2011年 10月 の投稿一覧

個人教授について|ニュースレターNO.275

パーソナルトレーナーや施術家と名乗る方が毎年多く誕生しているのですが、その実力については私ながら疑問符を持っています。体育系大学でそれなりに学んだ方であればまだしも、専門学校や講習会などを受けて何かの資格を持っているというだけで、わかっているつもり、できるつもりになっている、ごまかしになっていることが現実に多く感じるからです。

その多くは、ことの本質を理解できず、本やDVD、講習での表面的知識や情報だけに頼っていることが原因だと思われます。ことの本質を理解し、問題・課題に対して応用実践できることが、本物であり、お金をいただいて教えることができるものだと常々思っています。その本物に尐しでも触れたい、近づきたいと思っている方が勉強会や個人教授に参加していただいています。

皆さん同様に、自分の思い違いや、わかっていなかったこと、わかっているつもりであったことに気づかれます。こういう私もまだまだそのレベルと自覚していますが、参加者の期待にこたえるためにも日々努力しているつもりです。5年や10年で本物にはなれません。おそらく20年30年とかかるのではないでしょうか。その間にいかに努力し続けられるかが本物に行きつくか、ただ者で終わるかの違いになると思います。

今回は、10月からスタートした個人教授の参加者の感想を紹介したいと思います。

 

T.D(パーソナルトレーナー:奈良)

私は、10月より1年間の個人指導を魚住先生にお願いしました。理由は、指導現場での疑問、課題をクリアしたい、過去に学んだことを復習したかったからです。その点でテーマを自分で設定できることは、非常にありがたかったです。

まず、指導で疑問に感じていること、先生に教わりたいことを質問として提出します。文字、文章にすることで、見えていなかった、気付けていなかった、トライできていなかったこと整理することが出来ます。何がわかっていないか、何のために何を学びたいか、学ぶ目的を知るが出来ます。より具体的に今の指導の考え方、課題に向き合うことが出来ます。

私は、先生からコトの本質を学ぶようになって、約1年が経ちます。初めてお会いしたラボでの勉強会のテーマは、腰痛についてでした。衝撃的で感動したのを憶えています。今回の質問も一番目が腰痛でした。1年前と明らかに質問の内容は異なりますが、学び続けることはやはり大切です。今では、ラボ、大阪長居の勉強会に定期的に参加をしています。

振り返ってみると、何が分かっていて、何が分かっていないかが分かるようになりました。当然、分かっていないことの方が多いということが分かりました。今では、分かっているつもり、間違っていた、勘違いをしていたことに気付き、反省し、再トライするといったことが、自らの成長に繋がっています。結果的にコトの本質を学び続けることが、ごまかしのない本物の指導者になる近道だと考えるようになっています。

毎回のことですが、先生から教わると視野がパッと明るくなる感覚があります。指導をしていると視野が狭くなることがあります。そんな時の考え方を教わります。それは、答えではなく多角的に見た考え方です。先生がいつもおっしゃる、あのようにもこのようにも考えられる柔軟な発想、機転をきかすアイデアといったものです。教わるたびにまだまだ努力が足りないことに気付かされます。

将来を見据え、本物の指導者に一歩でも近づけられるよう、日々、努力を重ねていきたいと思います。

 

伊藤 出(パーソナルトレーナー:神戸)

私の個人教授の第1・2回のテーマは、ピリオダイゼーションとコントロールテストでしたが、毎回の勉強会でも思うことですが、目から鱗のことばかりでした。

個人教授は自分が学びたいことにスポットをあて、魚住先生に直接学ぶことができるので、わからない点や質問があればその都度お聞きすることができ、そして理解ができ、自分の中にある疑問を常に解決しながら勉強会を進めることができました。多数での勉強会は、ある決まったテーマにそって勉強していきますが、個人教授に関しては自分でテーマを設定します。

僕は高校野球部や大学野球部、社会人野球の選手や女性のパーソナルトレーナーをしていますので、大きなテーマに野球などを設定しています。野球選手を指導するために必要な、今回のピリオダイゼーションやコントロールテスト、今後はトレーニングやウォーミングアップやダウン、プライオメトリックを学ぶ予定です。

このように自分に今必要なことをひとつひとつ勉強できますので、一年後の自分の姿が非常に楽しみになりました。グループでは、他の参加者のご質問をお聞きし、その質問に対して自分なら…とイメージし、その自分のイメージと魚住先生の考え方とのギャップを知ること、それが非常に勉強になります。

また他の参加者の方の考え方を学べることも、自分にとって非常にプラスになります。個人教授は自分の質問を中心に授業をして頂けますので、今の自分の考え方はどうなのか、今まで得た情報は正しいのかなど、今の自分をはっきりと知ることができました。

授業の中で自分の考え方を改め、そしてまた実践し、その中で浮かんだ疑問などを活かすという循環で、これからも個人教授を通してレベルアップできればと思います。何よりも高いレベルで学びを得られるこの環境は僕にとって、そして、僕のクライアントの選手達などにも、夢を達成するための最高の場となります。

これからもたくさんのことを魚住先生の元で学んでいきたいと思います。

 

小林さくら(パーソナルトレーナー:東京)

個人教授開催のお知らせを知った時に、即座に「出ていく」ことを決めました。人は何かターニングポイントとなる時期がありますが、その時に「目の前にあるチャンスを掴むことができるかできないか」で、その後の進んでいく方向が変わります。今回まさしく、その「時機」だと感じました。

トレーナーとしての「根」を育てるため、遠い先にも自らどんどん伸びる芽を持てるような、どっしりした礎を持ちたいと思い、お願いしました。

素直に感じたことですが、いつも4~5 人指導をするとかなり疲れる(肉体的・精神的に)のですが、本日はそういった精神的な疲労がありませんでした。

なぜか?

昨日の数時間の先生との勉強で一番腑に落ちたことは、「できないのは、できないようにやっているから」という非常に当たり前なことでした。指導の際に「こんな動作、こんな動きがライアントが上手くできないのですが、なぜでしょうか?」という私の質問に対しての先生の答えでした。

やりにくいようにやらせているからクライアントがうまくできない。やりにくいことをやらされればクライアントもうまくできないことがストレスになるし、やらせている私も「なぜできないのか」とストレスになる。そんな積み重ねが精神的に疲れさせていたのか、と今更ながら感じました。

できるように導くのが指導者の仕事ですが、その指導者としてまだまだ「当たり前なこと」が足りていないと、心の底から謙虚に受け止められた瞬間です。細かい知識は、それはそれで大事ですが、もっと大切なこと・当たり前なこと、が備わった本物の指導者になりたいと強く思います。

先生のラボにお邪魔し、指導を受けましたが、多くの知識・様々な技術・豊富な現場での経験がありながらも、常にいいやり方・もっといいもの、に対しての研究を怠らない先生の姿勢は私たちに無言の教えをしているようです。

1回4時間、2カ月毎に計6回の予定でご指導をお願いしています。1年後、どんな自分になっているのか、どんな考え方が身についているのか、先の自分に期待します。

よい姿勢とは|ニュースレターNO.274

姿勢については、いろんな考え方があります。私は「自然体」ということをこれまで話をしてきましたし、虎の巻にも詳しく書きました。自然体の定義は、これだという正式なものがなく、その日と個人の定義によるものだと思います。何を持って自然体とするのか、その自然体であればどうなるのか、といったことを自分なりに定義しておく必要があります。身体調整も、トレーニングも基本は自然体を獲得することにあると思います。

それで今回紹介するのは、歯科医師の山下久明氏が書かれた「背筋は伸ばすな-姿勢のメカニズムとその治し方-(にしきデンタルオフィス2010)」の中から、良い姿勢について書かれたところを紹介したいと思います。歯の並びとかみ合わせはよい姿勢のために絶対的な条件であるとされています。参考になるところが多いと思いますので、興味のある方はぜひ著書をお読みください。

『悪い姿勢については、ねこ背とか、ガニ股O脚とかがありますが、良い姿勢については明確な定義がないように思います。そもそも良い姿勢は場面に応じて変わるはずです。ファッションモデルなら衣装のラインを美しく際立たせる姿勢でしょう。ソロダンサーなら舞台から圧倒的存在感を放つ姿勢かもしれません。舞台俳優なら悲しい姿勢、歓喜の姿勢など状況に応じて使い分けなければいけないかもしれません。

また姿勢に対する考え方も人それぞれでしょう。例えば小学生に「気を付け」と言えば背中を一直線に伸ばして、体を後ろに海老反らせたような姿勢をとります。大人が見れば微笑ましいけれど、それは良い姿勢であるとは言い難いものです。しかし小学生にしてみれば、背筋を伸ばして一生懸命に姿勢を良くしようとした結果なのです。

大人でも背筋を伸ばすことが良い姿勢だと考える人が多いものです。「背筋を伸ばす」とは腰椎を曲げて上体を引き起こすことを言います。また胸椎は直線的になりやすくなります。結局これは小学生の「気を付け」と大差がありません。腰椎のカーブは胸椎のカーブを補正するためにあるもので、それ以上海老反らせるべきものではないのです。

また胸椎のカーブは肺の容量を確保するためにあるのです。そもそも背骨には太い神経が通っていますので、無理に曲げれば体に良い影響はありません。その点「気を付け」の姿勢は腰椎を無理に海老反らせることになってしまうのです。胸の厚さや人種の差はあるかもしれませんが、壁に背中をくっつけて、腰と壁の間に、手のひらを抜き差しできるほどすき間があるのは良くありません。とはいえ腰椎を曲げて上体を起こすことこそが、正しい姿勢であると考えている人はたくさんいます。』

『ヒトが直立するには何はともあれ前のめりにならない位置へ重心を持ってくる必要があります。重心が後ろ過ぎればひっくり返ってしまいますが、前過ぎれば膝と股関節が曲がってしまいますので、直立とは言えなくなってしまいます。そのような状態はどの定義に照らし合わせても、良い姿勢とは言えないでしょう。

こうして考えると、ヒトは微妙なバランス感覚を持っていないと直立できないことが分かります。しかしヒトの弱点は、重い頭が体のもっとも高いところにあることです。

頭の重さはボウリングのボールほどだと言われています。ボウリングのボールには重いボールも軽いボールもありますから、ずいぶんいい加減な例えですが、頭の重さも人それぞれなのでここではこの例えで済ませておきます。どちらにしてもボウリングのボールは軽いものではありません。そういう重量物を上半身の一番高いところにのせているのです。これではバランスをくずしやすくなっても仕方がありません。

結局のところヒトが姿勢を悪くする原因は、頭の位置づけの失敗と考えられます。

しかし悪い姿勢にはいろいろなバリエーションがあるので、それらを頭の位置づけの問題として、一括して片付けるのは良くないという意見もあるでしょう。しかしそうした悪い姿勢のバリエーションは、体が少しでも楽をするための防御反応と考えれば良いのです。

再び重い荷物を抱えている人のことを思い浮かべてもらえば、膝と股関節が曲がっているのに加えて、足のつま先が開いてガニ股になっているのが分かると思います。つまり前方へ重心が偏ると、足はガニ股O脚になるのです。

膝を無理やりくっつけてO脚を治そうとする人もいますが、O脚の原因は股関節が曲がっているためなので、こうした治し方は間違っているのです。むしろすべきことは、姿勢そのものを治すことです。もしも膝が妙な角度に曲がってしまえば、姿勢を直したときに変なことになります。膝に限らず、こうした単純な治療法で姿勢を治してしまうと、何か腋に落ちない姿勢になってしまいます。

機械を修理する時には使用している部品が悪いのか、組み立て方が悪いのか、あるいは使い方が悪いのかを見極めて修理しなければなりません。人の体には自己修復機能があるとは言え、機械のように部品の交換はできません。ですから、体の一部を、無理やり曲げたり伸ばしたりする時には、当然慎重になる必要があります。どちらかと言えば、それはすべき事ではないのです。それはさておき、ねこ背で頭が前方へ傾けば、それがガニ股O脚を呼び込み、悪い姿勢の基本形ができ上がります。

しかしこのガニ股O脚はいわばスクワット運動ですから強い筋力が必要です。男性や若い女性なら、そのままガニ股O脚というスクワットをやり通すことも可能ですが、筋力がない女性は何とか直したいし、男性ならともかく、そもそもそんな姿勢は見た目が悪すぎます。

重心が狂っている限り膝を伸ばすことはできませんが、膝を外側から内側へ移動させて内股X脚にすれば、おしりを突き出せますので重心を後ろへ下げられます。すると膝をかなり伸ばせますので楽ができます。これが内股X脚姿勢です。まさにガニ股O脚に対するコペルニックス的転回です。確かにこれで体は楽にはなりますが、多くの場合、おしりを突き出した分、腰椎に負担をかけてしまいます。

ただ注意してもらいたいのが、姿勢が悪い人の内股と、姿勢の良い人が着物を着た時に行う内股とは根本的に異なることです。偶然にも内股姿勢はスキーのボーゲンに似ています。スキーをハの字に開いて制動をかけ、斜面の影響で前のめりになる重心に対して腰を落とすあの滑り方です。同じボーゲンでも初心者のボーゲンと上級者のボーゲンでは安定感において雲泥の差があります。同じように姿勢の悪い人の内股と、姿勢の良い人の内股ではやはり違うのです。

ともかく前すぎる重心は後ろへ移動させないと体は楽ができないのです。そこで重心を後ろへ下げる方法としては、下腹部を突き出して体全体を後ろへ海老反らせる方法もあります。こうすれば上半身の重心が後ろへ下がりますので、その分は膝を伸ばして楽ができます。

重心を移動させて少しでも楽をする方法としては、背骨を利用する方法があります。背骨は非常に柔軟にできていますから、重心をインスタントに移動させられます。一番簡単なのが、腰椎を海老反らせて上半身の重心を後ろへ移動させる方法です。この方法は背筋が伸びた感もあって、いかにも姿勢が良くなったような気がすることが特徴です。ですからついやりすぎて腰椎を不自然に曲げてしまい、腰痛などの体の不調を引き起こしやすくなります。最悪、椎間板ヘルニアを引き起こしてしまうことすらあります。

そして背骨を利用する二つ目の方法は、胸椎を利用する方法です。胸椎の前にある肺の容量を増やすために胸椎は後ろへ膨らんでいます。この重要な胸椎のカーブを伸ばして頭を後ろへ移動させ、重心のバランスを取る方法があります。肺活量は2000から4000ミリリットル。1回の呼吸量は約500ミリリットル程度と言われています。

激しい運動をしない人にとっては十分に余裕があるように思えますが、この無駄とも思える余裕は血液のペーハーバランスを保つためにも必要なのです。これは後で論じるにしても、呼吸という重要な機能に直接かかわる胸郭の容量を減らすぐらいなら、頭そのものを後ろへ傾けた方が、簡単で手っ取り早いと誰もが考えるはずです。しかし、そうはいかない事情があるのです。それができるなら、姿勢が悪くなるという現象は、そもそも起こらないのです。

腰椎を海老反らせ、胸椎を伸ばして胸を張れば、ちょうど小学生に「気を付け」を命じたときにするあの格好になります。「気を付け」の格好はいかにも不自然ですが、腰椎を海老反らせるか胸椎を伸ばすかのどちらかにすれば意外と自然に見えます。

むしろ背筋が伸びて姿勢が良い人だと認識されるかもしれません。それどころか、そうすることが正しい姿勢の矯正方法だと思い込んでいる人も少なくはありません。反対に猫背は誰でも分かりやすい姿勢の悪さです。猫背で丸まった背中を見て、背中が曲がっているから姿勢が悪いと単純に判断してしまう人が多いため、間違った姿勢の矯正方法が信じられてしまうのです。

あくまでも悪い姿勢の原因は、頭の位置づけの失敗です。ヒトの体の欠点は重い頭が最上位にあることですが、逆にこの頭の位置さえ制すれば重心バランスを取ることができるのです。治すべきものは背骨ではありません。

一直線上にならんだ脛骨と大腿骨、そしてその延長線上に頭を持っていくことです。頭の位置が悪ければ、柔軟性のある背骨は曲がってしまうために猫背になるだけの話で、決して背骨が曲がっているから猫背になるわけではありません。』

「テロメア」について|ニュースレターNO.273

「テロメア」と言う言葉を聞かれたことのある人は尐ないと思います。近年では若がえりの指標としても注目されているようです。テロメアとの出会いは、O-リングテストでおなじみの大村Drの本を読んでいる中で出てきたもので、非常に興味がわきました。

テロメアを数値化し、それを健康の基準にできると言うことです。また、がん細胞の軽減にも役立つということでこれから日本でも大いに注目されると思います。やさしい内容のものは、大村恵昭:「O-リングテスト」スーパーヘルス超健康レッスン(主婦と生活社2008)に書かれています。今回は、その中から紹介したいと思います。より詳しくは、大村恵昭著:O-リングテスト入門(河出書房新社2009)を参考にしてください。これからの日常生活について見直すべきところが多いに見つかることでしょう。

大村Drの近年「テロメア」に関するO-リングテストによる研究業績として、次のようなことが挙げられます。

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