、方法論が先行するということは望んだ結果を得るためには、ある意味一か八かです。そうではなく、きちんと原因をみつけ、それに対して方法を選択することで求めている結果も得られやすくなり、結果も変わっていきます。

首こりだからといって鍛えるのではなく、まずは原因を考えてみることが改善するための一歩目だと思います。

では最後に今日のまとめをしていきたいと思います。

  • 首こりの原因は、姿勢や枕、寝方などにある
  • 改善のためには、まず筋肉を緩め、原因に対してアプローチする
  • 首の筋肉は伸展15度の位置で前後が緩む
  • 枕の高さも地面に対して頭の位置が15度になると首の筋肉が緩む
  • そのためには、首の下にタオルを丸めて敷く
  • 首こりは筋力が弱いから起こるのではない

このような内容でお送りしていきました。

今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

自分史上最高のカラダとココロに。
それが、Izuru Style・・・

姿勢を良くするためには“良い姿勢”をインプットすること

骨盤の傾き

姿勢を良くするには、なによりも“良い姿勢”をインプットさせることです。

姿勢が崩れたときに行われることはさまざまですが、姿勢を直すためのアプローチはいろんな方法があります。ですので、その方法論に対してどうとかを語るのは本質的な部分ではないと思います。

最も大事なことは崩れた姿勢を認識し、それを直し、整った良い姿勢をインプットさせること=理解させることが最も重要であり、この流れが姿勢を良くすると現場でも感じています。

今日は姿勢を良くするというテーマでお伝えしていきたいと思います。

 

なぜ姿勢が悪くなってしまうのか?

人間の身体はなぜ姿勢が崩れ、悪くなってしまうのでしょうか?それは、日頃から姿勢を崩し、その情報が脳にインプットされてしまっているからです。

具体的にはどのような場面があるでしょうか。少し見ていきたいと思います。

立ち方について

電車を待っているとき、信号待ちのとき、さまざまな場面で立つという姿勢になりますが、このときに崩れた立ち方がインプットされることで姿勢が悪くなってしまいます。

例えば、このような立ち方。

立ち方

電車の中の場合、身体の一部をどこかにもたれかけるようなイメージで立つことでこのような姿勢になってしまいます。

また主婦の方の場合、台所で作業をしているときにお腹を台に当てながら立っていることがあると思います。

立ち方

このような立ち方を日頃から行うと、この崩れた立ち方がインプットされ、“癖”になってしまいます。

姿勢が悪くなってしまう原因のひとつにこのような立ち方をあげられ、その立ち方を繰り返すことでその情報がインプットされ、全体的な崩れとなってしまいます。

また立ち方は見た目だけではなく、下腹部が出る原因にもなってしまいます。このような方は、腹筋をするのではなく立ち方を改善するとお腹を引き締めることができます。

座り方について

続いては座り方ですが、頭部が前に出てしまっているような姿勢になっている方は、パソコンや事務作業が多く、日頃から頭を前に出すように座っている可能性があります。

パソコン

またスマホを使っているときにもこのような頭が前に落ちてしまいそうな状態になりがちです。

スマホ

こういった姿勢が長時間続くと、お腹は圧迫され、呼吸が小さくなります。呼吸が小さくなるということは取り込める酸素量も低下し、脳への酸素量も低下するため頭痛が起こる可能性があります。

やはり立ち方と同じで、座り方が悪くなり日頃からそのような状態で座り続けることでその姿勢が癖づいてしまいます。

このように、座り方も姿勢が悪くなる原因のひとつとして考えることができます。

カバンなどの持ち方

カバンの持ち方も姿勢を悪くしてしまう原因のひとつになる可能性があります。

こちらをご覧ください。

鞄を持つ

女性はほとんどの方が片側に荷物を持っていると思いますが、片側に荷物を持つとどうしても身体は歪んでしまいます。

ファッションの面から見ると致し方ないところもありますが、こういった荷物の持ち方も姿勢が悪くなる原因のひとつになってしまいます。

理想は両肩に担ぐようなリュックのようなタイプがベストですが、ここは難しいところでもあるなと現場で感じています。

その他の原因について

その他に考えられる姿勢が悪くなってしまう原因は、“良い姿勢”をどのように理解、認識しているのかということです。

よくあるケースは、イズログでも何度かお伝えしていますが、胸を張る、肩甲骨を寄せる、肩を引くなど、このような姿勢が良い姿勢と認識してしまっているケースです。

良い姿勢

一般的には良い姿勢として捉えられることが多く、このような姿勢をすることが勧められたりしています。

ただ、実際にはこのような姿勢は肩周り、背中などの筋肉が緊張し、肩こりの原因になる可能性があります。そもそも良い姿勢とはどういう姿勢を言うのか、この理解を持つこと、または整理をすることが重要です。

何をもって“良い”と判断できるのか、ここは少し難しい話になってしまうので、今回はしませんがこういうことを整理することも大切です。

姿勢が悪くなってしまう原因のひとつに、自分が認識している良い姿勢というものがそもそも姿勢を悪くしてしまっていることがあります。このような場合は、この情報を一度整理するが重要になります。

ざっとあげただけでも姿勢が悪くなってしまう原因はこれらがあり、この原因を理解しておくことは姿勢を良くするため、またどのように身体が歪んでいるのかを認識する上で非常に大切な情報となります。

では、原因を整理できたところで、どうすれば姿勢を良くすることができるのかを考えていきたいと思います。

 

姿勢を良くするために知っておきたいこと

できるだけ現場で行っていること、僕自身が考えていることをお伝えできればと思っています。

そもそもどのように身体が歪んでいるのかを理解する

姿勢を良くしたい、と思われる方への指導時にはまず、ご本人に現状はどのようになっているのかを把握していただくことから始めます。

見た目としてもそうですし、歪みのない状態はこのような位置ですよ、ということを理解していただくために頭などの位置を調整します。

すると、どこか違う方向を向いているような気がしたり、正面を向いていないような気もすると思います。

まずは、行うことはどのように身体が歪んでいるのかを理解していただくことです。チェックポイントはこのようなポイントがあります。          

肩こり

顔だけで見ると、耳の高さや、正面から見た左右の頬の面積、頭部の傾きなどを見ていきますが、これらを左右対称にするだけでも筋肉は緩み、肩こりは肩の位置を修正するだけで改善されていきます。

まずはご自身が現在どのように歪んでいるのかをチェックすることから始めていき、それを認識していただきます。

なぜその歪みができたのか?原因を理解する

チェックが終わると次に行うことは、なぜこの歪みができたのか?ということを考えていきます。

なぜこのようなことが必要かと言うと、整体などで姿勢が良くなったとしても姿勢が悪くなる原因が分からないままだと時間の経過と共に元に戻ってしまいます。

姿勢を良くするためには、この歪みの原因を理解し、姿勢が悪くなるような立ち方、座り方などを変えることで姿勢は一時的ではなく、根本的に改善され良くなっていきます。

そのためいつもお伝えしてしつこいようですが、歪みの原因を理解することが必要だと考えています。

筋肉を緩め自然な状態に直す

姿勢が悪くなる原因が分かれば、まず崩れている筋バランスなどを整え、歪みのない状態に直すために筋肉を緩めていきます。

調整

立ち方・座り方などを知り、理解する

全身が整えば姿勢は良くなります。ただ、問題はこの状態をいかに維持するかです。そのためには、日頃の立ち方・座り方などを正し、実践しつづける必要があります。

下記でもお伝えしていきますが、以前立ち方・座り方についてはお伝えしていますので、こちらを参考にしていただければと思います。

[clink url=”http://izuru-style.co.jp/standing”] 

[clink url=”http://izuru-style.co.jp/sitting-pause”]

立ち方

座り方

姿勢を良くするためには正しい姿勢をインプットする

最後は、これまでの過程で出来上がった姿勢をご自身で理解し、インプットすることです。

肩の高さの左右差、顔の向きなど歪みがあったと思いますが、このまま終わると以前インプットされていた情報が頭の中に入っていますので、また以前のように姿勢が悪くなってしまいがち。

そういう風にならないためには、新しい姿勢の情報をインプットすることが必要です。

左右の肩が同じ高さになるには、日頃からこういう風に意識する。右脚に体重をかけがちだから左右均等に体重がかかるように意識する。

こういったことをひとつひとつ理解していき、それをインプットできれば姿勢は良くなっていきます。ここが最も大事なところだと思います。

ここまでいかがでしたでしょうか?現場でも同じような手順を踏み、クライアントさんによってアドバイスの内容は異なりますが、最終的にはこの新しい情報をインプットするところまで行っていきます。

実際にこのように考え、現場でも実践をしています。僕自身もまだまだ力不足のところは多分にありますが、クライアントさんは姿勢が良くなっている実感があるそうです。

続いては、姿勢改善のために日頃意識したいポイントなどをより詳しく見ていきたいと思います。

 

姿勢を良くするためのポイント

胸を張ったり、肩甲骨を寄せたりはしない

先ほども少しお伝えしていますが、なぜ胸を張らないのか、この辺りを解説していきたいと思います。

そもそも人間の身体はどのような構造をしているのでしょうか?これを知ることでひとつの基準を持つことができます。

少しわかりづらいかもしれませんが、骸骨を寝かせそれを頭上から撮った画像です。

肩が浮いている状態なのがわかると思います。この状態が自然な状態になりますが、もし肩を引くような、胸を張るような姿勢をとると、不自然な状態になることがわかると思います。

肩こり

肩の位置は前方30度の位置にあるとされ、黄色い線は30度の角度がついています。

そのため、腕を頭上に上げるときも、背中側に引いて上げると腕がひっかかってしまいます。

身体の少し前側から腕を上げるとひっかかりがなくスムーズに腕を上げることができます。

肩

この肩の位置を理解するためには、一度肩をすくめ、脱力し肩を落とすように下げます。その位置が肩の自然な位置となります。

肩の位置

肩の位置

肩こりが起こってしまう原因のひとつにこの肩の位置の認識があります。もし日頃から少し胸を張る意識を持っている方は、このような肩の位置に直すと猫背になったという感覚になるかもしれません。

実際はそれでOKですが、次にポイントになるのが、この“感覚”です。次はこれについて触れていきたいと思います。

主観と客観を理解する

このことについては現場でクライアントさんも経験され、「本当にこれでいいの?」とおっしゃることもありますが、以前まで胸を張っていることが“普通”だとすれば、それを自然な位置に直すと違和感が出ます。

違和感が出る=間違っているということではなく、慣れていないというであり、間違いではありません。

逆に違和感がないところ=適切ともならず、姿勢については客観的に見ていく必要があります。もし胸を張るように立っているのであれば、肩の位置を修正し、少し前の位置で保持するようにします。

はじめは違和感を感じると思いますが、次第にそれはなくなっていきます。

感覚だけに頼らず、鏡などを見てご自身の姿勢を常に客観的に確認するようにすればより姿勢を良くすることができますので、この主観と客観ということも知っておいていただければと思います。

座るときは坐骨で座る

座り方を正しましょうと言われても、その基準がないとどう座ればいいのかわからないもの。

座り方のヒントは坐骨を感じることです。坐骨を感じるように座ることで、その上に積み重なる骨は積み木のように重なり合い、頭部や上半身の重みはこの坐骨で受けるようになります。

上の重さを骨で受け止めるということは、筋肉が緊張せずに座ることができます。筋肉が緊張しないということは感覚としても楽に感じることができます。

座り方のイメージとしてはまずこちらをご覧ください。

骨で座る

人体模型を地面に座らせたものですが、何も支えのない状態でもバランスをとれば座ることができます。

このように骨で座るためには、坐骨を感じて座りますが、その坐骨の位置はこちらになります。

坐骨

この坐骨を感じるように座るためには、少し硬めの板などを用意するとわかりやすいと思いますので、このような板を用意します。

まな板

立つ時は骨を感じる

正しい立ち方は、耳、肩、大転子、踝が一直線になるように立つと言われたり、後頭部、背中、お尻、踵が壁につくように立つと言われることもありますが、どちらも緊張位にありますので、楽に立つことはできません。

座り方で坐骨を感じるように座るとお伝えしましたが、骨盤から上はその状態を維持し、下肢については若干膝が曲がり、脛骨の真下で身体を支えるようなイメージで立ちます。

このとき筋肉は緊張させなくても脛骨の真下で体重を支えることができれば、その上に積み木のように骨が並び、骨で立つ感覚を得ることができます。

立ち方

良い姿勢は作るのではなく、自然にできる

良い姿勢は、筋肉を緊張させて作るのではなく、筋肉を緩めると自然に骨で立つような状態となります。

あれこれ意識をしてしまうと筋肉を緩めることはできないですし、無駄な緊張を生み出してしまいます。

良い姿勢は作り出すのではなく、筋肉を緩めることで自然にできるということを理解していただくと、より楽に立つことができると思います。

 

姿勢を良くするためのエクササイズについて

ここまで良い姿勢になるための考え方についてまとめていきましたが、ここからは少し実践的なことをお伝えしていきたいと思います。

ご自身で良い姿勢になるためには、どうすればいいのでしょうか?以下の手順を参考にしていただければと思います。

1、骨盤の動き

まず硬めの板などを引いた椅子に座ります。(坐骨を感じれるようにしておきます。)

座る

2、背中を丸めるように骨盤を後傾させる

後傾

3、へそを突き出すように軽く骨盤を前傾させる

前傾

この3のときに両側のお尻の真下辺りに骨を感じ、それが坐骨になります。坐骨を感じたら再度骨盤を後傾させ、この動作を何度も繰り返します。

10回程できたら坐骨を感じた位置でキープし、次の動きに入っていきます。

4、胸骨を斜め上方向に軽く突き出す

胸骨を突き出す

5、背中を丸めるようなイメージで力を抜く

抜く

6、再度坐骨を感じ、緊張のない楽な位置で保持する

保持

肩を斜め前に方向にすくめ、脱力するように肩を下げると全体が良いポジションに来て、気持ちよく立つことができると思います。

このような手順で良い姿勢をつくり、日頃からこの立ち方をインプットしていきます。

 

姿勢を良くするためにはあまり勧めないこと

ここまで良い姿勢になるためには、どうすればいいのか、考え方や実践方法についてお伝えしていきました。

このような流れでひとつひとつきちんとできれば立ち方も変わり、立つことが非常に楽になっていると思います。

一般的には、姿勢を良くするためには筋トレや壁立ちが勧められますが、これらを行わない理由についてまとめていきたいと思います。

壁立ちについて

先ほども軽く触れていますが、壁立ちを行うことは不自然な状態であり、緊張してしまいますので、現場では行いません。

壁立ちについて少し深堀していきたいと思いますが、そもそも人間はお尻が出ているため、後頭部、お尻、踵が一直線になることが不自然です。

良い姿勢

一番出ているお尻にラインを引くとわかりますが、後頭部や踵はお尻よりも少し前にあるのがわかると思います。

そのためすべてを壁にくっつけるような立ち方をすることが不自然であり、このような壁立ちをすると胸を張ったり、背中を反らせる姿勢となるため緊張してしんどくなります。

僕が壁立ちをしない理由はこのように不自然な立ち方と考えているからです。

筋トレについて

姿勢が悪くなってしまう原因は、姿勢が悪くなるような姿勢をしているためであり、そのインプットされた情報を書き換え、姿勢が良くなるように座ったり、立つことで、良い姿勢になります。

そもそもの原因が、筋力が弱くて姿勢が崩れるのではないので、あえて筋トレをすることはありません。

重要なことは原因ですので、その原因に対して方法を選択しますので、姿勢を良くするために筋トレを行うことはありません。

 

まとめ

姿勢を良くするためには、良い姿勢になるための情報をインプットすること。それがポイントになると思います。

そのためには、クライアントさん自身に現状を把握していただき、そしてどうすれば姿勢が良くなるのか、それを理解していただくことが重要だと感じます。

このように文章で説明をするとなると、その情景などをイメージしやすいようにいろんな角度で見ていきますが、実際に現場で指導するときはできるだけ少ないアドバイスで良い姿勢になるように意識をしています。

情報過多になったり、いろんな意識を持ってしまうとそれらが緊張の原因となり、邪魔になってしまうこともあります。

できるだけシンプルに考え、良い姿勢になるためには、骨で立つことを理解していただけるとより楽に気持ちよく立つことができると思います。

今日の内容が少しでも参考になればうれしく思います。

今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

ベンチプレスで肩を痛めてしまう原因と改善について

先日、ジムでトレーニングをしていると外人さんに話しかけられ「めっちゃいいフォームしているね!日本人はそんな綺麗にスクワットをする人なかなかいないyo!」と声をかけられ、少し話をしていました。

パーソナルトレーナーをしていると言うとベンチプレスで肩を痛めてしまって悩んでいるとのことで、相談を受けました。自分のトレーニングもあるから、やりながら見とくね!と伝えて自分のトレーニングをしながら、休息時間に少しフォームを見ていました。

すると、肘が真横に開くようなフォームをしており20kgのバーを持ってやっても痛いとのことでした。肘の角度やバーのあげ方について少しだけアドバイスすると痛みが出ず、元のフォームに戻すと痛みが出てきて、フォームの問題だということを理解していただきました。

今日はこのベンチプレスと肩の痛みの関係についてお伝えしていきたいと思います。

こちらの記事も参考にしていただければと思います。

[clink url=”http://izuru-style.co.jp/gym”]

[clink url=”http://izuru-style.co.jp/waittraining-point”]

 

ベンチプレスで肩を痛めた内容に入る前におさえておきたいこと

まずベンチプレスをして肩を痛めてしまう原因をお伝えする前に、解剖学的なことをおさえていただくと今日の話が伝わりやすいと思いますので、まずはここから入っていきたいと思います。

今回肩の痛みと関係するのは、上腕二頭筋、いわゆる力こぶの位置にある筋肉です。この筋肉について見ていきたいと思います。

上腕二頭筋について

上腕二頭筋というのは、僕が身体の最も好きな部分のひとつで、力自慢の方はいかに大きな力こぶを出せるのか、そんな力強さを印象付ける身体の部位でもあると思います。

上腕二頭筋

この筋肉は名前の通り、長頭と短頭と言われる2つの筋肉が合わさり上腕二頭筋を作っています。この画像でも少し確認できますが、力こぶの真中に少しくぼみがあり、これが長頭と短頭の境目になります。

起始と停止

上腕二頭筋の起始と停止。筋肉がどこからどこまでついているかということですが、今回の話は長頭が関係するので長頭に限って見ていきますが、長頭の起始は肩甲骨の関節上結節というところについています。

停止は、前腕部の橈骨粗面と言われる部分につきます。言葉では難しいですが、ここからここまでついているということです。

上腕二頭筋

これを踏まえた上で今日の本題に移っていきたいと思います。

 

ベンチプレスで肩を痛めてしまう原因

結論から言えば、肩を痛めるようなフォームをしているから肩が痛くなるということです。

これはどういうことかというと、ベンチプレスをしているときの上腕の角度が問題になります。その場でも確認できるので、試していただきたいのですが、両肘を真横に広げ肘を90度ぐらいに曲げます。

ベンチプレス

(すみません、目がぶっ飛んでます。。。)

この肘を背中側に引けるだけ引いていただくとわかると思いますが、肩の前側が突っ張ったり、張っているのがわかりますか?もしこの状態で30kgや40kg、もしくはそれ以上の負荷を持っていると肩には相当なストレスがかかります。

この引っ張られている部位が上腕二頭筋の長頭になり、このようなフォームでベンチプレスを行うと上腕二頭筋の長頭腱を痛めてしまうことになります。

次は、腕を体側に沿わせるような状態で肘を引いていただくと肩の突っ張り感は感じないと思います。

ベンチプレス

このような身体の使い方の違いがベンチプレスによって肩を痛めてしまう原因となります。ベンチプレスをすると肩が痛くなるのではなくこのフォームが問題でを、上腕の角度を変えることで痛みを改善することができます。

では、どのようなフォームをすればいいのでしょうか。

 

ベンチプレスで肩を痛めないフォームについて

ベンチプレスのフォームについては部分別に分けてお伝えしていきたいと思います。

開始前の姿勢

まず、バーを持つ前の位置ですが、目線の真上にバーがくるようにベンチ台に仰向けになります。

ベンチプレス

おでこや頭の位置にバーを設定してしまうと力が入りづらくバーを持ち上げにくくなります。逆に顎や鎖骨に設定してしまうとラックが邪魔になりベンチプレスをしているときに軌道がうまく確保できません。

まず、目線の真上にバーを設定します。

バーの上げ下げについて

実際にバーを持ち上げ、腕が地面と垂直になるように肩の真上でバーを構え、そこから胸骨に当てるようにバーを下げていきます。このとき肘は体側に沿うような動きとなります。 ベンチプレス

肘の角度は脇をグッと締めるようにするのではなく、軽く体側に沿うようなイメージで行います。

軌道のイメージはこのように興を孤を描くようにバーを下げてきます。

ベンチプレス

そして上げるときにはこの軌道を通りながら肩の真上の位置に戻していきます。

この上げ下げのときに肘が真横に開くと肘を痛めてしまうので、このフォームの改善を行っていきます。

肘が真横に開くと痛める。これはNG例です。

ベンチプレス

この位置に肘を持っていくようなイメージで行います。

ベンチプレス

このように身体を使い方を変えることができれば肩を痛めることなく、ベンチプレスをしていただくことができると思います。

 

さらに追加で部分別に見るベンチプレスについて

では、続いてはもう少し細かいところまでベンチプレスについて見ていきたいと思います。

バーを持つ手について

まずバーの持ち方についてですが、何気なく持つ方もいるかもしれませんが、よくジムでみかけるのは手首が曲がっている状態です。

ベンチプレス

手首

このような手首の状態でバーを持ってしまうとこの負荷は手首にかかってしまい手首を痛める可能性があります。

手首が立てるようにこのようなポジションでバーを持ちます。

ベンチプレス

ベンチプレス

このような位置でバーを持つことで骨の配列が一直線となり、負荷も肩にかかり肩周辺の筋肉で支えるため手首だけで支えるよりも安定してきます。

手の幅

バーを持つ手の幅については持ちやすい手幅でいいと思いますが、目的によって手幅を変えていきます。

例えば、このように広げて持つ場合、主に大胸筋の外側部に刺激を受けやすいと言われています。

手の幅

逆に手幅を狭めると大胸筋の内側部や上腕三頭筋に刺激を受けやすくなります。

ナロウベンチプレス

一般的にはその中間位で行われることが多く、イメージとしては肩幅ぐらいの手幅でベンチプレスを行っていきます。

ベンチプレス

軌道について

軌道について落とした部分から垂直に上げるという方もいるかもしれませんが、下ろした部分から真上にあげると胸にききづらく大胸筋の上部にはあまり刺激をうけません。

 ベンチプレス

先ほどもお伝えしましたが、軌道は孤を描くように上げ下げをします。ベンチプレスのラックの作りはこの軌道を元にしてつくられています。孤を描くように上げきりバランスを崩してしまってもバーを置く部分に引っかかるような作りになっています。

ベンチプレス

これが下した部分対してまっすぐあげ、バランスを崩してお腹の方へバーが落ちてしまってもどうすることもできません。こういった意味合いも含めて孤を描くような軌道になります。

 

その他の種目でも同じことが言える

ここまでベンチプレスをして肩を痛めた原因とその改善についてお伝えしていきましたが、他の種目についても同じような考え方をすることができます。種目別にお伝えしていきたいと思います。

チェストプレス

チェストプレスというのは、椅子に座った状態でバーを前方に押し返すトレーニングですが、ジムではマシンがあると思います。

チェストプレス

チェストプレスはシンプルにベンチプレスを座って行っているという状態ですが、肩の痛みもベンチプレスのときと同じです。

肘を真横に開くようにバーを下していくと上腕二頭筋の長頭の腱が引き伸ばされてしまい、大きなストレスがかかると痛めてしまいます。

肘を体側に沿わせるようにバーを下ろし、押し返します。この押し返した時に腕が地面と平行になるように椅子の高さを調整しておきます。最近のチェストプレスのマシンは、孤を描くように動きますので、ベンチプレスと同じようなイメージで行います。

ダンベルベンチプレス

ベンチプレスをダンベルに持ち替えてする場合も同じですが、ダンベルの場合はそれぞれ左右にダンベルが独立していますので、コントロールが難しくなります。

ダンベルプレス

重めの負荷を扱って行っている際に、コントロールできずに肘が真横に広がるようにダンベルを落としてしまうと肩を痛める可能性もあります。

軌道としては、ベンチプレスと同じですが、少し軽めから入り軌道がとれるようにフォームが定まってきてから重量を上げていくようにするとアクシデントなどで痛めてしまうも少なります。

このように種目が変わっても肩を痛めてしまう原因は上腕の角度が問題であり、種目云々ではなく身体をどのように使うのかによって痛みを改善することができますし、痛みが出てしまう可能性もあります。

 

まとめ

ベンチプレスをしているときに肩を痛める理由のひとつは、上腕のポジションによって上腕二頭筋の長頭の腱がストレスを受け、そのストレスに耐えられないタイミングで痛みが出てしまいます。

この痛みを改善するためにはマッサージをしても、ストレッチなどをしてもあまり効果的ではありません。身体の使い方が問題で痛みが出ていますので、そこを変えることが改善策となります。

ベンチプレスをして肩を痛めてしまった方は、この上腕の角度を変え、バーの軌道を変えてみてはいかがでしょうか。

今日の内容が少しでも参考になればうれしく思います。

今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

足首が硬いと思っている方必見!足首が硬いと感じてしまう本当の理由について

「自分は足首硬いな~」と思う方はどれぐらいいるでしょうか?また、足首が硬いと思ってしまうきっかけはどんなときでしたか?

ジムに行ってトレーニングしていると、スタッフさんが会員さんに指導されていますが、そんなときによく聞く声として・・・

  • 今日は良い天気ですね~
  • いい感じにできていますよ~
  • 足首硬いですね~

というこの3つが多く感じます。上記の2つは鉄板という感じですが、3つ目の足首が硬いという言葉も意外と鉄板に近いぐらい指導者側が使ってしまっている言葉です。

スクワットをしてしゃがみ込みができなければ足首が硬いということが言われますが、実際に本当に硬いのでしょうか?硬いだけではなく、実際はしゃがめないような動作をしていることでしゃがめなくなっている可能性があります。今日はこの足首の硬さについて書いていきたいと思います。

こちらの記事も参考にしていただければと思います。

[clink url=”http://izuru-style.co.jp/gym”]

 

そもそも足首が硬いということはどういうことか?

身体が硬いという表現をよく使いますが、これはどのような状態をいうのでしょうか?例えば、長座体前屈という座った状態で両脚を前に伸ばし、つま先をタッチするように前屈をしていくようなストレッチングがありますが、手が足趾につかないと「硬い」ということを言われると思います。

身体が硬い

筋肉は本来弾力を持ち、スーパーの鶏肉などからもわかりますが、柔らかさが保たれています。関節の可動域、動かせる範囲は決まっていますが、動かしやすさ、可動範囲が狭くなればなるほど身体が硬いという表現になっていきます。

筋肉は使いすぎや使わなさすぎによって弾力性を失い、硬くなっていき柔軟性が低下していきますが、日頃から身体を動かしていない方や、何らかで足首周囲の筋肉を使いすぎている方は、足首が硬くなっていきます。

筋肉が硬いのであれば緩めればいいということになりますが、筋肉を緩めるためには、さまざまな方法があります。 

[clink url=”http://izuru-style.co.jp/muscle-loose”]

 

現場で感じる足首が硬いという一言の意味

ここからは本日の本題です。足首の硬さを感じるときといえば、しゃがみ込みなどをするスクワットをしているときに感じるかもしれませんが、実際にパーソナルトレーニングのセッション中に、ディープスクワットのようにしゃがみ込めないという方はほとんどいません。

セッションを受けに来られて、初回のときにスクワットをしていただく機会があるときは、何も言わずにスクワットをしていただくこともありますが、このときは多くの方がしゃがみ込めなかったりします。

何が言いたいかというと、実際に足首が硬い方もいると思いますが、多くの場合、足首の硬さが原因でしゃがみ込めないというよりもしゃがみ方の問題でしゃがみ込めないということがあります。スクワットをするにしても、目的に応じて方法は変わりますが、手順があります。

どこから動き出し、どのようにしゃがむのか。人間の身体は足関節から緩めることができれば、その上にある膝関節、股関節は緩みやすくなります。逆に足関節が緊張していればうまくしゃがみ込みができません。

また足幅が狭いとしゃがみにくく、広いとしゃがみやすい。しゃがみ方の問題なのか、それとも筋肉などの問題なのか、現場で見極めることが必要ですが、自分が指導して思うのは多くの場合、動作の問題が多いように思います。

 

足首が硬いと感じたときの対応策

実際に自分の足首が硬い、スクワットのときうまくしゃがみ込みができないという方はどのように改善すればいいのでしょうか?そもそもの問題ですが、足首が柔らかくなるとしゃがみ込みはうまくできるのでしょうか?

しゃがみ込みがうまくできないから他の方法を選択するのではなく、しゃがみ込みをすれば改善できます。大切なことは、スクワットがうまくできない原因は他にあるのではなく、スクワット動作に問題があるため、スクワットをすることが問題解決のために最適なエクササイズとなります。

文面で伝えるのは非常に難しいですが、スクワットはこのように行うこともひとつです。

  • 足を肩幅よりも広めにし、つま先も違和感のないぐらいにある程度開きます。
  • 足幅が狭くなるとしゃがみにくくなりますので、ある程度広さをとり、重心を踵に置きます。
  • 次は、ヒザカックンされ真下にへしゃげるように足首の力を抜き、浅くしゃがみます。
  • そこから自分の身体が地面に吸い込まれるようにしゃがみ込みます。
  • 足幅が狭すぎるとしゃがみにくいですので、そこにも注意してみてください。

体重支持ポイント

踵の位置

足首を緩める

しゃがみ込み

しゃがみ込み

あくまでも方法論ですが、重要なことは足首から緩むという感覚を得ること。そして、スムーズにしゃがめるということを体感できれば足首が硬いからしゃがめないのか、しゃがみ方に問題があるのかということを理解していただけると思います。

 

足首が硬い方におすすめする改善方法

ここまでは動きが硬いためにしゃがみ込みがうまくできない、そんな方にエクササイズをご紹介していきました。動きの硬さが問題でしゃがみ込みができないということもありますが、実際に足首回しの筋肉が硬いがためにしゃがみ込めない、また足首が硬くて悩んでいる方もいると思います。

こういう場合、どうすればいいのか。

足首周りの筋肉を緩めるためには、動かして緩めるか、ストレッチングで緩めるか、方法はいくつもあります。その中でも今日は2つご紹介していきます。

足首回し

まず足首が硬い方におすすめなのが、足首回しです。手順は以下になります。

  1. 椅子に座り、脚を組むように片脚を逆の膝の上に置く
  2. 乗せている脚の踝を手で押さえ、もう一方の手で足首を回す
  3. ゴリゴリ音がならない、スムーズに動く範囲で足首回しを行う

足首

ここではカメラを自撮りのため片手は踝から離れていますが、足首回しをする方は踝の少し上ぐらいを押さえておいてください。

30秒前後できれば、逆回しも行います。これができると足首の動きが変わっていたり、ふくらはぎ周辺の筋肉が緩んでいることが実感できると思います。

足首周辺のストレッチング

続いてご紹介するのは、腓腹筋、ヒラメ筋のストレッチングです。

  1. 片脚を前に出し、後ろ足の踵が浮かないように地面につけておく
  2. そこから体重を前にかけるように後ろ足の腓腹筋をストレッチングしていく
  3. 30秒すれば逆脚を行う (または2~3分行う)

ヒラメ筋

ストレッチング

足首のストレッチング2

上記のようにアキレス腱をストレッチングするような方法はよく見られますが、他の方法では、しゃがみ込みをしてしまうことで足首周りをストレッチングします。

  • 足を肩幅よりも少し広めに立つ
  • 踵を視点にしゃがみ込み、前に置いてあるダンベルを持つ
  • 踵が浮かないように2~3分キープする

ストレッチング

足首が硬い方の場合、もしダンベルなどの重りがなければ後ろにひっくり返ってしまうと思いますので、このように支えを用意しておきます。

もしこのような重りがない場合、壁に持たれてしまっても大丈夫です。ポージングは同じになりますので、問題ありません。

足首のストレッチング3

これは現場でも行うことがありますが、伸脚です。しゃがみ込みと同じで、片脚を横に伸ばした状態でしゃがみ込みます。

  • 脚を肩幅よりも大きめに広げる
  • 片側の脚に体重をかけるようにしゃがみ込んでいく
  • その状態で2~3分保持する

伸脚

伸脚も足首が硬い方の場合、このようにしゃがみこもうとすると後ろに転んでしまいそうになるので、壁などに持たれながら行っていただくと、うまくできると思います。

[clink url=”http://izuru-style.co.jp/stretch-gyakukouka”]

 

ランニングやマラソンをする方は足首が硬い方が有利?!

ランニングやマラソンをしている方で足首が硬くて悩んでいる方もいると思いますが、足首の硬さと走るパフォーマンスの関係についてお伝えしていきたいと思いますが、足首や全身の柔軟性が高い方ほど、タイムが落ちる可能性があります。

この根拠は、研究で行われた柔軟性と消費エネルギーの関係から見ることができます。

近年行われた研究データで、柔軟性が高い人ほど消費エネルギーが高くなるということがわかったそうです。身体が柔らかい人ほどエネルギーを多く消費するため、それだけ疲れやすくなってしまう、もしくは無駄にエネルギーを消費してしまう可能性があるため、長距離を走る方にとってはマイナスになる可能性があります。

このデータをもとに考えると、足首を柔らかくする方がいいのか、硬いままでいいのか考える余地が出てきそうです。

走り方の観点からみると、海外のトップ選手は走っているときの足首の使い方は、固定させるように使っている選手が多く、日本人はこれまでの教育上、つま先で地面を蹴る、押すような意識が強く、ふくらはぎも大きく肥大している方が多くいます。

ただ足首が硬いから走る上ではマイナスになるという考え方ではなく、もう少し走ることについての理解が必要になりそうです。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。今日のテーマは足首の硬さということでしたが、足首が硬いと思ってしまう本当の理由については、そのように評価をされてしまったがために硬いと思い込んでしまうこともあります。

しゃがみ方に問題があり、足首が硬く感じることもあります。現状は何が原因でそのようなことになっているのかを明確にすると問題の解決策は浮かんでくると思います。

もしかするとみなさんが思っている足首の硬さはしゃがみ方の問題が関係している可能性もあります。

では、最後に今日のまとめを書いていきたいと思います。

  • 足首が硬いと感じるのは、筋肉などの問題と動きに問題がある
  • スクワットでうまくしゃがみ込めないのは、多くの場合しゃがみ方に問題がある
  • この改善にはしゃがみ方の手順を理解する必要がある

このような内容でお送りしていきました。直接体感をしないと何か腑に落ちない部分もあると思いますが、実際にセッションを受けていただいている方は、ディープスクワットのようなしゃがみ込み動作で引っかかりを感じている方はいますが、全くしゃがめないという方はほとんどいません。

スクワットにせよ、デッドリフトにせよ、全て手順があり、その動作の手順を理解することが重要になると思います。

今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

鵞足炎の原因とあまり知られていない改善方法とは?

脚を前に出す

運動やスポーツをしていると、膝のお皿の内側が痛むということがよく起こります。お皿の近くではあるけど、少し下あたりが痛むかも・・・と思っている方はおそらく鵞足炎の疑いがあるかもしれません。

鵞足炎とは、後述しますが半腱様筋、縫工筋、薄筋などが付着する鵞足という部分で炎症が起こる障害です。この障害になる原因は、この3つの筋群が過度にストレスを受け、筋肉が硬くなり、そのストレスに耐えられなくなると痛みが出てきます。

この3つの筋群を過度に使うような身体の使い方や動作をしている結果、鵞足炎になりますが、これは安静にしても一時的に痛みはひきますが、また運動すれば痛みが出てきます。

痛みの改善のためには、まず3つの筋群を緩めること。そして、これらにストレスをかける身体の使い方、動作を改善しなければ、これらが根本原因となっているため痛みの解決とはならなりません。

今日はこの鵞足炎についてお伝えしていきたいと思います。

こちらの記事も参考にしていただければと思います。

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鵞足炎とは?

先ほども簡単に説明しましたが、鵞足炎について詳しく解説していきたいと思います。

まず、鵞足というのは、脛骨と言われるすねの骨の内側上部(膝に近い位置)にある部分のことであり、鵞鳥の足に似ていることからこのような名前がついたといわれています。

鵞足

この鵞足には、半腱様筋、薄筋、縫工筋といわれる3つの筋肉が付着しており、それぞれ骨盤を形成している腸骨や坐骨などとつながっています。

鵞足炎とは、言葉通りでこの鵞足で炎症が起きることを言いますが、上記の3つの筋肉が過度にストレスを受けることで炎症が起こります。なぜこの筋群は過度なストレスを受けてしまうのでしょうか?

 

鵞足炎の原因は身体の使い方にある

ランニングをよくする方だと身に覚えがあるかもしれませんが、ランニングをした後に膝の内側、この鵞足が痛んでしまうことがあります。これは走り方に問題がありますが、一般的には、走り方のイメージとしてこのように思われていることが多くあります。

  • 地面を蹴る
  • 母趾球で地面を押す

このような走り方が鵞足炎と関係が深く、母趾球で地面を蹴るような意識であったり、地面をキックして外側に足が流れるランナーは鵞足炎になりやすい傾向があります。これは、3つの筋群が過度にストレスを受け、鵞足の付着部が過度に引っ張られることで炎症が起こります。

また地面を拇趾球周辺で地面をつつくように着地をしてしまうことも、鵞足炎になってしまう原因のひとつとなります。

鵞足炎

鵞足炎の改善のためには、この痛くなった場所をどうこうしてもあまり改善が見られません。痛みが出ている場所は腱であり、この場所は痛みの原因がある場所ではなく、改善のためには先ほどあげた3つの筋肉の緊張をとることで改善がみられるようになります。 要はこの3つの筋群の使いすぎということです。

 

鵞足炎の改善には縫工筋、半腱様筋、薄筋を緩める

では、ここからは具体的な方法に移っていきたいと思います。ハムストリングスを緩める方法は数多くありますので、参考としてご覧になっていただければと思います。

半腱様筋や薄筋のストレッチング

  1. 長座になり、軽く膝を曲げておく
  2. 前屈をし、気持ちがいいところでキープする
  3. 深呼吸をしながら2~3分伸ばし続ける

身体が硬い

これで半腱様筋や薄筋は緩んでくれます。前回話をしたストレッチングのところと伸ばす時間が異なっていると思います。これは筋膜を対象としたとき、時間が長くなるため2~3分と表記しています。ここではこのくらいの時間を気持ちよく筋肉を伸ばしてください。

鵞足炎を改善:揺らぎを与えて筋肉を緩める(3つの筋群)

  1. 長座になり、楽な状態で両脚を前に投げ出す(仰向けになってもOK)
  2. 深呼吸を3回ほどする
  3. 両脚をぶらんぶらんと転がすように揺らぎを与える

呼吸

脚の動き

これでもハムストリングスは緩みます。ここで重要なことは、揺らぎを与えるとき太ももの筋肉が緊張していないかどうかです。リラックスをし、緊張のない状態ですることで緩みますが、緊張するように揺らぎを与えてしまうと筋肉は逆に緊張してしまうので注意してください。

鵞足炎を改善:下肢の連動を使って筋バランスを整える

鵞足炎などの下肢の痛みの場合、筋バランスが崩れていることが多く、この筋バランスを整えることが重要になります。そのために、下肢の連動を活用してバランスを整えていきます。

  1. 長座になり、片脚を伸ばします。
  2. 脚をリラックスさせ、息を吐きながら踝の外側を地面に擦るように膝を身体に引きつけていきます。
  3. 膝が伸びきらないように、踝の外側を擦るように脚を伸ばします。これを1分程度繰り返します。
  4. 次に、脚を曲げたあと膝を伸ばし切りながら内側に転がすように脚を内旋(内側に捻じる)させます。
  5. また踝の外側を地面に擦るように膝を曲げ、伸ばしての繰り返しを行います。

連動

この状態は膝が伸びきっているので、この手前ぐらいまでで再度膝を引きつけるようにします。

連動

連動

これはきちんとできれば立ったときに下記でお伝えしている踵で立つ感覚が出てきて、フラット着地、体重支持ポイントが理解できると思います。この体重支持ポイントを理解することが重要で、このポイントで着地することができれば着地の際の衝撃も分散され、局部へのストレスが緩和されます。

いかがでしょうか。このほかに方法は多数ありますので、もしこれ以外に知りたいという方は、お気軽に問い合わせていただければと思います。

これで鵞足の痛みは軽減できると思いますので、これでもう大丈夫です・・・とはなりません。一般的には、鵞足炎が出たときは、安静にしましょう、痛みが出たらそれはやってはいけないサインなどといわれますが、もっと本質を見ていきましょう。

ここまできちんと筋肉を緩め、筋バランスを整えることができればと痛みの程度は変化していきますが、これだけでは再発してしまいます。なぜなら根本的には走り方などに問題があるため、これらを改善しない限り改善とはなりません。

ここからが本当の意味での改善を目指すところになります。

 

重心の位置を変え、着地位置を変える

鵞足炎の原因を思い出していただきたいと思います。それは、地面を蹴るような走り方をしていることであるとお伝えしましたが、母趾球辺りで着地をしてしまったり、母趾球で地面を蹴ってしまうと3つの筋群に大きなストレスがかかります。

これによって3つの筋群の腱に炎症が起き、鵞足炎となってしまいます。部分的な筋肉に過度にストレスをかけないようにするためにはどうすればいいのでしょうか?このときに活用できるのが、マルカルドの体重分布図というものです。これを見ながら重心について考えていきたいと思います。

マルカルドの体重分布図

人間の身体はどのように足の裏で支えているのかというものを表した図になりますが、下の図のように表されています。

これは、3点支持、ベタ足などと表現していますが、人間は本来この3点、そしてこの割合で体重を支えているというものです。

この体重分布により、脚を筒のように考えることができます。どういうことかというと、ジュースの缶をイメージしてみてください。この缶をまっすぐ地面に落とすと凹みが出ず、もしかすると地面にパッっと立つかもしれません。

ですが、少し角を当てるように落とすと凹んだり、空き缶だとへしゃげて折れ曲がってしまうかもしれません。

人間の身体も似ているように、この3点がきちんととれていれば脚を筒として使うことができ、脚の筋肉全体で衝撃を受けることができるので、部分的に大きなストレスを受けることはありません。

ただ、母趾球で地面を蹴ったり、着地をしていたりすると、この割合が崩れ、部分的にストレスを受けてしまいます。そのストレスを受ける点というのが先ほど挙げた3つの筋群ということになります。

鵞足炎の原因がわかり、ハムストリングスを緩めた。そして次は走り方であったり、この重心の位置を変えることで根本的な改善となります。鵞足炎はここまで改善しないと再発してしまう可能性が高くなります。

 

鵞足炎の改善には脛骨の真下を理解する

では、実際にこの3点支持を理解していただきたいと思いますが、人間は1つのことしか意識できないため、3点のどこかに意識を向けるのはNG。この3点支持を実現するために、“脛骨の真下”に重心を置くとこの3点支持が実現できます。

マルカルドの体重分布図

もっとわかりやすく言うと、踵と土踏まずの間という表現が一番適しているように思います。要は、踵ではなく、少し土踏まずの方だということです。(以後はこの脛骨の真下の位置を“踵”と呼びます。)

足裏全体が地面に付着し、つま先も踵も浮くことのないベタっと地面に足がついた状態。これが3点支持、ベタ足という状態です。

この重心位置を理解し、実際に走ることでその衝撃は脚全体に吸収され、また足部のアーチのおかげで衝撃を緩和してくれるため、部分にかかる負担というのは軽減できるというわけです。

これで鵞足炎については、ご理解いただけたでしょうか。まとめて言えば、筋肉の緊張をとり、筋バランスを整え、そして筋肉が緊張してしまう原因を解消するということが必要になります。

 

一般的に言われている鵞足炎の改善の方法は本当に改善できるのか?

ネットで鵞足炎と検索すれば改善の方法などが多数載っていますが、これらは本当に鵞足炎の改善になるのでしょうか?頭の中をクリアにしてこれらについて考えていきたいと思います。

鵞足炎の改善方法 ①安静にする

一般的な痛みへの対応として、安静にするといわれることがありますが、鵞足炎の場合、安静にすると痛みは一時的に改善されます。

身体の使い方に問題があり、局部にストレスを受けていたことで痛みが発生しているわけですから、身体を動かさなければ筋肉がストレスを受けることがないので、筋肉が緩み痛みも軽減されます。

ただ、これは根本的な改善にはなっていません。問題は身体の使い方を変えないと同じ場所にストレスを受けてしまうため、身体を動かすと痛みが再発する可能性があります。

安静にすることも必要な時がありますが、これが鵞足炎の改善になるのかと言われれば一時的、もしくは身体を動かさなくなるのであれば改善になると思います。ですが、根本の改善は他の場所にあるということがわかると思います。

鵞足炎の改善方法 ②アイシングをする

鵞足炎は鵞足の部分に炎症があるため、熱を持っていればアイシングを続け、炎症を抑える必要があります。アイシングは、ただ冷やせばいいのではなく、アイスパックなどで20分間冷やすか、もしくはアイシングしている箇所の感覚がなくまでアイシングをします。

塩水やジェルパックを凍らせる場合、直接皮膚へあてがってしまうと凍傷になる危険性があるため、このような場合は必ずタオルなどを挟んで冷やすようにします。

アイシングも炎症を抑えるためには必要なことですが、これをするから改善するのではなく、あくまでも炎症を抑える、体温を下げるなども目的で行います。

鵞足炎の改善方法 ③筋力が弱いから筋トレをする

痛み=筋力が弱いという認識を持っている方は比較的多いと思いますが、これまでの原因では身体の使い方に問題があり、局部に大きなストレスがかかってしまうため痛みが出るということをお伝えしてきました。

●局部にストレスを受ける→筋肉が緊張する→そのストレスに耐えられなくなり痛む

このように考えると、筋力を強化すればストレスにより耐えられるということになりますが、筋力が弱いから痛めていればこれで改善できます。

ただ、根本的な問題は身体の使い方にあり、これが適切にできれば局部へのストレスが軽減され、痛みが出ないのではないでしょうか?

もしくは筋肉が緊張し痛みが出ている、そんな中で筋肉を鍛えるような刺激を加えるとさらに筋肉が緊張しないでしょうか。このように考えると筋力が弱いというのは原因のひとつではありますが、多くの場合、筋肉を緩める、痛むような身体の使い方を改善することが必要なのではないでしょうか。

ジムでみかけるレッグエクステンションの使い方と膝痛の改善について

鵞足炎の改善方法 ④痛み止めの注射をうつ

鵞足炎だけではなく、腰痛なども改善のために注射がすすめられたりしますが、注射は痛みのある場所に直接うってもそもそもそこは原因はないですし、一時的な痛みの改善はみられます。

ですが痛みを感じなくさせていることと同じですので、時間がたてばまた痛みは再発してしまいます。

そもそもなぜ鵞足炎になってしまったのかを考えると、スポーツ選手の場合、体重支持ポイントが不適切であったり、走り方の問題が考えられ、そういうことが原因であればこれらのことを変える必要があります。

上記でお伝えした3つの筋肉を緩め、原因であった走り方や体重支持ポイントを変えると痛みは改善されていきます。

痛み止めの注射をうつから改善されるのではなく、根本原因の改善ができれば痛みは改善されるはずです。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。鵞足炎の改善は、本来突き詰めていけば、これから走り方というものになっていきますが、おそらくこの重心点を理解し、実践できれば痛みの軽減を体感することができると思います。

ただ、安静にすることやシップを貼ったり、アイシングをするということは、間違いではありませんが根本的な改善のためには、足りないと思います。上記のように考えることで改善までの道筋がイメージしやすくなると思いますし、ひとつひとつ納得しながら進んでいけると思います。

最後に今日のまとめを書いていきたいと思います。

  • 鵞足炎とは、半腱様筋、薄筋、縫工筋などの腱が炎症を起こした障害のこと
  • 原因は、母趾球で地面を蹴るような走り方、身体の使い方をしているため
  • 痛みの改善のためには、3つの筋群などを緩める身体を整えること
  • そして、根本原因の改善には体重支持ポイントを理解し、走り方を変えること

このような内容でお送りしていきました。ご自身で改善をはかられる場合、筋肉をいかに緩めることができるかということがポイントになります。ここができれば痛みの軽減を理解していただけますので、時間をかけて筋肉を緩めていただければと思います。

今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

自分史上最高カラダとココロに。

ジムでみかけるレッグエクステンションの使い方と膝痛の改善について

レッグエクステンション

ジムにはさまざまな種類のマシンがあり、ジムに通っている方は実際に使っている方も多いと思います。

その中のひとつにレッグエクステンションといって、膝を伸ばす際に抵抗が加わり、太ももの前側(大腿四頭筋)のトレーニングとして活用されるマシンがあります。

このマシンを使用される理由はそれぞれ違うと思いますが、使う理由のひとつに『膝痛を改善したいから』という声があります。改善したいからこのマシンを使用しているわけですが、このマシンの使い方を知らなければ、膝痛を改善することができないばかりか、逆にさらに痛めてしまう可能性もあります。

なぜそのようなことが起こってしまうのでしょうか?今日はそんなレッグエクステンションの使い方と膝痛改善の考え方についてお伝えしていきたいと思います。

こちらの記事も参考にしていただければと思います。

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レッグエクステンションとは?

まず最初にレッグエクステンションという意味についてです。

■レッグエクステンション【Leg-Extension】とは?

レッグ=脚、エクステンション=伸ばす、脚を伸ばすという意味があり、膝を伸ばすようなエクササイズをレッグエクステンションといい、ジムのマシンにもレッグエクステンションと書かれていると思います。レッグエクステンション

主に大腿四頭筋の筋肉を鍛えるために使用されるマシンになります。

 

一般的に言われるレッグエクステンションの使い方について

ジムでトレーニングをしているときに、スタッフの方がレッグエクステンションの使い方を説明しているところを見ると、このような説明をされていました。

『つま先をまっすぐ天井に向けるように膝を伸ばしきりましょう。』

レッグエクステンション レッグエクステンション

このような説明をしているところも多く、この説明はマニュアル化された説明だと思います。一見正しそうな説明ですが、どのような目的を持っているかでこの膝の伸ばし方では膝が歪んでしまう可能性もあり、膝の痛みの改善を目的にしている方は、おそらくこれでは膝の痛みを改善することはできません。

膝を伸ばす“だけ”のようなマシンであり、エクササイズですが、膝の曲げ伸ばしは実は複雑です。これを知っているのと知らないのでは、大きな差が生まれてしまいます。

 

膝関節の動きと周辺の筋肉について

レッグエクステンションのマシンを「膝を伸ばすだけ」と思っている方は、ぜひ膝関節の動きを知っていただければと思います。

膝関節の動きについて

膝関節というのは、大腿骨と言われる太ももの骨と、脛骨と言われるスネの骨、そしてお皿と言われる膝蓋骨の3つの骨で構成されています。

レッグエクステンション

基本的な動きとしては、膝の曲げ伸ばしをする関節で、みなさんもそのように認識されていると思います。

膝関節は、ただ曲げ伸ばしするだけの関節ではなく、膝が伸びきる直前から太ももの骨である大腿骨が内旋をして膝関節は伸びきっています。

スネの骨である脛骨は膝を伸ばしきる直前から太ももの骨に対して、外旋をして膝関節が伸びきっています。

少し専門的な言い方をすると、完全伸展する15度手前の位置から大腿骨は内旋、脛骨は外旋するような動きをし、完全伸展をする。ということです。

レッグエクステンション

イメージとすればこのような感じです。つま先をまっすぐ向けた状態で膝を伸ばし切ると、本来は自然に動くと捻りの動きがあるのにその捻りの動きができず、このような動かし方は太ももの内側の部分に刺激を受け、その部分だけポコッと出てしまう可能性があります。また、膝関節は捻じれてしまい、膝上にたるみが生じたり、歪みが生じてしまいます。

脚を細くしたい、痛みを改善したい場合、このような捻じれが生じたり、局部にストレスを受けてしまうことをすると悪影響が出ることもありますので、レッグエクステンションの使い方には注意が必要です。

膝関節はこのような動きをしますが、続いては、筋肉の動きについて見ていくことにします。

膝関節周辺の筋肉について

膝関節周辺の筋肉に大腿四頭筋という筋肉があります。この筋肉は名前の通り、4つの筋肉から構成されているためこのような名前になっています。

レッグエクステンション

骨盤や大腿骨から始まり、膝のお皿を介してスネの骨に付着しています。

先ほど膝関節の動きでも少し触れていますが、大腿四頭筋は膝が伸びきる手前で大腿骨が脛骨に対して内旋することですべての筋肉にバランスよく刺激が加わりますが、つま先をまっすぐした状態で膝を伸ばし切ると、内側広筋と言われる脚の内側の筋肉に主に刺激を受けます。

レッグエクステンション

もし内側広筋だけを肥大させたいのであれば、つま先をまっすぐ向けた状態で膝を伸ばし切ることは適切だと思いますが、目的がそうでなければ先ほどからもお伝えしている通り、膝の伸ばし方を考える必要があります。

 

レッグエクステンションのマシンが膝痛改善に使われる理由

膝の痛みで悩まれ、病院などで診断を受けた数多くの方は、筋肉をつけなさいといわれ、ジム通いを勧められます。

ただ、そのジム通いをはじめても膝の痛みが改善せず、最悪の場合さらに痛みが増してしまったというケースもあります。そもそもなぜ膝を鍛えることが勧められるのでしょうか?

鍛えること=痛みの改善

多くの方は筋トレ依存症と言えるのではないでしょうか。痛みを改善する、ダイエットをする、筋肉をつける、すべてのことに筋トレ=筋肉を鍛えること、つけることが必要だと思っていると思います。

筋肉をつけ、強くなることで痛みの出ない頑丈な身体になるとイメージされているかもしれません。

そもそもの問題ですが、痛みを改善する場合、鍛えることで痛みが改善することもありますが、多くの場合、筋肉を緩めること、身体を整えることで痛みが改善されます。

もしくは、痛みが出ないような姿勢、動作をすることで痛みが改善されます。

その理由は後述しますが、筋肉がつくことで痛みが本当に改善できるのでしょうか?筋肉があるスポーツ選手はなぜ膝を痛めるのでしょうか?なぜ筋力の弱い子供は、膝の痛みが大人よりも少ないのでしょうか?

このようなことを考えると、鍛えることで痛みが改善するということは少し疑問が浮かぶことでもあります。

スポーツ選手と一般人

一般の方と比べるとスポーツ選手は筋肉があり、筋力が高い。それでも膝の痛みに悩まされているスポーツ選手は多くいます。

もし筋肉の多さ、筋力の高低が痛みの程度に変わるというのであれば、ボディビルダーの方が一番痛みがない身体と言えます。逆にお年寄り、子供は痛みを抱えているということになりますが、そうではありません。

痛みに悩むボディビルダーの方もいますし、痛みのないお年寄りもいます。

筋肉の多さ、筋力の高さが痛みの原因ではないとすると、どのようなことが痛みの原因として考えることができるのでしょうか?ここに膝痛改善のヒントがあると思います。

 

膝痛改善の考え方について

膝痛を改善するにはどのように考え、日頃どのようなことに取り組む必要があるのでしょうか?それは、骨に筋肉が付着しているだけけの状態にすることです。

人間の身体はノーマルな状態だと、何も問題はないはずですが、痛みがある、身体に問題があるとなれば、何かアブノーマルなことがあるはずです。そう考えると、このアブノーマルな部分を直し、ノーマルな状態にすれば痛みも改善するのではないでしょうか?

アブノーマルな状態とは、筋肉が過度に緊張したり、身体に歪みがある。そういったことは本来の状態ではないので、こういったことを直し、ノーマルな状態に直すことです。

ノーマルな状態をどのような状態と仮定するかによって、ゴールのイメージは異なりますが、僕はこのイメージを骨にただ筋肉が付着している状態をイメージしています。

筋肉が緊張することで歪む

ほとんどの方の身体は歪んでいますが、なぜ人間の身体は歪んでしまうのでしょうか?それは筋肉が緊張し、筋バランスを崩しているからです。

具体的にどういうことでしょうか?例えば日頃このような姿勢で座っているとします。

レッグエクステンション

スマホを触り、身体を左側に捻るような姿勢をとっているとします。このような姿勢をすることで、頭の位置が前に突き出るような状態となり、首や肩の筋肉が緊張し、背中の筋肉も緊張してしまいます。背中側の画像では、左側の筋肉が縮まり、緊張しているように見えます。

そうすると左側の骨盤は上がっていき、左の肩は下がってしまう可能性があります。このような歪みは、上半身だけの例をあげていますが、立ち上がると重心が左右にずれていたり、身体全体の歪みへと変わっていきます。

このように日頃とっている姿勢、動作に問題があると筋肉はストレスを受け、緊張します。そうすると身体は歪んでしまいます。簡単に言うと筋肉が緊張するから身体が歪む、もしくは身体を歪めることで筋肉が緊張します。

これら緊張している筋肉を緩めることで歪みのないノーマルな状態になるということになります。

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部分ではなく全身の筋肉を緩めることで膝痛が改善する

人間の身体はつながりを持っているため、膝が痛い場合、その周辺の筋肉が硬くなり、その他の筋肉も硬くなっている可能性があります。

直立の状態で、頭を5cm左に傾けてください。そうすると、左側に体重がかかることがわかると思いますが、このように部分的な歪みや捻じれの影響は、その部分だけではなく、全身に影響を与えています。

そのため、膝痛で膝周辺の筋肉の緊張が強いとなっても、その部分だけではなく全身の筋肉を緩め、自然体に直すことで部分である膝も改善します。

先ほどお伝えした骨に筋肉が付着してる状態をイメージし、その状態に直すことで部分の問題も改善します。このように考え、膝痛だから膝周辺を鍛えるだけではなく、まずは全身を緩め、骨に筋肉が付着している人間本来の状態に直すことで膝の痛みが改善すると考えています。

これだけできればいいのかというと、そうではありません。全身の筋肉を緩めることで一時的に痛みは改善しますが、おそらく再発の可能性は高いと思います。それは、膝周辺にストレスを受ける原因があり、その原因をみつけ、改善が必要になるからです。

なぜ膝周辺の筋肉が硬くなってしまったのでしょうか?大切なことは、ここであり、全身の筋肉を緩め、そしてその原因を取り除くことが重要です。どのようなことで膝周辺にストレスを受けてしまうのでしょうか?

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膝周辺にストレスを受ける原因とは?

膝の痛みを改善するためには、レッグエクステンションなどで鍛えることではなく、まず自然体に直すこと、全身の筋肉を緩めることだということはイメージできたと思いますが、そもそもなぜ膝周辺にストレスを受けてしまうのでしょうか?

その原因は日常の動作などに潜んでいます。

階段の上り下り

階段の上り下りの際に膝が痛んで悩んでいる方もいるのではないでしょうか?

階段の上り下りそのものが悪いわけではなく、そこで行う動作が問題になります。階段を上る際に、問題になるのが階段に乗せた足でグッと踏ん張ることです。

レッグエクステンション

レッグエクステンション

踏ん張ってしまうことで、膝に過度なストレスがかかり、その動作の繰り返しによって膝が痛くなってしまいます。

いくら筋肉を緩めたからといって、このような階段の上り方を繰り返すと再度筋肉が硬くなり、痛くなってしまいます。膝が痛くなるように階段を上っているから膝が痛くなるので、痛くならないような階段の上り方をすれば痛みが出ずに階段を上ることができます。

階段を下りる時の痛みですが、これは主に後ろ側の膝が痛くなることが多くあります。階段を下りるとき、後ろ足は踏ん張るようにブレーキをかけながら階段を下りています。このとき、後ろ脚の大腿四頭筋は伸ばされながら刺激を受けています。

レッグエクステンション

レッグエクステンション

この画像でいえば、左脚の大腿四頭筋に大きなストレスを受けており、このような動作を繰り返すことで膝に大きなストレスを受け、階段を下りるときに膝が痛むということになってしまいます。

ここでも、階段の下り方を改善すれば膝の痛みを感じることなく、下りることができます。

このように、階段の上り下りの動作に問題があれば、膝にストレスを受け、痛めてしまう原因になる可能性があります。

地面をつつくような歩き方、走り方

太ももの前側が張ってしまったり、太くなってしまう原因のひとつに歩き方や走り方がありますが、地面をつつくような着地を繰り返すと、大腿四頭筋に大きなストレスが加わり、太ももの前側が張ってしまいます。

これは走り方にも同じことが言え、地面を突くように着地をすると大腿四頭筋に大きなストレスが加わり、これが膝を痛めてしまう原因となります。

太ももの前側

レッグエクステンション

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エクササイズのやり方

冒頭でレッグエクステンションのやり方について触れていますが、こういったマシンの使い方によっては膝に大きなストレスがかかり、痛めてしまう原因となります。

膝痛を改善するためには、まず自然体に直し、そのためには全身の筋肉を緩めることが必要だということをお伝えしました。

膝が痛くなる原因は、日頃の姿勢や動作でストレスを受け、筋肉が硬くなり炎症を起こすことで発生します。そう考えると、その筋肉に鍛えるような強い刺激を加えると、さらに筋肉は硬くなってしまい、痛みが増してしまうのではないでしょうか?

そう考えると、レッグエクステンションを行うことはこの場合不適切ですし、場合によってはマイナスになる可能性もあります。

またスクワットなどもそうで、身体をどのように動かすのか、その手順ややり方がまずければ膝周辺にストレスを受け、痛める原因にもなります。

エクササイズをどのような目的で、どのように行うのか、それによってプラスにもマイナスにもなるので、エクササイズのやり方は非常に重要になります。

競技特有の動き

スポーツ選手の場合、切り返し動作や踏ん張る動作などが多く行われる種目もあります。バスケットやサッカーなどはそういった場面が数多くあると思いますが、その動作中の身体の使い方がまずいと膝に大きなストレスを与えてしまいます。

フラットに着地することができれば、大腿部全体で衝撃を分散でき、局部的に大きなストレスを受けることがありません。

ただ、それがつま先であったり、母趾球で踏ん張ってしまうと局部に大きなストレスが加わり、それが原因で膝を痛めてしまうことになります。

身体の使い方の例としてこちらを参考にしていただければと思います。 

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膝痛改善には全身を緩め、姿勢・動作を直すこと

ここまでお伝えした通り、膝の痛みを改善するためには、全身の筋肉を緩め、そして姿勢・動作を改善することです。

そうすることで、膝の痛みが改善でき、快適な毎日を過ごすことができると思います。

ここまでを理解していただくと、なぜマッサージだけでは痛みが改善しないのか、整体・整骨院に通うだけでは痛みが改善できないかがわかると思います。

すべてがそうではないと思いますし、素晴らしい整体院・整骨院はあると思います。ただ、大多数の場合、根本原因である姿勢や動作の改善を指導してくれるところが少なく、その改善ができない限り痛みは再発し、一時的に良くなったとしてもまた痛み出してしまいます。

その一番の理由は根本原因である、日頃行う姿勢や動作を改善できていないということがあります。

膝痛改善のためには、レッグエクステンションなどのマシンで鍛えることが重要なのではなく、全身の筋肉を緩め、動作などを改めることが痛みを改善するポイントになります。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。膝痛で悩まれている方は、痛みを改善するためにさまざまなことをされている方も多いと思います。

努力されることは素晴らしいと思いますし、改善のためにはそうやって何かをやることは重要だと思いますが、やることの“内容”が最も重要です。同じ時間を使うのであれば、少しでも改善につながることの方がいいはずです。

そのためには、膝の痛みをどのように考え、改善に取り組むのか、そういう考え方を整理することも重要になります。

最後に今日の内容をまとめていきたいと思います。

  • 膝関節は最後の伸展15度で、大腿骨は内旋、脛骨は外旋する
  • レッグエクステンションでは、つま先をまっすぐ向けた状態で膝を伸ばしきると膝が捻じれる
  • 膝痛の原因は、日頃の姿勢や動作で膝にストレスを受けているから
  • そのストレスの原因は、階段・歩き方・走り方など日頃行う姿勢や動作にある
  • 膝痛の改善は全身の筋肉を緩め、日頃の姿勢や動作を直すこと
  • 筋肉を鍛えても膝の痛みが改善しない理由は上記の通りである

このような内容でお送りしていきました。

今日の内容が少しでも膝の痛みで悩んでいる方の参考になればうれしく思います。

今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。