2005年 10月 の投稿一覧

横隔膜呼吸と鼻呼吸|ニュースレターNO.130

先般、平成スポーツトレーナー専門学校をたずねていただいた矢野史也氏に何冊か書籍をご紹介いただきました。何れの書籍も持っていなかったのですが、その中で以前から興味のあった『能』に関する物がありましたので、早々に購入しました。安田登『能に学ぶ身体技法』ベースボール・マガジン社 2005です。発行は10月になっていましたので、出たてのものでした。全体に写真が多く、見やすいものです。

私が期待していた『能』における身体操作・身体技法について書かれていたのですが、後一歩突っ込んだテクニックの説明がほしいところです。それは、効率のよい身体技法を身に付けるためには緊張をとる必要があり、そのテクニックとしてロルフィングを使っています。著書自身がロルファーであり、能楽師です。

そのロルフィングのテクニックの説明がなかったので、それだけが残念でした。しかし、全体を通してスポーツにかかわる身体操作の指導に役立つ内容でした。

今回は、その著書の中から『呼吸』に関して書かれたところから紹介したいと思います。『呼吸』については、以前に一度書いたのですが、また異なった理解を得ることができました。

そのPointは、上下横隔膜呼吸と鼻呼吸です。スポーツの現場の中で、十分取り入れられる情報であると思います。この書籍の本の一部ですので、ぜひこの書籍を読まれることを御勧めします。自分の身体操作からまず変えてみましょう。

『英語でも日本語でも「息」は聖なる言葉です。わたしたちの生の源は、まさに息にあるといっても過言ではないでしょう。ただし、英話ではインスパイアーですから。息を吸うことが中心になるのに対して、漢字では「呼吸」といって最初に「呼(息を吐く)」があり、そして次に「吸(息を吸う)」がきます。息を吐くことが最初だという考え方です。

私たちは、オギャーと生まれたときは産声とともに息を吐き出します。そして死ぬときには、息を「引き取る(吸う)」といいます。人間の生は、吐くから始まって吸うで終わるのです。ちなみに英詔では息を引き取ることを「エクスパイアー(expire)=息を吐く=精霊を体外に出す」といいます。

むろん呼気も吸気も、ともに大切です。しかし、スポーツにおける呼吸の練習では、最初に呼気(吐く)練習をした方が効果的です。

相撲からK-1に転じ、なかなか勝ち星に恵まれない曙に、「リング上で息を吐け。止めると苦しくなる。空気を吸えなくなると戦えない。とにかく、「息を吐け」と前田日明はアドバイスをしました。武道というよりも古典芸能に属する相撲の力士は、息が深いと、思われがちですが、現代の力士は曙ほどの人でも息が短いのかもしれません。

呼吸に関連する筋肉は、吐くために働く筋肉がほとんどです。ですからまずは吐く息を極め、そして吸う息はそれにともなって自然にできるのが理想なのです。』

『呼吸に関連する筋肉群は大きく分けると2つあります。1つは肺を包む「胸郭」を収縮させて息を吐くための助けをする筋肉群です。そしてもうひとつは胸郭ではなく、肺の下に接して呼吸の助けをする横隔膜です。能の呼吸や武道では、この横隔膜の呼吸が勧められます。

胸郭を包む筋肉群では、胸郭という媒体を通して肺に働きかけるので、効率が悪く、しかも肩が上がってしまったりするために、運動機能的にもあまり勧められないためです。そこで横隔膜呼吸がいい、ということになるのですが、しかしここで収縮させるのは、肋骨の内側につく「呼吸横隔膜」だけではありません。あまり注目されていませんが、骨盤底の横隔膜も連動して使うことが大切なのです。

骨盤底には骨盤底筋と呼ばれる筋肉群があり、「骨盤隔膜」を構成します。これを英語では「ペルビック(骨盤の)ダイアフラム(横隔膜)」といいます。日本語に訳すときに呼吸横隔膜との誤解を避けるために「隔膜」と訳されていますが、同じダイアフラムなので骨盤底の膜も「骨盤横隔膜」なのです。

そして掛け声などの激しい発声時には、肚と肛門とを瞬時に引き上げますが、これは呼吸横隔膜だけでなく、この骨盤横隔膜も一瞬にして収縮することによって起こるのです。

上下の横隔膜は、それがそのまま大腰筋と関係があるということがわかるでしょう。大腰筋は、まさに上部の「呼吸横隔膜」から下部の「骨盤横隔膜」を通って脚に至る、2つの横隔膜を縦断する深層筋なのです。

上下の横隔膜を連動して使う呼吸、上下横隔膜呼吸はそのまま大腰筋の活性化にもなります。そして、繰り返し述べているようにコア・マッスル群のキーとなるのは大腰筋ですから、上下横隔膜呼吸はそのまま深層のコア・マッスル全体の活性化にもなるのです。

また上下横隔膜呼吸をすると、息を吸うときに骨盤横隔膜が開きます。それによって股関節がゆるみます。股関節は、意識してもなかなかゆるみにくい関節です。股関節をゆるめるためにも上下横隔膜呼吸は役に立つのです。』

『室田 私が鼻呼吸の重要性に気づくきっかけは、24年前の父の死にありました。私の父は、体重が110キロほどあり、眠るときにいびきをかきながら口を大きく開けて、時々呼吸が止まるような眠り方をしてました。極端な「口呼吸」だったんですね。

あるとき、そのいびきをカセットテープに録音して病院に持って行くと「これは大変な呼吸だ」と。口呼吸の怖さは、口呼吸をしている人にとってそれが何も苦にならないということです。父は、眠るとき以外は普通に仕事をしていましたから。

しかし、口呼吸だと、酸素が脳や全身の組織に行き渡らず、結累的に死を早めてしまうのです。父は、私の目の前で突然倒れて他界してしまいましたが、父の死がなければ鼻呼吸の大切さには気づかなかったと思います。鼻呼吸ができていれば、全身に酸素が行き渡り、血流がよくなるんです。

一般的に、口呼吸をしている人の方が多いといわれます。口呼吸の人が鼻呼吸に変えようという場合に、どこを鍛えればいいかというと、口輪筋(くちびるの周囲を囲む筋肉)になります。口輪筋の働きを高めていくと、自然と鼻呼吸になる。そこから私なりにいろいろとトレーニングを試案してみて、ペットボトルエクササイズに行きついたのです。

安田 能でも、鼻呼扱が中心になります。謡ったり掛け声をかけたりしなければならないので、当然ですね。

また、呼吸は一般的に横隔膜といわれている呼吸横隔膜と、骨盤底にある横隔膜とを連動させる呼吸を行います。そうすると深い呼吸となり、大きな声を発爽することも司能になるのです。

宝田先生のペットボトルエクササイズでは、ペットポトルを囲ませる際に、「肛門を締めるように」とおっしゃいますが、実は肛門を締めるという行為が、骨盤底を動かしていることになる。だから、ペットボトルエクササイズは能の呼吸にも通じているといえます。

そして、呼吸横隔膜の後ろの枝の部分はそのまま大腰筋につながっていますし、大腰筋は骨盤底構隔膜を通過していますから、大腰筋を動かすことによって、双方の横隔膜が活性化されていきます。』

糖鎖について|ニュースレターNO.129

もう10月も半ばに近づきました。日々過ごしやすい天候になり、快適な一日を遅れるようになった反面、平成スポーツトレーナー専門学校では第1回目の入試がスタートすることになり、どれだけの人たちが私の下に学びにきてくれるのかという不安もあります。

しかし、入学してくれた人たちのために最高の教育と技術の伝達ができる環境を整えていくことも私の勤めであり、その努力は日々積み重ねております。一人でも多くの夢をもつ方たちに出会うことを願っています。

さて、先日久しぶりをお会いした知人と話をしている中で、「糖鎖」って知っていますか、と訊ねられました。「糖鎖」って「糖」の「鎖」ですか。「そうです」。それで糖のつながりのことかなとは思いましたが、どういうものなのかサッパリわかりませんでした。

糖は8つの物質のつながりでできており、それがすべて繋がっていないことによっていろんな病気や障害を引き起こすということでした。要するに糖のバランス・つながりを正常にすれば病気や障害が回復するということです。そのバランスやつながりを正常に戻すサプレメントが開発されたそうです。

自然食品から作られているので摂りすぎてもまったく問題がないそうです。非常に興味があったので、まず「糖鎖」について調べてみました。

今回は、この「糖鎖」についてホームページから抜粋して紹介したいと思います。興味のある方はホームページを参考にしてください。植物ホルモン、ビタミンB群、ハーブを含むスポーツ選手用のサプレメントもあるようです。

私は、糖質栄養素と抗酸化物質からなるものをトライすることにしました。その成果については数ヵ月後になると思いますが、またお知らせしたいと思います。トレーニングの前に、正常な身体状態にもって行く必要があります。しかし、食事による調整が難しいことから、身体に害のない何かを求めることは仕方のないことでしょうか。

『現在の殆どの病気は、「細胞同士がつながってない、連絡し合っていないことが最大の原因!」と言う事が最近の研究で明らかになって来ました。身体に元々備わっている、自然治癒力や免疫力を発揮するには、全ての細胞が元気で正常に働いていなくてはなりません。つまり自然治癒力や免疫力が充分に働いていれば殆んど病気になることはありません。その為には、細胞同士がすべてつながっている必要があるのです。

「この細胞同士をつなげているのが、糖鎖なのです。」

今、最も考えなくてはいけないのは、どんな病気も自分で、自分自身の力で治さなければ本当の治癒は出来ないということなのです。これが自己治癒力であり免疫力です。そしてこれこそが、最大の予防なのです。それには正しい情報が不可欠です。「何処がどう悪いの?どうしたらいいの?どんな道具が必要なの?どんな栄養がいるの?」などなどです。

これらの情報が得られなかったら決して病気は治りません。この情報を担っているのが「糖鎖」なのです。』

『この糖鎖は、8つの糖質栄養素(単糖類)の複雑な組み合わせで出来ていて、そのうちのグルコース(ブドウ糖)とガラクトース(乳糖)の2つは食品、ブドウ糖は炭水化物などから、乳糖は乳製品などから充分に摂ることが出来ます。しかしあとの6つはもともと殆ど食品から摂ることは出来ません。肝臓で作られるのです。

しかし、現代人の肝臓はストレスや食品を含む環境の悪化で大忙し、又特に日本人の大好きな薬も利用されなければ肝臓で解每しますので、疲れ果てています。それで無くとも老化によってその働きは衰える一方です。それでどうしても不足してしまいます。

今最も重要なのは、8種類の糖質栄養素を充分に補い、身体中の途切れた細胞をすべてつなげてみることなのです。特にこの8つの単糖類を糖鎖栄養素と名づけています。』

『・・・人の体は、約60兆個の細胞で出来ています。そのすべての細胞の表面に、クサリ状のヒゲのようなものが数多く存在しています。それを糖鎖と呼んでいます。糖鎖は先ほど上げましたグルコースを始めとする、8種類の糖質の複雑な組み合わせで出来ています。糖鎖はタンパク質で、細胞内とつながっています。

この糖鎖とタンパク質が結合したものを、糖タンパク質と言います。 糖タンパク質は、細胞表面だけでも約500~10万存在しています。しかも人間は、約60兆個の細胞で出来ていますので、その情報量は無限大、そろそろ解明が終わってしまう遺伝子の比ではありません。

糖鎖はアンテナのような働きをしていて、その先端が触れることで様々な情報を細胞内に取り入れています。たとえば免疫細胞では、細菌やウイルス、每素、癌細胞、その他様々な異物がやって来た時、そのアンテナの先端が触れることで情報を取り入れてそれが何者なのかを判断しているのです。

また最も重要なホルモン情報も、糖鎖のアンテナが取り入れています。それと細胞同士も、アンテナが触れ合うことで、互いに話し合いをして居ます。細胞同士が連絡し合うことで、始めて正常に働ける訳です。又、神経細胞の表面に糖鎖がないと脳のネットワークがうまくつくれません。

もう一つ、人の体が機能するのに欠かせない酵素も、糖たんぱく質で出来ていますし、母乳には6種類の糖質が含まれていて、赤ん坊の免疫力を高めています。精子と卵子にも糖鎖が付いていて、それが鍵と鍵穴の関係にあって、ぴたりと合って始めて受精できます。糖鎖が不十分だと、不妊症になります。

また血液型の違いは、末端に付いている糖質が異なることで決まっています。その他、インターフェロンでおなじみのサイトカイン(情報伝達物質)も糖鎖です。

人間が、健康でいる為には、細胞表面にあるこの糖鎖、そしてそれを形作っている8種類の糖質栄養素は、絶対に欠かせない存在なのです。たとえどんなに素晴らしい健康食品も、クスリも食べ物から得られる栄養も、それが細胞に届き、有効に利用されるかどうかは糖鎖しだいなのです。』

『糖質栄養素と言うと、炭水化物全てを含んでしまい、また甘い糖と思われがちで、正しい理解がされません。糖鎖で重要視している糖は、グルコース・ガラクトースも含みますが、糖鎖を形成している8種類の単糖類です。そこで、エネルギー源になる炭水化物と区別する為、個人的に、糖鎖を形成している8種類の単糖類を特に「糖鎖栄養素」と名付けています。

ではこの8種類の糖質栄養素を、いったいどのようにして補ったらよいのか、もう少し詳しくお話します。グルコース(ブドウ糖)とガラクトース(乳糖)は食品から充分に摂ることが出来ます。残りの6種類も微量ですが、土壌の良い、太陽をさんさんと浴びた新鮮な旬の野菜や果物、また様々な植物から摂ることが出来ます。

例えばこの様な条件で育った新鮮な完熟トマトをその場でもいで食べれば、8種類の糖質がすべて含まれているそうです。しかし、今我々の口に入るものには、殆ど栄養がありません。又、様々な自然の植物にも含まれていますが、これも微量です。

実は、糖質栄養素の大半は、主にグルコースを元にして、肝臓で作られているのです。それにはビタミン、ミネラル、15種類にも及ぶ酵素転換、さらにエネルギーと時間がかかります。それに加え、食品を含む環境の悪化や、様々なストレスにより発生する、活性酸素で、この作業が阻害されてしまいます。

自己治癒力や免疫力を最大限に発揮するのに、とても間に合わない状況なのです。その8種類の単糖類と言うのは、グルコース・ガラクトース・マノース・キシロース・フコース・Nアセチルグルコサミン・Nアセチルガラクトサミン・Nアセチルノイラミン酸です。

今、糖鎖を整えるには、口からこの糖鎖栄養素を充分に補う以外に方法がありません。今までは、炭水化物や糖質は、体内に入ると全てグルコースに変換されてしまい、この糖鎖栄養素は体内合成しか方法が無いと考えられていたのですが、最近の研究で明らかになってきたのは、口から入った糖鎖栄養素はそのままの形で、部品として必要な部分に運ばれて行くということなのです。』

『免疫システムは非常に複雑なのですが、とても重要ですので、なるべく解り易くしてお話します。免疫細胞は白血球の中のリンパ球にあります。一つにはマクロファージとNK細胞で、これは自然免疫系と言って、絶えず血液中にあって外敵と戦っています。マクロファージは食べて排除、NK細胞は殺して排除します。もう一つはキラーT細胞で、これは獲得免疫系と言って、必要に応じて出動します。

免疫機能で一番始めにすることは、血液中に進入してきたものがいったい何者なのかを判断することです。糖鎖がその役目をしています。糖鎖の先端が触れることで、そのものの情報を得ているのです。

大体は自然免疫系つまり、マクロファージとNK細胞で処理出来ますが、手におえないとキラーT細胞に命令を下します。この命令も糖鎖を通して行われます。

キラーT細胞は、その異物から特徴である抗原を獲得してきます。それをもとに異物に対抗できる抗体を持った、キラーT細胞に作り変えられ、増殖して攻撃に向かうのです。この作業は、一度遺伝子をバラバラにして必要な形に組み替えるそうです。人間の身体と言うのは本当に素晴らしいですよね、とにかく遺伝子すらも道具に過ぎないと言うことなのです。

逆に正しい情報さえ得られれば、遺伝子の異常も修復される可能性を秘めていると言うことだと思います。これら一連の情報交換はすべて、糖鎖を通して行われています。

この様な細胞同士の情報交換を、細胞間コミュニケーションと呼んでいます。もし糖鎖が不完全であったらどうでしょうか。異物の認識ができず、攻撃することが出来ません。

体内には毎日約3000個のガン細胞が出来ているそうです。免疫細胞がそれをたたいてくれたり、遺伝子の修復ができればガンにはなりません。ガン細胞であるという情報が得られなかったら、そのままガンになってしまいます。ガンは、遺伝子にキズがつくことで起こります。遺伝子にキズがついたという情報を、糖鎖を通して発信しなければならないのです。

又異物を排除した後は、攻撃中止命令を出しますが、キラーT細胞に命令が伝わらなかったり、その他の理由で免疫細胞が勝手な行動をして、自分自信の正常な細胞を攻撃してしまうのが、リュウマチ・アレルギー・アトピー・喘息・関節炎・糖尿病・甲状腺障害などの、自己免疫疾患で、現在、西洋医学では治療法がありません。

と言うのも、この免疫細胞の異常が何故起るのかが、解っていなかったからです。 このような免疫細胞は、自己と非自己の認識が出来なくなっています。それは、糖鎖の異常で情報交換が充分に行われないことで、免疫細胞が勝手な行動をしてしまっている可能性が非常に高いのです。』