
腰痛になると痛い部分をマッサージしたり、湿布を貼ったりしてどうにか痛みを・・・と対処すると思います。
でもそのときはよかってもなかなか痛みが引いていかなかったり、改善できなかったりすることがあります。これはなぜでしょうか。実は、問題は痛い場所ではなく、違うところにあるからです。
腰痛を改善するには全体を直すこと。そして、なぜ腰痛になってしまったのかという原因を見つけていくことが改善のヒントです。今日は腰痛についてわかりやすくお伝えしていきたいと思います。
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Contents
腰痛の原因を考えると、今やっていることに疑問が生まれる
いきなりですが、なぜ腰痛は起こるのでしょうか。何が原因なんでしょうか。これについては「〇〇だ!」ということはなく、それぞれ原因が異なることは現場で感じることですが、一般的にどのようなことが腰痛の原因として言われているでしょうか。
これをまずはみていきたいと思います。
一般的に言われる腰痛の原因 1、筋力不足
腰痛の原因は、まだまだ筋力が弱いからなるって言われていますね。これもひとつの原因として考えることができますが、主な原因は筋力ではないように現場では感じます。
筋力が弱いからとなってしまえば、一般の方よりも筋力が強いスポーツ選手は腰痛にならないのか?といえば、腰痛になっている選手も多い。
それでもどこか筋力が弱いから・・・ということが根強く、腰痛改善の方法として紹介されるものも筋力を強化するようなエクササイズや、ウエイトトレーニング、体幹トレーニングが紹介されています。
果たして、本当に筋力が弱いから腰痛になっているのでしょうか。
一般的に言われる腰痛の原因 2、腰の筋肉が硬くなっているから
腰痛になっている方の腰を触ると、筋肉が硬くなっていることがほとんどです。そのため、腰をマッサージしたり、電気を当てたりして筋肉を緩めていきます。
このような治療を受けているときは気持ちよくて、心もリラックスできそうですが、実際に腰痛は改善するのかといえば、そのとき、その日は改善が見られることが多いようです。
ただ、日が経てばまた痛みがぶり返してくる。だからまた治療を受けに行って、また少し改善して、また痛みが出て・・・。こんな循環になっているのではないでしょうか。
一般的に言われる腰痛の原因 3、腸腰筋が弱いから
これは1、の筋力と似てきますが、特定の筋肉を指して原因として言われることがありますが、このような場合、腸腰筋を強化する、鍛えることが行われます。
サッカー選手は他のスポーツ選手に比べて腸腰筋が発達していると言われますが、一般の方よりも筋力が高く、他のスポーツ選手よりも腸腰筋が発達していると腰痛にならないでしょうか。
実際サッカー選手でも腰痛に悩まされている選手はいます。なぜ特定の部位を見る必要があるのでしょうか。
まずは一般的に言われている腰痛の原因についてまとめていきましたが、僕は上記のようには考えておらず、筋力の問題も関係すると思いますが、主な原因は姿勢が崩れること、いわゆる歪みと脳が関係していると考えています。
現場でも求められる腰痛改善ですが、その中で感じることはいかに歪みを直し、脳の中で良いイメージを持たせるか、この2つがポイントのように感じます。
このことにお伝えしていきたいと思います。
腰痛の原因は全体が崩れてしまうことと、脳が痛みをインプットしていること
腰痛の原因を語る前にこちらの画像を見ていただきたいと思います。このような座り方を見てどのように思いますか?
座っている姿勢は悪いですよね。頭ってボーリングの球ぐらいの重さって言われています。
もし頭がボーリングの球だったら、身体にはどんな負担がかかっていると思いますか?こんな感じです。
こういうことになります。こう見ると、この重りってどこにかかっているかイメージつきますか?シンプルに考えるとここにきますし、実際にやっていただいても、ここにきます。
頭の傾きはこれだけ上半身全体に影響を与えますし、これは座っている状態ですので、下半身には影響はいきませんが、普段は立って生活をしていることが多い人間は、部分の歪みはつながりある全身に影響を与えています。
ではここから腰痛の原因についてお伝えしていきたいと思います。
僕が考える腰痛の原因
根本の考えに、人間は本来もつ自然な状態であれば痛みはないのではないか、という考えです。
どこか歪み不自然になっているから痛みが出る。だとすれば、それを直せば改善するのではないかということです。上記の姿勢であれば、頭部が傾いている。それを元に戻せば痛みは改善するのではないかということです。
頭部が傾くということは、その影響は全身に出ますので、他も不自然な状態になっているはずですので、それらすべてを自然な状態に直すこと。全体が整えば部分も整います。
先ほどのこのような姿勢では、左側に頭が倒れ、左の骨盤が上がっています。上半身の左側にストレスを受け、筋肉は緊張しているはずです。そう考えると左の腰を緩めれば腰痛は改善できるのでは、ないでしょうか。
と言いたいところですが、もう少し考える必要があります。筋肉は縮んでいる方も緊張しますが、伸ばされている方も緊張している可能性があります。このような関係ですね。
このようなことから、全体の歪みは部分に影響を与え、頭の傾きは腰にストレスを受けます。そのため腰の筋肉が硬くなってきますが、いくらこの筋肉をマッサージしたり、温めたりしても一時的な改善しか見られないのは、このためです。
この腰の筋肉が硬くなる原因はそもそも全体の歪みであり、その影響が腰に出ているのです。もっと全体を見る必要があり、全体を自然な状態に直せば部分の問題は改善できるのではないかと考えています。
このように姿勢の崩れによって受けるストレスが原因で腰痛になるということと、もうひとつ見ていく必要があることがあります。それは脳です。痛みに対して脳がどのように捉えているのかということも腰痛の原因や改善につながります。
腰痛の原因は、脳も関係している
以前、こんな話を聞いたことがあります。ある有名治療家とおばあちゃんの話。
腰痛に長年悩んでいたおばあちゃんは、知人の紹介で東京にいる有名な治療家を紹介してもらってそうです。期待と諦めが交差しながら東京に向かい、早速治療がスタート。
自信をもって臨んだ治療家でしたが、今までにないほど自分の技術ではあまり改善ができなかった。
治療家:「何かに憑りつかれているんじゃない?」
そう言い放ったそうです。あまりの悔しさに怒ってその場を後にしたおばあちゃん。そこはジムの中だったそうですが、フロントに立っていた学生に今回の経緯を怒鳴るように話しました。
そのまま帰ったおばあちゃんは次に日またジムにやってきましたが、そのときは晴れやかな笑顔でこられました。理由は腰痛が改善したから。その理由は怒鳴って学生に話し、それを親身になって聞いてくれたおかげで気持ちがすっきりしたから。
痛みと脳はつながっているという話でした。
これはある雑誌に書かれていたことで真意はどうかわかりませんが、この内容から考えられることは痛みは脳が感じているということです。
痛みの尺度は測れるものではなく、それぞれの感覚によるもの。本人がどのように感じているのかによって、脳が痛みをどのように捉えているのかによって痛みの程度は変わってくるということです。
腰痛を改善したい方は、この脳の存在を忘れてはいけないと思います。痛みをどのように捉え、考え、向き合っていくのか、これは腰痛を改善する上で非常に大切なことです。
腰痛の原因は脳も関係していると考えています。
腰痛の原因は日頃の姿勢や動作が大いに関係している
ここまで腰痛の原因は、全体の崩れや脳だとお伝えしていきましたが、そもそもなぜ全体が崩れてしまうのでしょうか。おさえておかなければいけないのはここからです。
なぜ全体が崩れてしまうのでしょうか。それは日頃何気なく行っていることが多くの場合、原因になります。先ほどの座り方も一つです。
座り方
このような大きな崩れがなくても、2~3cmの傾きも身体によっては部分に大きなストレスを与えることがあります。
立ち方
電車を待っているときに何気なくするこの姿勢。これが歪みや腰痛の原因になることがあります。片脚に体重をかけると全体は崩れます。両脚できちんと立てていますか?
仕事のときの姿勢
パソコン作業が多い方の場合、多くがこのような姿勢になってしまうと思います。このような姿勢も腰痛の原因として考えることができます。
台所での過ごし方
これは以前記事でもお伝えしましたし、女性に特に多いのですが台所の台にお腹を当てながら立っている場合、この姿勢も腰痛の原因となります。
ここで本音を言えば、ブログでは大多数の方に向けて書いてしまっているのでわかりやすい表現を使っています。
ただ、個人で見るセッションでは仕事や私生活などをお聞きし、そこから個人がとっている不自然な姿勢や動作を見ていきます。ざっくりといえば上記のことが主な原因ですが、個人に当てはめると本来はもっと細かいものです。
パソコンを使っているときの姿勢は個人によって異なりますし、立ち方も違う。本当に腰痛を改善したい場合、ここまで見ていかなければうまく姿勢を整えることができません。逆に言えば、そこまで姿勢に意識を向け、日頃気をつければ改善できるということです。
腰痛を一人で改善する
今回はできるだけご自身で腰痛の改善につながればと思って書いてますので、ここからは体操や調整についてお伝えしていきたいと思います。全身を整えていきます。
首の調整
まず、首の調整から入っていきたいと思います。手の指で後頭部のすぐ下あたりの筋肉を軽く圧迫します。
この状態をキープしたまま、天井を向いていき、また正面に向くというように頭を楽に動かしていきます。天井を向くタイミングで息を軽く「ハア。」を吐きます。
これを1分行います。
これができれば次は左右に動かしていきます。これも1分行い、終われば手を離し、首を緩みを感じます。
脊柱の調整
次は腰から上背部を調整していきますが、まずは膝を90度に曲げ、足を肩幅に開き、仰向けになります。
この状態から腰に張り感が出ない範囲まで息を吐きながら倒し、逆側に倒していきます。これを2分ぐらい続けますが、痛みがある方は痛みのない範囲で動かすようにします。
腹式呼吸でお腹周りを緩める
続いては、お腹周りを緩めていきます。まず両脚を伸ばし、仰向けの状態になります。両手をお腹の上に置き、鼻からお腹を膨らませるように息を吸い、口から細く長く息を吐きます。
この呼吸を10~20回行います。
骨盤、股関節周囲を調整する
続いては、骨盤と股関節周辺の調整ですが、仰向けの状態で両脚を肩幅ぐらいに開きます。
この状態から足の外側を地面に軽くこするように膝を曲げていきます。
緊張が出ない位置まで曲げ、そこから膝を立て倒れるところまで倒す。
そこから脱力をするように脚を伸ばし、開始ポジションに戻りますので、この動きをリラックスして繰り返します。
これができるとお尻から腰、脚まで緩んでいきます。
またこちらで紹介している調整法も似ていますが、参考になると思いますので、ご覧いただければと思います。
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この一連の流れで調整になりますが、これを実践していただいた後身体は軽くなり、筋肉が緩んだ感覚が出ているでしょうか。きちんとできれば筋肉は緩み、姿勢もある程度改善できていると思います。
これだけで腰痛を改善できる・・・とはならず、本来重要なのはここからになります。
腰痛の根本原因を改善する
上記でお伝えしたように、腰痛の原因は主に日頃行う姿勢や動作の影響を受けて身体が歪み、身体が歪むことで局部にストレスを受け、腰痛になるということです。
このように考えると、まず身体が歪んでいるのを直したわけです。でも原因は日頃の姿勢や動作にあるので、ここの改善ができて継続的な腰痛改善につながるということです。
ではこれまで記事の中でまとめていった姿勢や動作のことをご紹介していきたいと思います。
立ち方を改善
まず立ち方ですが、体重支持ポイントをどこにするのか、またどのように立てば自然と言われる姿勢なのか。その考え方をこちらにまとめています。
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座り方を改善
座るとき坐骨を感じるように座ることがポイントで、坐骨を感じることができれば骨で座ることができ、腹背筋はバランスよく適度に緊張します。
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歩き方を改善
歩き方については、いつもお伝えしていますが脚を前に出すのではなく、重心を前に運ぶことがポイントになります。
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腰痛に悩んでいる方に伝えたいこと
これまで腰痛の原因と改善についてお伝えしていきましたが、何よりも大切なことは直る、改善するという希望が持てることだったり、腰痛を改善するために前向きな姿勢、想いというのは必ず必要になります。
このように言うと少し誤解されてしまうかもしれませんが、本当に脳の中でどのように捉えるのか、悲観的にとらえてしまうといい結果が出るのに、それも出なくなってしまいます。
改善するためには、僕もサポートしていきたいですし、それに一緒に直すんだ!という姿勢で臨まれることで改善に向かっていきます。
僕もまだまだ技術不足のところもあり、腰痛の改善でこられたクライアントさんのご期待に沿えないことがありました。そのとき必要だったのは、身体調整の技術ではなく、前を向いていただく言葉がけだったり、人生の目標づくりだったと思っています。
立場的に、また年齢的に人生の先輩ばかりがクライアントさんですが、その中でも少しでも前を向いていただけるようにサポートできればと思っています。
決してあきらめないでほしいなと思いますし、ご自身の脳を変えていくために少しずつの改善を行い、成功体験を積んでいけば前向きにもなれますし、痛みの改善も進んでいくと思います。
腰痛で悩んでいる方の痛みが少しでも改善できる、もしくはそのヒントになった内容であればうれしく思います。
まとめ
では最後に今日のまとめを書いていきたいと思います。
腰痛を改善するためには、このような手順が必要になると考えています。
- なぜ腰痛になったのかを把握する
- 全身を整え、歪みのない本来の姿に直す
- 根本原因である姿勢、動作を改善する
- 私生活や仕事中にそれを継続する
このような流れを継続的に行うことで腰痛の改善につながると思いますので、この内容が参考になればうれしく思います。
今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。