「自分は足首硬いな~」と思う方はどれぐらいいるでしょうか?また、足首が硬いと思ってしまうきっかけはどんなときでしたか?
ジムに行ってトレーニングしていると、スタッフさんが会員さんに指導されていますが、そんなときによく聞く声として・・・
- 今日は良い天気ですね~
- いい感じにできていますよ~
- 足首硬いですね~
というこの3つが多く感じます。上記の2つは鉄板という感じですが、3つ目の足首が硬いという言葉も意外と鉄板に近いぐらい指導者側が使ってしまっている言葉です。
スクワットをしてしゃがみ込みができなければ足首が硬いということが言われますが、実際に本当に硬いのでしょうか?硬いだけではなく、実際はしゃがめないような動作をしていることでしゃがめなくなっている可能性があります。今日はこの足首の硬さについて書いていきたいと思います。
こちらの記事も参考にしていただければと思います。
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Contents
そもそも足首が硬いということはどういうことか?
身体が硬いという表現をよく使いますが、これはどのような状態をいうのでしょうか?例えば、長座体前屈という座った状態で両脚を前に伸ばし、つま先をタッチするように前屈をしていくようなストレッチングがありますが、手が足趾につかないと「硬い」ということを言われると思います。
筋肉は本来弾力を持ち、スーパーの鶏肉などからもわかりますが、柔らかさが保たれています。関節の可動域、動かせる範囲は決まっていますが、動かしやすさ、可動範囲が狭くなればなるほど身体が硬いという表現になっていきます。
筋肉は使いすぎや使わなさすぎによって弾力性を失い、硬くなっていき柔軟性が低下していきますが、日頃から身体を動かしていない方や、何らかで足首周囲の筋肉を使いすぎている方は、足首が硬くなっていきます。
筋肉が硬いのであれば緩めればいいということになりますが、筋肉を緩めるためには、さまざまな方法があります。
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現場で感じる足首が硬いという一言の意味
ここからは本日の本題です。足首の硬さを感じるときといえば、しゃがみ込みなどをするスクワットをしているときに感じるかもしれませんが、実際にパーソナルトレーニングのセッション中に、ディープスクワットのようにしゃがみ込めないという方はほとんどいません。
セッションを受けに来られて、初回のときにスクワットをしていただく機会があるときは、何も言わずにスクワットをしていただくこともありますが、このときは多くの方がしゃがみ込めなかったりします。
何が言いたいかというと、実際に足首が硬い方もいると思いますが、多くの場合、足首の硬さが原因でしゃがみ込めないというよりもしゃがみ方の問題でしゃがみ込めないということがあります。スクワットをするにしても、目的に応じて方法は変わりますが、手順があります。
どこから動き出し、どのようにしゃがむのか。人間の身体は足関節から緩めることができれば、その上にある膝関節、股関節は緩みやすくなります。逆に足関節が緊張していればうまくしゃがみ込みができません。
また足幅が狭いとしゃがみにくく、広いとしゃがみやすい。しゃがみ方の問題なのか、それとも筋肉などの問題なのか、現場で見極めることが必要ですが、自分が指導して思うのは多くの場合、動作の問題が多いように思います。
足首が硬いと感じたときの対応策
実際に自分の足首が硬い、スクワットのときうまくしゃがみ込みができないという方はどのように改善すればいいのでしょうか?そもそもの問題ですが、足首が柔らかくなるとしゃがみ込みはうまくできるのでしょうか?
しゃがみ込みがうまくできないから他の方法を選択するのではなく、しゃがみ込みをすれば改善できます。大切なことは、スクワットがうまくできない原因は他にあるのではなく、スクワット動作に問題があるため、スクワットをすることが問題解決のために最適なエクササイズとなります。
文面で伝えるのは非常に難しいですが、スクワットはこのように行うこともひとつです。
- 足を肩幅よりも広めにし、つま先も違和感のないぐらいにある程度開きます。
- 足幅が狭くなるとしゃがみにくくなりますので、ある程度広さをとり、重心を踵に置きます。
- 次は、ヒザカックンされ真下にへしゃげるように足首の力を抜き、浅くしゃがみます。
- そこから自分の身体が地面に吸い込まれるようにしゃがみ込みます。
- 足幅が狭すぎるとしゃがみにくいですので、そこにも注意してみてください。
あくまでも方法論ですが、重要なことは足首から緩むという感覚を得ること。そして、スムーズにしゃがめるということを体感できれば足首が硬いからしゃがめないのか、しゃがみ方に問題があるのかということを理解していただけると思います。
足首が硬い方におすすめする改善方法
ここまでは動きが硬いためにしゃがみ込みがうまくできない、そんな方にエクササイズをご紹介していきました。動きの硬さが問題でしゃがみ込みができないということもありますが、実際に足首回しの筋肉が硬いがためにしゃがみ込めない、また足首が硬くて悩んでいる方もいると思います。
こういう場合、どうすればいいのか。
足首周りの筋肉を緩めるためには、動かして緩めるか、ストレッチングで緩めるか、方法はいくつもあります。その中でも今日は2つご紹介していきます。
足首回し
まず足首が硬い方におすすめなのが、足首回しです。手順は以下になります。
- 椅子に座り、脚を組むように片脚を逆の膝の上に置く
- 乗せている脚の踝を手で押さえ、もう一方の手で足首を回す
- ゴリゴリ音がならない、スムーズに動く範囲で足首回しを行う
ここではカメラを自撮りのため片手は踝から離れていますが、足首回しをする方は踝の少し上ぐらいを押さえておいてください。
30秒前後できれば、逆回しも行います。これができると足首の動きが変わっていたり、ふくらはぎ周辺の筋肉が緩んでいることが実感できると思います。
足首周辺のストレッチング
続いてご紹介するのは、腓腹筋、ヒラメ筋のストレッチングです。
- 片脚を前に出し、後ろ足の踵が浮かないように地面につけておく
- そこから体重を前にかけるように後ろ足の腓腹筋をストレッチングしていく
- 30秒すれば逆脚を行う (または2~3分行う)
足首のストレッチング2
上記のようにアキレス腱をストレッチングするような方法はよく見られますが、他の方法では、しゃがみ込みをしてしまうことで足首周りをストレッチングします。
- 足を肩幅よりも少し広めに立つ
- 踵を視点にしゃがみ込み、前に置いてあるダンベルを持つ
- 踵が浮かないように2~3分キープする
足首が硬い方の場合、もしダンベルなどの重りがなければ後ろにひっくり返ってしまうと思いますので、このように支えを用意しておきます。
もしこのような重りがない場合、壁に持たれてしまっても大丈夫です。ポージングは同じになりますので、問題ありません。
足首のストレッチング3
これは現場でも行うことがありますが、伸脚です。しゃがみ込みと同じで、片脚を横に伸ばした状態でしゃがみ込みます。
- 脚を肩幅よりも大きめに広げる
- 片側の脚に体重をかけるようにしゃがみ込んでいく
- その状態で2~3分保持する
伸脚も足首が硬い方の場合、このようにしゃがみこもうとすると後ろに転んでしまいそうになるので、壁などに持たれながら行っていただくと、うまくできると思います。
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ランニングやマラソンをする方は足首が硬い方が有利?!
ランニングやマラソンをしている方で足首が硬くて悩んでいる方もいると思いますが、足首の硬さと走るパフォーマンスの関係についてお伝えしていきたいと思いますが、足首や全身の柔軟性が高い方ほど、タイムが落ちる可能性があります。
この根拠は、研究で行われた柔軟性と消費エネルギーの関係から見ることができます。
近年行われた研究データで、柔軟性が高い人ほど消費エネルギーが高くなるということがわかったそうです。身体が柔らかい人ほどエネルギーを多く消費するため、それだけ疲れやすくなってしまう、もしくは無駄にエネルギーを消費してしまう可能性があるため、長距離を走る方にとってはマイナスになる可能性があります。
このデータをもとに考えると、足首を柔らかくする方がいいのか、硬いままでいいのか考える余地が出てきそうです。
走り方の観点からみると、海外のトップ選手は走っているときの足首の使い方は、固定させるように使っている選手が多く、日本人はこれまでの教育上、つま先で地面を蹴る、押すような意識が強く、ふくらはぎも大きく肥大している方が多くいます。
ただ足首が硬いから走る上ではマイナスになるという考え方ではなく、もう少し走ることについての理解が必要になりそうです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。今日のテーマは足首の硬さということでしたが、足首が硬いと思ってしまう本当の理由については、そのように評価をされてしまったがために硬いと思い込んでしまうこともあります。
しゃがみ方に問題があり、足首が硬く感じることもあります。現状は何が原因でそのようなことになっているのかを明確にすると問題の解決策は浮かんでくると思います。
もしかするとみなさんが思っている足首の硬さはしゃがみ方の問題が関係している可能性もあります。
では、最後に今日のまとめを書いていきたいと思います。
- 足首が硬いと感じるのは、筋肉などの問題と動きに問題がある
- スクワットでうまくしゃがみ込めないのは、多くの場合しゃがみ方に問題がある
- この改善にはしゃがみ方の手順を理解する必要がある
このような内容でお送りしていきました。直接体感をしないと何か腑に落ちない部分もあると思いますが、実際にセッションを受けていただいている方は、ディープスクワットのようなしゃがみ込み動作で引っかかりを感じている方はいますが、全くしゃがめないという方はほとんどいません。
スクワットにせよ、デッドリフトにせよ、全て手順があり、その動作の手順を理解することが重要になると思います。
今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。