
女子サッカー日本代表がワールドカップで2大会連続で決勝進出し、惜しくも2連覇とはなりませんでしたが、女子サッカーの強さを世界に示しました。
毎回男女ともにワールドカップ前には、各選手の特集が組まれていて、よく見ていました。各選手の故郷や小さい頃の生活ぶりを両親や親戚、友人を訪ねて聞くということがされてましたが、その中で以前長友選手の中学時代の話が個人的には好きでした。
中学時代は不良に交じってサッカー部の練習をさぼり、ゲームセンターで遊んでいたところに顧問の先生がやってきて、ビンタして長友選手は生活態度を改め、そこから這い上がっていくという青春ドラマのような思い出が紹介されていました。
この長友選手が、インタビュー中にこれからも目標について語ったとき正確な言葉は忘れてしまいましたが、こんなことを言っていたことがあり、それがずっと頭の中にあります。
インタビュアー:―これからの目標についてお聞かせください。
『自分の目標があって、そこから逆算して今何をしなければいけないのかが見えているので、それを日々の練習の中で取り組んで、そんな簡単なことじゃないことはわかっているけどそこを課題としてやっていきたい』
このように話していたことがあります。これを聞いてどれだけ華やかに見える世界でも、目標に対してどのように考え、進んでいくのかというのは一般の方も同じように感じました。
今日はそんな目標に向けて前進していくために必要な脳の使い方書いていきたいと思います。
脳の働きについて
動物は、さまざまなバイオリズムを持っています。
- お腹が空いた
- 瞬きをする
- 起きて寝る
などのリズムを持っており、そのリズムの中で生きています。その中で最も有名なリズムがサーカディアンリズム。1日の間で「寝て起きる」みたいなリズムのことを言います。
脳の中のある部分を海馬と呼び、この海馬は起きている間にも活動しますが、寝ている間にもすごく活動します。この海馬を含めた脳全体が夢を作り出しているそうです。
ここで海馬の役割を整理しておきます。
・海馬の役割とは?
海馬の役割とは、今まで見てきた記憶の断片を脳の中から引き出して夢を作り上げることだそうです。
夢は記憶の断片をでたらめに組み合わせていく作業であり、夢の間に起きていた時の記憶を引き出して、海馬はその情報を整理するそうです。
今までに経験したこと、実際に見たものなどを無造作に組み合わせ夢は作られていくそうで、夢は脳の中の情報の大掃除中という感じでしょうか。続いては睡眠の役割について触れていきます。
・睡眠の役割とは?
睡眠の役割とは、整理整頓できた情報をしっかり記憶しようという、取捨選択をするということ。
夢で情報を整理し、睡眠でそれを記憶していく。よくテスト前は徹夜をするよりも、寝たほうがいいというのはここから来ているそうです。徹夜をしてしまうと、情報の整理整頓ができず、それを記憶することが難しくなる。
一夜漬けで結果を出せたとしても、勉強したものを活かしていくのであれば、前もって勉強をして睡眠をしっかりとっていく方が、成果としては上がるということになります。
このようなことから睡眠は重要ということがわかりますが、研究によれば睡眠時間は最低でも六時間ぐらいいると言われているそうです。(個人差があります)
脳の仕組みを少し理解できたところで、続いては目標や夢を実現するためにどうすればいいのか、脳の仕組みから実際に活用するためにどのようにすればいいのか、それらを見ていきましょう。
夢や目標を実現するために知っておくべき脳の使い方
何かを達成しようと思うと、その夢の大きさに関係なく時間はかかるものであるし、ある程度努力をする必要があるのは誰でも承知のことだと思います。ただ、やみくもに努力をしてしまえば途中でやる気を失ったり、モチベーションが続かなかったりすることがあります。
誰でも最初はやる気があるもの。やる気をいかに継続されるかが夢の実現には必要不可欠になります。
そんなときに脳をさらに理解することでその不安が解消されます。まずはA10神経(えいてんしんけい)というものを知ってみてください。達成感がA10神経という快楽に関わる神経を刺激して、ドーパミンを出させやる気を維持させるそうです。
達成感をいかに味わうかというと、「目標は大きく」ではなく、「目標は小刻みに」と心がける方がうまくいくそうで、「今日はここまで」「1時間やろう」と実行可能な目標を立て、達成するたびに快楽物質が出てやる気が維持できる。
ダイエットをしている方も、「10kg痩せるぞ!」というよりも、細かく行動目標を立てたりして、「1口につき30回噛もう!」とか「今日はご飯半分減らそう」とか、簡単にできることも1日1日目標を立てると、やる気も持続して、ダイエットが継続できるコツになるかもしれません。
さて、理解してできましたでしょうか?言い換えるとこんな感じになります。
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まずは、100万円の貯金をしようと思います。いきなり100万円となるとハードルは高いかもしれません。これを先ほどの説明によると、目標は小刻みに。そうするとまず、1日1000円の貯金をしようとします。
これだとやりやすいですよね。1000円を1日1回貯金箱に入れる。これで今日の目標は達成です。これを繰り返すと1日1日「今日も貯められた!」と目標を達成するために達成感が得られます。そうすると脳から快楽を感じるドーパミンが出てくるため、やる気が持続されます。
みなさんの夢や目標も同じだということになります。長期目標と短期目標、1日単位でするべきことを導き出していくとあとは実行するだけになります。それを続けることでモチベーションも維持でき、いつしか夢を現実のものとできる。
そんな可能性があるのは、目標を小刻みに設定し、達成感を味わい続けることが重要になるそうです。
作業を効率化するための心理効果
そうやって夢に向かって日々努力を積み重ねていくわけですが、上記のことをやったからといって、やる気が出ないときもありますよね。これを覚えておくとそんなときでも効率よくできるかもしれません。
心理学の世界で、初頭効果と終末効果と言われるものがあります。どういうことかというと、1時間の授業を受けるとします。人は心理的に最初と最後の時間集中しやすく、作業がはたどります。
この考え方を応用して、1時間の授業だけど、自分の中で30分の授業を2回受けると思い込みます。そうすると、2回の中で最初と最後の時間集中することになり、同じ1時間でも集中してできる時間が変わります。
こう考えると長時間何かをやり続けるよりも、小刻みに時間をくくっていった方が作業ははかどるということになります。このように考えると日頃の過ごし方も考え方ひとつで効率をあげることができます。
ちなみにこれはすごい面白い脳の仕組みです
学習の過程でよりミスを多くした方が将来的には記憶の定着率がいいそうです。脳は「ミスをした方向に再び進まないように次の道を選ぶ」という性質があるそうで、結果的に失敗の数が多ければ多いほど飛躍できる可能性があるということです。
また脳は生命の危機状況に陥った方が、活動するそうで、空腹状態にすることや部屋を寒くする方が活動は活発になることもわかっているそうです。リスクを背負ったほうが脳の働きはよくなっていくということです。
まとめ
いかがでしたでしょうか?脳の使い方を理解すると今までやっていた習慣が変わっていくように思います。僕自身も、体感している部分もあり、小刻みな目標を達成し続けるとモチベーションも高く、毎日が楽しく仕事ができているように思います。
夢や目標は大切なものだけど、そのとらえ方を間違ってしまうと自分の首を絞めてしまったり、自分で自分を苦しくしてしまう可能性があります。
夢や目標に期限があることがほとんどですが、逆に焦ってしまうと返って脳にとっては悪影響になりますし、睡眠時間は一見無駄のように思いますが、人間にとっては情報の整理ができる貴重な時間になります。
最後に今日の内容をまとめていきたいと思います。
- 人間はさまざまなバイオリズムを持っており、最も有名なのが「寝て起きる」サーカディアンリズム。
- 夢を作り出しているのは、海馬を含めた脳全体
- 海馬は、実際に見たり体感したり記憶を、夢の中で整理整頓をしている
- 睡眠は、その海馬が整理整頓した記憶の取捨選択をする
- 情報整理や取捨選択をするために、睡眠は個人差はあるが6時間前後が勧められている
- 夢や目標の実現には、大きな目標だけでなく小刻みな目標を設定する
- そして、小刻みな目標を達成することで達成感を感じ、その繰り返しでやる気を持続させる
- 夢や目標はうまくステップアップを作ってあげると、時間はかかろうと実現できる
という内容をお送りしていきました。夢や目標を実現することは難しいと思われるかもしれませんが、このように目の前の課題を一つ一つクリアするように、ステップアップを繰り返していくことで本当に実現できるのだと思います。
きれいごとだけではなく、困難が数知れずあると思いますが、それを乗り越えてこそ実現できるものだと思います。志高く、高みを目指し続けていきたいですね。
今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。