野球選手の走り込みは目的と方法の一致が重要【根性論は不要】

野球選手の走り込みは目的と方法の一致が重要【根性論は不要】
コンディショニング

この記事では、野球選手が行う走り込みの必要性や具体的な方法について解説します。

今でも野球のトレーニングの1つに走り込みが行われていますが、目的と方法を一致させないと全く意味のないものになってしまう可能性があります。

ただ根性論で行う走り込みは意味がないですし、罰として行う走り込みは選手の時間を奪ってしまうだけです。今回は、できるだけ走り込みを客観視して解説します。

 

野球選手が行う走り込みの必要性とは

野球選手には本当に走り込みが必要でしょうか?この答えを考える上で最も大事なことは目的の整理だと思います。

目的の整理が最重要

結論から言えば、一般的に行われているような走り込みは不要です。ただ、目的を整理した上で行う走り込みは必要だと思います。

そもそもなぜ走り込みを行うのでしょうか?目的がない中でやることほど時間の無駄になってしまうものはありませんよね。

一般的に行われる走り込みは、

  • 下半身を安定させるために行う
  • 投手のスタミナをつけるために行う
  • 選手をミスをしたから行う

こういったことを理由に行われていますし、高校野球ではミスをしたから走り込みをするということが非常に多いような気がします。

これは意味のないことですし、選手が行う走り込みが指導者のストレスのはけ口になっているだけです。

例えば、

投手のスタミナをつけるために行う

という目的で走り込みをさせようと思う場合、そもそも投手が必要とするスタミナとはどんなスタミナなのかを考える必要があります。

  • 心拍数が上がりづらくなるスタミナ
  • 投げても疲れづらいような投げるスタミナ

考えるとわかりますが、投手に必要なスタミナは後者です。

野球選手に必要な体力要素とは

こうやって1つずつ紐解いていくと走り込みの必要性も見えてきますが、投手には投げるスタミナが必要です。では、投げるスタミナはどうやってトレーニングすればいいのでしょうか?

それは、

実際にボールを投げること

です。走ることでつくスタミナは走るスタミナです。打者も同じ考え方で、バッティングを良くするためにはある程度数をこなす必要があります。

より多くのバットスイングをするために必要なスタミナは、バットを振ることでトレーニングできます。この場合も走り込みではありません。

野球選手に必要な体力要素は、

  • 筋力
  • スピード
  • 持久力
  • 敏捷性
  • 調整力
  • 柔軟性

などがありますが、これらは走り込みをしなくても別の方法でトレーニングすることができます。体力要素については、「コンディショニングの意味とトレーニング方法」でも詳しく解説しています。

つまり、ここまでの話で野球選手にとって走り込みの必要性はそこまで見出せないわけです。

実際に指導する走り込みの内容

ただ、実際に現場では外から見れば走り込みをさせているようなことをすることもあります。

僕が実際に走り込みの“ような”ことを指導するときは、

  1. 練習をこなせるスタミナの養成
  2. 3~6歩でトップスピードにのる
  3. 下半身のトレーニング
  4. 踵で地面を押す

などの目的意識を持って指導して、実践してもらっています。

目的と方法が一致していると、選手たちもその成果を実感することができますし、決して精神論で行っているのとは違うので自ら進んで行ってくれます。

この具体的なやり方については、後程お伝えしますね。

目的のない走り込みは不要

ここまでお伝えした通り、

目的のない走り込みは一切不要

ですし、そこから得られるものは、多少精神的な強化になったとしても、野球に活きる何かが得られるとはあまりありません。

もし得るものがあったとしてもそれはたまたまで、意図したものではないはず。トレーナーという立場から考えると、基本的には一般的に行われる走り込みは不要ですね。

 

野球選手におすすめしたい走り込みの方法

今回は“走り込み”というテーマでお伝えしているので、ここでもあえて走り込みと表現しますが、目的意識をしっかり持った中で実践すると得るものが多いので、次は詳しい方法を解説します。

①練習をこなせるスタミナの養成

まず野球選手が必要になるのは、練習をこなすスタミナが必要です。技術の向上には数をこなす必要があり、数をこなすためにはある程度心肺持久力が高いことが重要です。

野球選手は最長でも約110mほどしか走りませんし、走るのであれば、

  • 5分間走
  • 30~50mほどのインターバル走

などを行って持久力のトレーニングを行っていきます。

持久力を向上させるには心拍数が指標となり、約60%以上の強度で行うことで持久力は向上するので、この条件に合った中で走っていきます。

詳しくは、「スタミナ(持久力)をつける方法と基礎知識のまとめ【心拍数が鍵】」を参考にしてみてください。

②3~6歩でトップスピードにのる

例えば、30mダッシュをするようなイメージで走り込みをするとき、最初の3~6歩でトップスピードにのれるように加速をします。

この場合、最初の3~6歩で加速することを目的にするため、その後は身体をリラックスさせて30mを走り切ります。6歩目以降は惰性でOKです。

問題は、

3~6歩目で身体をどのように使うか

ということですが、イメージ的にはつま先でグッ、グッ、グッっと地面を押すように加速し、トップスピードにのります。

この微妙な感覚を掴むために本数を重ねていくため、脚がパンパンに疲労すれば終えます。疲労いてパンパンに張った脚では、地面を押せませんし、加速できません。

この場合の走り込みのポイントは、最初の3~6歩のみということになります。

③下半身のトレーニング

走り方によって、下半身の筋力を強化することができますが、具体的には以下の2つのような走り方があります。

  • 地面を真下に踏み込むように、16~20歩ぐらい全力で走る
  • ジョグのペースで20分間ぐらい走る

前者の場合、真下に地面を踏み込むことで下半身全体に体重の約4~5倍の負荷がかかり、筋力強化になります。

また、ジョグのようなペースで走っても、筋肉がクッ、クッ、クッとテンポよく収縮すると、下半身の筋肉の中が低酸素状態になる可能性があります。

筋内が低酸素状態になれば速筋に刺激が加わり、筋力が向上します。こういった形での走り込みをすることで、下半身のトレーニンになります。

④踵で地面を押す

最後は、最初の1歩の踏み出し方を工夫していきます。

バッターもピッチャーも、下半身で全体の約60%のエネルギーを蓄えますが、その溜めたエネルギーを体重移動と共に前方に移動させます。

体重移動

脇の開き

このとき、踵で地面を押すように体重移動ができると、うまく下半身で蓄えたエネルギーを活用するため、この踵で押す感覚をショートダッシュでトレーニングします。

やり方はシンプルで、まず踝の真下の位置を理解しておきます。

体重を乗せる位置

ランナーになったようなイメージで構え、自分のタイミングで踵で地面を押すようスタートを切ります。

この走り込みのポイントは1歩目だけなので、5m程度のショートダッシュでOKです。これを何百本と繰り返し、踵で地面を押す感覚を掴みます。

こういうトレーニングをしていると、はたから見ると走り込んでいると見えますが、実際には全く目的が違います。

このように、ただ根性論で走り込みをするのではなく、目的を持って走り込みをすることで適切な成果を得ることができるので、目的と方法を一致させる重要性はこういうところにあります。

 

勘違いされやすい走り込みの効果について

テレビなどでも、年齢の高い野球解説者などがよく走り込みの必要性を言っていますが、少し勘違いされている部分があるので、最後はそのあたりも解説します。

コントロールが悪い=走り込み不足ではない

よくコントロールが悪い投手については、

解説者
走り込みが足りてないからこれだけコントロールが悪いんですよ。

なんて言っていますが、コントロールが定まらない原因はさまざまです。

例えば、軸足に体重を乗せたとき、足の小指側に体重が乗ったとします。

小指側に体重がかかる

一瞬でもこの状態になると、位置エネルギーが斜め上方を向く為、ここから投球するとボールは高めに浮きます。

これに気づかず腕の振りで無理にボールを下げようと思うと腕投げとなり、結果勢いのないボールが低めに行ったり、コントロールが定まらないということが起こります。

足元に問題があってコントロールが悪い場合、

フラットに体重を乗せることでコントロールが良くなる

ということがわかります。つまり、コントロールを良くするために走り込みをする必要はないわけです。

投げるスタミナは走り込みではつかない

また、プロ野球の投手が6・7回辺りに球速が落ち、打たれてしまうと、

解説者
走り込みが足らないから、スタミナがもたないんですよ。

などと言ったりしますが、これも勘違いです。確かにスタミナがもたないと球速が落ちますが、投げるスタミナは投げてつける以外方法はありません。

ここは混同しがちですが、バットスイングも同じです。

  • 投げ続けるスタミナ→投げること
  • バットを振り続けるスタミナ→バットを振ること

考え方はシンプルです。ここを整理できていないから、走り込みをすすめてしまうということが起こります。

下半身が不安定=走り込みでは改善しない

例えばピッチャーが投球した後、前脚の膝が割れバランスを崩してしまう選手がいるとします。

こういうバランスを崩す選手にも走り込みが足りないと言うことがありますが、これは着地のときの問題があるはずです。

人間の身体は、つま先が真正面を向いた状態で着地をすると、膝が割れるような構造になっています。

つま先が真正面

若干つま先が内側を向くことで、膝が割れずブレーキをかけることができます。

つま先が少し内側を向く

この微妙な差でも下半身の安定感も変わります。大切なことは、下半身が安定しない原因をみつけることであり、走り込みをさせることではありません。

このように、よく勘違いされることを冷静に考えていくと、走り込みが本当に必要かどうかの判断ができると思います。

 

まとめ:野球選手の走り込みは目的と方法の一致が重要

今回は、野球選手が行う走り込みの必要性について解説しました。

今回の記事のまとめ

  • 走り込みをする前に、そもそも走り込みをする目的を整理することが重要
  • 持久力(スタミナ)をつけるための走り込みは必要
  • ただ、目的がない走り込みは不要
  • 走り込みをしてもコントロールは良くならない

こういった内容をお伝えしていきました。

今回の内容が少しでも参考になればうれしく思います。最後まで読んでいただいて、ありがとうございました!

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