野球選手がウエイトトレーニングをした方がいい理由と注意点

野球選手がウエイトトレーニングをすることで筋力が向上し、筋力が向上することで基礎体力が向上し、よりスキル向上に役立ちます。

ただ、単純にウエイトトレーニングをすると動きが硬くなる可能性もあり、注意点をおさえた上でウエイトトレーニングをすることが重要になります。

この記事では、

  • 野球選手のウエイトトレーニングの必要性
  • 筋力を向上させることの意味
  • 具体的なウエイトトレーニングの内容

などをご紹介します。

 

スポンサーリンク

野球選手にとってウエイトトレーニングの必要性とは

今では、プロ野球界やメジャーで活躍する日本人選手の間では、ウエイトトレーニングを行って筋力を向上させている選手が多くいます。

そんな姿を見て、本当に野球選手にウエイトトレーニングは必要なのか?という疑問が出る方もいるかもしれませんが、僕は以下のように考えています。

結論:ウエイトトレーニングは必要

個人的には、野球選手はウエイトトレーニングをする必要があると思います。ただ、

ウエイトトレーニングが必要

というのは少々語弊があるかもしれません。別にウエイトトレーニングに限らず、

  • レジスタンストレーニング
  • チューブトレーニング
  • 加圧トレーニング など

方法は限定せず、ウエイトトレーニング以外の方法でも良いと考えています。

筋力向上を目的として行う

ウエイトトレーニングを始め、これらのトレーニングはそもそも何のために行うのでしょうか?それがわかっていないと、やる意味はないし、ただ筋肉がついただけになってしまいます。

一番の目的は、

筋力を向上させること

です。筋力を向上させることで最大筋力が高まり、筋肉が発揮できる力が大きくなります。

発揮できる力が大きくなるとパフォーマンスが上がるかと言うと、直結はしません。では、何のために筋力を向上させるのでしょうか?

何のために筋力を向上させるのか

筋力を向上させる一番の目的は、コンディショニングを整える、コンディショニングレベルの向上にあります。

コンディショニングというのは、一般的に、

その日の体調、調子

を指す言葉として使われていますが、本来の意味は以下の5つのことを指しています。

コンディショニングとは

それぞれの意味を簡単に解説すると、こんな感じです。

  • 身体的:筋力・スピード・持久力・調整力・柔軟性などのこと
  • 精神的:メンタル面のこと
  • 防衛的:免疫力、抵抗力のこと
  • 栄養:食事のこと
  • 休養:身体を休めること

この身体的な部分を身体的コンディショニングと言いますが、この身体的コンディショニングにはさらに細分化されたこのような要素があります。

バイオモーターアビリティ

この表の一番上にある5つの要素をバランス良く向上させることが、基礎体力を向上させることになり、野球選手のベースアップになるというわけです。

どれか1つでもレベルが低いと、その低いレベルに引っ張られるため、全体のレベルアップが重要になります。

基礎体力を向上させるとどうなるかというと、スキルアップのための土台がしっかりつくれることになります。

ピラミッド

レベルが高い選手ほど、この土台である基礎体力(コンディショニング)レベルが高いです。

野球選手がウエイトトレーニングで筋力を向上させる目的は、このコンディショニングレベルの向上にあるというわけです。

もう少し詳しい解説は、「コンディショニングの意味とトレーニング方法」でしています。

筋力が向上する条件

筋力を向上させるためには、

  • 筋肉の断面積を大きくする
  • 神経系のトレーニングを行う

この2つがポイントになります。

筋力は筋肉の断面積といって、いわゆる大きさに比例することから筋肉を肥大させることが必要となります。

さらに、最大の力を発揮できるように、動員できる筋肉をすべて使えるように神経系のトレーニングもしておく必要があります。

ここは少し難しく聞こえてしまうかもしれないので、シンプルに、

筋肉をある程度大きくする必要がある

という理解でいいと思います。そして、筋肉を大きくするためには、

  • 強度
  • 頻度

などを適切に設定してウエイトトレーニングを行うことで筋肉を大きくすることができます。

これらの細かい条件については、「筋肉がつかない原因13選と筋肉を大きくする方法【トレーナーが解説】」で解説しています。

基本は全身の筋力向上を目指す

上記のリンク先の記事で解説している内容でウエイトトレーニングなどを行いますが、野球選手であっても、

  • 年齢
  • トレーニング経験
  • トレーニング環境
  • ポジション など

さまざまな要因によって内容は大きく異なります。

ただ、1つのベースとなる考え方としては、全身の筋力を向上させること。特に体幹部を中心に、筋力を向上させるような内容のウエイトトレーニングを行えばOKです。

そうするとベースアップができ、それがパフォーマンス向上へとつながります。では、具体的にどのようなメニューを行っていけばいいのでしょうか?

 

実際に野球選手に指導するウエイトトレーニングのメニュー例

当然個人のレベルや経験などによってメニューは変わりますが、一例としては以下のようなメニューを指導しています。

①リバウンドを活用するスクワット

手順

  1. 脚を肩幅に開き、つま先も違和感のない程度に開く
  2. 足裏全体で体重を支えておく
  3. そのまましゃがみ込み、つま先と膝を同じ方向に向ける
  4. 小さく4回弾んだ後、トンッ、トンッと反動で立ちあがる
  5. 再度しゃがみ込み、同じようなリズムで10回×3セット繰り返す

このスクワットは、ある程度筋力レベルが高い選手であれば、10~30kg程度の重りを担いで行います。

しゃがみ込んだところから弾んで立ちあがることで、股関節には体重の約4~5倍の負荷がかかると言われており、数百kgの刺激が加わり、結果筋力が向上します。

②ダンベルベンチプレス

手順

  1. ベンチに仰向けになり、肩の真上の位置でダンベルを構える
  2. 胸の真横辺りにダンベルを下ろす
  3. 軽く弧を描くように肩の真上の位置にダンベルを押し上げる
  4. これを10回×3セット行う

これで胸や肩周りの筋肉を刺激できます。

③プルオーバー

手順

  1. ベンチに仰向けになり、顔の真上辺りでダンベルを構える
  2. 軽く肘を曲げ、そのままバンザイするように頭上にダンベルを下ろす
  3. 上半身全体、お腹まで伸ばされるように身体を引き伸ばす
  4. お腹にクッと力を入れ、腕の位置を元に戻す
  5. これを10回×3セット行う

④ダンベルプレス

手順

  1. ベンチに座り、肩の前辺りでダンベルを構える
  2. 頭上にダンベルを押し上げ、肘が伸び切ると同時ぐらいに手のひらを正面に向ける
  3. 肩の前辺りにダンベルを下げ、同じ要領でダンベルの上げ下げを繰り返す
  4. これを10回×3セット行う

⑤体幹トレーニング

体幹トレーニングについては、「野球選手にしてほしい体幹トレーニングの方法【目的を明確にしよう】」で詳しく解説しています。

あくまでも一例で、本来はもっとやり方や内容を吟味する必要がありますが、こういったイメージでウエイトトレーニングを行っていきます。

これらのメニューを週2回の頻度で行うことで筋力が向上するため、練習の合間などに組み込んでいくという感じですね。

 

野球選手がウエイトトレーニングをするときの注意点やポイント

ここまではイメージしやすいように方法を解説しましたが、本当に知ってほしいことはここからですね。

闇雲にウエイトトレーニングをしてしまうと、スキルダウンになる可能性もあるので、ここは時間をかけて読み進めてほしいなと思います。

適切なフォームを習得することが前提

当たり前のことですが、ウエイトトレーニングを行う上で最も大事なことはフォームです。どのようなフォームで行うことが適切かというと、

関節の構造上、自然な動きで行うこと

がポイントです。この自然な動きから崩れてしまうことで、

  • どこかを痛めてしまう
  • 動きが硬くなる

などのマイナス面が発生してしまいます。例えば、よくあることですが、スクワットをするときのつま先を正面に向けて行うことがありますが、これはNGです。

なぜならつま先を正面に向けることは関節の構造上不自然だからです。こういう細かい部分であっても、

  • バッティング
  • ピッチング

などをするときに、軸足に体重を乗せたときに立ちづらくなることがあります。また、股関節の内側や膝の内側へのストレスが増すため、膝あたりを痛めやすくなります。

このように、ウエイトトレーニングをするときには、適切なフォームですることが大前提となります。

いかに重いものを軽く扱えるかが重要

高校生は特にそうだと思いますが、重い重量を扱えることを自慢したりすることがあります。それ自体は良いと思いますが、その延長に、

重いものを持ち上げることが目的になってしまう

という危険性があります。

重いものを重く扱ってしまうと、グーーーーッと踏ん張る癖がついてしまい、筋肉が硬くなってしまいます。こういう筋肉や身体の使い方をすると、野球の動きそのものも硬くなる可能性があります。

その結果パフォーマンスが低下する可能性もあります。問題は、ウエイトトレーニングのやり方です。大切にしてほしいことは、

いかに重いものを軽く扱うか

ということです。適切な、

  • フォーム
  • 動きの手順
  • 力の出し方

などが掴めると、今まで重く感じていた重量がわりとスッと楽に持ち上げられるようになります。重量は以前と同じなのに。

野球選手は、スムーズな動きができることが重要であると考えていて、スムーズな動きができることで、

  • スイングスピードも上がる
  • 腕の振りも速くなる
  • 疲れにくくなる
  • 練習も数をこなせる
  • 結果うまくなっていく

こういう流れが出来上がるため、常に身体はリラックスし、スムーズに動く状態にしておくことが大切です。

ですので、ウエイトトレーニングのときはいかに重いものを軽く扱うか。そこに重点を置いて取り組むことで、よりウエイトトレーニングの価値を実感することができるはずです。

力みすぎると動きが硬くなる

実際、僕も現場で指導していて失敗してしまったことがあり、こういう考え方になっています。

ある社会人野球をしていたキャッチャーにウエイトトレーニングを指導していましたが、そのときはガンガン追い込むことをしていました。

筋肉がパンパンに張って硬くなり、そのかわり筋肉もモリモリついていきました。ただ、そのせいで身体の動きが悪くなり、盗塁阻止率が一気に下がってしまいました。

何が起こったのかというと、

ウエイトトレーニングによって筋肉が硬くなり、動きが悪くなった

ということです。

ここで結論付けてほしくないのは、

ウエイトトレーニング=野球選手にとってはマイナスになる

ということではありません。ウエイトトレーニングをするのであれば、それだけ内容を精査する必要があるということです。

この辺りも含めて、野球選手がウエイトトレーニングをするときには、軽く扱うということを意識して行ってほしいなと思います。

時間配分や効率化を考える

実際に、学生がウエイトトレーニングを野球部全員で行おうとすると、学校の下校時間や練習時間などの関係でなかなか時間がとれないことがあるかもしれません。

こういう場合は、

  • 昼休みに毎日部分的にトレーニングする
  • ウォーミングアップの中にトレーニングを組み込む
  • サーキット形式で、練習とトレーニングをうまく組み込む

など、頭を柔軟にしてウエイトトレーニングができるように調節していきます。

そうすると、筋力を向上させることができるし、練習時間もしっかり確保でき、集中してすべてのことができると思います。

筋力向上=技術向上ではない

最後に、改めてお伝えしたいことは、

筋力向上=技術向上ではない

ということです。

まだまだ一般的に、ウエイトトレーニングで筋力を向上させることで、

  • バッティングが良くなる
  • 球が速くなる

などと言われていますが、これは不適切です。

バッティング技術はバッティングをすることで向上しますし、ボールを投げることで速い球が投げられるようになります。

ここを一緒にしてしまうと、ウエイトトレーニングの意味合いが変わってしまいます。あくまでもウエイトトレーニングは、筋力の向上を目的にして行い、基礎体力の向上を目的としています。

勘違いされることも多いですので、この辺りも改めて理解してほしいなと思います。

 

練習量が多い場合は栄養の摂り方も考える必要がある

上記でお伝えしたようなウエイトトレーニングをしても、なかなか筋力が向上しない選手がいるかもしれません。

そんな選手は、

栄養が足りていない

ことが考えられます。筋肉は体内に余分なエネルギーがないとつかないため、練習量が多いチームではどうしてもエネルギー武装になってしまいます。

ですので、ウエイトトレーニングの内容は適切なのに、どうしても筋力が上がらない場合は、こういった栄養が足りているかをチェックすることも重要ですね。

 

野球選手がウエイトトレーニングをした方が良い理由と注意点まとめ

今回は、野球選手がウエイトトレーニングをした方が良い理由などを解説しました。

今回の記事のまとめ

  • 野球選手にはウエイトトレーニングは必要
  • ウエイトトレーニングをする目的は、筋力の向上
  • 筋力を向上できるのであれば、ウエイトトレーニング以外でもOK
  • 対象者にもよるが、全身の筋力を向上させるようにトレーニングを行う
  • トレーニングでは、いかに重いものを軽く扱うかが重要
  • 力みすぎると動きが硬くなり、マイナスになるケースもある
  • 筋力の向上=技術向上ではない

こういった内容をお伝えしていきました。

今回の内容が少しでも参考になればうれしく思います。最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

無料体験のお申込はこちら

無料体験に申し込む