2004年 11月 の投稿一覧

痛みと免疫|ニュースレターNO.107

ここ数回にわたって免疫やイオン棒の話をしてきました。何冊も免疫の本を読んでいくと病気や体調不良の本質が見えるとともに、アスリートの体調管理への示唆も見えてきました。自分なりに整理してみますと、自律神経の交感神経と副交感神経のバランスにあるということです。

そのバランスの崩れによって体調を崩すことになり、病気や体調が回復しないこともそのバランスが戻らないことにあるということです。特に問題なのは、自立神経が過剰に働きすぎるということです。その原因はストレスにあるということです。仕事のしすぎ、悩み、運動のしすぎなどが身体的・精神的ストレスになっているということです。

交感神経と副交感神経がどのように免疫に影響するのかというと、白血球に影響するということです。白血球は、主に顆粒球とリンパ球、そしてマクロファージで構成されており、それぞれ60%、35%、5%の構成比になっており、これが一番バランスのよい構成比であるようです。

それで、交感神経が優位に働く、すなわちストレスが多いと顆粒球が増え、リンパ球が減尐します。逆に副交感神経が優位に働く、すなわちストレスがないとリンパ球が増えて、顆粒球が減尐します。残りのマクロファージはどちらにもあまり影響しないようです。

一番起こりやすい問題は、交感神経が優位になって顆粒球が増えることです。なぜ顆粒球が増えるといけないのか? 顆粒球は白血球であり、異物を退治する役目を負っています。リンパ球もマクロファージも同様で、すべて異物を退治し、生体を防御しているのです。

顆粒球の寿命は1~2日で、骨髄でつくられ血液の中に入って流れ、最後に粘膜で一生を終えるそうです。顆粒球は異物を直接飲み込んでやっつけるのですが、そのあと死んでしまいます。顆粒球の死骸が膿だそうです。同時に活性酸素を放出するそうです。

その放出された活性酸素の影響もあって生体の粘膜や組織を破壊するそうです。顆粒球が増えるということは、同時に活性酸素を増やすということになるのです。

このような状態にあるときどうすればよいのでしょうか。それは副交感神経を働かせることです。すなわち、休むことであったり、リラクゼーションすることです。ここに休養の重要性があるわけです。副交感神経を働かせる手段を知ることによって、ストレスから、疲労から回復させることができるということです。リンパドレナージュが効果的であるというのは、ここにあったのです。

リンパの流れを刺激することによってリンパが活性化するのです。それによってリラックスでき、副交感神経を刺激し、疲労回復も促進されるということです。このように考えていくと、ハードな練習でも楽しくできれば、精神的ストレスもストレスとならず交感神経も過度に刺激されることはないということです。

イチローが何時間もバットを振りつづけても疲労困憊に落ち込まないのもそういうところにあるのでしょう。指導者として、いかに練習を楽しいものにするか、動機づけの重要性を再認識させられます。

最後に、安保徹「体温免疫力」ナツメ社2004の中から、痛みと免疫力の関係について書かれたところがあります。非常に参考になると思いますので紹介したいと思います。

『若い人でも年を取った人でも、多くの人が腰痛、ひざ関節痛、肩こりに悩んでいます。病院に行くとX線写真やMRIなどの検査を行い、いろいろな診断をつけますが、治療をはじめると治らないし、むしろ悪化することが尐なくありません。これには理由があります。

上記のような炎症は、顆粒球を主体とした炎症です。細菌感染がなく無菌的(aseptic)な顆粒球の炎症は、化膿性の炎症というよりも組織破壊の炎症となります。また、炎症が弱い場合でも、痛みは血流が回復するときに起こる生体反応です。

そして、この治療に痛み止め(NSAIDs)やステロイドホルモンを使った場合、これらの薬剤は顆粒球を活性化するために、むしろ腰やひざの関節炎症は増強します。痛み止めやステロイドホルモンは、リンパ球の炎症に対しては一時期の抗炎症剤として働きますが、顆粒球の炎症に対しては増悪剤として働くからです。

顆粒球の炎症を押さえるには、血流を増やす必要があります。この意味でも、痛み止めやステロイドホルモンは、血流を低下させる働きがあるので逆効果です。これは、痛み止めの入った湿布薬を腰やひざに貼ると、足が冷たくなってくることでもわかります。また、ステロイドを使用すると冷えの症状が出ることでもわかります。

間違った治療をやめ、あとで述べる正しい治療を行うと、骨や椎問板に変形などの異常があった場合でも、3~4週間で完治します。また、慢性化したリウマチ患者でも、同じ期間で炎症が治まってしまいます。』

『関節、骨、筋肉は、中胚葉系の組織として原始マクロファージから進化しています。もう尐し具体的にいうと、マクロファージの運動性を進化させたものが筋肉で、老廃物を一時ため置いたものが骨なのです。骨と骨をつなぐ関節もマクロファージ由来です。マクロファージは血球細胞群と血管内皮細胞も生み出しているので、これらが一体となって運動器官が進化したわけです。

このため、これら運動器官の神経支配や血流系の支配はオーバーラップしていて、筋肉が疲労して血流が障害されたときは、筋肉のみならずその領域の骨と関節も血流障害に陥り障害を受けます。血流障害はその領域を交感神経緊張状態にし、必ず顆粒球増多をも招きます。これが、ついには関節や骨に異常が起こってくるメカニズムです。

さらに大切なこととして「これらの運動器官の組織障害を治癒させようとする生体反応が痛みをつくる」ということを知る必要があります。このような痛みは、プロスタグランジンやアセチルコリンによって生じます。したがって、この痛み自体を治療の対象とすることは完全に間違っています。

その前の筋疲労が起こった理由や関節や骨が障害された原因を治療対象としなければならないのです。このような考えの欠如が、これまで腰痛を簡単に治せなかった理由なのです。』

『骨の中になぜ骨髄があり、造血が行われているのでしょうか。この疑問に正しい答えを与えることができるようになりました。どのようにして、1)筋肉、骨、軟骨、関節を含む運動器系と、2)血球系が進化したかを知ることで、この答えを得ることができます。

下等な多細胞生物は中胚葉生物といわれますが、外皮と腸のみからなっているわけではありません。この両者がつくる内腔には、原始マクロファージが多数存在します。外皮と腸はそれぞれ機能分化をとげているので、単細胞生物時代のままの機能を保持しているのが、この原始マクロファージということができます。

原始マクロファージはその運動に使用する原始筋繊維を発達させ、筋肉を生み出したものと思われます。しかし同時に、ここに生体防御をつかさどる白血球(進化マクロファージ)をも生み出したのです。その後、多細胞生物の進化とともに、原始マクロファージは運動器系に関節と骨を加え、血球系に白血球のほか赤血球や血小板を加えていったのでしょう。

このように、運動器系と血球系は同じ母体から進化し、今日の高等生物でもきわめて近縁の細胞として存在しています。したがって、いまでも骨をつくる骨芽細胞(osteocyte)や骨を溶かす破骨細胞(osteoclast)がマクロファージ由来となっている理由でもあります。また、骨の中腔にある骨髄が、同時にすべての血球系の細胞を生み出している理由でもあるのです。

たとえば、リウマチなどで骨の病気がある人は、必ず白血球系の変化、つまり免疫系の低下も生じています。広くいえば、通常の腰痛でも同じことです。実際、腰痛でも程度は軽いものの免疫系の低下が見られます(末梢血のリンパ球の割合が30%を切る)。

これは、これらの疾患が筋疲労ではじまるので、交感神経支配下にある骨を破壊する顆粒球が増加し、そして骨などに異常が生じてくるからです。関節の病気も軟骨の病気も、必ず白血球の分布に偏りが生じています。』

『では次に、腰痛や椎間板障害を引き起こす実際の原因を考えてみましょう。まず、相対的筋力の低下による筋疲労があります。さらに、この筋疲労の原因を多い順にあげてみます。

1) 運動不足によって筋力が低下し、日常生活の動きにも耐えられない状態。肥満の場合もあるし、やせて筋力低下してゆく場合もあります。老化とともに運動不足になっている人も入ります。

2) 激しい運動や同じ姿勢を続けることによって起こる筋疲労。これには運動選手も入るし、仕事がら同じ姿勢を続けている人も入ります。

3) NSAIDsやステロイドホルモンを服用または外用している場合。これは、これらの薬剤を長期間使用した場合、生体を交感神経優位の体調に固定するので、血流が低下して筋肉が衰え、筋疲労が引き起こされるのです。

これら3つの原因で筋疲労が起こると、交感神経緊張状態になり、これにより血流障害と顆粒球増多が生じて運動器官の障害へと進みます。このとき、必ず他の交感神経緊張症状も伴います。たとえば、易疲労、高血圧、糖尿病、便秘、不眠、不安、口が渇く、などです。

そして、治癒反応として血流が回復したときに、関節に痛みが出るのです。この痛みに対して痛み止めを投与すると、病気に対してはむしろ逆効果となります。もし痛み止めの投与をしているならこれをやめ、痛みを起こした原因を取り除くような治療を実行します。つまり、「緩やかな運動をして血流を送り込み、その後は徐々に運動量を増やして筋力をつけてゆく」のです。

従来の治療は、むしろ関節痛を悪化させてゆくものです。新しい治療では、コルセットの着用で血流を止めたり消炎鎮痛剤で血流障害や顆粒球増多を誘導することのないように、まずこれらの使用を停止します。そして、すぐ運動を開始します。軽いものから徐々にはじめて、運動を増やしてゆくのです。

鍼灸、関節運動学的アプローチ(arthrokinematic approach:AKA)、水中運動、漢方薬などを利用して、運動器官の血流改善を行うのもよいでしょう。しかし、痛み止めの使用をやめることのほうが先です。痛み止めを使用していては、どのようなよい試みも無意味となってしまいます。

ここに示した新しい治療を開始すると、約3週間で腰痛や椎間板ヘルニア、そして脊椎骨分離症などが改善します。脊椎すべり症も同様です。いかに骨や関節などが破壊されたり変形していても、血流さえ回復すれば、生体はその時点からちょうどよい形で治癒させてくれるのです。

骨の変形などがX線写真で見つかっても、腰痛の程度と一致しないのはこのためです。変形したまま治癒している場合が多いからです。このような病気の場合、いくら診断が進歩しても治療とはあまり結びつかないことを知っておいてください。』

体温免疫力について|ニュースレターNO.106

先週末、UHPCのT&Fクリニックが札幌であり、前回のニュースレターで紹介しましたイオン棒の本格的な治療を体験してきました。おかげで、この12年間最大の悩みであった不整脈も見事に取り除かれました。

それが大学を辞める一つの要因でもあったわけですが、治療を受ける前から解消されると思っていました。そして、最初にイオン棒のベッドに寝ている最中に自然な呼吸ができるようになったことを自覚しました。その後、背部、胸、心臓などから体内の静電気を放出していただき、心臓が中にへこんだ感じがしました。

夜中に感じていた不整脈もその夜から感じなくなりました。まだ一部の治療が残っているとのことでしたが、時間もなかったので、またの機会ということになりました。植物人間、ガン、透析、ペースメーカを付けた人、糖尿病疾患の方も回復しているという話は聞いておりましたが、実際に体験してみてその事実に疑いのないことも実感しました。

素晴らしいの一言です。しかし、このようなすばらしい治療が現に行われ実績があるにもかかわらず、その事実が理解できない、また理解したくないDrが多いわが国の医療界が情けない限りです。アメリカにこの技術をもっていけば、すぐに特許を取られてしまうので、何とか日本の医学界で認識されるよう努力をされているとお聞きしました。早くその時期がくることを期待しております。

リンパに滞留している静電気を体外に放出し、リンパを活性化させることによって自然治癒力が促進されます。治療法も全くの無害であり、不思議と言う他ありません。しかし医学的、実践的に難病が治癒したという症例が多いことからこの1~2年で医学界にも大きく取り上げられることになりそうです。

今は医学的裏付けを取りながら、治癒の症例を増やされているとのことでした。この前に紹介した免疫療法と全く同じ考え方のようです。「リンパの活性化」が大事であるということです。しかし、必要以上にリンパの数が増えてリンパが活性化しすぎてもアレルギー反応が現れるようで、白血球の顆粒球とリンパ球のバランスが大事であるといことのようです。

今はすっかり免疫にハマりきったようです。立て続けに3冊の本を読みました。これから4冊目に入ります。いずれも安保徹氏のものですが、今回は、2冊目に読んだ本(安保徹:体温免疫力 ナツメ社2004)から役立ちそうなところをピックアップして紹介したいと思います。

『深部温度をつねに37.2度Cに保つために、私たちはつねに体温調整をしています。きかねつ暑い日には汗をかいて気化熱を放出し、体温が必要以上に上がらないようにします。寒い日には肌や血管が収縮して、できるだけ熱が外に出るのを防いでいます。この体温コントロールをになっているのが、自律神経です。

自律神経とは、無意識のうちに体内のすべての調整を行っている神経で、交感神経と副交感神経があります。私たちが働いたり、運動したり、あるいは悩んだり、怒ったりすると、心臓の動きや呼吸が速くなったり、顔が紅潮したりします。

血圧を上げ、血流を増やして、活動のための酸素を全身に大量に送ろうとするのが、交感神経の役目です。副交感神経は、それとは逆に、心臓をゆっくりと動かし、体全体をリラックスさせる働きをしています。

交感神経と副交感神経は、それぞれ独立して働いているわけではありません。交感神経で体が興奮したら、副交感神経が働いて、興奮を鎮めてリラックスするといったように、お互いがシーソーのように交互にバランスよく働くことで、体内環境の安定が保たれています。おおざっぱには、私たちが活動している昼間はおもに交感神経が働き、夜寝ているときは副交感神経がおもに働いていると考えてよいでしよう。

自律神経は、心臓の動きや血管の拡張・弛緩などを調整して血圧や血流を支配しています。しかしもっと簡単にいうと、それぞれの細胞が働くか働かないかを決めているのが、自律神経なのです。自律神経は体中のほぼ全部の細胞を支配しており、そのときの行動にふさわしい細胞が働き、そうでない細胞が休むということを決めています。

たとえば、興奮したときは、心臓や血管の、この細胞に働いてもらって体を活動状態にするよう、交感神経が指令を出します。ものを食べるときは、大切な消化吸収に関係する細胞は働いて、そのほかは休むよう、副交感神経が指令します。

さて、体温を維持するためのエネルギーは、全身をめぐっている血液がもたらしています。食事をすると、それが消化・分解されて肝臓に運ばれ、エネルギーに変換されます。また、運動をすると筋肉でも熱がつくられます。これらの熱エネルギーは、血液によって全身の細胞に分配されるのです。
したがって、なんらかの原因で血流がとだえてしまうと、血液が十分に供給されず、体温が下がってしまいます。

血流がとだえてしまう原因のひとつが、交感神経の緊張です。たとえば仕事が忙しく睡眠不足で一所懸命に仕事をしていると、交感神経の緊張状態がつづいてしまいます。ふつうなら、交感神経が働いても、その後は副交感神経が作用して、体は均衡状態にもどります。しかし無理ばかりしていると、副交感神経が働く余裕がなくなり、体が緊張しっぱなしになってしまいます。

交感神経は、血管が収縮するよう作用するので、このような人の血管は細くなっています。細い血管に流れる血液量は少なくなりますから、全身の血液循環量が減って、体温も下がってしまうのです。

では、いつも副交感神経が優位に働いていればいいかというと、そうともいえません。副交感神経は血管を拡張させるので、血管に大量に血液が入りこむことになります。その大量の血液を動かすには手間がかかるので、この場合もかえって血液の流れが悪くなります。

自律神経の面からみると、交感神経と副交感神経、どちらの神経が極度に優位になっても、体のバランスが破綻して、低体温になり、さまざまな病気を招きます。複雑なような気もするでしょうが、反対に考えると、かえって簡単な面もあります。自分が交感神経と副交感神経、どちらに偏っているかがわかれば、その偏りを正すことで、病気を治すことができるのです。』

『血流量などの体内調整は、自律神経だけで行われているわけではありません。自律神経系と内分泌系(ホルモンの分泌)、それに免疫系という3つの調整システムがお互いに作用しあい、三位一体となって行われています。

ですから体温は、自律神経だけでなく、免疫系とも密接にかかわっています。免役系の細胞である白血球のうち、だいたい60%を占めているのが、顆粒球です。リンパ球が35%で、残り5%がマクロファージなどになります。

共同研究者の福田稔先生が、一万人を対象に調べたところによると、リンパ球の比率は35~41%だったそうです。統計学的にみると86%の人が、この範囲内に入っていることになります。ちなみに現代医療では、リンパ球の割合の正常値を18~50%としています。これではほぼ全員がこの範囲に入ってしまうので、まず意味はないと私は考えています。

リンパ球の割合は、自律神経の動きなどで、多少変わってきます。たとえば、私の通常のリンパ球割合は35%くらいですが、私の教室が火元で火事が発生したことがあります。そのときはリンパ球が25%にまで下がりました。責任者として、ショックを受けたためでしょう。このときは、すごい肩こりやこむら返りなどに悩まされたものです。

私の例でもわかるように、交感神経が優位になっていると、リンパ球の割合は少なくなってしまいます。そして、交感神経優位の状況がつづき、さらに低体温になると、リンパ球の割合は30%以下に減ってしまいます。

交感神経が刺激されるとリンパ球が減るのは、リンパ球は副交感神経の支配を受け、顆粒球は交感神経の支配を受けているからです。

これは健康な体にとって、ひじょうに都合よくつくられたシステムです。交感神経が緊張しているとき、つまり私たちが活発に動き回っているようなときは、細菌などの微生物が体に入りやすいので顆粒球を増やして、その侵入に備えています。食べ物を食べているような副交感神経が優位のときには、消化の過程で現れる体に不都合な物質を処理するために、リンパ球を増加させているというわけです。

さて、低体温状態から脱してだんだん体温が上昇すると、今度は副交感神経が優位になっていくため、リンパ球の割合が高くなっていきます。

ところがリンパ球があまりに増えすぎると、今度は逆に体温は低下してしまいます。そしてリンパ球の割合が50%以上になると、ふたたび低体温領域に入ってしまいます。ここは、副交感神経が優位になりすぎている世界なのです。

つまり白血球は、リンパ球が少ない状態にぶれても、リンパ球が多い状態にぶれても、体温は低くなります。体温が低い状態というのは、酵素の働きが悪くなっているわけですから、当然ながらさまざまな病気にかかりやすくなります。』

『・・・リンパ球が多すぎる場合と、顆粒球が多すぎる場合では、かかりやすい病気のタイプがそれぞれ違います。

37度Cを境に交感神経優位のほうへ体温が低下するにつれて、「ようし、やるぞ」という気持ちになっています。これが36度Cより低くなると、「やらねば」という交感神経優位の状態となります。交感神経優位で、顆粒球が多すぎる状態のときは、胃かいようのように、組織が破壊されるような病気が多くなります。

顆粒球が死んで細胞質が壊れると、細胞中の活性酸素が放出されます。活性酸素は、周囲のものを強力に酸化させてしまう作用をもつので、顆粒球が多くて活性酸素も大量に放出されると、まわりの組織がどんどん酸化されて、壊れていきます。それが胃であれば、胃の粘膜が活性酸素で攻撃され、粘膜細胞がやられてしまいます。その結果、胃炎が起きたり、ひどい場合は粘膜に穴が開いて、胃かいようになるわけです。

胃炎や胃かいようはこれまで、胃酸過多やヘリコバクター・ピロリ菌で起こるといわれてきました。これらの影響もたしかにありますが、病気発症の主役をになっているのは、むしろ顆粒球が放出する活性酸素ということができます。一方、副交感神経優位でリンパ球が多すぎる場合、今度はアトピー性皮膚炎やぜんそく、花粉症といった、アレルギー性の疾患が起きやすくなります。

アレルギー性の病気は、ダニやホコリ、花粉などに対して、抗原抗体反応を起こす病気です。皮膚や粘膜に付着したり体内に入ってきたものを抗原として、それに対して抗体をつくって、二度目に入ってきたときに、それを攻撃して排除しようとします。

この抗原抗体反応をになっているのがリンパ球です。リンパ球がたくさんあれば、細菌やウイルスなどの敵を排除する力が強いのですが、あまりに多すぎると、ふつうは敵とみなさないものにまで、過剰に反応してしまいます。その抗原抗体反応によって、皮膚炎を起こしたり、くしゃみや鼻水がでたり、ぜんそくの発作を起こすのが、アレルギー性の病粛なのです。』

安保氏の免疫に関する本を読んでいくと本当によくわかります。ほとんど同じことが書いてあるわけですが、免疫、特に自律神経の交感神経と副交感神経の関係、白血球の顆粒球とリンパ球の関係がよく理解できました。

その中から、選手のコンディションの管理をどのようにすればよいかという示唆もいただけました。すなわち日頃というか、日々どのようなデータを取れば選手の体調・体調管理ができるのかということの示唆です。

心拍数もそうですが、気圧、体温(深部体温)、血液検査による白血球の数(顆粒球とリンパ球の数)といったものが主になると思いますが、項目によっては朝、昼、夜など1日3~4回、定時に記録していくことも必要であると言うこと。

それらのデータを1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、1年の流れでどのようなリズムになっているのか、そのリズムや流れが途切れたところで故障するといったデータになるのではないかと思われます。また、女子選手の悩みである冷え症の問題についても、なぜ冷えの問題が起こるのか、そしてどのように対応していけばよいか示唆をいただいたように思います。

前回紹介した本は、免疫革命でした。その他に参考になるものとして次の書籍を挙げておきたいと思います。

1. 未来免疫学(インターメディカル)
2. 免疫を高めて病気を治す「爪もみ」療法(マキノ出版)