腓骨筋腱炎とは?足首の外側の痛みの原因と改善方法

       

ランナーやスポーツ選手の中に、足首の外側に痛みを感じたり、もしくは腫れがみられたりすることがありますが、その症状はもしかすると腓骨筋腱炎かもしれません。

動いている時の着地が足の外側になっている場合、ふくらはぎの外側にある腓骨筋という小さな筋肉にストレスを受けます。そして、その筋肉がストレスに耐えられなくなると、痛みや腫れが足首の外側に出るんですね。

この痛みや腫れは、腓骨筋を緩め着地の仕方を変えることで、痛みを改善することができます。もし、足首の外側の痛みなどで悩まれている方は、腓骨筋腱炎の可能性があるので、今回は足首の外側の腫れや痛みの改善についてお伝えしていきたいと思います。

動画でも原因について解説していますので、参考に実践してみてくださいね。

 

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腓骨筋腱炎の原因

腓骨筋腱炎とは、シンプルに解説すると、

腓骨筋の腱で起こる炎症

という文字通りのことなんですね。腓骨筋という筋肉についても少し知っておくと理解しやすいと思うので、まず腓骨筋について解説しますね。

腓骨筋とは

腓骨筋とは、ふくらはぎの外側にある小さな筋肉で主に、

  • 長い腓骨
  • 短腓骨筋
  • 第3腓骨筋

などの筋肉から構成されている筋肉になるんですね。イメージ的には、こんな感じです。ふくらはぎの外側から…

腓骨筋

踝(くるぶし)の後ろ側を通って、土踏まずの内側辺りについてます。

腓骨筋

ここで重要なことは、腓骨筋という筋肉はふくらはぎの外側にありますが、外踝の後方などには腱が通っているため、その部分ともつながりがあるということを覚えといてくださいね。

腓骨筋にストレスを受け続けると腱で炎症が起こる

筋肉はストレスを受け続けると硬くなり、そのストレスに耐えられなくなるとその筋肉に関連する腱で炎症が起こり痛みが発生します。

先ほど腓骨筋は、外踝の後方に腱が通っているとお伝えしましたが、もし腓骨筋がストレスを受け続けて、そのストレスに耐えられなくなると外踝の後方辺りで炎症が起こったり痛みが出たりします。

その症状のことを、腓骨筋腱炎(ひこつきんけんえん)

と言います。もちろん、外踝の後方の痛み=腓骨筋腱炎というわけではなく、医師に診断してもらうことで症状名は明確になりますが、外踝周辺の痛みの可能性としては腓骨筋腱炎という症状が考えられます。

腓骨筋腱炎になると足首の外側が腫れる

現場でも何度か経験しましたが、もし腓骨筋の腱で炎症が起こっている場合、足首の外側がポコッと腫れることがあるんですね。

腫れている部分は熱を持っている可能性もあるため、この場合は患部をアイシングし、冷やす必要があります。

また、腓骨筋そのものを緩めることで腫れも痛みも改善ができますが、そもそもなぜ腓骨筋に過度なストレスがかかってしまうのでしょうか?

なぜ腓腹筋にストレスを受けるのか?

腓骨筋にストレスを受ける原因は、着地の問題が考えられます。

人間の足部は4つのアーチがあり、それぞれ、

  • 内側縦弓
  • 外側縦弓
  • 水平の弓
  • 中足の骨の弓

というアーチがあるんですね。

内側縦弓

外側縦弓

中足骨弓

これらの4つのアーチが自然な状態で、足に体重がかかっていないときは少し足は膨らみを持っています。

体重がかかっていない

ここに体重がかかることで、この膨らみが真下にへしゃげるように動きます。

体重がかかる

こうやって動くことで地面から受ける衝撃などを吸収したり、脚や体幹全体に分散したりする役割が足のアーチなどにはあります。

つまり、足が自然な状態で適切に使われると足首の外側が腫れたり、痛みが出ることはないということなんですね。ただ、足の外側から着地を繰り返すと、このストレスは腓骨筋など脚の外側の筋肉が受けることになります。

足の外側で着地

こういう着地を繰り返してしまうことで、腓骨筋はこのストレスに耐えられなくなり、結果腓骨筋腱炎になってしまう可能性があるということなんですね。

シューズの変形も痛みと関係がある

学生のスポーツ選手でよくあるケースですが、履いているシューズが変形してしまっていることがあります。

こういうシューズを履いていると、自然と足の外側に体重がかかってしまい、結果腓骨筋がストレスを受ける。

つまり、身体の癖として腓骨筋にストレスがかかってしまっているケースと、シューズなどの用具・道具の影響で腓骨筋にストレスがかかってしまっているケースがあり、どちらも腓骨筋腱炎の原因になるということなんですね。

では、どのように腓骨筋腱炎や足首の外側の痛みを改善すればいいのでしょうか?それはまず、筋肉を緩めることです。

≫関連記事:ランニングシューズの選び方をパーソナルトレーナーが解説

 

腓骨筋腱炎を改善する方法

筋肉を緩める方法は、できるだけ動かす中で筋肉を緩める方が緩めやすいので、今回は動かしながら筋肉を緩める方法を詳しく解説しますね。

なぜ筋肉を動かして緩むのか、揺らして緩むのかを詳しく知りたい方は、「筋肉を緩める方法はストレッチ意外にもたくさんある【6種類ご紹介】」も参考に実践してみてくださいね。

足首回し

手順

  1. 椅子に座った状態で、足首から先を出すように脚を組む
  2. 片手で踝の少し上を抑える
  3. 逆の手で足を持ち、ゴリゴリならない程度に回す
  4. 2分ぐらいを行って逆回しを行う

ふくらはぎの筋肉を揺らす

手順

  1. 座った状態で、片膝を90度ぐらいに立てる
  2. ふくらはぎをリラックスさせる
  3. その状態で、ふくらはぎの筋肉全体を揺らす
  4. これを2分間行う

下半身の捻れの改善

手順

  1. 仰向けになり、足を腰幅ぐらいに開く
  2. 片側の外踝を地面に軽くこすりながら膝を曲げる
  3. 股関節が緊張しない位置まで引き上げる
  4. 脚を伸ばし、膝伸びきると同時に太ももを軽く内側へ捻る
  5. 元の状態に戻し、同じ動作を2分間繰り返す

この調整方法を行った後、その場に立つと足裏全体で立つ感覚がよくわかると思います。このときに乗っている足裏の位置は、後ほど姿勢や動作の改善で使うので覚えておいてくださいね。

本来は、ふくらはぎだけではなく全身を緩めることが必要にはなってきますが、こういった方法で腓骨筋を緩めることである程度痛みの変化をすぐに感じられると思います。

そして、もしまだ足首の外側が痛んだり腫れている方は、アイシングを行っていきます。

アイシングを行う

アイシングをする場合、基本的に2つのことを守ります。

守ってほしいこと

  1. 腫れがみられる患部を冷やすときは氷水で冷やし、15~20分間アイシングを行う。
  2. もしくは、冷やしている患部の感覚がなくなれば終わり

20分行うか、それとも感覚がなくなったらか、どちらかの判断でアイシングを行って、患部の腫れを引かせていきます。

この、筋肉を緩める+アイシングは、できるだけ毎日続ける方が早く痛みを改善することができるので、ぜひ続けて行ってくださいね。

ここまでの流れで痛みの改善はできていますが、根本的な原因は着地の問題やシューズの問題でしたよね。次はその根本原因を取り除いていきます。

 

腓骨筋腱炎の根本原因を取り除く

腓骨筋腱炎が起こる根本原因を取り除くためには、まず足のどこに体重を乗せるのか、ここからお伝えしていきますね。

体重支持ポイントを理解する

先ほど足のアーチの話をお伝えしましたが、人は自然に立つことができるとこの赤い丸の位置に体重が乗ります。

体重を乗せる位置

この位置に体重が乗ることで、3点支持ができると言われています。その3点と体重の比率は以下の通りです。

体重分布

この比率で立てることが最も地面から受ける衝撃が吸収・分散される状態になります。別の言い方をすれば足裏全体で着地をしていると、腓骨筋へのストレスは軽減され、腓骨筋腱炎は改善できるということなんですね。

ですので、ここからは足裏全体で体重を支え、動作ができるようにお伝えしていきますね。

立ち方を改善する

自然な立ち方

まず、足裏全体で立つためには座った状態から立ち上がり、体重支持ポイントを理解していきます。

手順

  1. 硬めの椅子に座り、お尻の下の骨を感じる
  2. 骨盤を後に倒し、背中を少し丸める
  3. 次に、へそを前に突き出し骨盤を立てる
  4. 骨盤を前後に動かし、それを20回ほど繰り返す
  5. そして、腹筋と背筋が最も楽な位置で止める
  6. そこから顔を前に送り、両足の踵に体重を乗せる
  7. あとは踵を感じながらまっすぐ立ち上がる

この手順で立ち上がると、先ほどお伝えした赤い丸の位置で立てていることがよく実感できると思います。

詳しくは、「立ち方を習得する4ステップ【壁立ちはおすすめできない】」で解説していますので、参考に実践してみてくださいね。

立ち方が理解できると、次はそれを歩き方につなげていきます。

歩き方の改善

歩き方の改善でポイントなのは、脚を前に出そうとせず、重心を前に運ぶことで歩けることをインプットすることです。

手順

  1. 重心を高く引き上げ、肩はリラックスさせる
  2. 重心を前に運ぶように、前に歩く
  3. 手足はぶらぶら状態でOK

このように重心を前に運ぶ感覚が捕まえると、自然に足裏全体で着地するように歩けるようになるんですね。

これは、「効果を最大化する歩き方を4ステップで解説【重心を前に運ぶ】」を参考にぜひ実践してみてくださいね。これができると次は走り方につなげていきます。

走り方の改善

走り方の改善のところで重要になるのは、足裏全体で着地ができるかということになります。

走るときの着地を改善するためには、いきなり走るのではなく、その場でジャンプをするなどして着地のみを改善していきます。

その後に走り方につなげていくというのが、改善の流れになりますね。詳しくは、「4つのアーチで痛みの発生を防ぐランニング時の「着地の仕方」」で解説してるので、ぜひ参考に実践してみてくださいね。

シューズを変える

あと残っていることは、シューズの変形などが原因で腓骨筋腱炎になっている場合、必ずシューズを変更する必要があるんですね。

あだ、どのようなシューズが自分にあっているのかがわかりづらいと思うので、そういう方は、「ランニングシューズの選び方をパーソナルトレーナーが解説」を参考に実践してみてくださいね。

このような流れで腓骨筋腱炎の根本原因を取り除くことができると、痛みや腫れを改善することができると考えています。

 

行われやすい腓骨筋腱炎の改善方法について

最後に一般的によく行われる腓骨筋腱炎の改善方法について、僕の考え方を解説していきますね。

インソールを使う

インソールについては、足に合ったインソールを使うことで改善できる可能性はあると思います。

例えば、足の外側に体重がかかっている場合、足の外側を持ち上げるようなインソールを使うことでうまく足全体に体重が乗るようになり、結果腓骨筋腱炎の改善につながることがあるんですね。

ただ問題は、本当に自分の足に合っているかということです。逆に自分の足に全く合わないインソールであれば、効果はそれほどないどころか逆効果になることさえあります。

ですので、インソールを使うことは改善につながる可能性もありますが、それは自分の足に合っているということが条件だと思います。

サポーターを巻く

サポーターについては、痛い部分を覆うようにサポーターを巻くだけではあまり痛みの改善にはつながらないと思います。

ただ、ヒールロックといって足首を固定できるような、サポーターを足首に巻くことで足裏全体に体重が乗るようになるんですね。

そういうサポーターを巻いて日頃の生活やスポーツを行うことで、痛みの改善につなげることができます。ですので、サポーターをうまく活用することは意味のあることだと思いますね。

ストレッチをする

これはブログでもよくお伝えすることですが、ストレッチは方法としては筋肉を緩める目的で行うのでありだと思います。

ただ、ストレッチで筋肉を緩めるというのは非常に難しいんですね。ですので、今回は動かしたり筋肉を揺らす方法をお伝えしています。

ストレッチは間違いではないですが、非常に難しいということを考えるとあまりおすすめできる方法ではないですかね。

≫関連記事:ストレッチをする=逆効果⁈知っておきたい筋肉が緊張する理由

湿布を貼る

ここまでご覧いただいた方は、湿布の効果は想像していただけると思いますが、湿布を貼るだけではあまり意味はないと思います。

なぜなら、腓骨筋腱炎を改善するためには、

  • 原因をみつける
  • 腓骨筋を緩める
  • 姿勢や動作を改善する

という流れ全てが必要になると考えています。ですので、ただ湿布を貼るだけではどの部分にも当てはまらないですので、湿布を貼るだけでは改善は難しいと思いますし、あまりプラスにもならないと思います。

 

まとめ

足首の外側が腫れていたり、痛みがある場合、腓骨筋腱炎の疑いがあるということをお伝えしていきました。

前提としてトレーナーという立場では診断することはできず、まず大切なことは医師に診てもらい現状を把握することです。

靭帯や骨などに異常はないが痛むということであれば、上記でお伝えしたことが改善のために役立つと思いますので、参考にしていただければと思います。

痛みの改善は、痛い場所に原因があるのではなく、別のところに原因があることが多いんですね。

全体の崩れを改善し、まずは筋肉を緩めることです。その後に、問題となっている動作などがあるはずですから、その動作を改善することで痛みを改善することができます。

今回の内容が少しでも参考になれば嬉しく思います。最後まで読んでいただき、ありがとうございました!