2015年 1月 の投稿一覧

魚住廣信先生の個人トレーニングから学ぶシェイプアップについて

先日、魚住先生のところへ個人トレーニングを受けに行ってきました。今回の目的は、シェイプアップの理解と考え方の整理です。

実際にブログに内容を書くことと、実際に指導する現場でのギャップを感じ、理解ができていないということで、実際に個人トレーニングをお願いしました。

シェイプアップというと身体を引き締める目的でさまざまなことをしていきますが、昨年より魚住先生から教わった考え方によって現場でもやることが大きく変わっていきました。

これまでの考え方であればいかに筋肉を細く強くするかという、筋持久力の向上をメインとし、ある負荷を最大反復(∞)するという考え方で行っていきました。

この考え方からいかに筋肉を柔らかい状態で適度な弾力のある筋肉にするのか、またエクササイズや身体調整を通じて筋のポンプ作用を利用し、体液の循環の促進をすることでむくみの改善や代謝の向上を図るということにシフトしていきました。

今日は、先日の個人トレーニングを通じて感じたこと、学べたことをまとめていきたいと思います。

 

トレーニングを通じて筋肉をどうするのか?

さまざまな刺激を加えることで、それに応じて身体は変化をしていきますが、どんな目的を持つかによってこの刺激は大きく異なります。

その目的というのはこの4つに集約することができます。

  1. 筋肉を肥大させたい、大きくさせたい
  2. 細くしぼりたい
  3. 大きな力を出したい、強くしたい
  4. 繰り返し何度も収縮させたい

これらの目的に対してどのような刺激を加えるのか、それが重要になります。

女性が目指すシェイプアップなのか、ボディビル的な筋肉隆々な身体を目指すのか、アスリートのようなパフォーマンスを向上させたいのか、パワーリフティングをしているのか、体力の向上なのか、それぞれの目的に合わせて刺激を変えることになります。

大切なことですので、重複しますがこれらの目的に対して何をするか、どんな種目をするのかが重要なのではなく、目的に対し、どのような“刺激”を加えるのかということが重要になります。

 

シェイプアップされていない身体の原因

クライアントさんが来られた時にさまざまなご要望があり、目的がありますが、その中でも多いのがダイエットやシェイプアップです。

このようなクライアントさんが来られた時にトレーナーとしておさえておかなければいけないことは、クライアントさんの現状の身体はどうなっているのか、ということです。

例えば肥満体型の方の場合、そうなっている原因は食事なのか、運動不足なのか、もしそれらが原因であればこれらの改善を指導する必要が出てきます。食事や運動は中からの刺激としてとらえることができ、これらの変化をもたらすことで身体を変えることができます。

これまで、肥満体型の方の指導では筋肉量を上げて代謝を上げましょう、という考えのもと筋肉をつけるトレーニングに励んできましたが、これは明らかにハードできつい。

継続的に筋肉をつけるようなトレーニングをされている方であればご理解いただけると思いますが、男性ならまだしも女性には継続しづらい。

常識的なことですが、この効果を感じるまでには約3ヶ月かかると言われており、ある程度継続することが必須とされており、この努力の結果代謝の向上となります。

ただ、このような肥満体型の方の筋肉の状態を見るとほかの考え方ができるということを魚住先生から学び、それが今回のシェイプアップの考え方になります。

 

筋肉は萎縮し、代謝が下がる

肥満体型になる原因のひとつに運動不足があげられますが、現代は何かにつけて便利さが増しています。

掃除機でさえ便利なのに、全自動の世の中に変わりつつありますし、自動化便利かが激しく進んでいます。

身体を動かすことが少なると筋肉は萎縮し代謝は下がっていきますが、これが肥満体型になる要因のひとつです。

動かないことによって筋肉は萎縮する。そして代謝が下がる。

もうひとつはパソコン作業などを中心に行っている方などにみられる筋肉を使いすぎているケースです。このような場合、筋肉は緊張し硬くなりますが、そうなれば弾力を失いポンプ作用が低下し循環が悪くなります。

また筋肉を使いすぎても筋肉は委縮するためこれも代謝を低下させてしまいます。要は正常な状態からマイナスの状態となり、代謝の低下が起こっている。そう考えればこれらの筋肉を正常な状態に戻すことで代謝を向上させるという考え方ができます。

ここに必要なこととなれば、筋肉をつけるようなハードなトレーニングではなく筋肉を正常な状態に戻すことが必要となります。では正常な状態に直すためにはどのようなことが必要になるのでしょうか?

 

筋肉の収縮⇔膨張を繰り返す

リンパ液の流れは血流とは異なり、心臓のような循環機能が強く働かないためかなり遅い速度で循環をしています。

その循環を助ける働きを筋肉のポンプ作用が担っているわけですが、ポンプ作用が正常に利用することができると酸素や栄養などが体内に循環します。

また老廃物の処理も進むため、むくみの改善や下半身への脂肪の蓄積も防ぐことができます。これらを正常に働かせるためにも筋肉を正常な状態へ戻すことは重要となります。

筋肉を正常な状態へと戻すためには、筋肉を収縮させた後、膨張させることを繰り返すことで筋肉の緊張などが緩和され柔らかい状態へと変化していきます。そうするとポンプ作用が起こり循環もよくなります。

収縮と膨張という言葉では少しイメージが難しいかもしれませんが、要は筋肉を収縮させそのあとに弛緩をさせるということです。この弛緩が重要となります。

この部分を魚住先生のご指導から体感しましたが、身体の中が砂漠のような状態で筋肉が緩んでいくときにジワーッと砂の奥底まで水がしみわたるような、体液の流れをまじまじと感じれるようなそんな感覚があり、エクササイズを通じて体内の変化を感じれました。

 

具体的にどのようなことをするのか?

筋肉を収縮させ、そのあと弛緩させる。これらを具体的にどのように行うかというと、例えばですが、このような流れを行っていきます。

・ディープスクワット

・デッドリフト

・クリーン&プレス

この『○』というのは、脱力運動と呼吸を合わせたことを行い、主動筋を収縮させたあとに弛緩を合わせる。

これらを繰り返しますが、エクササイズについてもどのように動かすのか、グッ、グッ、というイメージではなくフワッ、フワッ、というような柔らかい動きをさせ、常に軽く動かすようにしていきます。

このような流れを1時間に渡ってご指導いただきましたが、終わった後裸になり自分の身体を見るとよく、筋肉の膨らみ、弾力性を外から感じることができ、体感としても、自分は骨を感じている状態で、そこに筋肉が付属しているような状態。

身体を動かすことは筋肉の伸収縮で行われますが、骨が主体に動き、そこにただただ筋肉がついているだけのような不思議な感覚となりました。

このようなエクササイズの指導で注意することは・・・

  • 動作の中で緊張を作らない
  • 軽く楽に動かす

ということです。これらがきちんと指導できたときに、クライアントさんの身体は変化していくことが理解できました。

 

最後に

今回の勉強会で学べたことは、上記のことになりますが、教わってからクライアントさんに試したところこれまでにない変化を感じることができ、クライアントさん自身も今までにない変化を感じ、まだまだ自分の身体は変化していくだろうし、毎回こうやって変化を感じれることは楽しいとおっしゃっていました。

世の中にはさまざまなエクササイズや種目など、山のようにありますが要はそれらをどのようにやるのか、それが重要になります。

きれいな表現をすれば、1本のバットはイチローという世界最高の選手にさせ、かたや凶器ともなりうるもの。

極端な表現ではありますが、このような感覚に近いものがあるのだと思います。何をするのかではなく、どのようにするのか、その指導力が身に付いたとき、少しでも先生に近づけるのだと思います。

今回学べたシェイプアップについてでした。

投げる動作を柔らかくするためには型にはめてしまわないこと

豚肉

昨日は、高校野球へ出かけた話を書いていきましたが、そのときに指導したもう一人の選手がいました。

この選手はキャッチャーをしていますが、二塁への送球時に肘に痛みを感じているそうでした。昨年の6月から肘の痛みを感じ、なんとなくごまかしながらここまで来ているとのことで、休めば痛みは軽減するそうです。

原因はある程度本人も自覚をしていましたが、投げ方に問題があり、リリースした直後、キャッチボールをしている相手の方に腕が飛んでいきそうな投げ方で、その際に肘が完全に伸びきり、この瞬間に肘に痛みを感じるようでした。

肘を伸ばしきる動作を何度も何度も繰り返すことで、肘に痛みが出てきていました。

今日はこの選手とのやりとりの中で大切だなと感じた、投げ方について書いていきたいと思います。

 

投げ方は決まった形はなく、個性を消さない

この選手は何度か投げ方の指導を受けていたそうですが、そのときにイメージがフォームから感じることができましたが、投げ方には決まった型というものはなく、それぞれのフォームで投げることで個性が生まれ、投げている本人も気持ちよく投げられると思います。

ただ、重要なことはこの投げ方には身体が自然に動くような使い方をすることが大切になり、もし不自然な動かし方をするとどこかでひっかかりを感じたり、緊張が生まれたりします。

この選手もそうでしたが、肘の高さが低く、よく「肘の位置を上げろ!」と指示を受けていたそうですが、背中側へ肘を引くように腕を上げていたため、このような使い方をすると肘は上がりません。

ここも伝え、腕の上げ方を伝えるとスムーズに楽に肘の位置が上がり始めました。

投げ方は個性がありますので、こちらでこう投げろ!とフォームを作るのではなく、選手が現在している投げ方で問題がある点は改善しますが、それをするためにポイントで修正を重ね、スムーズに動くように誘導していきます。

○○でなければならない、はなく、ここはこのように動かすほうがいいというアドバイス的なことがあるぐらいで、決められたものはないと思います。

 

自分の中でスムーズに動く感覚を感じる

この選手のように肘が完全伸展してしまい、それが肘の痛みへとつながっている場合、フォロースルーの際に腕を身体に巻き付けるように投げると肘の痛みが改善します。

これは、このようなイメージを持つことで肘の完全伸展する動作が改善され、肘が伸びきらなくなります。

指導の手順としては、カーブのような緩いボールを投げるようにリラックスした、スムーズな動作を繰り返し行います。いつもは力を入れれば速いボールが投げられると思っていたそうなので、まずはカーブのような

緩いボールを何度も投げていきました。

投球動作はリラックスできると自然に身体は動きますので、あれこれ言わずにリラックスをして一本背負いをするように投げてもらいました。うまく力が抜けてくると、同じ動作ができだし、自然と相手の右肩にボールが行くようになっていきます。

この辺りで、リラックスして投げられていることを気持ちよく感じはじめ、肘の痛みも感じなくなっていきました。

 

セカンド送球へとイメージを変えていく

この流れから、徐々に距離を伸ばし距離が変わっても相手の右肩にボールが投げられ、スムーズな動作ができてきたので、そこからカーブのようなボールから直球へと変えていきました。

ここでは、リラックスをして相手を切るようなイメージでボールを投げたり、フォロースルーでは腕を身体に巻きつけるイメージを持たせ、日頃との感覚の違いも感じてもらいながら進めていきました。

球数を重ねていくうちに楽に投げているように感じるけど、いつもよりも球が速いような感覚があったり、何よりも投げていて気持ちよかったり、楽しいということを言っていて、動きを見ていると硬い動作から弾むような、ポンッポンッ!とキャッチングからスローイングまでの流れができていました。

先ほどのキャッチボールからはステップワークを追加して、どのようにステップを踏むのか、また立った状態と座った状態からのセカンドスローをするときにステップワークはどのようにするのか、基本的には自分が一番やりやすいステップワークでいいと思います。

そこに少しアドバイスを加えて、キャッチボールからセカンド送球へとつなげていきました。

 

選手の感想から感じた大切なこと

選手への指導で、お互いに変化を感じ合いスムーズに動ける感覚や動きの中に心地よさを感じれたそうですが、先ほども書いたように型にはめすぎるとこの“快”の感覚がなくなり、動作を感じながら行うのではなく、ただ言われたことをやるだけだと感覚を感じることができなくなります。

不快感があってもそれをよしとしてしまったり、数をこなせばいいということにもつながる可能性もありますが、いかに選手の現在の動きの問題点を把握し、そこに対して全てを変えるのではなく、問題の改善につながるポイントを伝えられるかが重要だと思います。

気持ちよさを感じながらある意味自由に動くことも必要なのかもしれません。すると、スムーズな動きを感じられるようになっていくと思います。

日頃の指導の中でも自分自身が改めて注意しないといけないと感じたことが多かった時間でした。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。選手とのやり取りはいつでも学びが多くありますし、自分の指導していることがそのときには適切だったのか、それともそぐわなかったのか、それが全て選手の動きとなって現れます。

現場で経験を重なれば重ねるほどわからないことだらけになりますし、課題も多くなります。でもそういう課題を毎回みつけることが成長へつながると思いますし、目の前に出てきた課題を一つ一つクリアにしていきたいものですね。

では最後に今日のまとめを書いていきたいと思います。

  • 投球フォームは決まった型にはめ込むのではなく、選手の個性を活かす
  • 型にはめ込むと感覚を感じにくくなり、スムーズな動作になる快の感覚が得られる
  • ポジションによって、キャッチボールのときから野手に必要な投げ方をする
  • スムーズな動作は気持ちよく、楽に身体を動かすことができる

このような内容でお送りしました。これから選手が短い夏までの時間、肘が痛くならずに残りの野球人生を楽しんでもらえればうれしく思います。

今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。