野球選手が肩・肘を痛めない投げ方と痛みの原因について

プロ野球も開幕して1ヶ月が経とうとしてますが、大方の予想を裏切るセ・パ両リーグの順位となっています。まさかの大失速のオリックスですが、主力の投手を欠いているのは非常に痛いことです。

毎年のようにプロ野球に限らず、社会人や高校でも投手は肩肘を痛め、試合に出ていたとしても満身創痍の状態だったりします。

なぜこれまで肩肘の痛みが多いのでしょうか。一般的には肩肘を痛めないようにインナーマッスルを鍛える、などといったことが言われていますが、本当にこれだけで痛みの予防や改善ができるのでしょうか?

肩肘の痛みの原因は、投げ方、柔軟性の低下、アクシデント、筋力不足、使いすぎ(オーバーユーズ)などさまざまあり、一概にこれということは言えません。

今日はこの肩・肘を痛める投げ方と原因について書いていきたいと思います。多くの場合、投げ方に問題があることが多くあります。

 

肩肘を痛める原因とは?

野球選手が最もつらいことは野球ができなくなるということだと思いますが、肩肘を痛めると投げることもできず、さまざまなプレーができなくなってしまいます。

なぜこのように肩肘の痛みは起こるのでしょうか?その原因に以下のことが考えられます。

  • 筋力不足
  • 使いすぎ(オーバーユーズ)
  • 柔軟性の低下
  • アクシデント
  • 投げ方の問題

これらが主な原因として考えることができます。これらをひとつひとつひも解いて考えていきたいと思います。

 

筋力不足が原因で肩肘を痛める場合

軟式と硬式では扱うボールやバットが違い、硬式の方が重くなります。中学生から高校生に学年が上がると共に、軟式から硬式に変わる選手も多いと思いますが、このとき十分な筋力がないことがあります。

この硬球を扱えるだけの筋力がない場合、硬球を投げると大きなストレスを受け、持久性も乏しい筋肉は、そのストレスに耐えきれず痛んでしまうことがあります。この場合は、硬球を扱う前に基礎的な筋力を育成することが先となり、十分硬球を扱える筋力をつけてから実際にボールを扱うことになります。

このように筋力が不足していると肩肘の痛みが起こる可能性があります。

 

使いすぎが原因で肩肘を痛める場合

これは投げすぎの場合ですが、筋肉は弾力性があり、本来はある程度の柔らかさがありますが、使いすぎることでストレスを受け、筋肉は緊張し、硬くなっていきます。そして、筋肉がそのストレスに対して耐えられなくなると痛みへと変わります。

この場合は、投球を制限し休ませることで状態は回復していきます。

日本選手の特徴としてやればやるほどいいということを思いがちですが、ただ投げるだけの練習はあまり意味がありません。目的があって投げ込むことはいいと思いますが、ただ数をこなすことには意味がありません。

同じように痛めないためにも選手として重要なことは、自分がどのくらいの持久力があるのか(ここでいう持久力は走るスタミナとは別です)、それを知り、その限界を超えないように把握することが重要になります。

これまでの練習を振り返ってみて投球数が多すぎる場合は、肩肘を休ませる期間を設けることで痛みは改善していくはずです。もしくは毎日の練習後に筋肉を緩め、疲労を軽減する必要があります。

 

柔軟性の低下が原因で肩肘を痛める場合

投手にとって柔軟性が低下することも痛みへとつながりますが、肩周囲の柔軟性が低下することで、投球時に腕が上がらず、肘の位置が下がり、その状態で投球することで肩肘に負担が増える可能性があります。

このような場合に、「肘を上げろ」「腕を上げろ」と言われても、上がりません。柔軟性の改善を行うことで腕もスムーズに上がるようになり、肘の位置も改善され、ストレスも軽減されていきます。

また腰などの柔軟性が低下することで、下肢からの連動がうまく使えず、上半身で投げてしまうようなフォームとなり、これが原因で肩肘や腰にもストレスを受け、痛めてしまう可能性があります。

肩周りだけではなく、基本的には股関節、体幹、などの柔軟性を高めることで痛みを改善することができるようになります。また日頃から柔軟性を高めておくことで痛みの予防となりますので、投手は特に意識的に行うことをお勧めします。

 

アクシデントが原因で肩肘を痛める場合

雨が降り、ぬかるんだマウンドで投球している際に足を滑らし、変な投げ方をしてしまってそのときに肩肘を痛めるといったような、突発的に肩肘を痛めてしまうこともあります。

また打球処理の際にほかの選手とぶつかったり、転んでしまったりで痛めることも原因のひとつとなります。

ここについては他の要素には問題がないのに、痛めてしまう原因になるため、日頃から他の選手との連携をとった練習をしたり、雨の想定をして練習をすることで防げる可能性も出てきます。

 

投げ方が原因で肩肘を痛める場合

投げ方の問題については最も多い肩肘を痛める原因のひとつになります。プロ野球の世界でも手術をしても、また肩肘の痛みが再発してしまったという話を聞きますが、この原因も手術自体に問題がなくても、後の投げ方に問題があるとまた痛みが再発してしまいます。

この場合は、投げ方を改善することで痛みが改善されます。

では、肩肘を痛めない投げ方というのは、どのような投げ方なのでしょうか?

 

肩肘を痛めない投げ方について

投球動作についてはこちらの動画を参考にしていただければと思います。

ここでは、なぜ肩肘に痛みが出てしまうのかを理解していただきましたが、ではどうすれば投球動作を変えることができるのでしょうか?

本来はひとりひとりのフォームが違い、今どのような感覚で投げているのか、などを聞きそこに対して現在の感覚と投球フォームがどうなっているから痛む、それを○○のようにすれば痛みが出なくなる、だから○○をしてみよう。というように本人に理解をしてもらいながら進めていきます。

ここでは一つの例としてとらえていただければと思います。それがこちらの動画になります。

いかがでしたでしょうか。動き全体がスムーズであり、どこにも引っ掛かりのない動作だったと思います。

○○をどうこう動かし、○○をこうする。というように一度に多くのアドバイスをすることがありますが、多くのアドバイスを言われると選手は理解できず、うまく動けなくなります。

あまりいろんな細かい点に意識を向けずに、動画のようにリラックスして行ってみてください。スムーズに動くのが理解していただけれると思います。

投球動作の中で、肘は完全伸展することがないため本来は肘を痛めることがありません。ですが、何らかの原因で肘が伸びきってしまうと骨同士がぶつかり、その繰り返しによって肘は炎症を起こし痛みへと変わっていきます。

このような動作にならないためには、リラックスしてスムーズに動かせる投げ方を理解することが重要だと思います。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。今日の内容は、肩肘を痛める原因と投げ方についてお伝えしていきましたが、野球選手が投げられないことほどつまらないこともないと思います。

さまざまな原因で痛めてしまう可能性がありますが、これらを改善すれば痛みも改善できますし、予防にも役立つと思います。ただがむしゃらに投球を繰り返すのではなく、なぜこのような練習をするのか、を理解して練習するのと何気なくするのとでは結果も大きく変わってきます。

何をするにしても目的意識を明確にもって日頃から練習に取り組むことも重要に思います。

では最後に今日のまとめを書いていきたいと思います。

  • 肩肘を痛める原因は1つではない
  • 硬球を扱えない程の筋力の場合肩肘を痛める原因となる
  • オーバーユーズは自分がどこまで投げられるのかを把握できれば回避できる
  • 柔軟性の低下は、投球時肘の位置が下がってしまうため改善する必要がある
  • アクシデントは防ぎきることは難しいもしれないが、準備次第で防ぐことはできる
  • 投げ方の問題は肩肘を痛める最大の原因である
  • リラックスしたスムーズな投球動作ができれば痛みは出ない

このような内容でお送りしていきました。投球障害というのは野球選手につきものと思われるかもしれませんが、防げることがほとんどであり、上記のようなことがきちんとできることで現在の状態から改善していくと思います。

今日の内容が少しでも参考になればうれしく思います。

今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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