2010年 7月 の投稿一覧

肉食ダイエット|ニュースレターNO.244

ダイエットと言われるものにはいろんなものがありますが、テレビで一度見て興味をひかれたものがあります。それは「肉食ダイエット」です。本を買って読んでみるとなるほどと納得して早々やってみることにしました。それで3ヶ月ほどになります。

納得したポイントは、「糖質や炭水化物は、食べ過ぎると排泄されずに体内に蓄積されるが、動物性タンパク質は食べ過ぎても余分なものは排泄される」ということです。ほとんどの食べ物や調味料などに糖質が多く含まれています。言いかえれば、「糖質抜きダイエット」になるのでしょう。

それで意識的に、肉や魚の肉食をとるようにし、ご飯や野菜などの炭水化物や糖質をすくなくしました。先のポイント通り、余分なものは排泄されるので自然に脂肪分が、いわゆる腹部のたるみがなくなっていきました。体脂肪も体重も減少し、体も軽くなりました。この食事スタイルに変えていろんな変化が見られるのですが、それはまた次の機会に書きたいと思います。

肉食ダイエットに興味のある方は、荒木裕著:肉食ダイエット(現代書林2010)を読んでみてください。今回は、肉食ダイエットのイメージができるところをその著書から抜粋して紹介したいと思います。

『肉食ダイエットの簡単なやり方に従えば、少なくとも肥満が病的なレベルまで達していないかぎり、ほとんど苦労することなく数カ月のうちに標準体重に戻すことができます。ことさらに「空腹感」に苦しむこともなく、です。

ダイエットを成功させるには、「空腹のガマン」という大きな代償を支払わなければならない。そう思っている人がほとんどでしょう。しかし、そんなバカなことはまったく必要ありません。炭水化物さえ摂らなければ、力ロリーはいくらとってもかまいません(ただし動物性脂肪は制限します)。

簡単に言えば、脂肪分の少ない動物性食品なら、毎食「もういらない」と言うくらいに食べていいし、間食がクセになって食事前にお腹がすく人には「おやつ」がわりにお豆腐やお肉をお勧めしています。空腹のガマンなど、必要ありません。朝からヒレ肉のステーキを食べ、昼はハンバーガーの中身だけを食べ、夜は魚介類も鶏肉も豚肉も目一杯食べる。それで、数カ月後には適正体重に落ち着く。それが“肉食ダイエット”です。

では、このやり方で、なぜ痩せるのか。その答えは、痩せるために減らすべき「体脂肪」というものが、どのようにして体内でつくられているのかを考えれば簡単にわかります。そのカギを握っているのが、炭水化物(糖質)です。

ご飯やパンや麺類などの穀類、果物、野菜などに多く含まれる糖質には、

①“エネルギー源”としてしか利用できない
②利用されずに余った糖質は体外に捨てることができず、“体脂肪”として蓄積される

という二つの特徴があります。だから、糖質を口にしなければ体脂肪が蓄積されることはなく、逆に持っている体脂肪を燃焼させる体に変化します。体脂肪は減る一方で、すぐに痩せる(適正体重に落ち着く)ということになります。

「いや、肉だって太るでしょう…」

皆さんそう言います。しかし、動物性食品の主成分であるタンパク質は、必要以上は体が吸収しませんし、体内で多すぎる場合には尿として捨てられます。糖質のように、余った分が肝臓で脂肪に変換されて体に蓄えられるようなことはありません。

だから、(脂肪をカットした)肉はいくら食べても太らないのです。むしろ、ご飯や麺類ばかり食べる日本人の多くは、その分だけ動物性食品を食べる量が少なく、慢性的に「タンパク質不足」に陥っています。その炭水化物に依存する食べ方は、血液中の中性脂肪や体脂肪は増やす一方で、筋肉の量をどんどん落としていきます。筋肉は、寝ていても消費する「基礎代謝」の源ですから、どんどん太りやすくなります。

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肥満に悩む動物は人間だけです(最近では飼い犬・猫にも肥満が見られるようになりましたが)。それは野生の動物は、自分の体(生理)に合ったものしか食べないからです。人間が糖質で太ってしまうのは、もともと私たちの体には草食動物のような「糖質を上手に利用する力」が備わっていないからです。

だから糖質を食べすぎると必要ない脂肪が体に付き、肥満ばかりか、いわゆる「メタボリック・シンドローム」という病的な状態にも陥っていきます。

人間は決して草食動物ではなく、肉食動物が進化の過程で植物も食べるようになった存在です。だから動物性タンパク質を食べ過ぎても、人間は決して太りません。と言うよりも、タンパク質というのは、そうそうたくさん食べられるものではないのです。だから、人間はタンパク質を食べ過ぎて肥満になることは絶対にありません。それが、野生動物と同じ人間の自然な姿であり、健康な状態です。

肉食ダイエットは、その状態に戻せば楽に自然に標準体重に減っていくという、きわめて生理的・科学的な事実に基づいたダイエット法なのです。

ハーバード大学で糖代謝の研究を続けてきた私は、糖という物質がいかに人間の体にやっかいなものなのか、よく知っています。一方で、体に必要な成分は動物性食品から摂らなければならないことも、よくわかっています。

体内で余った糖が脂肪になることは、少なくとも専門家なら誰でもわかっているのに、なぜこれほどまでにダイエットが「目茶苦茶な状態」になっているのか。さまざまなインチキが横行するほど、人々が惑っているのか。私には不思議でなりません。しっかりと科学的に、単純な理屈を実践すれば、必ずダイエットは成功するのです。その方法が“肉食ダイエット”です。

多くの日本人がダイエットに失敗するのは「きちんとご飯を食べることが健康法の基本」と認識していることが原因かもしれません。実はそれは間違いで、むしろ糖質は現代人の健康を害している最悪の栄養素なのです。繰り返しますが、肥満などのメタボリック・シンドロームは糖質の摂り過ぎが原因です。

肉は生活習慣病のもと、という常識はまったくのウソ。むしろ肉を十分に食べなければ、ダイエットもできないし、肥満は治らないのです。

「それならできるぞ」と言う人はたくさんいるでしょう。あるいは「ご飯は好きだけど、健康とスマートな体を取り戻せるなら、喜んで肉食に変えます」と言う人もたくさんいると思います。私のクリニックを訪れる肥満の患者さんは皆さん、こうして肉食ダイエットでスマートな体と健康の回復に成功しています。

決して難しい内容ではありません。ぜひ、この単純でわかりやすいダイエットの論理に触れてみていただきたいと思います。』

『炭水化物を食事からカットするということは、ご飯やパンや麺類はもちろん、野菜も食べないということです。つまり「植物は食べない」のです。

そんなバカな食事があるかと思うかもしれません。しかしそう考えるのは「野菜は体に良い。肉は体に悪い」という間違った常識にとらわれているからです。それは科学的な事実ではなく、私たちの頭の中にあるイメージにすぎません。

正解はまったく逆で、「人間は肉を食べなければ肥満するし、健康にも悪い」のです。人間は動物も植物も食べる「雑食動物」ですが、本来は肉食を主とする体として進化してきたことは明らかです。

なぜなら、私たちの消化器官や肝臓・腎臓といった内臓器官は草食動物の特徴を備えているわけではないし、草食動物のように植物だけを食べて必須アミノ酸などの必要な栄養を体内でつくることができないからです。だから、人間は肉を食べなければ健康を維持することができません。これは事実です。

よく、日本人は腸が長いから肉食は向いてない、だから野菜食中心のいわゆる「お袋の味」がいちばんの健康食だ、と言う人がいます。しかし日本人が腸が長いというのは科学的にまったく根拠のないウソです。

炭水化物は摂り過ぎるとインスリンの効果が悪くなり(インスリン抵抗性)、その結果自律神経の働きが乱れ、逆流性食道炎を起こしその結果、胸焼けを起こしたります。しかも、自分の体をつくる材料として利用できません。生理学から見れば、人間の生命システムが「草食」に適していないことは明らかです。』

腰痛|ニュースレターNO.243

腰痛については様々な考え方や対処方法がありますが、腰が痛いとやっかいなのですが、病院に行って診察を受けるほどではないけれど、どうも体調がよくないという人は多いのではないでしょうか。そんな身近な体の悩みや病気について、免疫学の立場から解明した本があります。

安保徹著:こうすれば病気は治る-心とからだの免疫学-(新潮社2009)です。からだの悩みや病気については驚くほど明快で、実は単純な体のしくみが隠されているといいます。今回は、腰痛に関するところをピックアップして紹介したいと思います。免疫学からの解説は非常に興味深いものです。ぜひ原著もお読みになることをお勧めします。

『腰痛を訴える人も非常に多い。そして、腰痛は病院に通っても治ったためしがないといわれるほど厄介な病気である。

では、なぜ病院に行っても治らないのか。答えは明快である。腰痛には、必ずといっていいほど痛み止めが処方されている。だから、治らないのだ。もし肩こりに悩んで病院に行ったとしても、痛み止めまでは処方されないと思う(たまには処方されているが)。しかし、腰の場合は痛みで歩けなくなったりしてしまうから、とにかく痛みを抑える薬が出される。

腰痛が治らない原因はもう一つある。コルセットである。治療の最初からコルセットを使うことはあまりないと思うが、なかなか治らないと、患者は焦るだろうし、どうにかしてほしいと懇願された医師は、何とかしなければいけないと思って、コルセットを使う。痛み止めを処方して、その土にコルセットである。この二点セットをやれば、腰痛はひたすら悪化する。

それはなぜかというと、腰痛が起こる原因と結果の認識が、完全に逆転しているからなのだ。腰痛は、筋力低下による筋肉疲労で起こることが多い。筋肉疲労のときには、老廃物質が出て血管が閉じるので、血流が悪くなっている。その後、体を休めたときに血流障害が回復して、血流が増えて痛みが出てくる。

つまり、腰痛自体は筋肉疲労を治癒するための血流回復反射なのである。しかし現在の治療では、せっかく体が回復しようとしているのに、消炎鎮痛剤で血流を止めようとしているのだ。消炎鎮痛剤は湿布薬にも使われている。

薬で血流を止め、そのうえに、コルセットで身動きできないようにするわけだから、さらに血流は低下する。二つの治療法によってダブルで血流を止めているのだから、筋力はさらに低ドしていく。腰痛はますます悪化するわけである。

また、筋力の低下ではなく、精神的なストレスが原囚で腰痛になる場合もある。ストレスは血流を抑制する。それから解放されたときに、痛みが発生するのである。心身症などの心の病気によって、腰椎に障害が起きる可能性もあるし、白分では気づかないうちに、頑張り過ぎによるストレスが.腰痛を招いているケースもある。

腰痛と、椎間板ヘルニアと、腰椎すべり症は、同じメカニズムで起こる。筋肉疲労で血流が悪くなって腰痛が起こり、血流の途絶えが持続すると、組織が壊れて、椎間板の弾力が失われ、その周りの骨が破壊されて、いろいろな変形痛が起こるのである。

骨の変形と椎問板の突出が起こっているところに、さらに体重がかかって、椎骨がずれるのが腰椎すべり症である。診断名はいろいろと違っていても、原因はすべて血流障害による組織破壊なのである。

これらを治すには、血流を増やすしか方法はない。血流が増えれば、組織はその時点から修復されはじめるから、いずれは痛みもとれてくる。腰痛やヘルニアなどの痛みを、神経の圧迫という概念ばかりで捉えるから、痛みをとるために消炎鎮痛剤を処方したり、あるいは圧迫を取るために牽引したりする。

しかし、この治療法で治った例はほとんどないのである。つまり血流を増やさなければ、筋肉疲労も治らないし、組織障害も治らない。腰痛ほど間違った方法が蔓延している医療はないと思う。では、どうすればよいか。

まず消炎鎮痛剤をやめる。コルセットを外す。そして、動かせる範囲からでよいので、少しずつ体を動かして血流を増やす。運動を続けているうちに、だんだん動かせる範囲も広がってくるから、筋力もついてくる。きちんと続ければ、大体三週間でどんな難治性の腰痛でも治癒できる。五年、十年と治らなかった腰痛が、この方法を実行すれば、長くても一ヶ月で治っているのだ。

引っ越しなどでたんすのような重い物を持って腰を痛めてしまうこともあるだろう。そのような場合は、二、三日の安静で治るかもしれない。いわゆるぎっくり腰も、それまで徐々に筋力が低下していたために、無理な姿勢や重い物を持ったことをきっかけとして起こることが多い。低下した筋力は、安静にしていても回復しないのは当然である。

腰の痛みに耐えかねて病院を訪れると、多くの場合、レントゲン写真を撮られて、「ここに変形があるから、痛みが出ているのですよ」と説明される。写真を見ると確かに変形があるから、患者は衝撃を受けてガックリしてしまう。これほど悪かったのかと落ち込んでしまい、あきらめムードになる。

しかし、そうではないのだ。年を取れば、誰でも大抵変形が出ているものなのである。みんなあちこちの骨が変形したりつぶれたりしながら、知らないうちにそこがまた自然に修復されて、不都合なく日常生活を送っているのである。

だから腰痛も、関節を動かすなどして血流を増やし、組織を修復すれば、ゆがんだなりのいい形で治るのである。お年寄りには、猫背になったり腰が曲がっていたり、いろいろな体形の方がいるけれども、それなりに健康に暮らしている。組織修復はX線照射で見ただけでは分らない。

最近では、整形外科医のなかにも、レントゲン写真と病気は一致しないと考える人が多くなった。整形外科に行くと、十人に九人は痛み止め、その後はコルセットという経過を辿るけれども、やはり、これではいけないという整形外科医も出てきて、「日本関節運動学的アプローチ医学会(AKA)」「日本カイロプラクティック医学会」などの組織が活動を始めている。

こういうグループが出来たのはとてもいいことだが、重要なのは、ちゃんと痛み止めをやめているかどうかである。消炎鎮痛剤の弊害に本当に気づかなければ、意味がない。一番問題なのは、長年にわたって痛み止めを使用することなのである。

腰痛の原因のほとんどは、総体的な筋肉量の低下、筋力低下と、運動不足、あとは体重増加である。筋肉が体重を支え切れないのだ。若い人の場合は、肥満によるものが多い。そして、三十代、四十代で腰痛に悩んでいる人には、若いときにスポーツをしていた人が意外に多い。

スポーツをしていた頃は、筋力を鍛えているし、骨格も大きくなっている。運動していれば、筋力と骨格がふさわしい状態に保てるのだが、スポーツをしなくなってからが闇題である。骨格は大きくなったまま変わらない。運動をやめてエネルギーを使わなくなっているのに、昔の習慣を変えずに食べる量は減らない。

すると、立派な骨格に今度は脂肪がつく。その一方で筋肉は鍛えていないので、どんどん弱っている。そしてついに腰痛になるのだ。六十代、七十代になって起こる腰痛は、老化による筋力低下が原因である。

ところで、ここで特に強調しておきたいことがある。それは、七十歳になっても、八十歳になっても、九十歳になっても、筋肉は使えばつくということである。だから、鍛えなければいけないのだ。年をとったからといって、運動しないと腰痛になってしまうのである。

激しい運動である必要はまったくない。体操などで体を動かすだけで十分である。ときには、ふだんの生活で無理な姿勢をとることもあるだろう。高いところにある物を背伸びして取ったりするような動作である。私は、筋力はふだん使うよりも二割増しに鍛えておくように勧めている。そうすれば、無理な姿勢を取ったとしても、筋肉は耐えられるだろう。

体操は、ラジオ体操のような簡単なものがいい。腰を揺すって負担をかけるのも効果がある。腰を左右に揺すりながら、手でお尻を触るような運動がいいのだ。体を傾けるのもいい。つまりは腰に負拉を掛けるようにすればよいのである。散歩もいいが、姿勢が変わることがないので、大臀筋は鍛えられるが、腰の筋肉はあまり鍛えられない。

腰のまわりには骨盤を支えるいろいろな細かい筋肉がたーさんある。それを鍛えるには、揺すること。体を揺すると、体重の三分の一から二分の一の力が腰の筋肉にかかるので、効率よく鍛えられるのである。

腰と背骨。あとは首。これら全部を左右に動かして揺すってやる。こうして筋力を二割増しにしておけば、腰痛も起こらないし、腰椎すべり症にもならない。

腰痛についてはもうひとつ加えておきたいことがある。腰痛になってしまったときに、とりあえず患部を冷やす人が多いのではないだろうか。冷やした方がいいということは、常識になっているかもしれない。しかし、血流回復のしくみを考えれば、答えは自ずと出ている。温めたほうがいいのである。お風呂にも入っていい。ただし、痛さは増すかもしれないが。

痛みは血流回復によるもので、その組織が治されているのだという認識がないと、慌てて湿布薬を貼ってしまうことになる。消炎鎮痛剤の宣伝は、テレビなどでも盛んに行なわれている。「インドメタシン使用で、筋肉にじかに効く」などと成分を強調されて、いかにも効くというイメ~ジがあるから、一般の入が信じてしまうのも当然であろう。

湿布薬も血流回復を止めようとしているわけだから、使えば治癒への道は遠のいてゆく。しかし、市販の薬を自分で湿布しているうちはまだいい。整形外科に行くと、今度は飲み薬になるから、これは決定的である。塗り薬のうちはまだしも、飲み薬では、全身の血流に影響が出るから、あちこちの具合が悪くなる。

痛み止めを服用していると、全身性の交感紳経緊張の状態になるので、あらゆる病気が上乗せされる。例えば高血圧、糖尿病などだが、加えて交感神経緊張で興奮しているから不眠症になる。心臓にも負担がかかってくるから、心肥大にもなる。

そして、痛み止めを内服して三年もすれば、おそらく十種類の薬が上乗せされるだろう。まず、高血圧を抑えるために降圧剤が処方される。降圧剤は、必ず三つか四つ出される。次に糖尿病になったら、経口糖尿病薬が加わる。眠れないと、今度は睡眠導入剤と抗不安剤などが増える。

そうやってあっという間に薬が増えていく。白内障や緑内障にもなるかもしれない。高齢者の薬漬け医療のきっかけは、腰痛による痛み止めの使用だと言ってももいいくらいなのだ。