野球選手との3年間を振り返ってみました。

パーソナルトレーナーとして独立をして、もうすぐ3年が経ちますが、それと同時期に1人の野球選手のコンディショニングを見させてもらうことになりました。

この3年間本当に多くのことを学び、うまくいかないこと、うまくいったこと、実践を通じてトレーナーとして難しさを肌で感じることができました。

またどんな選手になっていくのか、目標を立て、それに向かって練習やトレーニングを行ってきましたが、コンディショニングを向上させることがどれだけ幅広い知識が必要か、適切な指導をするためにどれだけの技術を持ち、柔軟な発想や、応用ができるかなどトレーナーの厳しさと面白さを感じることができました。

今後も継続してサポートしていくことになっていますが、いかに段階を踏んでいくか、ひとつひとつの積み重ねがどれほど大事か、焦らず目の前の課題をクリアするのか、選手だけではなく、トレーナーである自分も一緒成長していかなければ選手の成長はそこで止まります。

今日はそんな野球選手との3年間で感じたことを思ったままに書いていこうと思います。

 

右も左もわからなかった1年目

この表現は適切かどうかわかりませんが、トレーナーとしてできているつもりになっており、知っていることと、できることは違うということを身をもって経験しました。

スポーツ選手のコンディショニングを向上させる=ウエイトトレーニングをさせるという頭だったこの頃、違うとはわかりながらも何をしていいのかわからず、ウエイトトレーニングを中心にトレーニング指導をしていました。

学んでいくと、ウエイトトレーニングをさせる際に、どのようにさせるのか、ただ追い込んで緊張を獲得するのであれば選手にとってマイナスになってしまうこともあります。

ボディビルダーを目指すかのように筋肉を大きくしようと取り組んでしまった結果、選手の動きが硬くなり、結果的にマイナスになったこともありました。

またそもそもの問題で、コンディショニングとは何か、そこを徹底的に理解しようとし始めたのもこの頃だったと思います。

筋力を向上させることはひとつの要素の向上であり、コンディショニングというのは総合的に見ていく必要があり、身体的なこと、精神的なこと、防衛的なこと、栄養や休養、など幅広い理解が必要です。

とにかく手探り状態で、経験のない自分にとってすべてが不安で、右往左往した1年間だったと思います。

 

2年目で気づいた選手の変化

1年間選手と過ごす中で成果として見えたこともありましたが、当然ながらほとんどが課題だらけでした。

この1年間で感じれたことは、筋力を向上させることはどういうことか、またどのように向上させるのか、細かなメニューや回数・セット数・休息時間、原理原則にのっとってできているのかどうか、見返しては学び、訂正を加えてまた実践するという繰り返しでした。

1年目でできなかったことが成果として見えてきたのがこの2年目でした。成果といってまだまだ現在でもわかっていないことも多いですが、以下のようなことが実践の中から理解できたと思います。

  • スイングスピードの向上は3種類の重さのバットを使用する
  • 力を入れれば入れるほどスイングスピードは落ちる
  • 動作の基本はリラックスをすること
  • ボールを前で離そうとすると肩肘を痛める可能性がある、などの投げ方について
  • バランストレーニングは不安定な場所でするのではなく、安定した地面で行う
  • 自然体にすることが重要

などあげれば多数になりますが、大きくの気づきと学びがありました。

最も大きな学びのひとつに選手のことを理解するということがありました。どういうことかというと、さまざまな勉強をするとついそれを伝えたくなりがちですが、それを一方的に伝えてしまうと選手の現在の動きがどうなっているのか、だからこういう動きをした方がいいのでは?という現在の動きとそれに対する変更点を

選手自身に理解をしてもらうために、選手の動きの感覚を理解することの大切さを知りました。

今ここの動きはどんな感覚で行っている?だからこういう動きになっているんだよな。そこをこう変えてみるとさらによくなるからこういう動きをこう変えてみよう、というように選手に理解をしてもらうために、まずはトレーナーである自分が選手に寄り添って動きの感覚を理解することが大切だと思います。

「○○をこうしろ!」「もっとこう動け!」などと一方的な意見の投げかけはある意味楽で、言っている側も伝えた気になってしまいます。ですが、これは指導になっておらずただの自己満です。

これでは指導者として意味がありませんし、できるようにすることがトレーナーの仕事でもあります。

もっと選手に寄り添うべきだし、もっと選手を理解しようと思えばお互いのやりたいことが見えてくるし、成果が見えてくると思います。日本の指導者の特徴でもあると言われている一方的な指導ですが、これではあまりにも選手がかわいそうです。

話が少し脱線してしまいましたが、選手を理解することの重要性を感じた2年目だったと思います。

 

長期計画で選手を育てる難しさを知った1年間

選手を育成することは、何度も言いますが幅広い知識と技術、経験が必要になりますが、この3年目は選手を長期的に育成するために、現在の状態とこれから課題となることをいつまでにクリアし、どのようなステップをいつまでに踏むのか、3ヶ月後、半年後、1年後、選手はどのようになっているのか、そのような計画を立て、実行していく中で誤差が生じたときにその計画を修正し、再度計画していく。

現在は、その計画を立てて実行した際になぜうまくいかないのか、その数が多く思った通りに行かないことがたくさんあります。

そのひとつひとつを紐解いていき、感じたことは、当たり前のことをひとつひとつクリアしていくこと、階段を1段1段上がるように、その道筋を作ってあげることがいつか大きな成長につながるのだと感じます。

ただ、1段1段上がろうとするとその速度が遅く感じてしまいそうになりますが、いかに目の前の課題をひとつひとつクリアしていくか、その重要性に気づけましたし、それが最短での成長になるんだと思います。

そのためには選手に成長してもらうこと以上に、トレーナーである自分が成長していかないと選手の成長も厳しいのではないかなともいます。

最終的には人間性が伴っていないと成長も厳しいと思いますし、向上心を高く持ってチャレンジし続けていれば、失敗も多いですが、そこから学べることは多いと感じた3年目でした。

まだまだわからないことだらけですが、自分なりには毎年できることも増えてきていて、成長が感じれるので冷静に選手と自分の課題に対して取り組んでいく4年目にしたいなと思います。

 

最後に・・・

トレーナーの世界は本当に奥が深く、今は学ぶことが一番楽しいなと感じています。

わかったときの「あっ!!」という感覚や、できないことができたときの感覚が今はすごく好きです。世の中にさまざまなダイエット法やトレーニング法が出てきていますが、本質を見極めてシンプルに結果を実感して頂けるトレーナーになっていきたいなと思います。

先ほども書きましたが、もっと選手であったりクライアントさんに寄り添うことで相手の感覚や考えていること、日々の習慣が見えてくると思います。そこで相手の感覚を知ることで、何ができていて、何が課題なのか、それが見えてくることがあると思います。

自分もまだ不足していることがありますが、そういう意識でセッションに取り組むことで最終的に自分の課題がみつかり、結果が出ないときの責任はすべて自分にあることに気づきます。

伝え方、言葉の選択、タイミング、メニューなどさまざまなことを見返していくとほとんどが自分ができていなくて、それが見えないとできない理由を相手に押し付けてしまう。まさに一方的な指導になります。

もっと冷静に広い視野をもっていろんなことも見渡せる、本物のトレーナーになっていきたいと思います。

4年目はもっと成長できる1年にしたいと思います。

最後になりましたが、いつも夢に向かって努力している選手へ、いつもありがとう。

今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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